4月27日(日)

 午前5時。こんな早くに起きて、もちろん、眠い。
 眠いけど、今回の旅での収穫を『桃太郎電鉄』シリーズの台帳に記入しないと
いけない。
 日記も書かないといけない。

 高岡市は、アルミ産業が盛んで、数多くのアルミ会社がある。

 立山(たてやま)アルミ。
 三協アルミ。
 新日経アルミ。
 北陸アルミ。
 畑山アルミ。
 共同アルミ。
 大栄アルミ。

 インターネットで、補足取材。
 町の人から聞いた情報の裏づけを取らないと、けっこう勢いで間違った情報を
教えてくれる人も多いからだ。

『地方編』のマップ台帳も、変更しないといけない。
 滑川(なめりかわ)なんて、ビッグ・ネームな駅だと思っていたけど、ほたるい
かミュージアムくらいしか見るべきものがなく(地元のみなさん、すみません!)、
物件駅だったものを赤マスに変更して、ほたるいかミュージアムを、富山市に編
入させてしまおうなどという地味な作業に没頭する。
 逆に、青マスを予定していた越中八尾(えちゅうやつお)駅が、北陸一帯を代表
する「おわら風の盆」のお祭りとして、人々の生活に定着していることがわかっ
て、一挙に物件駅に昇格させた。
 ホテル「雅樂倶(がらく)」が意外と、この越中八尾(えちゅうやつお)駅に近い
こともわかったので、リバーサイドホテルという名称で登場させようかな。
『桃太郎電鉄』は、架空の鉄道だから、越中八尾(えちゅうやつお)駅ではなく、
「おわら駅」にしてしまおうかなあ。
 そんなことを考えていると、あっという間に時間が過ぎていく。

 午前11時。ヤサカタクシーの宮本さんが来て、嫁と京都西の郊外へ。
 むちゃくちゃ天気がいい。
 この快晴が、3日前から、ほしかった。
 旅の空と、天気はうまく噛み合わない場合がある。

 午前11時30分。物集女(もずめ)街道沿いの「くいしんぼー山中」へ。

 厳選された牛のステーキを出すことで有名なお店のハンバーグステーキがおい しいというのを聞いて、やって来た。  まだずっと、おいしいハンバーグのお店の探索に凝っている。  いかにもおいしい料理を作りそうな恰幅のいいご主人が、お肉を焼いているの を見ただけで、よだれが出てくる。

 来た、来た!

 えっ? ハンバーグの真ん中を窪ませて、生卵を乗せてあるんだ。  いや、ハンバーグがドーナッツ状になっていているんだ。  その穴のなかに、生卵が入っているんだ。  関西は、生卵を入れる風習が発達している。  ふうん。やわらか系のハンバーグだ。  おいしい。  食べているそばから、生卵が、半熟卵になって行く。  うまい。実にうまい。  難点は、京都市内から遠い点かな。  でもわざわざ全国からこのお店をめざしてやってくる人が多いそうだ。  お店の写真にあったかつサンドがちょっと気になった。  おいしそうなのだ。  ステーキは、本当に評判がいいらしい。  ハンバーグといっしょに、ほかのメニューを頼むべきだったかも。  午後1時。宇治市の三室戸(みむろと)寺へ。

 ここには3年前、すぎやまこういち先生ご夫妻と紫陽花を見に行っている。  きょうは、ツツジを見に来た。  このお寺は、ツツジの名所として、穴場で、なんと20000株のツツジが植 えられている! 2万株だ!  ツツジの庭まで、いきなり急勾配の坂があって、まだ旅の疲労が回復していな い私にはつらい。  ヤサカタクシーの宮本さんが、後ろから押してくれる。  峠を登る蒸気機関車だ、これじゃ。  このお寺はいったん上にあがって、庭が一望できるのがいい。

 4月は、ツツジ。  5月は、シャクナゲ。  6月は、紫陽花。

 ご〜〜〜〜〜〜ん!  ときおり、鐘が鳴る。  ホ〜〜〜ホケキョ!  ウグイスがしきりに鳴く。  天然のウグイスの鳴き声だ。

 観光客も少なくて、木々の静寂が凛としている。  冬用のコートも持って来ていたのだが、コートを脱ぎ、長袖のトレーナーでも 暑い。昨日までの北陸の寒さが嘘のようだ。

 ツツジの庭に下りると、まさに花に囲まれているようだ。  ベンチに座って、抹茶アイスを食べる。  ああ! 気持ちいいねえ。  花はいいよ、花は。  年を取ると、「花も団子も」だ!

 午後2時。宇治の平等院へ。

 ここは藤棚の名所。  でもまだ藤は、五分咲き。  最盛期は、藤が1メートルぐらい垂れ下がるそうだ。

 むしろ、平等院の門の前の藤のほうがよく咲いていてきれいだった。

 さすがに10円玉のデザインにもなっている平等院だけに、観光客はやたらと 多い。

途中、閉鎖になったキャッスルランドへ

 午後3時30分。出町柳の「柳月堂」まで行って、絶品のくるみパンを買って 帰って、私だけマンションに戻り、仮眠。  嫁はデジカメ用のメモリースティックを買いに行く。  今回の取材で、嫁は毎日100枚以上の写真を撮っていたので、メモリーステ ィックが足らなくなってしまったのだ。  午後5時30分。ヤサカタクシーの宮本さんの車で、嫁と、金閣寺の近くの住 宅街へ。まったくの住宅街だ。  こんなところに、湯豆腐の名店「わら」がある。

 まさに、知り合いの家に訪ねて行くような感覚だ。  こんな住宅にあるお店は、どんな変わった湯豆腐を食べさせてくれるのだろう。

 古い部屋に通される。  変わり種の湯豆腐を食べさせてくれるのかと思ったら、いたって正統派の湯豆 腐であった。  なめらかな舌触りの豆腐だ。

 おいしかったのは、野菜の天ぷら。  カボチャが甘い。  ニンジンが甘い。  サツマイモは、もちろん甘い。  こんなおいしい野菜の天ぷらは、ちょっと珍しい。  天ぷらは、多量に摂取してはいけないになっているので、残すようにしている のだが、「野菜だから…」と、わけのわからない詭弁を弄して、ぜんぶ食べてし まった。いかんなあ。  今回「史上空前の食べっぱなし旅行」のわりに、0.5キログラムしか体重が 増加しなかったので、ちょっといい気になっている。反省房!  午後7時。ブライトンホテルで、コーヒーを飲んで帰る。  9連敗をストップさせた横浜ベイスターズは、きょうも「横浜VS巨人」。  なんと斎藤隆投手の好投で、3対0とリードしている。  この調子なら、昨夜に続く2試合連続の完封勝利だな、と思った瞬間。  横浜ベイスターズの伝統的お家芸、守備の乱れが出てしまった。  しかも守備の下手な古木克明選手に代わって、守備固めに入った万永選手が、 あろうことか、一塁に暴投だ。  あせった山下監督は、マウンドに。  投手交代のタイミングが遅いと言われているので、ついつい好投の斎藤隆投手 に代えて、木塚投手を起用してしまう。  木塚投手は、いい選手だけど、病み上がりだ。  こんな場面で急につかうのはちょっと…。  と思う間もなく、連打を浴びる。  あせった山下監督は、福盛投手をマウンドに。  このところ酷使されて、0勝3敗と、出るたびに打たれている福盛投手だ。  案の定、一死も取ることができずに、連打を浴びる。  また山下監督が、投手の交代を告げる。  今年初めて一軍に上がったばかりの2年目の投手・田崎投手だ。  ダメだよ、こんな緊張する場面で起用しちゃ!  新人投手は、じゅうぶん中継ぎで起用して、実績を上げてから、ピンチの場面 でつかわなきゃ!  ほ〜〜〜ら、まったくストライクが入らない! 「横浜ベイスターズのユニフォームは、濃紺(ノ−コン)」という格言があるくら いベイの投手陣は、コントロールが悪いんだから、ダメだよ〜!  けっきょく、1イニングに10点も取られる記録的大敗。  横浜ベイスターズのファンとして、極力、監督の采配に対して、文句をつけな いことを旨として来たけど、今夜の投手交代の采配は、ちょっと素人以下だ!  負けが込んでいるばかりに、救世主を求める気持ちばかりが強くなってしまっ て、新しいもの起用の悪循環になっている。  気持ちはわかるんだけど、もう一度10連敗してみようという気持ちで、どっ しり構えないと、本当の意味での選手が育たない。  前半は、古木克明選手、後半に、村田修一選手をつかうといった二部制を敷い て、ベテランと新人をうまく併用していかないと、ベテランがブータレるし、内 部分裂の原因になってしまいますぞ。  今夜の敗北は、9連敗のショックより、ちょっと致命的かもしれない。

 

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