3月30日(日) 午前7時。『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書作り。 貧乏神の悪行を清書。 キングボンビーの悪行を清書。 午前8時30分。完成した仕様書を柴尾英令くんに送る。 今回、『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』、『桃太郎電鉄12 (仮)〜地方編』、『桃太郎電鉄U(仮)』と3本続けて作っているので、けっ こうストックしておいたアイデアを使い果たしてしまった。 今後また新しいアイデアを溜め込んで行かないといけないな。 漫画のキャラクターとおなじで、練り込んで、練り込んで、描き込んでいかな いと、ほどよく発酵してくれない。 なのに、たまに「チャッチャッと軽〜く、1年で作って…」という人間として の感情が著しく欠落した依頼人がいるから困ったものだ。 午前9時30分。柴尾英令くんから電話が入る。 「『桃鉄』は、本当に想像以上に作りづらいですよ!」 「そうでしょ、そうでしょ!」 「このイベントを作成しようとすると、あっちのイベントを作り終えてからでな いと書けないようになっていて、そのイベントの仕様書を書こうとすると、ほか のイベントを作り終えてからでないと、書けないようになっていて、もう、へろ へろですよ!」 「そうでしょ、そうでしょ!」 『桃太郎電鉄』は、まるでコンピュータの基板のように張り巡らされた作品なの で、見た目よりはるかに作るのが大変なのだ。 へっへっへ。まあ、私としてはようやく柴尾英令くんという、苦しみを分かち 合える同輩が出来て、わっはっは!である。 さすがの柴尾英令くんも、「3日3晩で完成!」は無理だったようだけど、か なり仕事のほうは、進んでいる様子。 午前11時30分。嫁と、北白川別当町のベーカリー・レストラン「DONQ」 へ。 ブランチプレートにコーヒー。日曜日なので、行列ができるほど、混んでいた。 しかし、パンが食べ放題なんだけど、出来たてのはずのパンが温かくないのは、 どういうことだろう。バイキング方式何だから、持ってくるときに電子レンジで チンしてくるだけでも、温かくなっていいのに。 食後、当てもなく住宅地を少し歩く。 公園の桜が一本だけ満開になっていた。 そういえば、きょうは鴨川の土手の桜も開花寸前だった。 あと3日ぐらいで、満開だな。
川沿いの桜は、まだつぼみ 川沿いに出た。 あっ。ここは前に来たことのある場所だ。 これはこのまま進むと、タクシーを拾えない場所にしか行けなくなりそうなの で、断念して、タクシーに乗る。午後1時までに戻らないといけない用事がある。 午後12時30分。帰宅。きょうも午後1時から、毎日放送で「横浜VS阪神」 戦を中継するので、早めに帰って来ないといけなかったのだ。 午後1時。試合開始…と思ったら、試合開始は、1時間後? ええっ? 阪神の中継となると、こっちでは1時間前からの放送なの? まるでレコード大賞の放送とか、日本シリーズの開幕戦みたいじゃないか。 午後2時。ようやく試合開始。 しかし、大阪のプロ野球の中継の仕方はムチャクチャだよ。 局アナウンサーに、解説に、板東英二さん、仲田幸司さん、タレントの松村邦 洋くん。 4人揃って、阪神びいきの放送をするんだから、まいっちゃうよ。 ふつう局アナひとりに、両軍のOB解説者がひとりずつ、計3人の編成が、正 しいプロ野球解説だ。 それが、4人とも、阪神びいき。 横浜ベイスターズびいきは、ゼロ! 阪神OBの仲田幸司さん、熱狂的阪神ファンのタレント・松村邦洋くんは仕方 ないとしても、中日OBのはずの板東英二さんが、いちばん阪神びいきのトーク をするんだから、嫌になってしまう。 CM明けに、横浜ベイスターズの攻撃だと、解説席を映して、横浜ベイスター ズの攻撃を見せてくれない。 スタンドを映すときは、阪神ファン側のスタンドしか映さないから、まるで横 浜ベイスターズのファンがまったくいないみたいだ。 ここは、横浜球場。 横浜ベイスターズの本拠地だぞ。 放送が始まれば、ゲームの途中で、阪神が点を入れた試合のリプレイを何度も、 何度も、延々見せる。 もちろん、阪神の選手のことしか、話題にしない。 しかも、板東英二のものまねの得意な、松村邦洋くんが途中で何度も、板東英 二さんのものまねをやるから、どっちが今、しゃべっているのか、わからなくな る。 なにしろ阪神の打者が、チャンスでセンターフライをあげると、局アナが「あ 〜、捕っちゃった」と残念がっちゃうんだからね。 テレビは、公共放送だから、本来公平な報道をしないといけないことになって いる。 イラクやアメリカの「自国が有利発言」の放送よりも、ひどいよ。 まるで北朝鮮の放送を見ているようだ。 これは洗脳だよ。 大阪に生まれたら、阪神以外のファンになれっこないよ。 早くこのマンションに、スカパー用の共同アンテナが入らないかなあ。 スカパーは、お金を払うテレビだから、偏向してもいいんだよ。 困ったねえ。この放送をしている局は、毎日放送だ。 先日も仕事の打ち合わせをしてきたばかりの毎日放送だよ。 毎日放送本社前の特設応援ステージも、何度も放送していたよ。 私が、血気盛んな若者だった頃に、こんな放送を見たら、絶対毎日放送の仕事 を断るようになったと思うなあ。はっはっは。 午後5時。放送終了。9回表。3−5で負けている。これで横浜ベイスターズ が勝てばいいんだけど、この2日間、せっかく京都にいて観光もせずにテレビを 見てすごしたのが、もったいなく感じてしまった。 いやあ。想像以上に、関西は阪神タイガースの城下町だ。 スポーツ紙の偏重だけではなかった。 まあ、最近、町並みが東京ナイズされてきた大阪にとっては、阪神タイガース こそが、大阪なのかもしれないね。 午後6時30分。嫁と、今出川新町の「星柳(ほしやなぎ)」へ。
ここはお好み焼きのお店なんだけど、実はタンシチューが名物だというので、 来てみた。でも見た感じ、下町のお好み焼き屋さん風で、とてもビーフシチュー なんか作っているようには、思えない。 店内に入ると、お好み焼きの鉄板の上に、大きな寸胴鍋が無造作に置いてあっ て、どこに座っていいのか、わからない。幼児はビービー泣きわめいているし、 騒然たる店内だ。
ご主人も、『あしたのジョー』に出てくる丹下段平のようで、とてもビーフシ チューなんか作りそうも無い。 これは完全に失敗したなあ…というムード満点だ。 メニューのなかから、ビーフシチュー定食2つ、牛すじスープ、山芋とホタテ のバター焼きを注文する。 子どもは、泣きやまない。 お客さんはどの人も、近所の人のようで、子どもが泣いていても「空襲警報み たいやな。わっはっは!」「イラクに行ったらええ!」と、平気な顔をしている。 私は、子どもの泣き声が苦手なので、逃げ出したい気分。 早く食べて、早く退散しよう。 しかし、いつまでたっても料理は出てこなかった。 20分ぐらいして、やっと牛すじスープが出て来た。
むむっ。むむむ? 関西で牛すじといえば、安っぽい肉のはずなのに、妙にこの牛すじは、おいし いぞ。あれ? いろんな肉が混ざっていて、牛テールも入っているぞ。 何て上品な味のスープなんだ? 山芋とホタテのバター焼きは、お好み焼きの鉄板で、丹下段平が長髪になった ようなご主人が焼いてくれる。 大きな山芋だ。ホタテも大きい。 ポン酢につけて食べるのか。 シャキシャキ、山芋も実においしい。 待つこと、40分。 ついにタンシチューが来た。
な、な、なんだ、この岩山から切り出したように大きな肉の塊は! ビーフだ、ビーフ! こ、こ、こんな大きなビーフが入っているのか? うぐぐぐっ。こ、こ、この味は! んんんんんままままま〜〜〜いいいい! これは、まいった! 美味しすぎる! さくっ!とお肉は、箸を入れるだけで、すーーと分かれ、口に入れれば、ほろ ほろと焼き芋を食べるかのように、お肉が分かれていく。 ご飯とまた、このビーフシチューが合う。 そうか。ビーフシチューが出てくるまで異様に遅かったのは、ぐつぐつ、こと こと、煮込んでいたせいか…。 な、な、なんで、こんなお店に、こんなおいしいビーフシチューが! 旅の途中で、雨漏りのするような剣道の道場に立ち寄ったら、実はここの師範 が柳生の10何代目だったみたいなショックだ! このご主人、箸でハエをつかめるような達人なのではないだろうか。 博多の屋台村の一軒に入ったら、「プティ・ポワン」の北岡さんがにっこり笑 って「いらっしゃい? 驚いた?」というどっきり物をやられたかと思うような ものだ。 嫁は、赤だしの味噌汁もおいしかったというけど、私は、肉の塊が3つも入っ たビーフシチューに、ギブアップ! 味噌汁を、飲めずに(ノーマネーで)フィ ニッシュです。 驚いた。こんなお店にこんな絶品の料理が潜んでいるなんて。 お勧めマークだ。 ただし、お好み焼き屋さんなので、ふつうにお好み焼きだけを食べに来たら、 まったくこの絶品の味を知らずに帰ってきてしまうかもしれない。 ビーフシチュー定食(1500円)ということを、忘れずに。 ☆星柳(ほしやなぎ)☆ 京都市上京区今出川新町東入る南側 075(441)2528 営業:18:00〜0:00 火曜定休。 午後8時。帰宅。 NHK『武蔵MUSASHI』を見る。 きょうは、一乗寺下り松のいちばんおもしろい場面だ。 ああ! でも、ビーフシチューのおいしさに、まぶたが重くなる。 つらい。眠い。ああ! うとうと…。 はっ。しまった! すでに『NHKニュース』になっていた。 ふっふっふ。 慎重すぎる性格が、長所でもあり、短所でもある血液A型を甘く見てはいけな い。ちゃんと万が一、寝てしまったらと、ビデオを回しながら、見ていたのだ。 もう一度、途中から見直そう。 『桃太郎電鉄U(仮)』の仕事が一段落したので、今夜は、読書。
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