6月9日(月)

 午前11時。喫茶店「らぴす」さんが、満員なので、嫁と近所の「ワンズ・バ
ーガー」へ。
 バーガー・コンボで、コーヒー。
 時間が無いときに、近所にファースト・フードがあるのは助かる。

 午後12時15分。嫁とは別行動で、品川プリンスホテルへ。
「品川プリンス・シネマ」で、『マトリックス・リローデッド』を観る。
 昨日、嫁がモーフィアスよりも太っている、柴尾英令くん主催の映画の会で
『マトリックス・リローデッド』を観ているので、私も観ておこうと思ったのだ。
 嫁が観てきたものを、私に話せないというのは、つらいからね。

『マトリックス・リローデッド』は、ま〜〜〜ったく、『ドラゴンボール』にな
っちゃったんだね。
 映画ではなくて、漫画だ、これは。

 途中で、人が生き返っちゃうのは変だとか、キアヌ・リーブスは、何100人
ものエージェント・スミスが襲って来たときに、最初から飛んで逃げろよ!とか、
エージェント・スミスに目的が無くなっているとか、いつのまにモーフィアスは、
群集の前で演説するようなキャラになってしまったのか?とか、ピストルの弾を
空中で止められるなら、ほかのメンバーに「逃げろ!」といわずに、「ちょっと、
そこで待ってて!」と言えばいいのにとか、いろんなことを考えちゃいけないん
だね。

 改行無しで書いたから、まだ映画観たことのない人には、わかりづらくていい
でしょ?

 『マトリックス・リローデッド』は、横山光輝さんの『バビル2世』だと思わ
ないといけないんだね。
『バビル2世』のヨミというのが、蘇るの「ヨミ」というくらいで、絶対不死身
なのだ。
 不死身なキャラなんだから、主人公が勝つこと自体が、不自然だけど、「それ
を言っちゃあ終いよ!」なのだ。

 こういう矛盾は、娯楽作品には付き物だ。
『男はつらいよ』のフーテンの寅さんは、定職につかないのに、何であんなに日
本中を旅行できる交通費を持っているんだ?
『鉄腕アトム』は、初期のロボットなのに、その後に作られたロボットより、強
いのはなぜか?
『鉄人28号』は、リモコン操縦次第というけど、金田正太郎くんは、視界にい
ない鉄人28号を操縦できるのはなぜか? 操縦器にモニターもないぞ。
『ウルトラマン』は、なぜ最初から怪獣に、スペシウム光線を浴びせないのか?
 たとえが古い作品ばかりだな。はっはっは。

『マトリックス・リローデッド』の場合は、この「それを言っちゃあ終いよ!」
が、ちょっと多すぎ。
 キアヌ・リーブスが、スーパーマンどころか、『ドラゴンボール』の悟空にな
ってしまったから、痛みとが伝わらなくなってしまった。
 キアヌ・リーブスの弱々しそうな顔が、頼りなさそうな救世主にぴったり合っ
ていたんだけど、主人公があまりも強くなりすぎると、ストーリーが破綻してく
る。
 強くなりすぎたから、敵キャラのスミスを不死身にするしかなくなってしまう。
 スミスは増殖できるキャラだから、どんなに叩いても消えることすらしない。
 テレビCMで、キアヌ・リーブスがくるくる回転してたくさんのスミスを倒し
ているシーンがあるけど、スミスは飛ばされるだけで、SF映画のお約束である
「シューーーン!」と、消滅して、地面に小さな水溜りができるみたいな手法が
ないので、すごさがいまひとつになってしまう。

 じゃあ、おもしろくなかったのかいうと、おもしろい。
 間違いなく、おもしろい!
 絶対、おもしろい!
 誰がなんと貶(けな)そうと、おもしろい!
 観るなら、劇場で観たほうがいい!

 ただもう、すべてがスレスレ、ギリギリ!
 自ら作り上げたルールをどんどん壊しているので、お客さんとの信頼関係がギ
リッギリッ! 次回作が限界だな。
「果物は、腐る寸前がいちばんおいしい!」
 まさに、そんな感じ。
 だから、絶対観たほうがいい。

 午後4時。帰宅。
 モーフィアス、いや、モア・ファットな柴尾英令くんが到着。
『桃太郎電鉄U(仮)』のMAP大幅変更の緊急召集。
 ここ数日間で、MAPの作り方に根本的な間違いがあったことがあったので、
それを柴尾英令くんも伝える。
 柴尾英令くんもおなじことを感じていたようなので、話は早い。
 いつもなら「VAIO持って来てね!」と言っても、忘れてくるくせに、こう
いう緊急召集のときは、言わないのに、VAIOを担いで来るのだがら、異能だ
よ、このおっさんは。

 その場で、VAIOに組み込まれたMAPを、さっさっさ、さっさっさと、そ
の場で変えていく。
 私が最新ロムを見ながら、「柴尾英令くん! この辺の縦の路線にもマス目を
増やしてくれる?」というと、「ボクもいまそう思ったので、ほら、もう増やし
てあります!」
 恐ろしいほど勘のいい男なのだ。

「柴尾英令くん、それだけ頭よければ、毎日、毎日、ずっと仕事をし続けたら、
数え切れないほどの傑作を世に残せるのに!」
「はっはっは。そういう人間は、毎晩お酒を飲んじゃうんですよ〜!」
 そうかもしれん…。

 常人なら、3日3晩かかるような議論も、2時間で終了。
 私、娘、柴尾英令くんの3人で、渋谷に向かう。

 午後6時。渋谷の「カメラのさくらや」で、外出中の嫁と、合流。
 柴尾英令くん監修のもと、シャープの「ザウルス」を買う。
 私のためではない。
 嫁のためだ。
 嫁に先に覚えておいてもらって、よければ、私も買って覚える。
 私には、新しいハードを、1から覚える能力は、ま〜〜〜ったくない。という
か、覚える気力すらない。

「ザウルス」を買うのにてこずる。
「ザウルス」を買うより、P−インをドコモと契約することのほうが大変。
 身分証明といっても、嫁は車を運転しないから、身分証明など持っていない。
 外出中だから、保険証も持って来ていない。
 悪いことをする人が多いから、身分照会に手間をかけるんだろうけど、せっか
ちな私だけだったら、この途中で、「じゃあ、いいです。やめます!」と言って
しまうだろう。柴尾英令くんが一緒にいてよかったよ。

 午後6時30分。家族3人+柴尾英令くんの4人で、渋谷の「宇和島」へ。
 鯛めし、鯛そーめん、じゃこ天、桜海老のかき揚げなど、ちょっと調子に乗っ
て食べ過ぎた。

 午後8時30分。再び、「カメラのさくらや」に行き、ザウルスを受け取る。
 午後9時。帰宅。
 ザウルスを充電して、初期設定しないといけないというので、わざわざ柴尾英
令くんが家に寄ってくれて、設定してくれる。
 親切なおデブさんだ。
「うーーん。動作が速いなあ! これはちょっと悔しいなあ!」
 どうやら、柴尾英令くんが持っているザウルスより、新しくて、処理速度が速
いようなのだ。
「どうせ2週間後とかに、新しいザウルスが出るんだから、柴尾英令くんは、ま
たそっちを買うんでしょ?」
「いや。うん。えっ、うーーーん」
 一応、何でも新しいものを買うことにためらいがあることが判明。
『ポポロクロイス物語』の原作者・田森庸介さんなら、迷わずに買う。
 妻帯者の柴尾英令くんと、独身仙人・田森庸介さんとの違いか。

 おっ! 宮路一昭くんから電話で、プロボクサーの日高和彦くんが、判定で勝
ったとの連絡が入った!
「日高くん、おめでとう!」
 どうも私は、初めて日高くんの試合見てから知り合いが殴られるのが怖くて、
見に行けなくなっちゃったんだ。で、応援に行けないのね。
 私は、みんなが想像するよりも、はるかに気が小さいんだからね。

 今夜、午前3時から、フジテレビで、きょうの日高和彦くんの試合が放送され
るそうなので、きょう、この日記を見ることができた宵っ張り族は、ぜひフジテ
レビで、ボクサー・日高和彦くんの勇姿をごらんください。

 さて、先週予告したように、明日から、1週間の北海道旅行に出かけます。
 京都のような中継地点がないので、1週間日記の更新はお休みになってしまい
ます。
 また帰って来たら、随時旅行中の日記を更新していくけど、50歳の私に、1
週間の旅行に耐えられるだけの体力があるかが心配。
 病気してから、最大最長の日程だけに、ちょっと心配。
 ダメだったら、途中で帰ってくるといっても、私の場合、飛行機に乗れないか
ら、帰還の方法がない。『マトリックス』のように、電話口で戻れたら、どんな
に楽か。

 はたして、どうなることやら…。
 それでは、また。

 

-(c)2003/SAKUMA-