7月3日(木)

 惜しいなあ…。
 ヤンキース松井選手の故郷の町と、周辺の町が合併に際して、新しい市名を募集した
ところ、松井市が5位、ゴジラ市が、10位だった。
 松井市は、ともかく、ゴジラ市にすれば、観光都市としてだけでも、やって行けたの
に! もったいないなあ…。
 怪獣記念館も作れるし、怪獣映画の常設館も作れるし、町じゅう、怪獣の石造だらけ
に出来る。
 ゴジラ市になったら、真っ先に『桃太郎電鉄』の目的地駅にするよ!
 けっきょく、能美(のうみ)市と、手取(てどり)市のふたつに絞られたそうだ。地
味だ…。

 午後7時。昨日、またしても、敵に回すと恐いが、味方にするともっと恐い男・井沢
どんすけが、『西日本編』に初登場する「ナイスカード・マス」に対する文句に応える
ために、朝から必死に、エクセルデータと首っ引きで、変更作業!
「ナイスカード・マス」は、デビルカードやウィルスカードが出ないわけではないけれ
ど、比較的いいカードがもらえるカード駅だ。
 なのに、井沢どんすけは「もっと、いいカードがもらえないと!」と、うるさい、う
るさい。
 しかも、井沢どんすけは、損害保険カードとか、シャッフルカードとか、確率でいう
と、256分の1しか出ないようなカードばかり引き当てるのだ。
 256分の1というのは、その「ナイスカード・マス」に256回止まって、やっと
1回出るような確率だ。
 比較的いいカードがもらえるだけでも、井沢どんすけが喜ぶだろうと思って作ったの
に、強欲な井沢どんすけの要求は、私の善意をはるかに上回っていた。

「井沢どんすけ! おまえのいうとおりにしたら、ナイスカード・マスではなく、ハッ
ピーカード・マスだ! しかも、そんな風にしたら、おまえはずっとその近辺に居座る
に決まっている!」
 とはいえ、もう少しいいカードがもらえるように、調節。
 この調節に手間取る。

 午後12時。嫁と、表参道の「カフェ・クリエ」へ。
 原宿の長い間、象徴だった、同潤会アパートが、ついに撤去されていた。
 数々のドラマ、映画、SMAPの『夜空ノムコウニ』のビデオにも登場した通りの景
色が、生まれ変わる。
 前の景観を意識したデザインに生まれ変わるようだけど、どうなることやら。
「カフェ・クリエ」は、2階のオープン・デッキから表参道を見下ろせるので気持ちが
いい。きょうは薄曇りだけど、晴れた日には、海上のクルーザーの上にいるような気分
になれそうだ。

 赤いパスタという、赤唐辛子が入ったペンネを食べる。  スープがやたらとおいしかった。  午後1時。築地のハドソンへ。  10分ほど遅刻したが、柴尾英令くんが20分遅れ。  きょうも、『桃太郎電鉄12〜西日本編〜』のテスト・プレイ。  出場選手は、『桃太郎電鉄』での勝率が高いにもかかわらず、豪快な勝ち方をしない ために、私が「華のない男」と、称したソネット勤務の柿添尚弘くん。血液型B型。3 4歳、  オンラインゲーム・マスターで、特に名と顔を秘すTくん。血液型O型。22歳。神 奈川県出身。

 元・ハドソン勤務で、現在キャラクター製作会社ぴっころ勤務の武田学くん。血液型 B型。29歳。兵庫県出身。  婦女暴行で話題になったサークル「スーパーフリー」とおなじ早稲田大学出身で、福 岡の1家惨殺事件とおなじ福岡県出身で、血液型が狂気のB型、柴尾英令くん、40歳。 で・ぶ。

 観客席は、札幌開発スタッフの川田忠之くん、込山勉くん、田中俊介くん。  ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くん、藤原伸介くん。  私、嫁、柴尾英令くん。  きょうも、西日本編をテスト・プレイ。  ゲームは、静かにスタート!  昨日のメンバーと違って、Tくんを除く全員が、一度は西日本編をプレイしているの で、スムーズ!  武田学くんが、軽快に最初の目的地に到着!  毎度おなじみ、華のない男・柿添尚弘のプレイぶりがあいかわらず笑える。  どういうわけか、いつも渦中にいない。  みんながキングボンビーのなすりつけに大騒ぎしているときも、ひとり蚊帳の外で、 20マスくらい離れたところで、近づくでもなく、遠ざかるでもない。  かといって、貧乏神もあまり食らわないのだ。  しかも、つねにぶつぶつ、物件名や、カードの説明を復唱している。 「うーん、呉の肉じゃが屋、1000万円かあ…。1000万円ね。呉の肉じゃが。う ん。うーん。うーーん。やめとこう…!」 「ほうほう。へえへえへえ…。貧乏神直撃カードね。貧乏神が ついたときにほかの社 長さんに、吹っ飛ばすことができちゃうカードね。ほうほうほう。ふんふんふん。いい じゃないですか…!」 「うーん。うーーーん。うーーーん。近くに誰もいない…!」 「うーん。6進めるカード、捨てちゃったんだよなあ…。うーーーん!」  ずっと、この調子。  でも、けっこう目的地にも入る。  しかし、誰も柿添尚弘くんが、目的地に入ったことを話題にしてくれない。  さすがに私が、「柿添尚弘くんが、連続で目的地に入ったんだから、話題にしてあげ なよ!」というと、「心なしか、柿添尚弘さんのときだけ、目的地連続到着の花火が小 さかったような気がします」と、言われてしまう。

 そんなわけで、どういうわけか、西日本編初体験のTくん、22歳がわずかながら、 首位に立つ。  本来なら、桃鉄師範代である柴尾英令くんの独走のはずだが、すっかり武田学くんと、 柿添尚弘くんにマークされてしまっている。 「デビル派遣カードも、首位のTくんに食らわすべきだけど、長い目で見ると、柴尾英 令さんにつかったほうがいいですよね!」 「何で、オレなんだよ! トップにつかえよ! トップに!」  8年目。じりじりっと、柴尾英令くんが追い上げてきて、いよいよ収益額では、首位 に立ち、総資産では、まだTくんが、首位という展開になった。  しかし、9年目。  首位に肉薄していた柴尾英令くんが、福袋カードをつかったところ、リトルデビル カードが3枚、デビルカードが2枚、ダイヤモンドカード1枚という信じられない確率 を引き当てる! 「何だよ、これ〜〜〜!」 「これは絶対、確率変だよ〜〜〜!」 「オレは、デビル派遣カードを食らったのかあああああ!」 「田中俊介〜〜〜ッ!」  柴尾英令くん、わめき散らす!  しかし、福袋カードでいちばん多いのは、徳政令カードで、次に、特急カード、急行 カード、ぶっとびカードの順だ。  おまけにダイヤモンドカードが出る確率は、64分の1だ。  こんなカードを引き当てるのは、すごい。 「ああ、もう、ダメだ! きょうは負けた!」  常勝将軍・柴尾英令くんが、敗北宣言をすると、崩壊はバクダッドの陥落のように早 い。  福袋カードで絶望的なカード群を引き当てた柴尾英令くんの翌月、キングボンビーが やって来た…。ずしーーーん! ずしーーーん!  午後6時。テンポが早い!  予定していた10年モードが、終了!  なんと、優勝は、華のない男・柿添尚弘くんであった。 「柿添尚弘くん、ダメだよ〜! 『激動の桃鉄史』に一度も登場しないで、優勝は、 やっぱり華がないよ〜!」 「そういわれましても…」  午後6時30分。きょうのメンバー12人で、ハドソンの近所の築地3丁目にある 「越後 叶家(かのうや)」へ。  ここは、越後のへぎそばが食べられる居酒屋さん。  以前、みんなでここに来て、おいしかったので、もう一度来たかった。  へぎそばというのは、麺に布海苔(ふのり)を練り込んだ、越後地方に伝わる独特の そば。  これがつるつる喉越しがよくておいしい。  4〜5人前の大きい箱を3箱注文するも、すぐになくなって、2箱注文。25人前く らい食べたってこと?  午後8時。帰宅。  きょうのテスト・プレイを早く切り上げたのは、明日のテスト・プレイが大変そうな のが、すでに予想できているから。  みなさん、おまちかねのあの人たちが登場します。  ああ、笑い疲れそうだから、きょうは、じっくり身体を休めておかないと。

 

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