6月21日(土)

 午前11時30分。嫁と、六本木ヒルズへ。

 まだまだ六本木ヒルズは混んでるねえ!  土曜日のせいもあるんだろうけど。  でも、混んでるお店と、閑古鳥が鳴いているお店の差が、くっきりして来た。  ウェスト・ウォーク5Fの「久徳(きゅうとく)」へ。  いなにわうどんの専門店。  3色セット。

 味は悪くないけど、お店の雰囲気が悪い。  お店の幹部がみな、笑顔がなく、顔色が悪い。  一様に、口を「へ」の字にしている。  笑う門に福を呼び込まないと。  午後12時30分。六本木ヒルズのベロタクシーで、麻布十番の「ピラミデ」 まで行ってくれるというので、乗ってみる。

 嫁が以前、350円で原宿から、自宅まで乗ったので、それは安いし、おもし ろいと乗ったのだが、ふたりで乗ると、350円×2=700円の料金であっ た。 人数で違うのか。  しかし、のんびり、ごとごと、地面の凹凸を感じながらのベロタクシーは、楽 しい。直線距離で料金が決まるというので、六本木ヒルズから、自宅までだと、 意外に料金は安そうだ。一度試してみるかな。 「ピラミデ」で、コーヒー。ショウケースのシュークリームが、食べてくれ!と 私に懇願しているような気がするで、たまらず食べてしまう。このところ、甘い ものがほしくて、仕方がない。  疲れているのか、横浜ベイスターズの10連敗のストレスが原因なのか、よく わからん。両方だろう。  午後1時30分。私だけ、神宮球場へ。  嫁と、娘は、柴尾英令くん主催の品川プリンスシネマ、アイマックスシアター で『マトリックス・リローデッド』を観る会に行った。  私としては、いちばん勝つ可能性がある川村丈夫投手の先発が予想できていた ので、陽射しの強いなか、ひとりで来たんだけど、初回からホームランを打たれ、 4回までに、3−0と引き離されて、11連敗が濃厚になる。  もう負けるのにも、飽きてきたよ!  どの横浜ベイスターズの選手も、ランナーが出ても、続く打者がフライばっか り上げて、チャンスを潰していく。  つらいねえ、こういうチームを応援するのって!  T・ウッズって、ホームラン・ダービーのトップに立っているけど、走者のい ないときばかり打つから、4番には向いてないと思うんだけど。  年間140試合で、140本塁打打つなら、4番でもいいけど、そんな選手い ないもんね。得点圏打率で、打順は決めるべきだと思う。  おや! 5回表、今シーズン本塁打ゼロの、種田選手が、3ランホームラン!  その前に、金城選手のショート・ゴロの間に、3塁走者が生還していたので、 4―3と逆転!  横浜ベイスターズの逆転シーンなんて見るの何ヶ月ぶりだろう。  逆転されるシーンは、もう見飽きるぐらい見た。  さらに鈴木尚典選手が、2塁打を打って、マシンガン打線の復活かと思われた んだけど、走者がいるときは、多村選手が、3球3振。  私は、横浜ベイスターズのファンだから、極力選手の悪口はいいたくないのだ が、この多村選手は、歴代の監督が使いたがって、使うんだけど、ずっと結果が 出ない。ここ1年や、2年の話ではない。  パンチ力もあって、守備もいいらしいんだけど、だったらずっと4番でつかえ ばいいのに、ちょびちょび出て来ては、きょうみたいに盛り上がった雰囲気を消 火する選手のように思えてならない。  ここから私の血圧がまた上昇するうようなシーンの連続だ。  満塁のピンチをからくも切り抜けたり、佐伯選手がユニフォームを泥だらけに して、一塁まで這って行って、ダブルプレーを成立させたり、守備の下手な古木 選手が、必死にファウル・フライを追って行って、ひっくり返りながらも捕球し たりして、勝負への執念を見せる。  執念は大事だね。

 なんとか勝ったよ。  最後もラミレスにホームランが出れば、同点のシーンも、デニーが切り抜け た。 三塁側スタンドは、勝って、万歳する人よりも、「やっと勝った! ふう っ!」とため息をつく観客のほうが多かった。  私もそうだよ。  10連敗で止まったことに、安堵するほうが先で、勝利の実感がない。  たしか田崎投手のプロ入り初勝利のはずなんだけど、喜ぶ前に、「疲れた!」 とおもう気持ちのほうが強い。  観客のひとりの言葉が身にしみる。 「1勝がこんなに楽しいチームは、ないぜっ!」  午後7時。銀座8丁目のラムしゃぶのお店「金の目」へ。  品川で「マトリックス・リローデッド」を観た柴尾英令くん御一同と、待ち合 わせ。  全日空(全部肉空)男・柴尾英令くんは、よほど旭川のラムしゃぶが気に入っ たようで、インターネットで都内でもラムしゃぶが食べられるお店を探し出して、 きょうの映画の会の夕食の場所にここを選んだのであった。

 柴尾英令くんのお肉に対する執念を、横浜ベイスターズの選手に伝授してほし いよ。ついでに、柴尾英令くんのラムしゃぶを絶え間なく食べ続け、食い放題の ラムを切れ目なく注文し続ける技術も、横浜ベイスターズの選手に伝授してほし いよ。

 いっしょにいた人たちが、「柴尾さん、そんなにお肉食べて大丈夫?」、「柴 尾さん、たまには病院に検査に行ったほうがいいですよ!」「すごい! お腹出 てますよ!」「ボタンちぎれそうですよ!」と心配することなど、どこ吹く風で 「ラム肉は、太らないんですよ!」と、食べまくる柴尾英令くんであった。  でも、実際、ラムしゃぶはおいしかったし、お刺身もおいしかったし、蟹もお いしかった。北海道1週間旅行で、北海道の味にうるさくなっているわが家族が おいしいと思えたのだから、このお店のレベルは、相当高いと思う。  それでも、きょうの食事の主役は、最初から最後まで、柴尾英令くんだ。  ラムしゃぶを、わんこそばのように食べまくる柴尾英令くんはすごい! 「わっはっは! むしゃむしゃ!」 「わっはっは! むしゃむしゃ!」 「わっはっは! むしゃむしゃ!」  冨士には月見草が、柴尾くんには、お肉がよく似合う。

 柴尾英令くんの食欲にあっけに取られた人たちは、この人たち。  漫画家の万乗大智くん、系図マニアのけーむらクン、ヤングサンデー編集者の 石川享くん、漫画原作者のいしぜきひでゆき&はるみ夫妻。私、嫁、娘。  午後9時。仕事に向かった石川享くんを除く8人で、喫茶店でお茶。  ひさびさに万乗大智くんと、漫画談義。

 午後10時。帰宅。  さあ、今夜はプロ野球ニュースをはしごだ  明日も、神宮球場で「横浜VSヤクルト」戦だけど、連敗が止まったから、明 日は見に行かなくてもいいかな。

 

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