7月9日(水) 午前8時。ひさびさに、ぐっすり眠れた。 どうも京都のほうがよく寝れる。 長崎の幼児殺人事件が、商店街の防犯カメラで犯人を限定したニュースを見ながら、 『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の『西日本編』の物件の手直し。 今回の城崎→香住→鳥取→倉吉のおかげで、『西日本編』の全物件に対して、これで 心置きなく、最終決定できる。 どうしても、発売前に、最新の情報で、物件を構成したかったのだ。 しかし、昨日から、VAIOの調子はやっぱり悪い。 インターネット・エクスプローラーをクリックすると、繋がるときと、繋がらないと きがある。 「ページを表示できません」。 「検索中のページは現在、利用できません。Web サイトに技術的な問題が発生している か、ブラウザの設定を調整する必要があります」とか言っている。 コンピュータのくせして、繋がるのが気まぐれなのは、どういうことだ!? まさかSF小説のように、コンピュータたちの反抗が始まっているんじゃないだろう なあ。 だいたい、コンピュータってのは、重大なことを軽く扱ってると思う。 小さな ○ のなかに、 ・ とクリックするだけで、まったく違う使い方になって しまう。 自動車のオート・ウインドウのボタンを押したら、窓が開かずに、自動車が突然バッ クし始めるくらいの恐ろしさだ。 しかも、いつものように、嫁を呼ぶと直る。 私がコンピュータを嫌いなことが、間違いなくVAIOにバレている。 きょうは、のんびり京都ですごす。 午前11時30分。嫁と恒例の散歩コース、錦小路を歩く。へ〜〜〜、いま講談社が月刊ペースで発売している『京都を歩く』のペナントが、錦 小路にずっと垂れ下がっている。 これはいい宣伝方法だね。 錦市場に買い物に来た観光客に、直撃の宣伝だ。 午後12時。錦小路のおそば屋さん「山茂登(やまもと)」へ。 明治元年の創業で、京都屈指のおそば屋さんと呼ばれている。 たしか、グルメの師匠・すぎやまこういち先生ご夫妻もよくこのお店に通っていたは ずだ。
ここのカレーうどんが変わっているという情報を入手したので、来てみた。 本来の名物は、にしんそば。 お正月に、今年の京都の食のテーマは「カレーうどんだ!」と宣言したと思うけど、 しつこいでしょ? 私はまだ京都のおいしいカレーうどん探しを続けているのだよ。 ちゃらんぽらんなわりに、好きなことになると、しつこいんだ。 でなきゃ、横浜ベイスターズのファンを40年も続けられない。 たしか、「山茂登(やまもと)」に、きつねカレーうどんというのがあると聞いた。 あった。メニューに、きつねカレー740円の文字が。
あれ? カレーのルーが透き通っている。 カレーが薄いんだ。 あんかけのほうが、多い。 あぢぢ…。あぢぢ…。当然、熱い。 夏に、カレーうどんを食べに来たのは、失敗だ。 でも、おいしい。 おつゆが、上品。 でも、あぢぢ…。あぢぢ…。 麺が関西風なので、やわらかい。 つい、讃岐うどんを食べなれているので、やわらかい麺とわかっているはずなのに、 カチッ、カチッと噛んで食べてしまう。 関西風のやわらかいうどんの麺の食べ方ってあるのだろうか。 おお! お揚げが入っているぞ。 きつねカレーうどんだから、当たり前か。 関西だから、きつねは、きざみんだお揚げだと思っていた。 油揚げ1枚分を、3等分したくらいの大きさだ。 う、う、うれしい! ちゃんと、甘い。 お揚げを食べると、じゅわ〜と、甘さが口いっぱいに広がる。 これはおいしい。 お子ちゃまの味覚の持ち主である私は、甘い味が大好き! 気に入ったぞ、このきつねカレーうどん。 でも、今度食べに来るのは、秋が深まった頃にしよう。 食後、さらに錦市場を散歩。 午後12時30分。四条烏丸下ルの東京三菱銀行へ。 銀行強盗防止のために、銀行はお客さん用のトイレを設置していなかったんだけど、 ついにこの東京三菱銀行には、トイレがついた。 いいことだと思う。 さっきも、私もこれから行くのは、銀行だし、混んでいたら相当待たされると思った ので、無理やりトイレをすませておいた。 銀行は不便というのが染み付いている。
病院と銀行くらい、広いのに、何もせず、じっと待たされるところはない。 銀行の利点は、暑いに日によくクーラーが効いているくらいのものだ。 あの待たされている時間に、お店で何か販売でもすればいいのに。 主婦相手の夏野菜でもいい。 1坪の個人商店を週代わりで開いてもいいと思う。 売り上げは、すぐ貯金してもらえる。 銀行も、もっとお客さんの売り上げに貢献することを考えなきゃ! いまどき、店内に音楽もラジオも鳴っていないの、銀行くらいなものだ。
あれ? 銀行の受付カウンターの後ろに、大きな衝立(ついたて)のようなものを置 いているなあ。 銀行強盗よけかな。 そういえば、銀行って、入ってすぐ見渡せてしまうから、強盗にとっては仕事がしや すいよなあ。こういう衝立(ついたて)があれば、銀行強盗も、いつ銀行員が非常ボタ ンを押したかわからないから、怖くなるよね。銀行員もとっさに隠れることができる。 いよいよ、銀行も意識改革の時期が来たかな。 何たって、いまの日本の不景気は、銀行が作ったようなものだからね。 企業努力してくれなきゃ! 午後1時。四条通りを散歩する。 暑い。やっぱり京都の夏は、蒸し暑い。 そういえば、祇園祭りが始まっていた。 お祭りの元祖のような祇園祭りは、7月20日前後のように思われているけど、7月 1日から、1ヶ月間続く、八坂神社のお祭りだ。 すでに、四条通りには、コンチキチン、コンチキチンの鐘の音が流れている。 どの お店も、祇園祭り体勢に入り始めている。 「たち吉」の長刀鉾の7分の1フィギュアが見事だ。
暑い。暑い。 汗が吹き出ると、お店に退避する。 あぢぢ…。あぢぢ…。 だんだん、お店に退避しても、汗が引かないくらい、汗をかき始めてる。 四条河原町の角のみずほ銀行に、通帳記入のためだけに入る。 まだ、みずほ銀行は、お客さん用のトイレはないようだな。 四条河原町から、北上して、「自遊人(じゆうじん)」へ。 確かこのお店に、スイカ・ジュースがあったはずだ。 夏は、スイカだ! 自称・男前のとぼけたご主人がいた。 「あらあら! ほんとはきょう、お店、定休日なんやけど…」 「えっ? 不定休だったんじゃないの?」 「第二、第三水曜日を定休日にしましたんや!」 「ええ? 今年何度か来たけど、お店閉まってること、何回かあったよ!」 「えろうすんまへんな。遅刻したりしてん!」 「はっはっは!」 「まあ、ええから、入って! 入って!」 けっきょく、いつもお店に入れてくれるのだ。 「お店の名前が、『自遊人(じゆうじん)』やから、適当にやってたんやけど、真面目 にやれという声が聞こえて来ましたんや! だから、これから真面目に働こうと思って…」 「似合わないと思うけどなあ…」 「ははは。やっぱりそう思います?」 うひゃあっ! このお店にふつうのスイカ・ジュースを期待してはいけなかったあ! 和歌山産の紅こだまスイカを、くりぬいて、凍らせて、持って来たよ! 氷で白くなっちゃいて、最初スイカに思えなかったよ。 くりぬいた穴に、シェイクしたスイカ・ジュースを入れるようだ。 「ご主人、わてと競争しまひょ!」 「えっ? 競争?」 「ご主人、ストロー、ここに入れて!」 「ん? 何でストローをくりぬいた、紅こだまスイカのなかに?」
ああ! そうか! スイカのジュースの量のほうが、多いから、あふれてしまってこ とか! もう遅いよ! あふれちゃったよ! へ〜、このあと、この紅こだまスイカにジュースを入れたままにしておくと、シャー ベットになっておいしいの? 私は、素直にスイカ・ジュースが飲みたいだけなんだけど。 嫁なんか、スイカのカキ氷を注文したもんだから、スイカをそのまんま乗っけられた 化け物のような、スイカのカキ氷になってしまった。 どうも、このお店ではふつうのものが食べられない。
それどころか、帰ろうとすると、またしてもバニラ・アイスや、ケーキや、いろいろ サービスしてくるので、なかなか帰れない。 こんな調子で、採算なんか合うのかな。
「ねえねえ、ご主人は本当は、一流フランス料理のお店の御曹司だったりしないの?」 「御曹司? 御曹司? はっはっは。そんなことない! そんなこと!」 「でも、お皿の選び方とか、お皿2枚積むやり方は、只者じゃないよ? このお店やる 前って、どのお店にいたの?」 「料理はしてまへんのや!」 「そんなわけない気がするなあ!」 どうも昔のことをいつも教えてくれない。 政治家しか行かないような一流料亭の隠し子とか、名門料理店の息子で、親に勘当さ れた経歴の持ち主だったりしないのかなあ? 午後3時。嫁と別行動で、私は京阪三条の駅へ。 消防車のサイレンの音が多い。 見渡したところ、どこからも煙が上がっていないぞ。 あれ? また消防車が。 相当大きい事故でもあったのかなあ。 勝手知ったる京阪三条駅の、唯一エスカレーターだけで、改札口まで行ける入り口か ら入ろうとすると、エスカレーターが停まっていた。 ついに不景気は、エスカレーターの停止まで来てしまったのか。 でも、使用停止の張り紙くらいは、貼っておいてほしいものだ。 お客さんが、動かないエスカレーターを登ってくる。 私も動かないエスカレーターを降りて行く。 あれ? 三条駅の改札口が暗いぞ。 まさか、停電? 駅構内にアナウンスが流れていた。 「お急ぎのところ、ご迷惑をおかけしておりますが、現在京阪電車は、停電で、エスカ レーターや、エレベーターは使用できないようになっています」。 えっ? さっきのエスカレーター? 停電が直ったら、急に動き出してたってこと? ひゅうううっ。危なかったあ! 「なお、京阪電車は、通常通り動いておりますので、どうぞご利用ください!」 停電 なのに、エスカレーターと、エレベーターだけ動かないっていうのも変だね。さっきの うるさい消防車のサイレンもこの停電のせいだったのかな。 自動検札機も、ちゃんと動いているよ。 スルッとKANSAIカードがつかえた。 ホームまで行くと、照明が少なく、暗い。 何と、何が、停電なんだろう。
考える間もなく、特急が来たので、乗車する。 たしかに電車を利用するのには、何の支障もない。 出町柳(でまちやなぎ)駅に着いた。 ここも、ホームは停電中だ。 うーーん。京阪電車の全線の照明と、エスカレーターと、エレベーターだけ停電なの かなあ。不思議だ。 午後3時30分。毎度おなじみ、出町柳(でまちやなぎ)駅前のパン屋さん「柳月堂」 にくるみパンを買いに来た。 ここに来るのは、京都にいるときの日課に近い。 午後4時。帰宅。 『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の『西日本編』の兵庫県、鳥取県の物件名と、収益率 を最終決定する。 香住(かすみ)駅に、三姉妹遊覧船の物件を入れてみた。
午後6時。嫁と、祇園花見小路のおばんざいのお店「たま」へ。 「たま」といったって、ランニング・シャツの太ったおっさんが料理を作っているお店 ではない。 あの人のホームページって、ときどき見ることがあるなあ。 女性ばかりのお店で、大皿にお惣菜が並んでいる。 名物の煮込みハンバーグを注文する。 京都では、カレーうどんを探し、東京では、ハンバーグ探しが、境界線がなくなって 来た。
この煮込みハンバーグがおいしかった。 表面がやわらかくて、なかがカリカリッ! 最も、私が好きなパターンのハンバーグだ。 ハンバーグ・ランキングに入りそうだ。 お惣菜を食べさせてくれるお店で、こんなハンバーグに出会うと思わなかった。 ほかにも、肉じゃが、焼きナスのとろろ、ジュンサイの赤だし味噌など、どれも旨 し。おばんざいのお店なので、15分ほどで、食事が終わってしまったよ〜! 午後7時。ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれて、ブライトンホテルで、 コーヒー。 午後8時。帰宅。 『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の物件変更を清書して、札幌に送る。 午後9時30分。『トリビアの泉』を見る。 深夜で、マイナー臭をぷんぷんさせていた番組だけに、ゴールデン・タイムに進出し ておもしろのだろうか?と危ぶまれていたんだけど、タモリさんという大砲を持って来 たのは、えらい! しかも、納豆の糸がどこまで伸びるか?という実験のためだけに、日本武道館を借り 切る馬鹿馬鹿しさは、見事だ。 こういう作り方は、フジテレビのお家芸だ。 最近、私は無性にテレビ番組を企画したがっている。 デビュー当時、放送作家としては、ほとんど戦力にならないまま、転職してしまった せいだろうなあ。 何か1本くらい、話題になる番組を作ってみたい。
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