5月27日(火)

 旅の疲れが取れない。
 朝早く、目は覚めたのに、二度寝、三度寝、四度寝…、何度寝なおしたかわか
らない。
 旅の疲れが、2日後、3日後に、ドドッと出てくる体質になって来た。
 つまり、年寄りになって来たってこと。
 熟年風な旅の仕方をしないとな。

 午前11時。嫁と、高島屋の「タカノフルーツ・パーラー」へ。
 クラブハウスサンドに、フルーツサンド、コーヒー。

 食後、たまには洋服でも買うかと、紳士服の階を歩くが、高島屋は広い!
 土居ちゃん(土居孝幸)、御用達のブランド「パパス」の洋服でも買って、土
居ちゃんが「パパス」を着づらくさせてやろうと思ったのだが、Mサイズなのに、
ぶかぶかで、しかも袖が長い。
 うーーーん。いかにも背の高い土居ちゃん向けのブランドだったんだな、「パ
パス」は! 嫌がらせは不発に終わる。

 2フロアを端から端まで歩いただけで、へばってしまった。
 高島屋は、広い。

 午後12時30分。私だけ帰宅。
『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の『全国編』のテスト・プレイ。
 因果なもので、出るものは次回作のアイデアばかり。
 直すところが出なくなってきているのだから、テスト・プレイとしては、じつ
に喜ばしいことだ。

 午後1時30分。『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書作り。
 カード売り場のメニューを決める。
 しかし、最後までは完成せず。
 そう簡単に、カード売り場のメニューは決まらない。
 一度決めて、テスト・プレイしてまた、何度も、何度も、メニューを変えて行
く。
 実はカード売り場のメニューが、『桃太郎電鉄』の肝だったりする。

 午後2時。土居ちゃん、柴尾英令くんが来る。
『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の打ち合わせ。
 スリの銀次のラフ・スケッチを見て、ああしよう、こうしようと、言い合う。
『地方編』のほうのスリの銀次の変身パターンをひとり「白黒の絵にしたい!」
と、土居ちゃんが言い出す。
「『地方編』は、チャレンジするゲームだから」と、OKを出す。

『桃太郎電鉄U(仮)』の目的地を決める作業を柴尾英令くんと。
 目的地もまた、『桃太郎電鉄』の肝だったりする。
 
 午後4時。根を詰め過ぎたので、土居ちゃん、柴尾英令くんの3人で、並びの
喫茶店「らぴす」サンで、コーヒー。

 外は、雨。

 午後5時30分。家に戻って、再び、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の打ち
合わせ。

 午後6時30分。私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くんの4人で、六本木ヒルズ
の「TSUTAYA」へ。
 ここで、サザンオールスターズのベーシスト&ウクレレ伝道師・カズ坊(関口
和之)カズ坊(関口和之)、『ポポロクロイス物語』の原作者・田森庸介さんと
待ち合わせ。

「アハハハ。ここのDVD売り場は古い映画が揃っていていいねえ!」と、映画
マニアの田森庸介さんが、さっそく喜ぶ。

 午後7時。全員揃ったところで、六本木の和食料理のお店「櫻川」へ。

 きょうは先日、ゴールデン・ウィークの最終日に偶然、その日に予約が取れて 食べに行ったときに、この日を予約だけして、「行きたい人〜〜〜?」と、呼び かけたら、すぐに手を上げた人たちの集まり。  つまり、食い意地の張った人たちの宴。

「アハハハ! おいしいね〜〜〜!」  早くも田森庸介さんが、目を細める。 「田森庸介さん、去年、入院したのに、あいかわらずファミレスばっかで食べて るんだもん!」 「そうなんだよねえ、アハハハ!」  田森庸介さんと、柴尾英令くんが並ぶ。  東の物欲魔神と、西の物欲魔神の揃い踏みだ。  当然、マニアックな会話が飛び交うはずだ。 「田森さんって、iポッドとかって、持ってます?」 「ほら、持ってるよ!」  と、腰のiポッドを見せる。 「しかもね、新しいのだよ、アハハハ!」  料理が出てくると、田森庸介さんが「そうだ、そうだ!」と、デジカメを取り 出す。 「田森さん、またデジカメ、新しいの?」 「そうだよ、サイバーショットの新しいやつだよ、アハハハ!」  脇で見ていた、カズ坊(関口和之)が呆れる。 「カズ坊ね、田森庸介さんって、VAIOをね、5台持っているんだよ!」 「え〜〜〜っ!?」 「いやいや、さくまクン、柴尾英令くんはね、8台持ってるはずだよ!」 「はあ、そうですね」  ダメだこりゃ、このふたりは、地球外生物だ!  料理を食べ始めると、さすがに今度は、みんな、料理に興奮。 「このッ、あわびッ、うッめえええええええ〜〜〜ッ」と、柴尾英令くんが叫 ぶ。「うん、あわび、おいしいな!」と、土居ちゃん。 「うふふふ…」と、カズ坊(関口和之)にしては、大きなリアクション。ふつう の人の微笑み程度にしか見えないだろうけど…。 「なに、なに、みんな、そんなに、あわびがおいしいの? じゃあ、最後に取っ ておこう! アハハハ!」と、田森庸介さん。 「アハハハ〜〜〜! こ、これは、おいしいねえ〜!」 「田森庸介さん! あわびの前の鴨ロースで、すでに喜んじゃってるよ!」 「アハハハ〜〜〜! アハハハ〜〜〜! アハハハ〜〜〜!」  どうやら、あわびを食べたようだ。

 〆のふかひれのあんかけご飯が出た! 「何だ、こりゃあ、うめええええええっ!」 「す、す、すごいね、これ〜〜〜!」 「やっぱり、死ぬなあ、これ!」 「カズ坊(関口和之)、『京都M』と違ったタイプだけど、すごいでしょ、この お店!」 「うん…、す、すごいね!」  無口なカズ坊(関口和之)が、声を発するのは、最上級の感動なんですよ、み なさん!

 食後、それぞれ「あわび!」、「あんかけ!」、「ふかひれ!」と、単語をつ ぶやきながら、六本木ヒルズの「スターバックス・コーヒー」まで行って、コー ヒー。

「えっ? あっ? ふーーーん! ここから飲むの? いいねえ!」 「ええっ? 田森さん、何、感動してるの?」  田森庸介さんが、スターバックス・コーヒーを、ふたについている穴から飲む ことに対して、驚いている。 「あれ〜〜〜、田森さん、ひょっとして、スターバックス・コーヒー飲むの初め てなんじゃないの?」 「いや。うん。いやいや。初めてじゃないよ!」 「ええ〜? いやいやって、怪しいなあ!」 「韓国で、一度飲んだことがある!」 「韓国!?」  さすが、田森庸介さん! 日本で飲んだことがないけど、韓国でならというの が、変。  しかも田森庸介さん、映画『マトリックス』のコンセプト・デザインのジェフ・ ダロウ氏と、なかよしで、毎回日本にダロウ氏が来ると、おたく系の書店さんと かを案内してまわっている。  私のまわりに変な人が多いことは、否定しないが、そのなかでも、とくに変な 人は、やっぱり田森庸介さんだろう。  午後10時30分。帰宅。  今夜も、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の『全国編』のテスト・プレイ。た しかもうすぐ、50年目。

 

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