8月11日(月)

 午前9時。ひとりで、由比ガ浜の浜辺に出る。
 天気はいいけど、風が強い。
 浜辺にはほとんど人がいない。

 持っていった文庫本のカバーが、風に飛ぶ。  こりゃ、日光浴という雰囲気じゃないな。  午後9時30分。さっさと、家に戻る。  午前11時。家族3人で、外出。  午前11時30分。江ノ電、横須賀線、根岸線と乗り継いで、JR関内駅へ。

 関内駅というとまた、セルテビル2Fの「ザ・ベイスターズ」ショップだと思うでし ょ? きょうは反対側の伊勢崎町の「横濱カレーミュージアム」へ行く。  何でも、焼きカレーなるものが出店されているというで、これは取材しなければと、 やってきた。  私のほうで入っている情報では、九州門司港の家庭料理だったはずなのだが、博多名 物なんだそうだ。

 わき目も振らず、焼きカレーのお店「伽哩(カリー)本舗」へ。 「伽哩(カリー)本舗」の「哩」は、正しくは、「口+厂+里」の1文字で表記する。 VAIOの漢字辞書にもない。  そんなことより、ほかのお店には行列がないのに、ここだけ20人以上並んでいる。 「いまからだと、20分ぐらいお待ちいただくことになります!」と言われるが、『桃 太郎電鉄』の物件候補なだけに、待つしかない。  30分ほど待って、ようやく店内へ。 「横濱カレーミュージアム」だから、どの店内も狭い。  あらかじめ注文を取っているので、料理が出るのは早い。 「新横浜ラーメン博物館」のように、量が3分の2くらいの「おためし」というのも出 来たようだ。ただし、この「おためし」には、お肉が入っていないらしい。  私が、お肉の入った「昔のやきカレー(ビーフ)」を注文。嫁と娘は、「おためし」 を注文して、私のお肉を分ける。  まだ2〜3軒、取材したいお店があるので、満腹になるほど食べてはいけない。仕事 なのだから。  来た、来た。  ふほっ。ふほっ。あぢぢ…。 「やきカレー」というから、ご飯をカレー粉で焼いたものだと思ったけど、これはグラ タン風だ。  ご飯にカレーをかけて、チーズと生卵をのせてオーブンで焼いた、いわゆるカレード リアだ。やっぱり、門司港の家庭料理として広まっている食べ方だ。

 発祥地の問題はともかく、おいしい!  抜群においしい!  生卵をくずして食べるので、味がマイルド。チーズの風味がよくて、味はさらにまろ やかになる。  小さな子どもを連れているお客さんがいたんだけど、これなら子どもでも辛いと感じ なくて食べられる。  たまにカレー屋さんで、「辛い」と断らずに、辛いカレーしかおいていないお店があ る。 「どれが、いちばん辛くないですか?」と聞くと、「これがいちばん辛くないです!」 といっておきながら、思い切り辛いことが多い。  ああいう、カレー屋に来たら、辛いのが当たり前だろ!という態度のカレー屋は嫌い だ。  さっきから、大阪自由軒のカレーが食べたいと言っていた娘が、「もう満足! この おいしいカレー食べたから、自由軒のは食べなくてもいい!」と高い評価だ。 「このお店の本店は、どこですか?」 「博多です!」 「門司港じゃないんですか?」 「いえ、博多です!」  どうもこの謎だけ残っている。 『桃鉄研究所』でおなじみの錯乱坊主くんの通報でも、やっぱり焼きカレーの発祥地は、 門司港だ。  となると、当然「焼きカレー」は、小倉の物件ということになる。  おそらく門司港の家庭料理として広まったものを、人口の多い博多でお店を出してみ たというのが、この「伽哩(カリー)本舗」なのだろう。  あくまでも、推測でしかないが。  いずれにしても、9月には、門司港に行く予定なので、本家の「焼きカレー」のお店 に行って、確かめてみようと思っている。  あっ。そうだ。  そういえば、錯乱坊主くんがこのお店のことを書いて送ってきてくれていた。  この「伽哩(カリー)本舗」のオーナーが、門司港出身だったんだ。  カンタンに謎が解けてしまった。  でも、このお店の味は抜群だったので、博多しか寄れない場合には、このお店にも行 くような気がする。 <メモ> 「伽哩(カリー)本舗」 住所:福岡市博多区上川端町6の135 電話:092(262)0010 営業時間:11:00〜21:30 定休日:第1・3木曜日  ちなみに、カレーミュージアムのほうもメモしておく。 「自由軒」、「伽哩(カリー)本舗」、「五右衛門のカレーうどん」。  この3つは、絶対食べてほしい。 <メモ> 「横濱カレーミュージアム」 住所:神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1?2?3 電話:045(250)0833 営業時間:11:00〜21:30(ラストオーダー21:00) 定休日:年中無休  さて、もうひとつは、熊本の名物料理だという「ライス焼き」。  熊本市内で知らない者はモグリとまでいわれる超有名店「肥後たこ坊」というふれ込 みなんだけど、インターネットで「肥後たこ坊 熊本」で引いても、「横濱ミュージア ム」以外、出てこないよ。  熊本のお店のほうが出てこないのは、おかしいんじゃないの。

 実は、ちょっと見には、ふつうのお好み焼きで、そのなかにご飯とカレーが入ってい るというユニークなものだったんだけど、はっきりいって、そんなにおいしくない。お いしくなかっただけに、熊本まで行って、本店の味を確かめようと思ったのだ。  デパートの九州物産展とかいって、鹿児島ラーメンの有名店が来ていて、本店の味と は似ても似つかないようなまずい味を食べさせられることが多いから、このお店もそう なのかと思っているのだ。  でも、インターネットで「熊本市内で知らない者はモグリとまでいわれる」お店が検 索できないのって、変だよね。  私は、「学食にあったら、けっこう食べちゃう味」と評価したのだが、嫁も娘も、 ばっさり「おいしくない!」。  嫁が、讃岐の「五右衛門」のカレーうどんが食べたいと言い出す。  「五右衛門」のカレーうどんはおいしいからね。  でも、やっぱり本店の味と違って、麺に根性がなかったりしたらイヤだ。  さっき、「肥後たこ坊」でライス焼きを売っていた屋台で、この「五右衛門」とのコ ラボレートで作りましたという、「焼きカレーうどん」が失敗作だっただけに、ちょっ と不安だ。  でも、讃岐の「五右衛門」のカレーうどんは、そんな不安を吹き飛ばすような本場の 味そのまんま! うまいっ! 麺の弾力、抜群! 「五右衛門」のカレーコロッケもおいしかった。

 となると、「肥後たこ坊」が謎だ。  熊本に住む人がいたら、ぜひ情報を教えてほしい。  行って、本店で本当の味を確かめたい。  調子に乗って、カレーアイスもなかを食べる。  カレーアイスもなかだよ。  予想通りの味だ。  まずいっ。

 さすがにもう、お腹いっぱい。  重いお腹を、そっくり返りながら、「横濱ミュージアム」をあとにする。

「コーヒー飲みたくないか?」 「飲みたいわね!」 「関内駅前のセルテビル1Fに、おいしいコーヒー屋さんがあるんだ!」 「その2Fに、ベイスターズ・ショップがあるんでしょ?」 「その通り!」  はっはっはっは。  私が関内駅まで行って、「ザ・ベイスターズ」に寄らないわけがないのだ。  ましてや、昨日のように胸のすくような勝ちっぷりを見たら、影のオーナーとしては、 ご褒美をあげないわけにはいかないじゃないか!  午後1時30分。関内駅前セルテビル2Fの「ザ・ベイスターズ」へ。

 ほとんどのグッズは、買ってしまっているので、日用品であるTシャツと、バスタオ ルだけ買う。  すると、売り場の人が、横浜球場の内野席のチケットをあげるから、対戦相手を選ん でほしいというではないか!  えっ。何か、抽選にでも当たったの?  たまたま買ったTシャツ1枚につき、1枚チケットをくれるの?  そんな豪華なプレゼントってあり?  何かそんなこと書いてあったような気がしたけど、Tシャツを買った人のなかから抽 選だと思った。  そんなわけで、世間ではいまやプラチナチケットと呼ばれる「横浜VS阪神」戦のチ ケットを手に入れてしまったのであったあ!  しかも5枚も!  内野指定席だよ!  自由席じゃなくて!  まあ、早い話、Tシャツ5枚買ってたんだね。はっはっは。 「横浜VS阪神」のチケットは、岩崎誠に1枚1万円で売るかな。はっはっは。Tシャ ツ代がチケット1枚でほぼ無料になってしまう。せこい。 「ザ・ベイスターズ」で、Tシャツを買えばすむんだけど、やっぱり「横浜VS阪神」 戦だけ、残りが少なかった。  午後1時45分。セルテ1Fの「文明堂ル・カフェ」で、コーヒー。  このお店の甘党御用達絶品メニュー「カステラアイスクリン」を食べることも忘れな い。一応、娘と半分こ。  ここのカステラの卵の味は、絶品だよ。 「黄色〜〜〜っ!」って叫びたくなるほど、美しい黄色で、甘い、甘い、ザラメがつい てくるのだ。  まあ、砂糖と卵の塊を食べているようなもんだね。

 午後2時。横浜西口の「ヨドバシカメラ」へ。  娘がゲームがほしいという。 「何がほしいのだ?」と聞くと、『イースI・II』というではないか。  これはまた、なつかしい。  そうか。娘は、17歳。PCエンジンで『イースI・II』が出ていたことを知らない 世代なんだ。15〜6年前だもんなあ。  午後3時30分。鎌倉長谷の家に戻る。  歩きつかれて、へとへと。  テレビで、高校野球を聴きながら、仮眠。  実は、高校野球を見ながら、寝ちゃうのが好きなのだ。  キーーン! ワーーーッ!という声が遠くに聞こえながら、眠い、眠いと、寝入って しまう瞬間が好き。  高校の説明ビデオが流れたときに、行ったことのない町が出ると、無性に行きたくな るのは、職業病だろうなあ。  午後6時。嫁と娘が、長谷駅北口の「宮代(みやだい)」で、コロッケを買ってきた というので、熱いうちに食べる。 「宮代(みやだい)」のコロッケは、それこそ、鎌倉市内で知らない者はモグリとまで いわれる超有名店だ。

 ずんだコロッケ、かぼちゃコロッケ、肉じゃがコロッケ、コーンコロッケなどなど…。 メニューからして変わっているでしょ?  ソースをつけなくても、おいしいんだけど、やっぱり私は、おたふくソースをかける。  さらに、トウモロコシも買ってきてくれたので、ご飯代わり。  きょうは「横濱カレーミュージアム」で食べ過ぎたから、この程度の晩御飯のほうが 助かる。  今夜も、テスト・プレイはお休み。  また明日か、明後日、新しいロムが来るので、テスト・プレイを再開する。少しくら い休まないと、感覚が麻痺して、真っ当なチューニングが出来なくなる。味のソムリエ が、水で口を注ぐようなものだ。  今夜は、iモードゲームの毎月エッセイの最終回を完成させなきゃ。  テーマは、「全国小京都おすすめベストテン」だ!

 

-(c)2003/SAKUMA-