6月15日(日)

 うつつつつっ! うつつつつつっ!
 夜中に何度も目が覚めるのはいいとして、毎回、目が覚めるたびに、足がつる
のはつらい。うっ!

 うつつつつつっ!
 旅先で歩かないと、取材にならないし、歩けば、こうしてへばる。
 刑事は足で稼げなくなったら、引退だな。
 私はいつから刑事になったんだい、亀さん!

 でも、今回、ヤサカタクシーの宮本さんで楽させてもらったように、もっと
楽できる方法はないかと思案する私であった。

 うつつつつつっ!
 背中まで痛い。
 きょうで、旅も6日目だ。

 午前8時30分。家族3人で、オーセントホテル小樽1Fの喫茶で、プレート
朝食。
 アスパラガスに、ポテトサラダ、ポーチド・エッグにクロワッサンとは、いか
にも北海道らしくていい。
 ポテトは、どこでも絶対おいしい。

 午前9時30分。うちの娘が昨日、時間がなくて、見ることができなかった東 雲町の交差点へ。  すごい交差点だよ。午前9時30分になったとたん「小樽オルゴール堂」の前 の大きな時計から、水蒸気が吹き、フォーーー、フォーーー!と、霧笛のような 音が鳴った。向かいの教会では、ディンゴン、ディンゴン、鐘が鳴り響く。  まるで、テーマパークにいるみたい。  一瞬どこかで入場料を払って来たよな…と錯覚するほどだ。

 娘が、オルゴール堂、北一硝子館を見ている間、私はベンチで日向ぼっこ。  昨日の足の疲労がまだ取れないのと、もはやメルヘンに夢見る年頃ではないの で、休ませてもらう。  日曜日の小樽は、観光客だらけ。

 観光客を迎え撃つお店もすごい。 「銀の鐘」1号館、2号館、3号館、4号館、5号館、6号館…。 「小樽オルゴール堂」1号館、2号館、3号館…。 「北一硝子館」は、1〜5号館に加えて、「クリスタル館」に「ガラス工芸体験 館」など、別ブランドまで出来ている。  まるで、新幹線名古屋駅前から見える、河合塾16号館のようだ。  すごい。とにかく、すごい。  一時期、小樽のいいところは、函館にぜんぶ奪われてしまったなあ!と思った けど、完全に大逆転だ.  この人工的な町づくりがいいか、悪いかは別にして、楽しそうに歩いている観 光客がたくさんいるうちは、これでいいと思う。  一方で、明治時代の榎本武揚(えのもとたけあき)を町ぐるみで、広めようと しているのだから、それも真っ当なことだと思う。  さて、これから、長距離取材旅行だ。  ヤサカタクシーの宮本さんがもういないから、小樽の運転手さんに頼まないと いけない。でも長時間いっしょにすごすのだから、愛想が悪かったり、融通の利 かない人でも困る。  この選び方も難しい。  だいたい、観光地の駅に着くと、近距離を走ってもらって、感じのいい人に頼 むことにしている。  でも、今回は見つからなかった。  ひとりの運転手さんなど、「こんなガラス細工買って、どこがいいのかね!」 などと、小樽の悪口を言っていた。タクシーの運転手さんが、わが町を宣伝しな いでどうするの!  名産品を、実は小樽で作っていないことなど、わざわざあんたがバラす必要は ない。お客さんは、喜んで買っているんだよ。 「何にもないとこだけど、またよかったら来てください!」という運転手さんに 出会ったときは、幸せだ。  午前10時30分。オーセントホテル小樽に戻り、フロントで、観光タクシー を手配してもらう。いいホテルは、いい運転手さんを紹介してくれることが多 い。いい人に出会ったら、またこの町にもう一度来ようと思うし、そのときは、 このホテルに泊まろうと思うからだ。  しかも料金は、格安になるので、都合もいい。  ホテルが手配してくれたベテラン運転手さんの車で、いざ出発。  観光タクシーだから、いろいろ豆知識を教えてくれる。  北海道の地名は、アイヌ語から来ているものが多い。  そのなかで、「別」とか「内」がついているのは、川を意味するそうだ。  江別、芦別、紋別、士別、稚内、静内といったところには、川が流れていたん だろうね。  国道5号線を、余市(よいち)方面へ。  右側に、日本海が広がる。

 雨上がりで、白い雲がぽっかり、青空が大きくて、気持ちいいこと、この上な い。遠くにまだ雪を抱いたニセコ連山が見える。  へえ。あれが積丹(しゃこたん)半島のカムイ岬か。  あっちまで行っていたら、さらに北海道滞在が長くなってしまうので、先を急 ぐ。  午前11時。余市(よいち)駅へ。

 余市(よいち)は、ニッカ・ウイスキーの城下町。  そしていまは、ウイスキーに宇宙飛行士の毛利さんが生まれた町というキャッ チフレーズが加わった。  私は飛行機が苦手なので、当然、宇宙開発についても詳しくない。  ガガーリン、テレシコワ、『アポロ13』、『カプリコン1』で、ほぼ全知識 だ。

 余市(よいち)はまた、リンゴの栽培が盛んだ。  札幌のお土産品売り場には、「余市のりんご」という文字がよく目に付く。  いまでは青森に次ぐ、生産量だそうだ。  駅の物産店では、りんごグミ、りんごソフトが売られ、りんごジュースは、 ふじ、ハックナイン、あかねの3種類があった。  ハックナインというのは聞きなれないので、買ったけど、あっ、娘にぜんぶ飲 まれたかも。私が飲むのを忘れた。くそっ。  何しろ、名産品は買って、その場で片っ端から食べて、おいしければ、東京に 送り、また食べる。それでもおいしければ、『桃太郎電鉄』の物件に加える。  こういうことを繰り返しているので、私もよく、嫁と半分個するつもりだった 甘いお菓子をうっかりぜんぶ食べてしまうことは、じつに多い。  とくに、トウモロコシはやばい。  一度齧ると、トラクターが畑を整えるように、ガーーーッと一気に食べてしま う。今回の旅でも、3回ほどぜんぶ食べてしまった。    午後12時。ニッカ・ウイスキーの工場へ。  運転手さんがいい人で、こっちが時間がないとわかるや、ウイスキー工場の裏 側に車を走らせてくれた。  何でもここは、東京ドーム3個分だかの敷地で、最初からずっと説明を聞きな がら、見学していたら、1時間や2時間でも足らないくらいなんだそうだ。  そんなわけで、お土産品を売っている場所のほうに案内してくれた。

 私は、まったくお酒が飲めないので、ウイスキーについての知識も興味もない。  家族3人で、ウイスキーが試飲できるお土産品売り場に行くが、お酒が飲めな い人用のメロン風味のシロップを飲んだだけ。  やっぱり、ウイスキー工場の取材は、私には不向きである。

 運転手さんが、広大な敷地の見学コースの最後の2館だけ見てくるといいとい うので、行ってみる。  うへっ。ウイスキーの匂いがぷ〜〜〜ん!と、入り口まで洩れてきている。  当たり前だけど。教えてもらったのはいいが、私はこの匂いだけで酔ってしま いそうだ。  私だけ外で待つ。  うちの娘は、この匂い、平気なのか。

 でも、お酒が苦手なのは別として、このニッカ・ウイスキーの工場は、風景を 楽しむためだけに来ても、気持ちのいいところだよ。  白樺の木に、煉瓦造りの倉庫が並んで、ちょっと覗けば、大きな樽がいっぱい 積み上がっているさまは、まるで北海道大学のキャンパスみたいで、気持ちい い。 「ほら、見てください。あそこの白樺の木は、黒くなってるっしょ! あれはお 酒で焼けたんですよ」と、運転手さんが教えてくれる。 「え? どういうことですか? ウイスキーで?」 「ウイスキーの匂いが染み込んで、黒くなったですよ」  ふーーーん。そういうことか。  特に名を秘す、東武練馬の色の黒い北海のトドのようなおっさんは、お酒の匂 いで黒くなったのかあ。なっとく。なっとく。納豆食う。納豆は酒焼けのおっさ んの前で食べては、いけまへん。  今度は、ニッカ・ウイスキーの工場の裏にある「余市宇宙記念館」へ。  記念館の前には、お約束のように、スペース・シャトルが展示されてあった。 そのお約束に上塗りするように、記念写真を撮るバカ親子。

 隣接で、道の駅「スペース・アップルよいち」というのがあったんだけど、夏 の海辺のお土産屋さんよりも貧相。  道の駅は、本当に当たり外れが大きい。  時間もないし、体験コース1200円と、ちょっと怖い値段なので、私だけ 「記念館」に入る。  もちろん私は、飛行機ですらダメなので、宇宙船の体験など、もってのほか。  見学のみのコース700円で入る。

 館内には、宇宙飛行士の毛利さんのコーナーもある。スペースシャトルのバー チャル体験とか、無重力体験も、興味なし。だったら、入るなよっ!としか言え ないんだけど、子どもの頃だったら、私だって親にせがんで来たかも。  私はそのときのカプセルのようなものが、グルグル回るものにひとりで乗って、 高所恐怖症になった。  私たちの子どもの頃、宇宙飛行士に憧れなかった子どもはいない。  私ですら、憧れていた。  この「余市宇宙記念館」がもとで、宇宙飛行士になる人もいれば、高所恐怖症 になる人がいても、楽しいじゃないか。

 国道5号線を車はひた走る。  仁木(にき)町は、サクランボとリンゴの名産地らしい。  漫画原作者・いしぜきひでゆきの奥さん・はるみサンが、「北海道に行った ら、ぜひサクランボを!」と言っていたのは、この町のことかな。  残念ながら、まだサクランボの季節には早い。

 右にニセコ連山、左に、蝦夷(えぞ)冨士とも呼ばれる、羊蹄山(ようていざ ん)が近づいてくる。

 羊蹄山(ようていざん)は、海抜1898メートル。  1900メートルに、わずか2メートル足らない。  この2メートルをなんとかしたいと思った人たちがいて、羊蹄山(ようていざ ん)に登って、石を上に積み上げ始めたそうである。  できることなら、2000メートルの大台に乗せたい。  その一念で、石を積み上げた人たちがいたそうだけど、けっきょく1900メ ートルも認可されなかったそうだ。  世の中、馬鹿馬鹿しいことに真剣になる人がいるものだ。  お役所のほうも、日本一の富士山の記録じゃないんだから、計測した段階で、 1900メートルにしておけよと思う。  だいたい、山の高さを表すのが、海抜というのが、ピンとこない。  最初から、4000メートル級の連山に、100メートルくらいコブのような 山が立っていれば、それはもう富士山より高い山ってことになっちゃうでしょ?  羊蹄山に初めて登った人は、寛永十年(1798年)最上徳内か。 『風雲児たち』(みなもと太郎・リイドコミック)に登場する最上徳内(もがみ とくない)さんだ。  漫画で出会った人というのは、他人とは思えないね。  午後1時15分。道の駅「ニセコビュープラザ」へ。 「ビュープラザ」の「ビュー」というのは、羊蹄山の眺望のことだな。

 うちの娘が、快調に、じゃがバターまんとか、揚げジャガイモとか、いも餅と か、トウモロコシとか食べている。  私は、またしても、嫁がちょっと齧ったトウモロコシを受け取ると、ガシッガ シッ最後まで食べてしまう。 「またぜんぶ、食べてる〜!」 「ああっ! すま〜ん!」  私は、何かトウモロコシにトラウマでもあるのだろうか。  戦時中に、やっと茹で上がったトウモロコシを駐留軍の米兵に奪われたことで もあるのだろうか。いや、私は、戦争経験者でもなければ、戦中派でもない。  条件反射のように、トウモロコシを最後まで食べてしまわないと気がすまな い。

 道の駅「ニセコビュープラザ」もまた、ドライブインの域を脱していない。  その土地の名産が置いてあるより、ドライバーたちが、カレーライスや、ソフ トクリームを食べるためにあり、いちばんの目的は、トイレ休憩だ。  鉄道の駅がかすむくらい、道の駅は発展してしまうのかと心配していたんだけ ど、どうやら今後、無理に取材しなくてもよさそうだね。  道の駅よりも、国道沿いのドライブインのほうが、大規模のことが多い。  再び、国道5号線を走る。  鉄道ファンのなかには、珍しい駅名が好きな人が多い。  そんな人たちが、よく知っているのは、この先の「昆布(こんぶ)」駅だ。  函館本線の駅のひとつだ。  でも不思議なのは、ニセコ、羊蹄山と、雄大な山に囲まれた土地の駅名が、 「昆布(こんぶ)」駅であること。  このあたりが、昔、海だったというには、標高が高すぎる。

 運転手さんの話によると、アイヌ語の「コンブ」という発音の言葉に、当て字 をしたら、いちばん近かったのが、「昆布(こんぶ)」だったのではないかとい うことだ。  同様に「ニセコ」というのも、アイヌ語なのに、当て字に出来るような漢字が なかったので、ニセコと、そのままカタカナ表記になってしまったのではないか という。妙に説得力のある話だ。  午後2時30分。いよいよ、道の駅「黒松内(くろまつない)」へ。  聞きなれない町だけど、「この町に住みませんか?}と移住を募集している町 のようだ。  ブナの森に囲まれた自然豊かな町らしい。  北海道の町はぜんぶ、自然が豊かだけどね。  道の駅のほうは、もはや「道の駅」を名乗るのもおこがましいくらい、ただの 気取ったドライブイン。  さすがに、10分ほどの取材で、車に戻る。  午後3時。長万部(おしゃまんべ)駅に着く。  ここで運転手さんとは、お別れ。  非常に親切で、たくさん豆知識を教えてくれたいい人であった。  最近、いい運転手さんは名刺をもらっておいて、次の取材のときには、お願い するようにしようと思う。  しかし、長万部(おしゃまんべ)は、来る度に、確実に衰退している。  駅前は、廃墟のようだ。  駅弁として、大人気の「かにめし」のお店があるのに、まったく町に活気がな い。人口は、7000人か。うーーーん。少ないなあ。  いろいろ調べてみると「大学の進出により、学術文化の町として注目されてい る」らしいんだけど、その大学名が出て来ない。ほう…。東京理科大学の長万部 キャンパス。いいねえ。日曜日なのに誰も歩いていないけど。

 昔は、長万部は鉄道の要所として君臨していたのにねえ。  いまは札幌行きの電車は、長万部を出ると、右に折れて、室蘭、登別、苫小 牧、千歳方面から、札幌に行く。  でも私が25年前に、旅行したときなどは、札幌行きの電車は、長万部を出る と、ニセコ、倶知安、小樽方面から行ったものだ。  要するに、きょうタクシーで旅をしたコース。  いまも路線はあるんだけど、ほとんど本数がないので、車にした次第。  その証拠に、きょう、ずっと線路が右になったり、左になったりしたのに、一 度も電車が走っているところを見なかった。  長万部(おしゃまんべ)駅からは、瀬棚(せたな)線という鉄道があって、終 点まで行ったこともあったなあ。いまは、廃線になってしまっている。  どうもこういう淋しい駅を見ると、何か石像を立てたくなってしまう。はっは っは。私は、石像マニアか。

 プラットホームで電車を待っていると、駅弁のかにめしを持ったエプロン姿の お父さんが、跨線橋を渡って降りてきた。  私も何度も「かにめし」は食べたなあ。  温かくて、身をほぐした蟹がびっしり敷き詰められているのだ。  ホームにいた人もなつかしいのだろう。  どの人も「予約ですか?」と、話し掛けている。

 特急列車の場合、予め予約しておくと、届けてくれるようなのだ。  いまはもう、列車の窓を開けて、駅弁を担いだ人から停車時間中に買って食べ るみたいなことが出来なくなってしまったからねえ。

 午後3時27分。長万部駅から、北斗14号に乗車。  うーーーん。やっぱりグリーン車に、コンセントはついてなかったか。  スーパー北斗、スーパーおおぞらに、ついていて、八戸からの白鳥と、北斗に はついていない。  子どもでもわかるパターンのようだな。  しかし、新幹線のぞみと、新幹線ひかりとでは、値段も車両も違うのに、スー パー北斗と、北斗は、値段がおなじで、設備が全然違うのは、本来なら値段を高 くすべきところをサービスしているんですよと理解するべきなのだろうか。

 でもお客さんにとっては、鉄道ファンでもないかぎり、スーパー北斗と、北斗 の区別はつかないんじゃないだろうか。 「北斗」と「南」とか、くっきり分かれていたほうが、いい列車に乗りたい人に は、わかりやすいよね。  脇から、嫁が「『スーパー桃太郎電鉄』とか、『桃太郎電鉄』とわかりづらい 名前をつけてる作者が何を言っているの!」と、ツッコミを入れた。 「わっはっは。私の場合、途中から、平然と『スーパー』を外してしまっている から、JR北海道よりもひどいかも!」  午後4時48分。函館駅に着いた。  ようやく、ふりだしに戻った気分。  さっそく明日のキップは、白鳥ではなく、スーパー白鳥のグリーン車にしてみ た。はたしてコンセントがついているだろうか。駅員さんに聞いてみる。 「コンセントですか? たぶんついてますよ! あっ、いや。すみませーん!  自信ないですうっ!」  誠実で、愛嬌のある駅員さんだ。  スーパー白鳥は、スーパー北斗よりも最新の車両だというから、おそらく大丈 夫だろう。  午後5時。約束どおり、「鮨金総本店」へ。  従業員のみなさんが、笑いながら「おかえりなさ〜い!」と、迎えてくれる。 「悪いけど、1週間食べっぱなしなんで、握りを小さくしてくれる?」 「だったら、2巻じゃなくて、1巻ずつにしよっか?」  あいかわらず、融通を利かせてくれる。  この接客と味のよさで、このお店はやめられないのだ。

「さくちゃん、タコの旬って、いつごろ?」と、寿司大好き娘がほざく。 「あっ! おまえ、ここのタコのスライスを覚えているんだ!」 「えへへへ。タコをスライスして、すだちをたらす食べ方だよね?」 「まったく食い物のことになると、何でもぜんぶ暗記しているんだあ…」 「注文しない?」 「わかった。するよ!」  娘がまだ小学生だった頃、よくこのお店で出してもらったタコのお刺身の食べ 方だ。私ですら、さっきタコを見て、5〜6年ぶりで、あの食べ方を思い出した というのに。  食後、ちょっとだけ、函館の駅周辺を歩く。  荷物を持ったままなので、たいして距離は歩けない。  6月21日の函館新駅をめざして、駅前の再開発は着々と進んでいるようだけ ど、駅から、まっすぐの道には、やたらと空き地が増えていた。

 大好きだった塩ラーメンのお店もなくなっていた。  新駅が出来ることで、活気を取り戻してほしいなあ。  午後7時。函館国際ホテルへ。  午後8時。NHK『武蔵MUSASHI』は、もう最悪の状態を迎えている。  ついに、回想シーンを繋ぎ合わせて、1本分の番組にしてしまった。  これはもう間違いなく、撮影の大幅な遅れか、制作者と出演者、または脚本家 との揉め事が発生しているとしか、言いようがない。  この必死に隠そうとしている不祥事は、視聴率が悪いせいで、世間は全然騒い でいないらしい。  いつも自宅だと、ビデオで早送りして見ていただけに、ここ函館で、最初から 最後まで見てしまった後悔は、かなり大きい。

 きょう取材した場所のメモをまとめる作業。  ホテルに戻ると、取材メモを整理したり、日記の下書きをするので、午前0時 を過ぎることが多くて、マッサージを受けることが、まったく出来なかった。  最近、熱いうちに仕事しておかないと、何を書けばいいのかわからなくなって しまうことが多いから、「明日できることは、きょうやっておこう!」だ。

夕景と夜景

 

-(c)2003/SAKUMA-