4月5日(土)

 午前6時。花粉症で、目が覚めた。
 雨なのになあ…。

 昨日、ヒッチコック映画を見なかったので、早くが目覚めたのを幸い、ついつ
いDVDに手が伸びて、『バルカン超特急』を見てしまう。
 原題は『THE LADY VANISHES』。
「消えた婦人」とか「取り除かれる婦人」の意味か。
 全然、『バルカン超特急』とは関係ない題名だなあと思ったら、あとあと重要
な鍵になってくる原題だった。そういう意味では、内容を連想できない『バルカ
ン超特急』という題名は、正解かも。

 1928年の作品だから、第二次世界大戦以前のの製作だ。
 毒薬のカプセルを入れたブランデーグラスを、主人公と脇役が飲んでしまうシ
ーンのひっかけなど、いまでもじゅうぶん通用する逆転だ。
 窓ガラスに指で書かれた文字に、観客の誰もが、「早くあの文字に気づけ! 
気づけ!」と思っていて、主人公が気づいたあとに、その文字が役に立たなかっ
た絶望感など、本当にヒッチコック監督に気持ちよく、手玉に取られっぱなしだ。
 もう不倫のように、連日、ヒッチコック映画に熱を上げちゃってるなあ。
 もともと私は『桃太郎電鉄』の作者だけに、鉄道が出てくる映画は大好きなの
で、『バルカン超特急』は夢中になるのも当然だ。

『オリエント急行殺人事件』、名作中の名作『終着駅』、『大陸横断超特急』、
『大列車強盗』、スティーブン・セガールの『暴走特急』、黒澤監督の『天国と
地獄』、『新幹線大爆破』…。
 渥美清さん主演の『喜劇列車』シリーズもかかさず見てたなあ。
『カサンドラ・クロス』は子どもの頃見て、忘れてしまった映画だなあ。もう一
度見たいなあ。
 とにかく列車というだけで、水野春郎さんの『シベリア超特急』を買っちゃお
うかと、ぐらつくくらいだ。

 鉄道マニアではないのに、鉄道が出てくる映画に、身体は無意識に反応してい
たんだなあ。しみじみ…。

 午前9時。『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書作り。
 さらに、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』のテスト・プレイで気づいた点をま
とめる作業。

 午前11時30分。嫁と、新宿高島屋へ。
 寒い! 
 雨が冷たい! 
 風も強い。

 こんな日なら、新宿高島屋も土曜日とはいえ、空いているだろうと思ったら、
混んでる、混んでる。みんな、雨の日なんて、へっちゃらなのかな。
 10Fの有名な中華料理屋さんに行ったら、50人以上待ち。
 わざわざ広いスペースを取って、大きなマットレス状のソファーが置いてあ
り、大量の行列待ちに対応できているのもすごいが、その席をこんなに寒い雨の
日に埋め尽くお客さんたちは、もっとすごい。
 そこまでおいしいとは思えないんだけど…。

 仕方なく、14Fの「浅草今半(いまはん)」で、すき焼き弁当。
 ちょっと味が濃い。
 濃いので、ご飯が進んでしまったではないか。
 言い訳になっていない。
 デブは、すき焼きが好き。

 12Fの「HMV」で、まだ買っていないヒッチコック監督の作品を物色。
『レベッカ』と、『ダイヤルMをまわせ』が見つからないなあ。
 この見つからない感が、けっこううずうず心地よかったりする。
 このお店は、若者向けっぽいから、たぶん置いてないだろうなあとか、このお
店はけっこう古い映画が充実しているから、ひょっとして?と、サプライズを楽
しめる。

 午後12時30分。地下のコーヒー屋さんで、マンデリンを飲むが、隣りの
食料品売り場で甘栗を売っている一角が、童謡のような宣伝音楽を流していて、
落ち着かない。
「♪おいしい、おいしい、山の栗〜!」
「とってもおいしい笑い栗ですよ!」
「買って、買って、買ってよ、笑い栗〜!」
「食べるとボクみたいに笑えてくるよ〜!」

 午後1時30分。自宅に戻ったのち、佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ。

 午後4時30分。帰宅。
『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の手直し。

 午後6時。雨なので、予め、新宿高島屋で「天むす弁当」を買ってきて、食べ
る。天むすといえば、名古屋。名古屋の球団といえば、中日ドラゴンズ。
「名古屋を食う」ということで、天むすを食べながら、スカパーで「横浜VS中
日」戦を見るのだが、そんな縁起担ぎが、いまの横浜ベイスターズに、通用する
はずがない!

 ミス! ミス! ミス!の連続。
 
 解説の平野さんは、西武と中日で活躍したバントの名人だった人だろうなあ。
うまいこと言っていた。

「野球は、ひとりの活躍では勝てないけど、たったひとりのミスで負ける」

 これは、野球でなくても「仕事」と置き換えても、うんうん!とうなづいてし
まうなあ…。

 3対2と、僅少差で負けたとは思えないような、敗北感だ。
 10点ぐらい取られたと思っていた。

 これで1勝6敗。
 気分転換しないとなあ。
 私が気分を変えても仕方ないんだけど…。

 

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