7月6日(日) 昨夜から、DVD『たそがれ清兵衛』のメイキング部分を見ている。 実は、本編のほうは、期待しすぎていたのか、私としてはお勧めするほどではなかっ たので、日記には書かなかった。 原則的に、日記には、気に入った映画だけを紹介している。 娯楽作品を作る同業者として、一生懸命作ったものを個人的な感情で貶めることは好 きではない。 で、DVD『たそがれ清兵衛』のメイキングが非常にていねいによく作られているの だ。 水増し特典映像が多いなか、誠実な仕事だ。 しかも、楽屋裏の宮沢りえは、本編よりも美しく、魅力的だ。 このメイキングというか、宮沢りえサンを観るために買うのは、絶対お勧め。 紆余 曲折が人を美しくする典型のようだ。 本編のほうも、庄内地方の雰囲気と情感を味わうつもりなら、OK。 私も『雨あがる』を観るつもりで、鑑賞するればよかった。 ドラマチックなストーリーを期待しすぎていたようだ。 午後12時。嫁と、恵比寿ガーデンプレイスの「アフタヌーンティー」へ。 私は、チキンカレー。 嫁は、タイ風豚そぼろのピタパン。チキンカレーは、サイコロ・サイズに切ったトーストを、カレールーにつけて食べる タイプ。ご飯でない分、新鮮な味。 食後、本屋さんで、嫁とふたりで、大量購入。 嫁と本屋に入ると、10冊以内ですむことがまずない。 午後1時。嫁が店内ショッピングの間、私は1Fの「パパス・カフェ」で、買って来 た本を読む。 GLAYのTAKUROくんの『胸壊(きょうかい)』(幻冬舎)だ。 フジテレビ『とくダネ』の小倉智昭さんが、いたく感動していた本なので、読んでみ たんだけど、ひさしぶりに、背筋がぞわぞわ震える本だ。 自分が若い頃、アマチュアバンドをやっていた青春時代の思い出が逆流して来て、叫 びたくなったり、その場にうずくまりたくなったりするような本だ。 TAKUROくんの父親が、3歳のときに死んでいる境遇とか、姉がいてといった家 族構成が、私も3歳のときに母親を亡くして、姉ひとりだっただけに、びりびり、びり びり、電流のようにシンクロしてしまう。 こんな一節があった。 金儲けのために、売れ筋の曲を作る? そんな簡単に売れ筋の曲が作れるものなら、レコード会社は苦労しない。 正しい言葉だよなあ。 「小室哲哉の曲なんて、みんなおんなじだよ! あんな曲なんて、誰でも作れるよ!」 だったら、作ってみれば? 「つんくって、モーニング娘。の曲は当たってるけど、男性歌手で当たったことはない からな!」 とりあえず、女性歌手でヒットを出してから、言ったほうがいいと思う。 お客さんが言う分には、かまわない。 業界人が、こういった言い草をすることは非常に多い。 でもこういう言い方は、「自分が負け犬である」ことを宣伝しているのと同じである ことに、気づいていないことが多い。 『胸壊(きょうかい)』(幻冬舎)を半分読んだところで、やめる。1日で、読み終え てしまうのが、もったいない。 午後2時30分。帰宅。 もう見たくないと思っていても、身体に横浜ベイスターズの試合のテレビ中継のスケ ジュールが、身体にしみこんでいる。 性格の悪い女に入れ込む男でも、ここまで性格の悪い女(横浜ベイスターズ)には出 会ったことがないだろう。 スカイ・パーフェクTVで「横浜VS広島」戦。 例によって、先制点を取った次の回に、同点される。 今シーズン、見飽きた展開だ。 しかも、追加点をあげるのは、いつも相手チーム。 きょうも、広島に3−1と、リードされる。 それでも、きょうの横浜ベイスターズは粘った。 9回裏2死。3−1。 あとひとりで、ゲームセットの場面から、鈴木尚典選手がヒットを打ち、T・ウッズ 選手が四球、多村選手がヒットで、3−2に! 今シーズン初めてのさよなら勝ちか! …と、思われた瞬間、T・ウッズ選手の代走で出た万永選手が、なんと、牽制球タッ チ・アウトで、ゲーム・セット! 何だよ、この終わり方は! 試合が終了した後も、万永選手は審判につかみかかるほど激高していた。 でもたとえセーフだったとしても、1点差の9回2死で、牽制球ですれすれになるよ うな離塁を取っていること自体に、問題がある。 ダメなチームにふさわしい負け方だ。 他人事と思わず、肝に銘じよう。 今年の横浜ベイスターズくらい、人生の指針になるような場面連発の球団はありませ んぞ。勉強になるなあ…。 まあ、横浜ベイスターズは今年のうちに、出せる膿を全部出してほしいな。 将来性のある選手たちがこれから化けていく瞬間を見ることができるんだから、これ からだよ、これから! うぇーーーん。泣いても仕方ないか。はっはっは。 夕方、『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』の女風呂のメッセージを完成させて、札幌に 送る。 毎度大好評の女風呂イベントだが、たぶん今回で最後になると思う。 今回、漫画家の万乗大智くんに女風呂イラストを描いてもらったんだけど、最近エッ チな絵には、審査というものがあって、絵が過激だと、18歳向け!とか、表示を受け てしまう。 『桃太郎電鉄』シリーズとしては、「全年齢向け」の表示にしてもらいたいので、万乗 大智くんには、絵の手直しを要求することになってしまった。 この時点で、そういう規制は、よくないだの何だのという気もない。 「表現の自由だ!」と、力説する気もない。 「『桃太郎電鉄』は、エッチ系のゲームでもないのに!」と怒る人の気持ちもわからな いでもない。 でも、規制を敷くことで、漫画家さんに自由にのびのびと描いてもらえなくなってし まうことのほうが、問題なので、今回の作品で、女風呂のイベントは、終了にしようと 思う。 万乗大智くんは「また描かせてください!」と、うれしいメールを送ってきてくれた けど、依頼人としては、楽しく描いてもらえない環境は困る。 女風呂のイベントがなくなることで、売り上げが落ちるようなら、そこまでのゲーム だと思うしね。 まあ、こういう規制が始まること自体、ゲームが末期な証拠だ。 午後5時。『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書追加分を書き始める。 先週のテスト・プレイ・ウィークのせいで、もうちょっとイベント数を増やそうと 思っている。 ゲーム後半にイベントを増やすのもいいけど、やっぱりゲーム開始10年目までにイ ベントが多いほうがいいなと思ったのだ。 午後7時。自宅にて、ミートピア・サヌキの肉うどん。 トッピングに、宮崎県飫肥(おび)のおび天を食べる。 おび天の味が、なつかしい。 午後8時。NHK『武蔵MUSASHI』。 まだ観てると、こう日記に書いているうちは、まだ観る価値があると思っている。こ こ2ヶ月くらいの間に、何回か観ているのに、書かなかったけどね。 佐々木小次郎と、宮本武蔵が、混ざらない絵の具のようだ。 まったく別シナリオになっている。 もう少し、すれ違うシーンがないと、厳流島への感動がスタートしない。 今年の横浜ベイスターズのように、脚本のお勉強のお手本にしようっと。 さて、明日からまた旅に出る。 1泊で、京都に到着するか、2泊で到着するかは、未定。 これじゃ、目的地に入るかがサイコロ次第の『桃太郎電鉄』のようだ。 日記のほうは、京都に着いたら、更新します。 それじゃまた!
-(c)2003/SAKUMA-