7月20日(日) 鎌倉は、くもり空。 午前8時。どっこいズは熟睡中なので、私は部屋で、昨日のテスト・プレイで出た問 題点を、仕様書に反映させる作業。 昨夜、家に泊まったメンバーは、以下の通り。 ・井沢どんすけ、コイズミリュウジ、石川キンテツ、ハドソン開発部の込山勉くん、小 坂晃弘くん、ハドソン宣伝部の小坂晃弘くん。 午前11時。全員で、長谷駅北口の「ベェルグフェルド・カフェ」へ。 ベェルグフェルド・サンド、BLTサンドなどを食べながら、私が寝てからのゲーム 展開と、修正希望ヵ所などを聞く。午後12時。せっかく札幌から鎌倉まで来て、鎌倉の大仏を見ず、テスト・プレイだ けで帰らせるのもかわいそうなので、全員で、長谷の高徳院へ。
「うわ〜! 大仏だあ!」 「『桃太郎電鉄11』のゲーム選択画面とおんなじだ!」 「思ったより、狭いなあ!」 「あの大仏様、込山勉さんに似てません?」 「似てる! 似てる!」 「じゃあ、どのくらい似ているか、写真を撮ってみよう!」 「込山勉くん越しの大仏様〜!」
「この大仏は、胎内拝観できるから、見てくれば? お金取られるけど!」 「行ってきま〜〜〜す!」 「あっ、ここはオレがおごるから!」 「ええええっ!? どケチの井沢どんすけが、おごるってええええっ!」 「えへえへえへっ。ちょっと気風(きっぷ)のいいところを見せようかと思って!」 「すみませ〜ん、井沢どんすけサン!」 ちなみに、拝観料は、1名20円である。 チャンチャン!
けっきょく、石川キンテツ、込山勉くん、小坂晃弘くんの3人は、わずか20円のた めに、井沢どんすけに恩を着せられ、鎌倉の大仏のなかに入って行った。 あれ? 石川キンテツがあっというまに、飛び出してきた! 「どうした! 石川キンテツ!」 「暑いんすよ〜! 狭いんすよ〜! 窓ないし!」 「大仏様に窓があるか!」 午後12時30分。実はこのお寺が、鎌倉の大仏以外何も見るものがないことがあっ というまにわかって、大仏前のお土産品屋へ。 スイカのソフトクリームを売っていた。 「井沢どんすけ! 拝観料の20円より、ここのアイスクリームをおごれよ!」「えへ えへえへっ!」
「あっ。ここは私が、おごりますから!」と、今度は藤原伸介くん。 「スイカのソフトクリームは、300円ですよ〜。胎内拝観20円の井沢どんすけサン とは、えらい違いですよね!」 「1800円 vs 60円 ですからねえ!」 「えへえへえへっ!」 全員で、スイカ・ソフトを舐めながら、長谷駅に向かって、狭い歩道を一列縦隊で行 進する。 「ちょっと観光地にふさわしくない怪しい集団ですよね!」 長谷の海へ。 ビキニのお姉ちゃんを期待していた一行であるが、サーファー以外、まったくいない。 7月も、もう20日である。例年なら、ビキニのお姉ちゃんがたくさんいる時期である。 連休だし。昨年あった海の家もない。 不景気なのか、梅雨明け宣言がないと、繰り出さないのか?
「いないね。ビキニのお姉ちゃん…」 「オレたちの夏は終わった…!」 「さらば、夏!」 「グッバイ、サマー!」 陳腐な言葉を並べ立てて、「早くゲームの続きをやりましょう!」というどっこいズ たちであった。 午後1時。昨日の『西日本編』の続きをテスト・プレイ。 みなさんの想像通り、私が寝る頃に首位だった井沢どんすけは、後退して、再び石川 キンテツが首位に返り咲いていた。 昨日からの石川キンテツvsの図式は続いているようで、昨日よりも連携プレイが出 来るようになって、あの手、この手で、石川キンテツを攻め立てる! 「やめてよも〜! 何も悪いことしてないのに〜〜〜!」と石川キンテツ。 「悪いことしてる! してる!」と、残りの3人。 午後4時。嫁と娘が、到着。 鎌倉「こ寿々」のわらび餅を買って来てくれた。 「うほ〜! 大きい! プルプルしてる!」 「これおいしっすねえ!」 「我が家の、わらび餅ランキング1位なんだ!」 「何でもランキングしてるんですね!」 「さすがに、豆大福ベストテンは、気持ち悪いっていわれたけどな!」 「それだけ、豆大福食べてるってことですからね!」 午後5時。札幌の開発スタッフは、今夜飛行機で札幌に帰らないといけないので、タ イムアップ! 時間切れ! その結果は、以下の通り。 ☆23年目 1位・井沢どんすけ 449億0510万円 2位・石川キンテツ 442億7630万円 3位・込山勉 246億3580万円 4位・コイズミリュウジー34億8060万円 井沢どんすけは、例によって、込山勉くんから奪ったシルバーカードで、高額物件を 買っての優勝! 井沢どんすけの得意技は、つねに他力本願である。 他力本願教の教祖様と呼びたいくらいだ。 だから、井沢どんすけは35歳にもなって、まだお母さんに洋服を買ってもらってい るという噂があるのかあっ! コイズミリュウジは、最後の最後で、キングボンビーを喰らった。 午後5時30分。込山勉くん、小坂晃弘くん、藤原伸介くん、コイズミリュウジ、石 川キンテツの5人は、江ノ電で海を見ながら藤沢から帰ったはず。 井沢どんすけだけが残る。 昨日、きょうの『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』で発生しなかったイベントを、井沢 どんすけと裏技でチェックする。 「井沢どんすけ、どうだ、このイベントの曲!」 「『桃鉄』とは思えないようなゴージャスな曲ですねえ!」 「いいだろう!」 「この作曲、池毅さんですか?」 「そうだよ!」 「すごいですねえ。このイベントって、どうやると発生するんですか?」 「神戸の豪華客船会社を買えば出てくるんだけどさ。物件の値段が、200億円なんだ よ〜〜〜!」 「ええ〜〜〜ッ! 200億円〜〜〜ッ!」 「だから、99年プレイするような人じゃないと、まず見ることができないんだよ〜!」 「それは無理ですよねえ!」 「この曲、みんなに聴いてほしいからって、神戸の豪華客船会社の物件価格が、100 0万円ってのは、変だよなあ!」 「えへえへえへっ! 渡し舟じゃないんですから!」 「うーーーん! とにかく、この豪華客船のイベントは、『桃太郎電鉄12〜西日本 編〜』を買った人みんなに見てもらいたいなあ!」 本当に、いい曲なんだよ。この曲。 ほかにも「さよならカード」っていうのも登場するんだけど、名曲だよ。この曲も池 毅さん。 さらに、今回のゲスト・ボンビーの曲は、ブラックボンビーの曲よりも名曲だよ! お楽しみに! 午後6時30分。家族3人と井沢どんすけで、近所の「以ず美(いずみ)」へ。 井沢どんすけが「わざわざ鎌倉くんだりまで、超売れっ子の井沢どんすけ様が丸2日 間も足を運んでやったんだから、寿司のひとつも食わせろよ〜、なあ、さくま〜! ぶいぶい!」というので(嘘)、いまのところ、鎌倉界隈では、いちばんおいしいと思 っているお寿司屋さんへ。
お寿司は、おまかせコース。 お店の人が「何か苦手な食べ物はないでしょうか?」と言ってくれたときには井沢ど んすけは、すでにお通しのタコのやわらか煮のわざび和えに、悶絶していた。 「うわっ! うわっ! ひ〜〜〜! ひ〜〜〜!」 井沢どんすけは、わさびとか、梅干が苦手なのだ。
「にぎり寿司のわさびはお抜きしましょうか?」 「いえ! にぎりは大丈夫です!」 そういいながら、井沢どんすけはまた白身魚のにぎり寿司で、悶絶していたのであっ た。 人間、やせ我慢は身体に毒である。 白身は、わさびがよく効くからねえ!
午後8時。井沢どんすけは、東京に向かい、家族3人は、長谷の家へ。 最近、鎌倉長谷の家は、ほとんど、どっこいズの館と化して、学生さん臭い部屋に なっていたのだが、ようやく我が家に戻ったような気がする。 じっくり別荘ライフを満喫したいところだが、ついつい『桃太郎電鉄12〜西日本 編〜』の仕様書の手直しに着手してしまう私であった…。 ほんとに、仕事好きだな。 自分でも呆れてしまう。
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