4月8日(火)

 午前11時。嫁と、新橋へ。
 昨日、浜離宮に行ったときに、汐留の「旧新橋停車場」のところに、くす玉が
ぶら下がっていた。帰りに車で通りがかったら、そのくす玉が割れていた。
 えっ? 「旧新橋停車場」はオープンしてしまったの?と、あわてて、きょう
来てみた。

 何たって、あの明治5年に、♪汽笛、一声、新橋を〜と、日本最初の鉄道が走
ったあの新橋駅を当時とおなじように復元したビルが誕生したのだ。
『桃太郎電鉄』の作者としては、完成はまだか、まだかと待ち望んでいた。

 ところが、行ってみたら、なんと!  昨日、たしかにくす玉を割って、完成を祝ったものの、一般オープンは、4月 10日からというではないか。  きょうは、関係者だけの内覧会だけだそうだ!  くそ〜、せっかく、ここまで来たのに〜!  また近いうちに来てやる! 10日のオープンの日は、混むだろうなあ。  午前11時30分。新橋から、銀座の博品館まで歩いて、その先の銀座7丁目 の「資生堂パーラー」へ。  3Fに、喫茶と軽食があるというので行ってみることに。  ところで、この↓数字盤って、いったい何だと思う?

 よくわからないよね。  ボタンなのは、わかるけど…。  正解は、エレベーターのボタン!

わかりますか?

「資生堂パーラー」のエレベーターのボタンなのだ。  こういう形のエレベーターのボタンは、初めて見た。  おしゃれというか、つかいづらいというか。  今後、こういうエレベーターが増えて行くんだろうなあ。  お年寄りが、エレベーターに乗ったはいいけど、どうやったらいいかのかわか らない時代が来そうだ。

 春のクニリティーニという、何やらかわいい食材が、カナッペのようになった サンドイッチがあったので、嫁がこのサンドイッチを注文。私は、オープンサン ドの特選牛ヒレ肉のステーキ・サンドイッチを注文する。  両方食べたいので、ふたりで半分ずつ食べる。

 テーブルの上に花が咲いたみたいで、気持ちいい。  味も「資生堂パーラー」だけに、悪くない。  難を言えば、量が少ないこと程度だが、減量中の私には、ちょうどいい量だ。  ちょっと今後の銀座でのランチの場所として、ここはキープだな。  食後、銀座界隈を歩きながら、築地のハドソンへ。  午後12時30分。築地のハドソン。  早く着いてしまったので、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書の手直 し作業。コンピュータを持ち歩いていると、どこでも仕事が出来るから楽だ。  午後1時。きょうは、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の宣伝会議。  ハドソンの大里専務、梶野竜太郎くん、藤原伸介くん。  読売広告の岩崎誠、小池玲子さん。  私、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん。  12月の話をいまから、打ち合わせしているのだ。  テレビ、ラジオ、雑誌、お店、どんな広告を展開して行くか?  けっきょくは、お客さんにとって、楽しいことは何か? 子どもの頃、忘れら れなかったサービスって、いったい何だろうというところから考えて行くと、け っこうおもしろいアイデアが出た。

 とにかく無駄なところにお金をつかわずに、大事なところには、たくさんお金 をかけようという統一スローガンの元に、頭を絞っている。  午後4時。会議終了。  会議室をそのまま借りて、土居ちゃん、柴尾英令くんに残ってもらって、『桃 太郎電鉄U(仮)』の打ち合わせ。 「いや! もう! 本当にね! 3日3晩で作れると、二度といえないゲームで すよ! ほんと! ほんとに大変なんだから、このゲーム!」と、柴尾英令くん。 「見た目より、はるかに緻密ですよね、『桃鉄』って!」と、土居ちゃん。 「とうとう柴尾英令くんに、このゲーム作るの大変って、バレちゃったなあ!  うまいことい騙して、大量生産体制に入ろうと思っていたのになあ!」と、私。 「いや! 絶対いや!」 「ところで、柴尾英令くん! 『桃太郎電鉄U(仮)』で、これと、これをやっ てほしいんだけど…」 「できません!」 「えっ!?」 「いまの作業が、終わるまで、できません!」 「あははは! 本当にこたえているなあ!」 「当たり前じゃないですか!」  午後6時。うへっ! 外は、ジャバジャバのどしゃ降り雨。  タクシーに乗れる場所まで、雨に濡れながら走って、乗車。  そのまま、麻布十番へ。  先日、お昼に行った「ミスターガーリック」へ。  私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くんの4人。  ご主人が「夜来ないと、名物のハンバーグは食べられないよ!」といったあの ハンバーグを食べに来た。  とにかく手間がかかるらしい。  仕事の打ち合わをしながら、ゆっくり待つ。  30分ぐらいして、出てきました! ハンバーグ!

「へ〜! 目玉焼きが乗っているんだ」 「もう匂いからして、おいしそう!」 「もぐもぐ…。うひゃあ、このハンバーグは何だ!」 「お、お、おいしい!」 「これは、ハンバーグというよりも、ステーキだ!」 「肉汁が、おいしい!」 「こんなおいしいハンバーグ食べたの初めてだよ!」 「ハンバーグの部、初登場第1位かも!」  ステーキハンバーグと改名したほうがいいくらいおいしいよ!  2500円の値段がとてつもなく安く思える。  ご主人が、本当は3500円でも安いくらいだという気持ちがわかる気がする。  午後7時30分。そのまま「ピラミデ」で、コーヒー。  外はまるで嘘のように晴れ上がって、星まで出ているではないか!  ひょっとして、あの滝のような雨は、私たちが移動したときだけだったの?  午後8時30分。帰宅。  最近、DVDで、『東京風景』というのをちょびちょび見ている。  NHKのニュースを集めたビデオだ。  第1巻・1945−1955年  第2巻・1956―1961年  第3巻・1962―1964年  第4巻・1965―1970年  戦後から、高度成長期から、大阪万博に至るまで、あの独特の口調と、不思議 なイントネーションのNHKアナウンサーたちの解説をニュース映像で見ること ができるのだ。  実に時代を反映していておもしろい。 「1945−1955年」の巻では、前からもう一度見たいと思っていた、月島 の勝鬨(かちどき)橋の橋が跳ね上がるニュースを見ることができた。  納豆売りをしながら、家の家計を助ける少年たちとか、プレハブ住宅の販売開 始とか、実になつかしい。  また当時の女性が、美容に燃えるのは、今も変わらずで、実に滑稽で笑える。  あごに、吊り輪のようなものを引っ掛けて、首を伸ばす機械とか、垂直に立た せた自転車を寝転がりながらペダルを漕ぐ機械とか、どう見ても『巨人の星』の 大リーグボール養成ギプスを大真面目でやっているとしか思えない映像のオンパ レードだ。  今夜も、この「東京風景」を見るか、ヒッチコック監督の映画を見るか、実に 悩むところだ。

 

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