3月25日(火) 午前6時。昨日から、ほとんど起きている間、ずっと『桃太郎電鉄U(仮)』 の仕様書を書いているような気分だ。 学生時代、これだけずっと勉強できたら、もっと頭よかったんだろうなあ。は っはっは。 イラク戦争は、ますます何だかわからなくなっちゃったなあ。 連日、あれだけテレビで、アメリカは圧勝と言っていたコメンテーターたちが、 ゲリラに反撃されただけで「いったい、アメリカはどうなっているんでしょう?」 と、野球評論家みたいに、昨日と違うことを言っている。 反戦デモが世界中に広がっている。 日本でも、反戦デモが増えている。 でも、国会であれだけ「戦争は断固絶対許せない!」と豪語していた共産党の 志位和夫が、反戦デモの先頭に立ったという話を聞かない。菅直人もだ。もしか したら私が知らないだけかもしれないが…。 戦争に反対な政治家は、デモの先頭に立つべきでしょう。 どうも、国会の答弁用に「戦争反対!」と言っているだけのような気がして仕 方がない。 そういえば、フセインは、メガネをかけても、かけなくても、紙に書かれた文 章を読めるのだろうか? 伊達メガネだったのか? 午前11時。雨がけっこう激しく降っている。 雨の日に、外に出るのは嫌だなあ…。 嫁と、渋谷のブックファースト1Fの「マ・メゾン」へ。 サンドイッチセットにコーヒー。 食後、ブックファースト4Fのサービスカウンターで、予約しておいた『鉄腕 アトム・コレクション』を受け取る。 昔のカッパ・ブックス版の復刻があったり、ソノシート・プレイヤー・キット とか、アトムシール、アトムのフィギュアが入っていたりする。 でもいちばんよかったのは、パッケージの絵のような気がする。 まあ、自己満足ですな。たぶん、レトロ・マニアの田森庸介さんが、この日記を読んで、「あっ! し まった! 早く取りに行かなきゃ!」とあわてていることだろう。 そして、前回私がこの『鉄腕アトム・コレクション』を予約したと、日記に書 いたときに「あっ、ボクも予約しなきゃ!」と言った、土居ちゃん(土居孝幸) はおそらく予約しないまま、きょうを迎えたことだろう。 しかし、大人になったら、漫画は卒業すると思っていたけど、ずっと留年のま まだ。これは本当に大人として、情けないと思う。 情けないけど、やめられない。 明治時代の文献に、夜中、ふらふら町を歩いていた小説家が、警官に尋問され て「小説家風情が!」と蔑まれたという話が書いてある。 時代によって、価値観も変わるものだ。 事実、漫画家も、私が子どもの頃に比べると、はるかに地位が高くなっている。 不思議なのは、ゲーム作家で、この世にゲームが発売されたときから、けっこ う尊敬される職業だった。こういうことは、珍しい。 午後12時30分。私だけ速攻、家に戻り、しばしも休まず、『桃太郎電鉄U (仮)』の仕様書作り。 思ったより、「○○○○社長!」を「○○○○社長+!」と、1文字増やした ことによって、横18文字をオーバーするメッセージ続出に、苦しめられる(し かもあとで、『桃太郎電鉄U(仮)』は横20文字でもいいと、札幌開発スタッ フの書き込みに書いてあったのを、発見! アジャパー!)。 午後3時。おっ! 『桃太郎電鉄U(仮)』用のカード、進行系20枚、便利 系90枚の仕様書を書き上げる。予定では、明後日あたり完成のつもりだったん だけど、あれだけ仕事をすれば、終わるかも。 とにかく右腕が、ぱんぱんの筋肉痛! 何より、いちばんの難関、カードの仕様書の第1稿が出来たのは、めでたい! 午後3時30分。読売広告の岩崎誠が来る。 ちょうど1年前の3月31日、四国高松鬼無駅に建った「桃太郎電鉄石像」は、 その後、瀬戸内海放送「桃いろ」のオープニングにもつかわれた。 あれから、ちょっとおとなしかったのだが、実は水面下で、とんでもない計画 が進んでいたのだった。 今年の1月、岩崎誠が、毎日、キングボンビーの頭をなでてから、頭の上の猿 をなでて「貧乏が去る!」と言っていたところ、万馬券を当て、翌日、ヨーロッ パ旅行が当たり、仕事でも大きな仕事が入りっぱなし状態になっているところま では、この日記でも書いたと思う。 その岩崎誠は、なんと「貧乏が去る」人形を製品化するために、暗躍していた のであった。 その「貧乏が去る人形〜石像ヴァージョン」が、これだ!
色つきのほうが製品になる予定 まだ、ここからもう少し、手直しをするんだけど、実によくできている。 ちゃんと貯金箱になっているのだ。 貧乏神をなでて、猿の頭をなでて、小銭を貯金する。 これで「貧乏が去る!」だ。 予定では、6月くらいに発売するらしい。 私はどうもこういう迷信を信じないのだが、岩崎誠の真似をして、ご利益に預 かったという人がいるのが、けっこういる。 わからない風潮だが、人形は実に、かわいい。 午後4時。柴尾英令くんが到着。 「わ〜〜〜、貧乏が去る人形、よく出来てますねえ!」 ちゃんと、お尻のぼうぼつまで、密かに入っているからね。
岩崎誠が帰って、柴尾英令くんと『桃太郎電鉄U(仮)』の打ち合わせ。 「さくまサン! イベントの仕様書は、3日3晩寝ずに働いて仕上げてみせます よ!」と、柴尾英令くんが豪語する。 「いや、柴尾英令くん! アメリカ軍が、川を渡ったとたん、イラクのゲリラ軍 が攻めて来たように、『桃太郎電鉄U(仮)』は手強いから、断言しないほうが いい!」 「ええっ? そんな大変ですか?」 「大変なんてもんじゃないよ! カード110枚の仕様書で、私は死んだよ!」 柴尾英令くんと、基本コンセプトをまとめて、「3日3晩は無理でも、1週間 以内で完成させてね!」で、打ち合わせ終了。 午後7時。漫画家の岩崎摂さんと、娘の七音(なお)ちゃんが、佐藤志靖さん の美容室『レ・ザンジュ』の帰りに寄る。 私、嫁、岩崎摂さん母子、柴尾英令くんの5人で、近所のスペアリブ料理のお 店「ハイ・ダディ」へ。 小学生の七音ちゃんと私は、『ポケットモンスター・サファイア』話。 『ポケモン』やってると、子どもとおなじレベルで会話できるから楽でいいね。 いよいよ七音ちゃんは、『桃太郎電鉄11』もやるようになったらしく、 「ブラックボンビーがおもしろいね!」ということを言い出すようになった。 人ん家の子どもの成長は、早い!
午後8時30分。「さあて、スペアリブも食べたし、帰るか!」と、お店の階 段を登ると、フィナーレを飾る出来事が出ました! 柴尾英令くんの雄たけび! 「ない! ない! 財布がない!」 いやあ、3ヶ月に一度、いや、二、三度は聞く言葉だ。 「あれ! ほんとにない! 財布がない!」 柴尾英令くんのこのセリフ、単語登録しておこうかな? 「とりあえず、お店を探してきます!」 柴尾英令くんは、岩崎摂母子にまかせて、私は家に向かう。 しばらくして足の速い、柴尾英令くんが、もう追いついてきた。 「財布、あった?」 「な〜〜〜い!」 「じゃあ、うちかもね〜!」 「そう思って、追いかけて来ましたあ!」 私の家に、柴尾英令くんの財布はあった。 「いやあ、財布がなかったら、本当に家まで帰れないところでした…」 まあ、年中行事のひとつである。 インターネットで、「柴尾」「財布」を検索すると、いくつくらいホームペー ジがヒットするのだろう? 午後9時。思いのほか、『桃太郎電鉄U(仮)』のカード仕様書が完成したの で、本日、身体を少し休める。 コンピュータ・ディスプレイを注視し過ぎて、本当に目が痛い。 たぶん、眼精疲労の領域に突入してしまっていると思う。 でも、明日も、『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様書作りは、つづく…。
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