5月6日(火) 午前7時。早朝練習ならぬ、早朝『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』テスト・プ レイ。 ついついテスト・プレイとはいえ、ムキになって、1位を独走してしまう。い かんなあ。弱者の気持ちでテスト・プレイしないと。 午前11時30分。嫁と、千駄ヶ谷駅から、総武線に乗車。 午前12時。亀戸駅で降りる。亀戸に来るなんて、何10年ぶりだか、想像もつかないくらいだ。 少なくとも30年以上ぶり。 初めて来た駅と変わらない。 そのまま、有名な「亀戸餃子」へ。
店内はけっこう広くて、巨大吉野家のような、カウンターと、脇に一列座敷席。 ちょうどカウンターがいっぱいなので、座敷席のほうに案内される。
壁の張り紙に「お召し上がりのお方様は一人ニ皿より御願いします」と書いて ある。 一皿5個。500円。 どのくらい食べられるのかわからないので、ふたりで、5皿注文してみる。 何しろ、このお店は餃子だけで、ご飯がない。 餃子はやっぱり、ご飯がないとねえ。 おにぎり持参で来たら、いけないんだろうねえ。 箸が異様に短い。 醤油に洋辛子のお皿が来た。 ふーーん。洋辛子につけて食べるのか。 1皿だけ来た。
食べる。 ほう。カリッと焼き上げられた皮の部分がおいしいなあ。 うーーん…。 でも抜群においしいかというと、難しい。 じゅうぶんおいしい。でも有名な「亀戸餃子」なんだから、もっともっともっ と、おいしくあってほしい。 イチローが、3割を切ったら、どうしたんだろうと思ってしまうようなものだ。 餃子としては、2割8分台、本塁打25本ぐらいのおいしさは、じゅうぶんク リアしていると思うのだが…。 1皿目を食べ終えないと、次のお皿が来ないようだ。 この間が、ちょっと気になる。 やっぱり、ご飯がほしい。 2皿目が来る。 えっ? 何!? 嫁が、お醤油をつけずに、そのままで食べたほうがおいしいと言い出す。 ええっ? そのままで? いぶかりながら、私も真似てみる。
ほへっ! こ、これは…! まるで別の食べ物のようなおいしさだ! うまい! うまい! これは、うまい! 甘味がある。 キャベツの甘味だ。 やさしい味だ。 急に繊細な味になった。 ほっほっほ。これはまいった! 餃子に何もつけないという発想はなかったなあ! あわてて、もう1皿、追加注文する。 2割8分台、本塁打25本の評価は、3割2分5厘、30本の評価に変更だ! まいりましたっ! 食後、亀戸天神に向かう。 本来きょうは、亀戸天神の「藤まつり」を見に来るのが目的だった。 でも食べ物の興味がない町には行かない。 「花も団子も」だ。 さすがに下町だけあって、道を歩いている人の年齢層が高い。 サッチ―風の迫力のあるおばちゃんも多い。 相撲漫画『ああ! 播磨灘』の主人公のような顔のおばちゃんが、どすどす歩 いている。 本屋さんにしても、食べ物屋さんにしても、チェーン店がまったく無いのが、 この町の特徴だねえ。ファーストフードのお店もほとんどない。 豆菓子を売っている古いお店があった。 お店の人が、豆をまくせいか、鳥がたくさん集まっている。
おっと、うっかりお店に見とれて歩いていたら、道を間違えたようだ。 福神橋のほうまで行ってしまった。
町の人に教えてもらった裏道から、亀戸天神をめざす。 酒屋さんのところを、左に曲がるんだったな…。 へえ。酒屋さんの屋根に、蒸気機関車のオブジェが! ご主人が、鉄道好きなのかな。
いやあ。道を間違えたせいで、足がもつれ始めてしまった。 ようやく亀戸天神の場所がわかったものの、手前に、お団子屋さんのトラップ が待ち受けていた。いとも簡単に引っかかる。取材だ!という口実とともに。 きなこだんごがおいしかった。 足が疲れていたので、お店の名前をメモするのを忘れた。
もうダメだ。 歩けない。 亀戸天神に着いたけど、とても天神内を歩ける体力が残っていない。 おおっ。亀戸天神の先に、何やら老舗風の甘い物屋さんが見える。 亀戸天神を通り過ぎて、「船橋(ふなばし)屋」へ。 午後1時。「船橋(ふなばし)屋」にピット・イン! くず餅が名物のお店か。 古そうだなあ。 文化年間の創業? 江戸時代だよ! 文化2年といったら、1802年。 伊能忠敬が日本全土を測量している時代だよ。 ってことは、伊能忠敬も食べたことがあるのかも。
お店のなかは、老若男女ではなく、老々男女。 私が若い方に入ってしまう。 よしの餅と、昔ながらのアイスクリームを注文する。 よしの餅は、くず餅に、あんこを乗せて、さらに黒蜜がかかっている。 くずは、けっこう歯ごたえがある。 ヨーグルトみたいな香りがする。 あんこが、うまい! あっさりとしているのに、重量感がある。 黒蜜の味もいい。 へっへっへ。こりゃ、まいったね! この「よしの餅」は、もう一度食べねばなるまい味だ。
昔ながらのアイスクリームは、私の大好きな小倉アイスだ。 黒蜜もかかっているぞ。 このお店は、黒蜜も得意技なんだ。 うひゃあ。この小倉アイスは、私の好みだなあ。 これは、二度、三度と訪れねばなるまい店だ。 でも、亀戸にさほど用事はないなあ…。 午後2時30分。ようやく亀戸天神へ。 亀戸天神は、知ってのとおり、菅原道真を祀っている神社。
「○○天神」というのは、すべて菅原道真公を祀っている神社だそうだ。 わらべ唄の「♪こ〜こは、ど〜この おくの細道じゃ? 天神様の 細道じゃ 〜」というのも、菅原道真公を祀っている神社のことだったのか。 推理小説の謎解きみたいだな。
で、菅原道真といえば、大宰府天満宮の飛び梅と並び、ここ亀戸天神では藤が 咲き乱れる。 きょうもニュースで、亀戸天神の藤が満開というので、来てみたんだけど、こ れがしょぼしょぼ…。 がっくり。テレビに騙された。 太鼓橋を渡ったところに、少し垂れ下がった藤棚があったんだけど、色が抜け 始めている。4月20日〜5月10日までが「藤まつり」ということは、今年も 春は暖かかったので、早く咲いちゃったんだろうなあ。
今年のテーマのひとつである「花めぐり」は、天候次第なので、なかなか全部 OK!というわけにはいかないなあ。 実はきょうから、青森県弘前市の桜を見に行く予定だったんだけど、満開時期 は4月27日だったようだ。偶然、ポニーキャニオン勤務のけーむら(木村真人) クンが、5月2日に弘前に行くと聞いて、悔しかったんだけど、けーむらクンが 行った頃には、新芽が出始めていたそうだ。 花は、満開から散るまでが、1週間持たないからねえ。
そんなわけで、亀戸天神の藤は、不発で終わってしまった。 まあ、美味しいものを2品も食べられたから、満足。 午後3時。JR錦糸町から、千駄ヶ谷駅へ。 へろへろとになりながら、並びの喫茶店「らぴす」サンにたどり着く頃には、 汗びっしょり。もうハンドタオルを持ち歩かないといけない季節だ。 午後4時。お昼に電話して来て、絶対その日に私に会うことが出来てしまう不 思議な男・ムサシノ広告の伊東正義が来る。 きょうも午前中に電話して来て、きょう会えてしまう。 「明後日、健康診断だから、酒を抜いていかないといけないから、大変よ!」と、 あいかわらず、お気楽な会話を残して、30分ほどで帰って行く。 私とあれだけよく会っていて、私といっしょに食事をせずに帰って行く男とい うのも、珍しい。まあ、大学時代の同級生だから、私が食い道楽になったとは思 えないのだろうな。まずい飯を食った仲だ。 午後6時。自宅にて、飛騨古川で、買ったアントニオ猪木の「123ダーーー ッ麺」を食べる。 うちに来たお客さんが、妙にというか、必死にほしがる品物だ。 改めて、私のまわりのほとんどが、アントニオ猪木信者であることを思い知ら される。 具を用意していなかったので、昨日「櫻川」で、開店一周年記念でいただいた お重をおかずに食べようと思ったら、あんた! お重のなかに入っていたのは、蒸しあわびに、からすみに、白子でやんすよ。 お店で食べたときもおいしいと感じたガリ(生姜)まで入っていた。 とても即席生ラーメンに合うおかずではない。 おまけに、富山で買って来たホタルイカの甘露煮も、まったく即席生ラーメン には合わない。
そんなわけで、アントニオ猪木の「123ダーーーッ麺」の味は、測定不可 能。 あわびと、からすみと、甘露煮の味しか残っていないですよ。 まあ、ああいう商品だから、絶品の味ではないことはたしか。 食後、テレビ神奈川にて「横浜VS広島」戦。 勝った! また勝ったよ! この1週間で、4勝1敗だよ! 夢のような快進撃だよ! 阪神と比べるほどじゃないけど。 しかも、しかも。昨シーズン手術して、ここ2年間まったく勝ち星のなかった 川村丈夫投手が、復活の勝利投手だよ! 川村投手は、1998年横浜ベイスターズが優勝したときの開幕投手だし、立 教大学の出身ということで、格別な感情を抱いているので、ヒーロー・インタビ ューで、川村投手の声を聞いただけで、私のほうが涙ぐんじまったい。川村投手 のほうが泣いていないのに。 やっぱり苦しんだ人の勝利は、1勝以上のものがあるなあ。 今夜も、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』のテスト・プレイ。
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