7月19日(土) 午前9時30分。私ひとりで、品川駅に向かう。 本日、嫁と娘は、浴衣を着て、屋形船でもんじゃ焼である。 なのに私は、鎌倉に向かう。 どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツ、込山勉くん)がこの日で ないと、テスト・プレイができないからである。 どっこいズといえば、長い『桃太郎電鉄』の歴史上に彗星のように現れて、全員『桃 鉄』が、下手くそ!という集団である。 屋形船に集まる人たちのほとんどは、女性だそうだ。 こっちは、むさ苦しい男たちのかまぼこ状態だ。ぎっしり。 午前10時07分。品川駅から、横須賀線に乗車。 午前10時53分。鎌倉駅着。 3連休の初日だけに、鎌倉は人が多い。 鎌倉駅前で待つ、ハドソン札幌開発部の込山勉くん、小坂晃弘くん、ハドソン宣伝部 の藤原伸介くんと合流。そのまま駅前の「ヲガタ珈琲店」へ。 込山勉くん、小坂晃弘くんは昨日、札幌から来て、新横浜のホテルに泊まったそうだ。 石川キンテツが、ほどなく到着。 午前11時30分。到着の遅い井沢どんすけの携帯に「遅いぞ! 武蔵!」と電話し ながら、お刺身のおいしいお店「仲の坂」へ。 いわしのお刺身定食、あじのお刺身定食、新さんまのお刺身定食、イカのお刺身、お 刺身が苦手なお坊ちゃま・石川キンテツのために、さわらの塩焼き定食を注文して、み んなで突き合う。鈴カステラ顔のコイズミリュウジは、東京で仕事の打ち合わせ終了後、合流の予定。 午後1時。みんなで江ノ電に乗って、長谷駅まで。
すでにコイズミリュウジが、先に長谷のさくま家に来ていて、不審人物のように我が 家の玄関を開けようとしていた。 家に入り、間髪いれず、『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の『桃鉄公式戦』をテスト ・プレイ。 出場メンバーは、以下の通り。 ☆井沢どんすけ(神奈川県伊勢原市出身) ☆込山勉(北海道小樽市銭函出身) ☆藤原伸介(東京都練馬区出身) ☆小坂晃弘(和歌山県那賀郡出身)
期せずして、井沢どんすけvsハドソン軍の対決となった。 こんな書き方をすると、井沢どんすけが達人で、ハドソンのメンバーが井沢どんすけ に胸を借りるみたいである。 宣伝担当の藤原伸介くんはまだしも、込山勉くんと小坂晃弘くんは、開発スタッフで ある。ゲーム内容も、イベント確率も熟知している。 ただでさえ、『桃鉄へたっぴ王』の井沢どんすけが、彼らに歯がたつはずがない!… はずであった。 ところが! 井沢どんすけには、レアな確率なら、いいことも悪いことも引き当てるという特技が あった! 5月、いきなり、黄色のカード駅で、のぞみカードを引き当てる! 6月、目的地の京都に到着! わずか3ターンで、目的地に到着の快挙だ! 「すごいじゃないですか! 井沢どんすけサン!」 「えへえへえへっ!」 「まるで今年の阪神タイガースみたいですよ!」 「えへえへえへっ!」 「きょうは完全優勝かもしれないですね!」 「えへえへえへっ! そうかもしれないね!」 11月、ハドソンのミスター・アンラッキー込山勉くんについていた貧乏神が、キング ボンビーに変身する! 込山勉(こみやまつとむ)くんは、通称:コーミネーターと呼ばれるほど、『桃太郎 電鉄』のデータがぎっしり詰まっている男である。正直言って、ゲーム内容については、 私よりもはるかに熟知している。 熟知していても、1ターン目にボンビラス星には行く! 「ボンビラス星に行く確率は、少ないんですけどね!」 ☆1年目の決算 <総資産> 1位・井沢どんすけ 12億3010万円 2位・小坂晃弘 5億8740万円 3位・藤原伸介 1億3400万円 4位・込山勉 ー2億9240万円 2年目! 6月に、誰が放ったか、とびちりカードが波乱を巻き起こす! 目的地は、九州の小倉! 井沢どんすけは、山口県萩にいて、次の自分の順番には、サイコロ4か、5が出れば 小倉に入れたのだ! ところが、とびちりカードのうんちは、見事に関門海峡に落ちたのである! 哀れ! 井沢どんすけは、関門海峡を渡ることが出来なくなってしまった! 井沢どんすけが、小倉に入るには、広島→倉敷→岡山→四国→今治→松山→八幡浜→ (航路)→別府のコースで迂回しないといけなくなった! 源平の時代から、明治維新の時代から、平成のいまの『桃太郎電鉄』でも、関門海峡 は、交通の要所である。 案の定、小坂晃弘くん、2連続で目的地に到着して、キングボンビーは井沢どんすけ のもとに。 「ひ〜〜〜〜〜〜ッ!」 キングボンビーは、井沢どんすけをボンビラス星に連れて行った! 「ひ〜〜〜〜〜〜ッ!」 「井沢どんすけサン、初年度の勢いはどこ行っちゃったんですか?」 「どこ行っちゃったんだろうねえ! えへえへえへっ!」 それでも、初年度の勢いで持ち金が多い井沢どんすけは、必死にボンビラス星でのマ イナス攻撃に耐える。 一方、ミスター・アンラッキー込山勉くんは、黄色のカード・マスで、すぎやまこう いち先生扮するカードの神様から、キングデビルカードをもらい、タイタニック号のよ うに、ゆっくり、ゆっくり沈没を開始する。 「井沢どんすけサンと、不幸合戦ですね!」 「そ、そ、そうですね…!」 しかし、『桃鉄公式戦』では、キングデビルカードのほうが、ボンビラス星で奪われ る金額よりはるかに大きい! 毎月、1億円以上奪われ、持ち金はー10億円を突破! 「地上のほうが、ボンビラス星みたいですね!」 「地上の星だ!」 ☆2年目の決算 <総資産> 1位・小坂晃弘 10億5430万円 2位・井沢どんすけ 10億4090万円 3位・藤原伸介 5億5000万円 4位・込山勉 −14億0520万円 おっ。ついに小坂晃弘くんが、井沢どんすけを抜いた! 3年目! 込山勉くんと、井沢どんすけが札幌をはさんで、壮絶なるキングボンビーのなすりつ け合いを展開する! まるでリレーのように、抜きつ抜かれつ、キングボンビーを擦り付け合って、袋小路 の襟裳岬まで、その戦いを続ける。 襟裳攻防戦だ! 必死に一度もキングボンビーを喰らわず、逃げ切る井沢どんすけ! 追いかける込山勉くん! ついに、井沢どんすけがキングボンビーを喰らうはめに、でもまだ1ターン耐えれば、 またキングボンビーを込山勉くんに擦り付けることができる! しかし! キングボンビーの悪行は、「グェッヘッヘ! ○○○○社長!」「仕事が いそがし すぎて なかなか 休むひまが ないのでは ないか?」「たまには 海を ながめて 潮騒の音でも ききながら ゆっくり 休むが いい!」 おなじみ、潮騒攻撃で、グアムへ飛ばされる。 万事休す。 しかも、時は2月。 あと1回、キングボンビーから何も攻撃を喰らわなければ、井沢どんすけはキングボ ンビーからお金を奪われる攻撃を受けずに、『桃鉄公式戦』を終了することができるの だ! しかし最後の年の2月。 場所はグアム。 サイコロの出目は、5! 赤マスに停まる。 10億8000万円持って行かれた! 「ひ〜〜〜〜〜〜! キングボンビーの前に!」 ☆ゲーム終了! 1位・小坂晃弘 20億3360万円 2位・藤原伸介 5億9500万円 3位・込山勉 9960万円 4位・井沢どんすけ −2億5640万円 終わってみれば、いつもの結果である。 「さくまサン! 井沢どんすけサンが参加したときのテスト・プレイって、話作ってま せんか? あんなにいつも変な展開になるわけがないですよ!」というメールがたまに 来るが、本当に信じられないようなゲーム内容になるのだ。 井沢どんすけが加わると。 午後2時30分。きょうの本題、『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の『西日本編』の 長期テスト・プレイに入る。 テスト・プレイ・メンバーは、以下の通り。 ☆井沢どんすけ(ど) ☆込山勉くん(っ) ☆コイズミリュウジ(こ) ☆石川キンテツ(い) 4人合わせて、桃鉄へたくそ戦隊どっこいズである。 このメンバーだけに、さぞや楽しいゲーム展開を期待していると思うけど、さすがに 『西日本編』なので、具体的に書けない。 実際に、初めて画面上で見てもらったほうがおもしろいイベントや、ゲスト・キャラ も多い。 何度もいうが、これは対戦ではなく、テスト・プレイだ。 ましてや、私は「どっこいズ」の従軍記者ではない。 私もちゃんと仕事したい。 そろそろ非常にデリケートなチューニングの時期に入るので、どっこいズのバカ・プ レイをメモっている場合ではないのである。 まあ、ざっくりゲーム展開のほうを書くと、石川キンテツが波に乗りまくり、独走、 また独走である。 おもしろいように、いいカードを引き、そのカードをつかう。 コイズミリュウジが、目的地まであと3マスとせまっていたときに、石川キンテツが つかったカードは、場所がえカード! かんかんに怒るコイズミリュウジ。 「おまえなあ! いいかげんいしろよ!] 「いやいやいや…!」 すっかり、石川キンテツvs井沢どんすけ、コイズミリュウジ、込山勉くんの対決の 図式となった。 おうなれば、3人が連携して、石川キンテツを引き摺り下ろすものなのだが…。 「姑息(こそく)!」 「くそ〜! 資本家め!」 「金正日の長男に似ている!」 負け犬の遠吠えを続けるだけである。 ☆6年目 1位・石川キンテツ 40億4750万円 2位・コイズミリュウジ 5億6710万円 3位・井沢どんすけ 5億1500万円 4位・込山勉 −3億2710万円 午後6時30分。長谷駅近辺で食事をしようとでかけるも、近所のレストランは満員、 長谷駅近くのお店は、「すみませーん! 6時で終わりなんです〜!」。 鎌倉は観光 地なので、けっこう朝早い開店のお店は多いんだけど、終わりの時間が早いのだ。 でも、何も午後6時に閉めないでよ〜! スペイン料理のお店「パラドール・デ・かまくら」へ。 パエリア、スパゲティなどを、みんなでつつく。 午後8時。家に戻り、テスト・プレイの続き。 しかし、『西日本編』は、新MAPなので、展開が遅い。 毎回、井沢どんすけが全体MAPで、目的地の位置を確かめている。 どうやら、どこだかわからないようなのだ。 でも、神戸や、京都が目的地のときも、いちいち調べているぞ。 私は、午前1時でリタイヤ。 試合のほうは、まだ11年目。遅い! 石川キンテツが、キングボンビーにぼこぼこにされる。 銀河鉄道MAPに全員がいて、キングボンビーまでいる凄まじい展開になって来たよ うだ。 ☆11年目 1位・井沢どんすけ 107億1060万円 2位・石川キンテツ 99億8870万円 3位・込山勉 58億9190万円 4位・コイズミリュウジ 5億3730万円 井沢どんすけが、首位!? しかし、よくよく見れば、みんなの総資産が接近して来ている。 長いことプレイすると、じわじわどっこい、どっこいになっていく、だから「どっこ いズ」なのである。 明日も、井沢どんすけが首位にいるとは思えないのだが…。 はたして!
------月島もんじゃ屋形船------
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