8月2日(土)

 昨夜、午前3時まで、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の『全国編』
と、『西日本編』のテスト・プレイ。
 頭のなかが、ぐるんぐるん回転して、寝つけなくなってしまった。

 午前8時。『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の手直し作業。
『西日本編』のゲスト・キャラに、もうひとつアイデアを加えようと、四苦八苦。
 いつのまにか嫁は、海に日光浴にでかけたようだ。

 きょうの鎌倉は快晴。
 見事に夏の天気。あぢぢ…。

 午前11時。嫁と、江ノ電で鎌倉駅へ。  すでに駅に、『ポポロクロイス物語』の原作者である田森庸介(通称:お殿様)さん が到着していた。  そのまま3人で、駅前の「ヲガタ珈琲店」へ。  ほどなく、ぴっころの武田学くんが到着。  どうやら、井沢どんすけはぎっくり腰のまま、来れないようだ。  あとで電話すると、「やっと、きょう立てるようになった程度ですよ〜!」 「じゃあ、昨日はトイレとか、どうしてたんだよ!」 「昨日1日、ずっと我慢してました!」 「井沢どんすけらしい解決策だなあ! 医者に行けよ!」 「えへえへえへっ!」  おや? 石川キンテツが来ないぞ!  まさか、どっこいズ(井沢どんすけ、コイズミリュウジ、石川キンテツ)はゲームが 出来ない日も、なかよしか? それは困るぞ。  田森庸介さんは、まだ『桃太郎電鉄』を一度もやったことがないのだ。  午前11時30分。時間になったので、私、嫁、田森庸介さん、武田学くんの4人は、 もはや鎌倉テスト・プレイのときのスタート地点ともいうべき、「仲の坂」へ向かう。  石川キンテツに電話すると、新宿に向かうタクシーのなかだという! 「すみません。寝坊しました。さくまサン家に直接向かいます!」 「仲の坂」では、あじの刺身定食に、さんま定食。単品でイカも注文。  ここのお刺身は本当に新鮮でおいしので、ついついご飯を食べ過ぎてしまう。

 午後1時。鎌倉長谷の家へ。  石川キンテツがまだ到着しないので、「田森庸介さん、『桃鉄』やってみます?」と 誘ってみる。 「やってみようかな。全然わからないよ。あははは!」  最近ではなかなか『桃太郎電鉄』をやったことがないという人が少なくなってきてい るので、田森庸介さんのような未体験データは非常に貴重。  ぜひともやっていただきたい。    とりあえず、『桃鉄公式戦』をテスト・プレイ。  メンバーを、田森庸介さん。武田学くん。まめオニにする。

「ここで、○ボタンを押せばいいのかな? あはははは!」 「ブロックカードって、何!?」 「赤マスに停まると、お金を取られる? 危ないじゃないかあ! あははは!」  新鮮なクランケ(患者さん)だ。  生体実験にいいぞ。  最初の目的地は、青森!  武田学くんが、1億円持ってスタートなので、さっそく長野の物件を5件買う。  すると田森庸介さんが「武田! 武田! 武田〜!だね。あははは!」。  田森庸介さんらしい!  さて、田森庸介さん、最初の『桃鉄』の一投だ。  黄色のカード駅に停まる。 「何? このリトルデビルカードって?」。 「あちゃーーー! いきなり、田森庸介さん、リトルデビルカードからかあ!」  続いて、次の月。  田森庸介さんは、2回目も黄色のカード駅に停まる。 「さくまクン! キングデビルカードって何だい?」 「うひゃーーーッ! 『桃鉄公式戦』で、これが出たら、もうおしまいだあ!と叫ぶ人 が多いようなカードですよ!」 「それは、まいったね! あははは!」 「田森庸介さん! 笑っているけど、1億円ぐらい取られていますよ!」 「あこぎだね! あははは!」 「やばいですよ! 田森庸介さん!」 「何っ!? リトルデビルカードも、キングデビルカードも毎月、くっついているの?  それって、ひどいじゃない! でもお金持っていかれるだけなら、まあ、いいや!  あははは!」  田森庸介さんのリアクションって、北村総一郎さんっぽい。  いかにも、お殿様のように、キングデビルカードがつこうが、全然平気な田森庸介さ んであった。  その間に、元ハドソンんも武田学くん、独走かと思いきや、武田学くんも、2回続け て、デビルカードを引いている。 「まずいですねえ!」 「武田学くん、遠慮しないで、田森庸介さんをぼこぼこにしていいよ!」 「うん、いいよ。あははは!」 「うーーーん。ちょっとデビルが…」  なんと! 田森庸介さんは、リトルデビルに、キングデビルを従えながら、持ち金マ イナス10億円以上のまま、最初に青森に到着した!  おかげで、今回初登場の新システムが作動した!  今回から持ち金マイナスで目的地に着いた場合、援助金以上に持ち金がマイナスの人 は、持ち金0円にしてくれるのだ。 「えっ! いいじゃないの、これ! あははは!」  次の目的地は、長崎! 「うわ〜〜〜! 長崎かあ!」と、武田学くん。 「何なの? 長崎? 遠いの? あははは!」  1年目の決算。  なんと、全員マイナス。  珍しい記録だ。  田森庸介さんは、持ち金マイナスが0円になったばかりで、武田学くんはデビルばっ か出てたからね。当然といえば、当然。  さて、ここから『桃鉄』初体験の田森庸介さんの快進撃が始まった! 「これって、何なの?」といったのは、千載一遇カード! 「田森庸介さん! そんないいカード持ってたの?」 「うん。何だかわからないけど、つかっちゃうよ! あははは!」  田森庸介さんは、千載一遇カードで、長崎まで6マス目へ。  しかも次の月に、持っていた福袋カードを開いたら、最寄りの駅でカードが入ってい たではないか!  何たる強運!  しかも、しかも、次の月に、サイコロを振れば、5。  もちろん、次の月に最寄りの駅でカードで、長崎に入る。 「田森庸介さん! すごいよ! 2連続到着一番乗り!」 「まあ、余裕だね! あははは!」  次の目的地は、仙台。 「田森庸介さん! 仙台は遠いからやばいですよ!」 「何で? 何で? あははは!」 「全体マップ見てくださいよ!」 「まめオニが、仙台に近いね!」 「だから、やばいんですよ!」 「何で? あははは!」 「まめオニが、仙台に着いたら、貧乏神が田森庸介さんのところに来ちゃうんですよ!」 「あははは! そういうことか。それなら、心配ないよ!」 「うそ! 何で?」 「ほら! もう1枚、千載一遇カードを持っているんだよ! あははは!」 「いつのまに!」 「さっき、ダビングカードで、千載一遇カードを増やしておいたんだよ! あははは!」 「田森庸介さん、頭いいから、飲み込みは早いんだよなあ!」  しかし、ゲームをあっという間に把握した田森庸介さん、欲が出てきた。  田森庸介さん、仙台に入りたいばかりに、サイコロ振って5が出たら、まめ鬼を越え て、米沢に停車。  当然、貧乏神は、田森庸介さんの後ろについた。 「田森庸介さん、×××××ボンビーに変身しちゃったりして!」 「何、それ? ×××××ボンビーって? あははは!」  田森庸介さん、笑っている場合ではありません。  仙台を前にして、田森庸介さんの貧乏神は、見事にゲスト・ボンビーに変身した!  どういう風に転落したかをくわしくは書けないのだが、田森庸介さんは、ゲスト・ボン ビーのせいで、全部の物件を奪われた。、 「あははは! すごいね!」  しかし、仙台にもちゃんと入る田森庸介さん!  忙しい人だ!  最初から3ヵ所すべてに到着して、持ち金0円だ! 「うん。楽しいね、これ! あははは!」  ようやく、次の目的地に、武田学くんが到着。 「ようやくゲームに参加できましたよ!!」  ほとんど田森庸介さん、ひとりでゲームやってた感じだもんね!  2年目の決算。  田森庸介さんが、1位。  ひょうひょうと田森庸介さん、『桃鉄』を楽しんでいる。 「んじゃ、まとめ買い! あははは!」 「田森庸介さん! 物件も見ないで、まとめ買いは怖いよ!」 「えっ? そうなの? あははは!」 「武田学くん、こんないいかげんな初心者に負けちゃダメだよ!」 「うーーん! どうもデビルの後遺症が…」  どういうわけか、きょうは武田学くん、よくデビルカードを引く。  けっきょく、田森庸介さん、優勝! 目的地到着4回。  素晴らしい!  マーヴェラス!  ファンタスティッ〜〜〜ク!  ビギナーズ・ラック! 1位・田森庸介    9億5620万円 2位・武田学     7億6390万円 3位・まめオニ  −41億3990万円  午後2時30分。引き続き、『西日本編』のテスト・プレイ。  石川キンテツ『桃鉄公式戦』の途中で、到着した。  メンバーは、武田学くん、石川キンテツ、井沢どんすけ(COMキャラ・らいじん)。 わっはっはっは。ぎっくり腰で欠場の井沢どんすけをCOMキャラで出場させてあげた。 「井沢どんすけサンが、らいじんって、強すぎませんか?」と、石川キンテツ。 「井沢どんすけ! 石川キンテツはこんなこと言ってるぞ!」 「やっやっやっや…!」

<1年目> 1位・武田学 2位・石川キンテツ 3位・井沢どんすけ  武田学くんが、1位。  まあ、当然といえば、当然か。  しかし、その後石川キンテツがずっと首位を独走するようになるとは、誰か想像した だろうか。  一応、『西日本編』は未公開のイベントだらけなので、こまかく書くことができない。  まあ、石川キンテツが独走といっても、単に武田学くんが、絶不調なだけだ。  武田学くんが、目的地に到着するときに限って、不景気だったりする。  おまけに、不景気のときに、虎につばさカードを持っている!  それじゃ、いつもの到着金じゃないか!  午後6時。私、嫁、田森庸介さん、武田学くん、石川キンテツの5人で、近所の「久 霧(ひさぎり)」へ。

 閑静な住宅街にひっそり建つ、古い家屋のお店だ。  うどんすきで、有名なお店なんだけど、いつも鎌倉は夏に来るので、行こうという気 になれなかったのと、午後5時30分がラストオーダー。  たまたま電話したら、近所でいまからすぐ行けると言ったので、待っていてくれると いわれた。

 さすがに急に暑くなった夏のうどんすき屋さんは、空いていた。  あたりまえだ。閉店時間でもあるし。

 でも、うどんすきは、抜群においしかった!  メニューは、ひとり3300円の関西風のすきうどんセットしかないんだけど、一品 だけで勝負しているのがわかるような見事な味だ。  出汁の味わい深さったらない。  ほんのり甘くて、繊細な味。  放っておいたら、ずっとこのお出汁をすすり続けてしまいそうなほどだ。  このお出汁が染み込んだ、がんもどきが、うまい。  こんなおいしいがんもは、初めて食べた。  特注の京がんもらしい。

 うどんも関西風にしては、しっかりこしがあって、うまい。  これはいいお店を見つけた。  午後7時。長谷の家に戻って、『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』の 『西日本編』のテスト・プレイの続き。  見た感じ、ほとんどのイベントのチューニングが合ってきたようだ。  前回出なかったイベントの出現確率も増やしたので、かなりイベントをたくさん見る ことができるようになった。  問題は、石川キンテツが独走していることだけだ。 「やっやっやっや…! やっと武田学さんに、ボクの実力を見せることができたという か…! どっこいズの井沢どんすけサンがぎっくり腰で倒れた分まで、がんばらなけれ ばというか…」 「何言ってんだよ。井沢どんすけサンは、まめオニでいいんじゃないですか!と言って いたのは、誰だよ!」 「やっやっやっや…! そんな人聞きの悪い!」  午後9時。「あっ。やばい! 帰らないと! あははは!」  けっきょく田森庸介さんは、ずっとテスト・プレイを見ていたのだった。 「うん。さくまクン! 『桃太郎電鉄』は完成されたゲームだね! うん。あははは!」  おっ。田森庸介さんにホメられちゃったよ。 「次は田森庸介さん! どっこいズと、対決を!」 「いや。まずは初心者大会から! あははは!」  東京に向かう田森庸介さん。  午後10時。『西日本編』は、14年目。  石川キンテツは、総資産190億円を突破して、独走中。  何度もキングボンビーが、石川キンテツになすりつけらる寸前まで行くのだが、どう いうわけか、うまいことすり抜けてしまう。  決して頭脳プレイですり抜けるのではなく、ほとんど偶然。  さて、このままずっと石川キンテツの天下は続くのだろうか。  例によって、私はご老体なので、途中で寝ることになっている。  石川キンテツに言わせると、私が寝たあとに、石川キンテツの黄金時代が来て、明け 方には逆転されているというジンクスが多いそうだ。  ぜひとも、今夜もそうなってほしいものだ。

 

-(c)2003/SAKUMA-