8月9日(土)

 台風10号は、北陸地方を抜けるらしい。
 関東地方は、お昼から豪雨の予報。

 午前7時。まだ鎌倉は晴れている。
『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の手直し作業に追われる。
 ようやく、先が見えてきた。
 このところ手直しの箇所が膨大に増えたり、消えた仕様書を書き直したりと、頭から
ぶすぶすと、煙が出そうだった。

 午前10時。鎌倉市七里ガ浜の約400メートル沖合で、湘南海上保安署の警備救助
艇(全長約7メートル)が転覆、保安官ら4人が海に投げ出されたそうだ。
 すぐ近所の事件じゃないか。

 午前10時30分。ぎりぎりまで、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』
の手直し作業に追われ、あわててでかける。
 さすがに傘を持って行く。

 午前11時。江ノ電で鎌倉駅へ。
 鎌倉は、晴れている。
 改札口に誰も来ていないので、「ヲガタ珈琲店」へ。
 きょうも、鎌倉でテスト・プレイだ。

 しばらくして、うちの嫁と娘が到着。
 雨が降り始めた。

 土居ちゃん(土居孝幸)が到着。
 きょうは、土居ちゃんがテスト・プレイに参加する。
 土居ちゃんは、ふつうの人のやり方とは、まったく異なるやり方をするので、テスト
・ロム前半では、いつも参加させてもらえない。
 しかも土居ちゃんはサイコロの出目や、カード運もいいので、土居ちゃんを基準にす
ると、ふつうのお客さんに、いいカードが行かなくなってしまうのだ。

 井沢どんすけに電話すると、「いま大船です!」の返事。
「遅いぞ! 武蔵(むさくるしい)!」

 午前11時30分。家族3人、土居ちゃん、井沢どんすけの5人で、もはやすっかり
鎌倉テスト・プレイの出発地点となった「仲の坂」へ。
 ミスターぎっくり腰・井沢どんすけは、だいぶ回復したものの、まだ急に立ち上がれ
ないし、歩き方が、おじいちゃんのように「くの字」だ。
「井沢どんすけ! くの一じゃなくて、くの字だな!」
「えへえへえへっ!」

 さんまの刺身定食、あじの定食。娘はひらめの焼き魚。
 きょうのイカは、だるまイカ。先週のは、めどイカ。イカって、500種類くらいあ
るんだって。
 私はイカが大好きなので、イカの研究を始めようと思ったんだけど、500種類はこ
の年齢から覚えられそうにない。
 
 さっさと、テスト・プレイをしに行こうとしたら、外は滝のような雨。
 お店の人まで、「しばらく雨やどりしていたほうがいいですよ」というほどの激しさ
だ。

 午後12時30分。雨が小降りになったので、鎌倉長谷の家へ。
 きょうのテスト・プレイのメンバーは、土居ちゃんと、井沢どんすけ。
 ふだんから、土居ちゃんと井沢どんすけは、趣味も似ていて、見ているテレビもほと
んどおなじで、あいかわらず独身というところまで似ているので、ふたりは「井沢兄弟」
と呼ばれている。
 ちなみに、土居ちゃんは「井沢・兄」と呼ばれている。
「さくまサン! 土居さんのほうが年上なのに、井沢兄弟というのやめてください!」
「『鉄腕アトム』でも、アトムよりあとから作られたコバルトのほうが、お兄さんなん
だから、いいじゃないか!」
「むちゃくちゃだ。えへえへえへっ!」
「しかし、井沢どんすけは、井沢兄弟だの、どっこいズ(井沢どんすけ、コイズミリュ
ウジ、石川キンテツ)だの、いろんなところに所属しているなあ!」
「ぜんぶ、さくまサンが決めたものばかりじゃないですか!」
「そういえば、そうかも!」

 午後12時45分。『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の【全国編】の
テスト・プレイを開始する。

 井沢どんすけは、ぎっくり腰で、胡坐(あぐら)がかけないので、イスに座る。
「えへえへえへっ。何か、偉そうですよね!」
「どんちゃんに見下されちゃったかなあ!」と、土居ちゃん(井沢兄)。

 きょうのメンバー! ☆土居ちゃん……好きなカード:豪速球カード ☆井沢どんすけ…好きなカード:銀河鉄道カード ☆あしゅら社長…好きなカード:不明。  最初の目的地は小倉! 「遠いなあ!」 「遠いですねえ。えへえへえへっ!」  1年目4月。土居ちゃん、芝浦のフェリー乗り場に停まる。  いきなり、超高速船のイベント発生!  佐世保へ向かう! 「うわ〜〜〜! これだもんなあ、土居さん!」 「土居ちゃんには、これがあるからテスト・プレイの参考にならないんだよなあ!!」  1年目5月。今度は井沢どんすけが千載一遇カードを引き当てる。  さすが、井沢兄弟!  やることが、似ている。  小倉には、井沢どんすけが到着!  最初の目的地に、井沢どんすけが入るのは、いつものことである。  1年目2月。  あしゅら社長が、水戸に到着!  貧乏神は、土居ちゃん(井沢兄)に! <1年目> 1位・あしゅら社長 2億5890万円 2位・井沢どんすけ 1億7070万円 3位・土居ちゃん    3030万円 「あしゅらが1位かよ〜〜〜!」 「COMキャラに負けちゃいけないなあ!」 「最後は、ふたりともあしゅらに負けちゃったりして!」 「あしゅら、強敵だなあ!」 「おいおい、頼むよ、ふたりとも!」  2年目。  土居ちゃん(井沢兄)、ようやく目的地に到着!  これで、井沢どんすけ、あしゅら、土居ちゃん、目的地に到着1回ずつ。  2年目12月  あしゅら社長にゲスト・ボンビーがつく! 「かっちょいい曲だなあ! えへえへえへっ!」 「井沢どんすけは、ずっと音無しのゲスト・ボンビーばかりプレイしていて、この曲、 聴くの初めてだからな!」 「いいですよ〜! この曲。自分のときは、イヤだけど…」 <2年目> ・井沢どんすけが1位。2位・あしゅら社長、3位・土居ちゃんの順。  土居ちゃんに、キングボンビーがつく。 「ゲスト・ボンビーはなくて、こっちかあ!」 <3年目> ・1位・井沢どんすけ。2位・あしゅら社長、3位・土居ちゃんの順。  土居ちゃんにキングボンビー、つきっぱなし。 <4年目> ・1位・井沢どんすけ。2位・あしゅら社長、3位・土居ちゃんの順。  3年間、井沢どんすけの首位が続く。  土居ちゃん(井沢兄)は、キングボンビーの後遺症に苦しむ。  その前に、豪速球カードが手に入ると、すぐつかうので、どうしても目的地に入るの が遅くなるからいけないのだ。 「だって、豪速球カードって、楽しいじゃない!」と、土居ちゃん。  きょうは、15年モードで、テスト・プレイしたんだけど、土居ちゃんは、豪速球カ ードを、5〜6枚、うれしそうにつかっていた。 「ひ・土居ちゃん!」 <5年目>  ショッカーO野ゲーム、井沢どんすけ優勝!  2億5000万円、獲得! 「これって、いままでとまったく雰囲気が違うショッカーO野ゲームですよね。えへえ へえへっ!」 「優勝の条件も違うからね!」 「これも、いい曲だなあ!」  実はこの曲だけ、シングルCDで発売しようかという計画があるくらい、いい曲なの だ。この曲は、カズ坊(関口和之)の作曲。  井沢どんすけ、4年連続、首位。 「どうした、井沢どんすけ! 絶好調じゃないか!」 「えへえへえへっ。実はまだ、キングボンビーも、貧乏神も一度も喰らってないんです よ!」 「そりゃ、強いわけだ!」 <6年目>  井沢どんすけ、貧乏神+あしゅら社長に追い掛け回される。 「やめろ〜〜〜! ひ〜〜〜っ!」 「あっ。あっ。危なかった! ええ〜〜〜! まだ追いかけてくるのかよ!」 「COMキャラにあしゅらを選んだのは、貧乏神をなすりつけるのを生きがいにしてい るキャラだからだよ!」 「えへえへえへっ。怖くて、6マス以内に近寄れない!」 「6マス以上でも、あしゅらは追いかけてくるぞ!」 「ひ〜〜〜っ!」  土居ちゃん、ドジラースを喰らい、松山近辺の土居ちゃん帝国、総崩れ。2億500 0万円の被害! 「土居ちゃん! モモトラマンカード買えよっ!」 「あっ。そっか、すぐ忘れちゃうなっ!」 1位・井沢どんすけ。2位に土居ちゃん浮上! 「ドジラースさえなければ、どんちゃん(井沢どんすけ)に追いついたのに!」 <7年目>  四国で、井沢どんすけとあしゅら社長の壮絶なる、鬼ごっこが始まる。 「えへえへえへっ。あっち行ってくれよ!」 「井沢どんすけのほうが、行けばいいのに!」 「進行系のカード、まったくないんですよ!」 「ワープ駅に行けば?」 「えへえへえへっ。ワープ駅行く途中に、あしゅらがいるじゃないですか!」 「いいじゃないか! 貧乏神のひとりや、ふたり!」  目的地は札幌なので、土居ちゃん、のんびり「みちのくひとり旅」。 「ゆっくり入ればいいんだよね!」  土居ちゃん(井沢兄)は、うっかり札幌に入って、次の目的地が、四国とか、近畿地 方になってしまうと、自分が不利になってしまうので、東北で物件を買って、井沢どん すけVSあしゅらの鬼ごっこの結末を傍観している。 「ずっと入らないほうがいいかなと思ってるよ!」  ドジラースが出現! 「またドジラースだ!」 「ん? 青森? オレか!? さっき買ったばかりのとこじゃないか!」と、土居ちゃん。 「あっ。またモモトラマンカード買ってないよ!」  その間も、井沢どんすけVSあしゅらの鬼ごっこは続いている。  あしゅら社長の貧乏神が、キングボンビーに変身! 「ひ〜〜〜ッ!」  井沢どんすけの悲鳴がこだまする。  必死に逃げる井沢どんすけ。  井沢どんすけ、キングボンビーから逃げるので精一杯で何もできない! 1位・井沢どんすけ。土居ちゃん。あしゅら、総資産、全員下がる。  あしゅら社長は、キングボンビーで、下降線。。  土居ちゃんは、ドジラースで、下降線。  必死にキングボンビーから逃げとおした井沢どんすけが、首位。  健全なる結果だ。 <8年目> 1位。土居ちゃん  17億円 2位。井沢どんすけ  9億円 3位・あしゅら社長     6220万円  ついに土居ちゃんが、トップ!  虎につばさカードを持っての、目的地到着は、強力だっ! <9年目>  井沢どんすけが目的地に到着!  しかし、大恐慌で、到着金は、4分の1。 「何でボクの到着金が、1億円で、さっきの土居さんが10億円なんですか!」 1位・土居ちゃん  17億円 2位・井沢どんすけ 15億円 3位・あしゅら社長 −7億円  土居ちゃん(井沢兄)、井沢どんすけ(井沢弟)の差は、わずか2億円。 <10年目>   土居ちゃん、目的地の鹿児島に到着! 「やった! おいど〜〜〜ん!」と土居ちゃん、大喜び!  しかし! しかし! しっかっし!  あしゅら社長がなんと!  次の目的地に一発で入ってしまったのだ! 「あしゅら、ひど〜〜〜い!」と、土居ちゃん。 「ええっ! ってことは、貧乏神はオレか? おいどん、何が疲れただ! 何もやって ないじゃないか! これから楽しもうと思ったのに!」  頭に来た、土居ちゃん、のぞみカードをつかって、どんちゃんの隣りまで進む。  土居ちゃんの貧乏神が、ゲスト・ボンビーに変身! 「ひ〜〜〜ッ!」  ここから、井沢兄弟の骨肉の争い始まる。  土居ちゃんと、井沢どんすけ、ゲスト・ボンビーのせいで、ほとんどの物件を失う。 「あしゅらが、1位になりそうだなあ!」 「えへえへえへっ。そうみたいですね…」 1位・井沢どんすけ 14億円 2位・あしゅら社長 12億円 3位・土居ちゃん     −5730万円   「土居ちゃん! ダメじゃないかあ!」 「まいったなあ!」 「土居ちゃん、どっこいズ・リーグに転落か!?」 「まずいなあ!」 「そういえば、土居ちゃんは、土居孝幸(どいたかゆき)。どっこいズの『ど』も、 『い』も名前のなかに入っているじゃないか!」 「オレは、ひとりどっこいズか?」 <11年目>  あしゅら社長が目的地に入り、トップに立つ! 1位・あしゅら社長  20億円 2位・井沢どんすけ  17億円 3位・土居ちゃん    5億円 <12年目>  しかし、このメンバーだと、貧乏神のなすりつけばかりで、ちっとも目的地に着かな い。困ったもんだ。  こんなに目的地到着回数の少ない試合も珍しい。  またしても大恐慌。12年で、2回は珍しい。  まあ、あくまでも確率で発生するので、別に偏っているわけではない。  青マスも赤になるので、誰も動かない。  プレイヤーの戦略に、問題ありだ。 1位・井沢どんすけ  18億円 2位・土居ちゃん   10億円 3位・あしゅら社長  10億円  おっ。土居ちゃんが2位に浮上した。 <13年目>  土居ちゃんが、もしかしたらカードで、目的地を引き当てる。 「初めてだ! もしかしたらで、当たったの!」 「えへえへえへっ。こんなことって、あるんだあ! 初めて見た!」  ますます優勝の行方がわからなくなってきた。  井沢どんすけ、ゲスト・ボンビーを思い切り喰らう。  どういうわけか、井沢どんすけ、キングボンビーは喰らわないのに、ゲスト・ボン ビーは、やたらと喰らう。 「井沢どんすけ! ゲスト・ボンビーの出現確率は多すぎるか?」 「いえ。このほうがおもしろくていいです!」  この辺が、井沢どんすけがスーパー・テスト・プレイヤーとして、ゲーム業界で唯 一、テスト・プレイで印税をもらっている価値のある部分である。  ふつう、ゲスト・ボンビーが何度も自分についたら、確率以下の出現回数でも「こ れって、ちょっと出すぎじゃないですか!」と言い出す。  井沢どんすけは、自分がどうなっても、その場がおもしろいか、おもしろくないか、 第三者の目で、ゲーム画面を見ているのだ。 「どんなに負けていても、ゲスト・ボンビーさえ出れば、ひっくり返るという魅力の点 では、キングボンビーより上ですからね!」 「でも、井沢どんすけ、そのゲスト・ボンビーのせいで、自分が転落しているぞ!」 「えへえへえへっ。そうなんですよ!」 1位・土居ちゃん  15億円 2位・あしゅら社長  8億円 3位・井沢どんすけ  5億円       さあ、今度は目的地である、四国高知をめぐって、キングボンビーの擦り付け合いだ。  あしゅら社長が、目的地に着いてからが、さらに血で血を洗う争いだ。  井沢どんすけがいちはやく、ぶっとびカードで脱出したが、土居ちゃんと、あしゅら は半年間にわたって、なすりつけリレー。キングボンビーが悪行をする間もない。  しかし、ついに土居ちゃんがつかまった。  17億円奪われて、轟沈。  さらにボンビラス星へ。 「ひさしぶりだな、ボンビラス星!」と、土居ちゃん。 1位・あしゅら社長  20億円 2位・井沢どんすけ   6億円 3位・土居ちゃん  −12億円

 もう折れ線グラフは、ギザギザ!  どこで誰と誰の線が交差しているのか、さっぱりわからない。  最下位に転落した土居ちゃんも「ゲスト・ボンビーさえ出れば、まだトップの目があ る!」と、希望に燃えている。 「でも、きょう何回も、もうダメだ!って、いってるんだけどね!」  さあ! いよいよ最後の1年だ。  このまま井沢兄弟(土居ちゃん、井沢どんすけ)は、COMキャラに敗北してしまう のだろうか。 「ちょっと恥ずかしいなあ!」 「えへえへえへっ。恥ずかしいですよね!」 <15年目>  あしゅらが、物件購入300件目でリニアカードをもらい、目的地に入って独走態勢 に入る。 「冗談でいっていたとおり、あしゅらが優勝かな?」と、土居ちゃん、敗北宣言  土居ちゃん、とうとう持ち金−20億円。 「どうしよう? ワープ駅も遠いしなあ!」 「土居さん! 湯布院の近くに?マスがあるから、持ち金0円になることが多いですよ!」 「そうか。千載一遇カードで近づけばいいのか!」 「井沢どんすけ、くわしいね!」 「ええ。ボクは『桃鉄』で、借金生活は長いですから!」 「ダメだ! 湯布院もあしゅら社長に入られた!」と、土居ちゃん。 「えへえへえへっ。でもまだハワイに入れば、わかりませんよ!」  井沢どんすけは、いつも希望だけは失わない。  まるで少年漫画のヒーローのようだ。  ただし、少年漫画のヒーローの5万分の1くらいの勝率しか上げていないが…。  あしゅら社長が、キングボンビーを喰らう。 「やったあ! これでハワイに入れば!」  井沢兄弟、とたんに活気付く。 「チャンスだ! チャンスだ! ええい、のぞみカードだ! 12? 少ないじゃない か!」と、土居ちゃん。  ハワイ攻防戦は、井沢どんすけが勝利! 1位・井沢どんすけ  22億8120万円 2位・土居ちゃん    9億7130万円 3位・あしゅら社長 −29億7250万円  やはり、キングボンビーは強かった。  1年前、井沢どんすけに14億円の差をつけて、首位を走っていたあしゅら社長が、 −29億円までへこんでしまう。  ゲスト・ボンビーの威力もすごいが、『桃太郎電鉄』の主役は、やっぱりキングボン ビーだ! 「やあ! おもしろかった! おもしろかった!」と、土居ちゃん。 「勝った…」と、しみじみする井沢どんすけ。  それより、ミスターぐっくり腰の井沢どんすけ。イスから立ち上がるにも、よろよろ、 よろよろ…。 「えへえへえへっ。情けないです…」

「チューニングはもう、合ってるんじゃないですかね! ひとつだけちょっと被害額が 大きかったけど!」と、土居ちゃん。 「もう完璧ですよ!」と、井沢どんすけ。  午後7時30分。家族3人、井沢兄弟の5人で、鎌倉鶴岡八幡宮の近くの和食料理屋 さん「やなせ」へ。  雨はもうあがっている。  台風10号は、東北地方まで進んだようだ。

 テスト・プレイの結果がよかったので、お祝いだ、お祝いだと、鎌倉名産の鎌倉エビ を注文する。  でかい! でかすぎる!

 でもこの鎌倉エビは、おいしかった。

 思ったより繊細な味。  このエビで出汁をとったお味噌汁が、絶品なんてえもんじゃない。  うまい。うますぎる!

 このお店も、地魚が豊富。 「仲の坂」は、おいしい地魚が食べられるお店。 「やなせ」は、高級な地魚が食べられるお店だ。  タイプが違うので、どっちもおいしい。  午後8時30分。井沢兄弟(土居ちゃん、井沢どんすけ)は、なかよく横須賀線で、 東京に戻る。  家族3人は、鎌倉長谷の家へ。  さっそく、きょうのテスト・プレイの結果を、札幌に送る作業。  もはや貧乏神の悪行確率の変更は、塩ひとつまみの段階。  塩を入れるか、入れないかで、大いに悩む。  見た目、ちっとも変わらないように思えるけど、何回かプレイしていくうちに、ゲー ムに対して飽きる早さが、この塩ひとつかみ分で、大いに変わってしまうのだ。井沢ど んすけの意見を参考に、ゲスト・ボンビーの出現確率を、1.5%だけ下げる。  微妙な変更でしょ?  漁師さんの長年の勘みたいなものだ。  今夜は、もう私のひとりテスト・プレイをする時間がなさそうだ。

 

-(c)2003/SAKUMA-