２月２６日（水）

　午前７時。『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の仕様書作り。
　ちょっとこっちの仕様書のほうが遅れ気味…と、柴尾英令くんに油断をさせて
おく。私がカードの仕様書を担当して、柴尾英令くんのほうが、イベントの仕様
書を書いているのだ。

　おや。佐世保のハウステンボスが倒産してしまった。
　２００１年６月に大雨のなか、ハウステンボスに行っただけに、何だか知り合
いの家が倒産したようで残念。
　かつては東京ディズニーランドに次ぐ、第２位の営業成績を誇ったのに。
　花の名所という特徴で、定着して行くかとおもったんだけどなあ。

　でも、経営は続けていくのか。
『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』でも、物件から外さなくてもいいようだ。
　でも、収益率は、マイナスからスタートにするかなあ…。

　午前１０時３０分。嫁と、高円寺の整体さんへ。
　昨年暮れから、どうも右腕の付け根の関節部分が痛い。
　腕を上げると、痛いので、五十肩かも？と、お兄ちゃんに見てもらう。
　左腕が不自由なので、右腕までダメだと、ちょっと困る。
　五十肩になると、ＪＲの自動券売機まで買えなくなってしまう。
　家のなかでも、リモコン以外でＴＶもＣＤもつけられなくなってしまう。
　お兄ちゃんが、首をかしげながら、私の右腕を探査して行く。

「グゴッ！」
　いきなり、お兄ちゃんが肩を押した。
　首をいつもゴキッとやられる感じだ。
　あれ？　あら不思議、スムーズに腕が上がる。
　くるくる。くるくる。肩も回るぞ。

　へ〜、単に関節がズレていただけだったの。
　よかった。よかった。
　治療中に「腹減ったあ！」ばかり連呼してるようなお兄ちゃんだが、名医であ
る。

　午後１２時３０分。高円寺西友の真ん前の「あまから亭」へ。

 



　インターネットで、焼きそばのおいしいお店と、ヒットした。
　お店に入ると、評判のいいメニューベスト７が書いてあるのがいい。

１位・オムそばめし
２位・ミックスお好み焼き
３位・目玉焼きそば
４位・たこぼうず
５位・あまから焼き
６位・白玉小倉アイス
７位・田舎しるこ

　こういう風にどのお店も、ランキングが書いてあると、初めて行くお店では注
文がしやすいし、何回か通って、全部食べてみたいと思うようにもなる。
　下位のメニューでお気に入りがあれば、順位を上げたくて、何度も通ったり、
知り合いを呼んで、順位を変動させたくなるものだ。
　いずれにしても、お店の得になることばかりだと思う。

　味噌ラーメンが絶品のお店で、醤油ラーメンを食べて帰ってしまうケースは、
意外と多い。

　というわけで、オムそばめし、たこぼうず、ふつうの焼きそばを注文してみる。
　やはり、ランキング表がなければ、注文は２品でやめただろう。

　オムそばめしは、神戸の名物・そばめしを、オムライス状に玉子でくるんだも
の。ちょっと味が濃くて、胡椒の辛さが気になるけど、無性に濃い味がほしくな
る日には、最適の食べ物。
　嫁に言わせると、ビールに合いそうというから、柴尾英令くん用の食べ物なの
だろう。

  



　たこぼうずは、明石焼き。
　明石焼きは、玉子がもっとふわふわしているけど、これは玉子焼きに近い。
　スープがおいしいので、これは次にもう一度来てもいいと思わせる味。

　焼きそばは、オーソドックスな味で、悪くない。

　全体的に、誠実な作り方をしているのが、料理から伝わってくる。
　その分、ちょっと料理が出てくるのが遅いかな。
　全日本焼きそばランキング・ベスト３は無理でも、１０位以内なら、入れたい
お店だ。

　ランキング表の効果はまだ続く。
　どうしても、６位の白玉小倉アイスが気になる。
　嫁と、ひとつだけ注文する。
　私は小倉アイスが大好きなので、こういうお店の小倉アイスは楽しみと思った
ら、アイスはバニラで、白玉ぜんざいの組み合わせだった。
　しかも、歯が浮くような甘さ。
　このくらいの甘さに耐えられなくなる元・スイート・大リーガーである自分が
情けないのだが、実に甘い。

　午後２時。帰宅。
　喫茶店「らぴす」サンで、コーヒーブレイク。
　蔵人総合研究所の赤根豊くんと、遠山孝司くんが来たので、いっしょにコーヒ
ーを飲む。

　そのうち自動車緊急サービスのロードサービスの人が到着したというで、ニッ
サン・シルビアのバッテリーをチャージしてもらう。
　ニッサン・シルビアというのは、昭和４１年に５００台ほど生産されて、現在
日本じゅうで３０台あるかどうかの希少車だ。
　私はまだ左手が満足に動かないのに、つい「二度と手に入らないかも？」とい
う言葉に誘われて、家族３人なのに、２シーターのこの車を買ってしまったのだ。
　子どもの頃、カー・デザイナーになりたかったので、私はこの頃の車を何度も
何度も描いて、いつかこんな車が買えるような大人になりたかった。
　そんな私が買ったヴィンテージ・カーなもんだから「ニッサン・シルビアは、
１０００万円くらいですか？　２０００万円くらいしたんですか？」とよく聞か
れるが、２００万円である。
　現在トヨタ・カローラが、１４３万円〜２１０万円である。
　大衆車であるカローラの最高クラスとほぼおなじ値段だ。

　明後日、私の部屋の雨漏りを直す工事が入るので、きょうか、明日じゅうにニ
ッサン・シルビアが動くようにしないと工事ができない。
　なんとか、クィック・チャージで、３ヶ月ぶりで、ニッサン・シルビアが動く。
　というより、赤根豊くんに運転してもらって、ガソリン・スタンドに行き、バ
ッテリーの本格的な充電を頼む。
　ところが最近は、ガソリン・スタンドに車を置いたままの充電というのは、場
所がないのでやっていないという。
　そりゃ、困った。
　なんとか明日、家までバッテリーを取りに来てくれて、バッテリーの充電をや
ってくれることになった。
　うーーーん。今でもニッサン・シルビアは可愛いんだけど、可愛いやつほど、
わがままだなあ。
　そこがまた「可愛いんだなあ！」と思えるには、私は年を取りすぎた。
　本気で鎌倉の家のなかに入れてしまおうかなあ…。

　午後３時。自宅に戻って、蔵人総合研究所の赤根豊くん、遠山孝司くんと、会
社経営のお話。
　まあ、なんだかんだ難しい決算期のお金の話を聞いて、けっきょく嫁が、膨大
な書類に、判子を押して行く。

　午後４時。ＷＥＢデザイナーで、しゃかりき姉さんの菅沼真理（通称:すがね
まチャン）さんが到着。
　すがねまチャンは、蔵人総合研究所関係のホームページを製作しているので、
赤根豊くんと、直接会話して、あれこれ滞っている仕事の話をテキパキと決めた
いそうなのだ。

　赤根豊くんは、何社もの会社の社長さんを兼任していて、蔵人総合研究所自体
も従業員３０人の会社に膨れ上がっているので、すがねまチャンもなかなか、ホ
イホイと、赤根豊くんと会えなくなっている。
　会社が大きくなると、大変だねえ。
　うちも、かつて従業員２２人まで膨れ上がったことがあって、目が届かなくな
るし、自分の仕事ができなくなるので、やめたことがある。

　すがねまチャンは、赤根豊くんとのトップ会議で、問題点が簡単に解決したよ
うで、にまにま、ほこほこ、にこにこ、うれしそう。

　午後６時。夕方、突然、浅草キッドの水道橋博士から電話が入って、「仕事が
早く終わったので、夕食ごいっしょ出来ませんか？」というので、「待ってまし
た！」とばかりに、新宿３丁目の中華料理のお店「ＣＨＥＦ‘Ｓ（シェフズ）」
へ。

　私、嫁、水道橋博士夫妻の４人。
　また「ジーゲス・クランツ」のケーキかな？　シュークリームかな？を、もら
ってしまった。
　うふふ。またしても合法的に甘い物が食べられるぞ。
　でも、明日土居ちゃん（土居孝幸）と、柴尾英令くんが来るから、いっしょに
食べよっと。

「すぎやま先生は２日前ほど見えられましたよ！」
「あれ。最近話題に出ていなかったと思ったら、やっぱり見えられていたか！」
「おいしい〜！　これ、おいしい〜！」と水道橋博士が感嘆したのは、玉子とト
マトの炒め物。
　やっぱり、上海蟹以外の季節は、これを食べるために、このお店に来るなあ。
　前回、代々木今半で聞けなかった水道橋博士の日記の「ホームテスト」の話な
ど聞く。私は今年もまた大学受験するためだと思ったら、英語のテストであった。
　政治家・麻生太郎６２歳の漫画ファンぶりは、直接水道橋博士の口から聞くと、
よけいおもしろい。
　これからのＴＶ番組は、絶対「政治バラエティ」の時代がきっと来る。

 
 
 
 



　それにしても、水道橋博士夫妻の柴尾英令くんに対する情は厚い。
　本気で、オーディオ関係の師匠になってほしいそうだ。

　人と人が知り合うときには、いろいろな形がある。
　すぎやまこういち先生と知り合うことで、奥様とも知り合うことができて、家
族ぐるみのお付き合いになる。さらにすぎやまこういち先生ご夫妻からの紹介で、
「プティ・ポワン」の北岡夫妻とも、知り合いになれる。
　こんな発展の仕方が、理想的だ。

　そういう意味で、水道橋博士が奥さんを紹介してくれて、なおかつ柴尾英令く
んを気に入ってくれるという関係は、素晴らしい。
　私も、柴尾英令くんを通じて、系図マニアのけーむら（木村真人）クンや、
遅刻マジシャンの高瀬美恵さんと親しくなれたことは、実に楽しい。

　でも、たまに知り合った人から、その先の人と一向になかよくなれなかったり、
知り合った人ただひとりとの関係が続くだけで、その人が終着駅になってしまう
ことがある。
　こういう関係はつまらない。

　そういうのが嫌で、私は「笑止会」を開いている。
　自分の友人を紹介し合って、自分にない才能の持ち主に出会えるということは、
宝島の財宝の箱を開けるようなものだ。
　いつのまにか、佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ、岩崎摂さん、小林
千尋夫妻、杉沢義文さんが通っているのを聞くのは楽しい。

　午後８時。すぎやまこういち先生ご夫妻の「どんなに忙しくても、食事する時
間はあるのだから」という言葉に従って、水道橋博士夫妻とは、食事だけで、散
会。もっと話し続けたいけど、明日、土居ちゃん、柴尾英令くんが来るまでに、
やっておかないといけない仕事が残っている。

　午後８時３０分。帰宅。
『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の仕様書作り。
　仕事を早めたいのに、また変なアイデアが浮かんで、仕様書つくりは、横道に
それていくことに。まあ、おもしろくなるための横道だから、いいでしょう。

　午後９時１５分。ＮＨＫ『そのとき歴史は動いた』のきょうは、二・二六事件。
未発表のテープや映像が加わって、岡田首相の弟さんが、首相と間違われて、殺
されてしまった新事実は、興味深かった。
　奇跡的に成功するクーデターもあるけど、たったひとつのミスで、瓦解するク
ーデターもある。
　そういえば、きょうは２月２６日。
　だから「二・二六事件」とは、ＮＨＫもやりますな。

　今夜は、ずっと、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の仕様書作り。