さくまあきらホームページ:仕事人裏日記

７月１８日（金） 　午前１０時３０分。嫁と、高円寺の聖体さんへ。　午後１２時。高円寺の「風風ラーメン」で、油そば。　よく考えると、油そばって、伊勢うどんのラーメン版だ。　午後１２時３０分。高円寺ルック商店街を南下。

　４５年前くらいに、うちがお菓子屋さんをやっていたときの家に似ているようなパン屋さんがあった。

　思わず、なつかしくなって、メロンパンと甘食を買う。　メロンパンと甘食というのが、いかにもでしょ？　高円寺から青梅街道にかけてのこの古い商店街には、お台場のレトロ街にそのまま入りそうなお店がいまでも現役で商売している。　お惣菜屋さん、おいなりさんとお団子がメインの和菓子屋さん、ふとん屋さん、家具屋さん。新しいお店が途中になければ、そのままレトロタウンの名前をつけられるのになあ。残念。　午後１時。青梅街道沿いのみずほ銀行へ。　ある支払いのために来たんだけど、手続きに１時間ほどかかると言われる。　昨日、わざわざ行くことを電話で伝えたんだから、「もしその場で手続きをする場合は１時間ほどお時間をいただかないと…」と言ってくれれば、食事の前に来て、食事をあとに出来たのに。　もともと、第一勧銀と富士銀行が合併したのに、私の通帳は２通のまま、１通にまとまらないってのは変だと思わない？　おかげで、嫁が私が私用でつかっている通帳に、大金を３兆円ほど（嘘）間違えて振り込んでしまったのだ。　間違えるよ、そりゃ！　何のための合併だったんだろう。　午後２時。高円寺の「ジョナサン」で、銀行からの完了の電話を待つことに。「コーヒーふたつに、バニラアイスをひとつ！」　はっはっは。バニラアイスは、もちろん私だ！　あんみつや、チョコレートケーキや、パンケーキよりも、バニラアイスのほうがカロリーは３分の１くらいなんだねえ！　あやうく、カロリー控えめに、あんみつを注文するところだった。　カロリー高い順に、好物だよ！　ウェイトレスさんが、バニラアイスを持ってきた。「以上で、ご注文の品はすべて揃いましたでしょうか？」　おいおい。以上ったって、まだバニラアイスひとつしか来ていないぞ！「コーヒーがまだ…」「コーヒーは、あちらのドリンクバーで、どうぞ！」　ほひ～～～ッ！　長いこと「ジョナサン」に来ていなかったら、いつのまにかそんなルールが定着していたのか！　一応、注文したときに言ってくれないかなあ！

　ゲーム作りを始めた頃に、私が若いスタッフに、「それは説明がなさすぎだから、初めてゲームやる人にもわかりやすいように、解説の文を入れておいて！」というと、「ゲームやる人は、必ず攻略本も買うから必要ないですよ！」と言い張られて、ずいぶん苦労したことがある。　あのとき「ああ！　そのうち説明不足の世代に苦しめられるんだろうなあ…」と思ってから、１５年。確実にあちこちで、説明不足攻撃を受ける。　午後２時４５分。再び、みずほ銀行へ。　午後３時３０分。帰宅。　探し物ついでに、部屋を片付ける。　疲れた。　午後５時。ＤＶＤで『エルビス・イン・ハリウッド』を鑑賞。　エルビス・プレスリーのデビュー当時から、『監獄ロック』ぐらいまでの映画を中心としたスタッフのインタビュー集。　こういうメイキングものとか、裏話は大好き。　バックバンドのギタリストが、エルビス・プレスリーの人気がすごすぎて、演奏をしても、エルビスの声が全部歓声で掻き消えてしまったという。　声が聞こえないので、どうやって演奏したかというと、エルビスの腰の振り方で、いまこの辺だろうと弾いたそうだ。「ケツ（尻）に指揮された唯一のバンドだね！」　うまいこというね。　午後７時。嫁と、青山の加賀料理のお店「浅田屋」へ。　金沢で、創業慶応３年創業の老舗料亭の東京店。

　きょうは、ｉモード・ゲーム・シリーズのインデックスのみなさんにお招きいただいた。　実は、３年半続いたｉモード・ゲーム・シリーズが、来月で終了する。・『さくま式東海道五十三次』・『さくま式奥の細道』・『さくま式西遊記』　同時期にスタートしたゲーム・コンテンツがほとんど終了したのに、ここまでのロングランになるとは思わなかった。　というわけで、きょうは「長い間お疲れ様でした！と、これからもよろしくお願いします！」という会だそうだ。　いまや急成長企業として、女性社長としてマスコミに取り上げられっぱなしの小川善美社長を始め、『さくま式』シリーズの歴代担当者のみなさんが、全員集まってくれた。　樋口由美子さん。南澤新樹くん。古田美奈子さん。辻本裕子さん。　ムサシノ広告の伊東正義も。

　正直言って、マスコミ業界で、３０年生きてきたけど、ここまでちゃんと連載終了を祝ってもらったのは、初めて！　こんな経験したことないので、照れくさくて、照れくさくて、必死に世間話をして、仕事の思い出話でしんみりならないようにしちゃったよ。　ほんとは泣きたくなるくらい、うれしかった。『さくま式』は、ニッポンの親父・伊東正義が「なあ、さくま！　ｉモードって知ってるかよ！　何だかオレにはわからないんだけど、仕事になりそうなものなのか？」「うん。知ってる！　知ってる！　ぜひやりたい！　すぐやりたい！」「じゃあ、もう年末も近いから、来年からでも始めるか！」「いや、すぐ始めたほうがいいよ！　今年じゅうに始めよう！」　そういって、１９９９年１２月１日に、あっという間に配信を開始したあわただしい仕事だった。　でもこの仕事の反響は、すごくて、私にとっては、『ジャンプ放送局』、『桃太郎伝説』、『桃太郎電鉄』と並ぶ代表作となった。　毎日、順位が出るというネットワーク・ゲームのようなシステムは、ゲーム作りよりも新鮮だった。　いい仕事をしたと思っていただけに、きょうの会食は、心の底からうれしい。　性格の悪い私は、思わず私が脳内出血で倒れてときに、お見舞いにも来なかった『週刊少年ジャンプ』と、ハドソンのことを思い出しちゃったよ！　しかし、急成長会社として、注目されているインデックスさんは本当にすごいや！　『さくま式』シリーズの終了に対して、花束をいただいた。

　花束贈呈までは、どの会社でも浮かぶ。　インデックスさんは、ここからが違う。　私の旅のお供にと、テンピュールの携帯枕をいただいた。　さらに、私の嫁と、娘のために！　アクセサリーまでいただいた。　ここがインデックスさんの心遣いの素晴らしさなのだ。　私と仕事をする人のほとんどが、私の顔色ばかり窺って、私のまわりの人に気を配らない。私のこの日記は読んでも、柴尾英令くんの日記は読まないという人は意外と多い。　私の家に来ても、嫁にはずっとお尻を向けたまま私とだけ話して帰る人の多いこと、多いこと。　だいたい、こういう人たちとは、縁がなくなってしまう。　ぶっきらぼうのように見えて、２０年以上のパートナーである土居ちゃん（土居孝幸）は、いつも家に来ると、うちの娘に向かって、「飴ちゃん、あげる！」とか「おいしいもの食べてる？」と、必ず声をかけてくれる。　柴尾英令くんにいたっては、うちの娘に説教までしてくれる。　サザンのカズ坊（関口和之）が郵送してくれるサザンのコンサートのチケットの封筒をよく見ると、見慣れたカズ坊（関口和之）の直筆だからね。　長く続いているパートナーは、立派な人ばかりだよ。　インデックスさんが急成長会社になるには、ちゃんと理由があるわけよ。　ダメな会社だと、ムサシノ広告の伊東正義を呼び忘れるね。　実は伊東正義が、この『さくま式』シリーズのキーマンだったからね。　最後は、「カサローエモのハンバーグがおいしそう！」「行きた～～～い」！という話で盛り上がり、出ました！　伊東正義のセンター前ヒット！「さくま～！　そのハンバーグのお店の名前、なんていうんだ？」「カサローエモ！」「笠郎右衛門かあ！　行ってみるかあ！」「名前間違って覚えてる！　間違ってる！」　さらに樋口由美子さんに、お勧めのミルフィーユ、クッキーなどの詰め合わせをいただく。　もう大相撲の優勝力士みたいに、たくさんいただいちゃったよ！「いやあ！　樋口由美子さんにいただいたケーキを、食べないわけにはいかないなあ！　ほくほく！」　自宅に着いて、すぐミルフィーユを食べてしまったんだけど、クリームのおいしさは何！？　思わず、娘の分も食べてしまおうかと思っちゃったよ！　そうそう、樋口さん、ちゃんと、このミルフィーユも３人分なんだよ。頭が下がるよ。　インデックスのみなさん、本当にありがとうございます！　そして、これからもよろしくお願いします！　午後１０時３０分。外苑前駅で、みなさんとお別れ。　うちは歩いて帰れる距離なので、持ちきれないお土産を抱えて、散歩がてら、のんびり帰る。　しかし、ふと、ｉモードの横浜ベイスターズ情報を見て、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ！　膝ががくがく震えた。「横浜ＶＳ巨人」戦で、延長１１回、小田嶋選手が、なんと！　なんと！　なんと！　なんと！　代打満塁さよならホームランで、今季初のさよなら勝ちをしたというではないか！　うわあああああ！　やったああああああ！　岩崎誠の阪神タイガース１０勝分ぐらい、うれしいよ～～～！　後半戦第１戦に、さよなら勝ちなんて、夢のようだよ～～～！　今季初のさよなら勝ちといったけど、じつは昨年は１回もさよなら勝ちがなかったから、２年ぶりのさよなら勝ちなんだよ～～～！　必死に小走りで、家まで急ぐ。『ニュースステーション』を生で見て、ＮＨＫは録画！　フジテレビの『すぽると！』を生で見て、日本テレビの『スポーツＭＡＸ』は、録画だ。　ああ！　忙しい！　忙しい！　　うれしい忙しさだよ～！　明日は、鎌倉！