２月１２日（水）

　昨夜、『ブレイド２』を観た。
　あれだけ探し回っていただけに、期待しすぎたかも。
　おもしろいことは、おもしろいんだけどね。
　グロテスクというか、スプラッターな表現が私はあまり好きではない。
　…と、書くと「あんなのはスプラッターのうちに入らない！」というマニアの
人から、メールが来るだろうけど、自分の尺度で物を言わないように。
　大人が思う「たいしてエッチではないシーン」も、子どもにとっては「極上の
シーン」だ。

　でも、主役のウェズリー・スナイプスは、好きだなあ。
『デモリションマン』とか『パッセンジャー』、『追跡者』に出ていたのか。　
　といっても、私は外人さんの顔が覚えられないので、どの役立ったかも思い出
せない。ただサングラスから飛び出る半月形のまゆ毛が好きだ。

　『ブレイド』は、友人の山本貴嗣（やまもとあつじ）くんが、漫画化したら、
人気が出そうだ。
　まあ、グロテスクな部分を考慮に入れなければ、観ても損しない映画だよ。
　もともと私は、気に入らなかった映画、ゲーム、小説は、この日記で取り上げ
ない。

　午前１１時。嫁と、喫茶店「らぴす」サンで、モーニング・セット。
　消極的なダイエット作戦開始。
　真昼間からおいしいものを食べると、太るから。

　昨日、私が「緊急事態！」と言っていたものだから、嫁はてっきり、きょうから、
朝ご飯を抜くと思ったらしい。
　元デブにそんな器用なことができるわけがない。
「比較的、量の少ない物を食べるぞ！」というだけである。
　デブのデブたる所以を、見損なってはいけない。
　デブは、１日にしてならず。
　すべての食べ物は、デブに通じる。
　デブに入っては、デブに従え。
　だんだん意味不明…。

　午後１２時３０分。家族３人で、恵比寿の「ガーデンプレイス」へ。
　あれこれ買い物。
　もちろん本も買う。
「現在既刊忠の講談社の『鉄道の旅』は買わないんですか？」と、私に聞く人が
いるけど、毎週なので買い忘れるといけないので、宅配にしてもらっている。
　今週は、五能線だ。
　深浦で見た、夕陽が海に沈む様は、もう一度見てみたいなあ。

　午後２時。表参道の「アニベルセルで、アニメ・プロデューサーのひろたたけ
しと会う。
　ひろたたけしとは、現在ネット・ゲームを企画中。
　そろそろネット・ゲームについても、知識を持っておこうとおもっている。
　知識を得るには、実際に仕事をしてみるのがいちばん。ひろたたけしから、あ
るゲームの監修を頼まれたので、ちょっと加わってみるつもり。途中で、企画が
ポシャるかもしれないけどね。
　企画なんてものは、１００出して、３つ決まれば、好成績だ。

　午後３時３０分。帰宅。
『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』の仕様書手直し作業。
　ふうむ。あいかわらず札幌の開発スタッフはすごいなあ。
　次回作でね、ブロックカードをひとり１枚しか持てないようにしようと思って
いるのよ。お金がたまった人が、何枚もブロックカードを買って、貧富の差が広
がる一方だったんでね。

　ところが、この仕様に変えたとたん、まあ、あちこちの仕様も小刻みにいっぱ
い変更しないといけない。
　まるで市役所の住所変更みたいだ。
　あっちで、収入印紙を買ってきて、こっちの用紙で記入して、記入したものを
ほかの階に提出しないといけない。
　そんな感じ。

　まず、☆印カード売り場でブロックカードを買おうとしたときに、「ブロック
カードは２枚買えませんよ！」というメッセージが必要になる。
　この程度のメッセージが必要なのは、私でも浮かぶ。
　でも、カード交換カードで、相手がブロックカードを持っていた場合、その人
にブロックカードを渡そうとしたら？　相手がブロックカードをくれようとした
とき、こっちがすでにブロックカードを１枚持っていたら？　ダビングカードで、
ブロックカードをダビングしようとしたら？
　こういう様々な場面に対応するメッセージが必要なことを探す能力が、すごい
のよ。札幌のみなさんは！

　三塁手である私がトンネルしたエラーを、後ろから回り込んでカバーしてくれ
るわけだ。
　本当は私がトンネルしなきゃいいんだけどね。
　あまり気がつき過ぎちゃうと、奇抜なアイデアが出なくなっちゃうからね。
　私は、アイデアを考えるのが、いちばんのお仕事なので、安心して、トンネル
させてもらっている。ほとんど指名打者だな。

　午後６時。夕食。
　恵比寿「ガーデンプレイス」Ｂ２の中島水産で買ってきた、寒ぶりで、麻布十
番の「かどわき」で食べた、寒ぶりのしゃぶしゃぶに挑戦する。

　日記で、ほとんど毎日外食しているので、「さくまサンの奥さんは、まったく
料理が出来ないのですか？」というメールがよく来る。
　まあ、日記を読んでいるかぎりは、そう見えても仕方がないが、料理の下手な
人が食い道楽にはならないよ。
　嫁は料理が上手い。
　かつて、嫁は、うちの社員１３人の食事を作らされて、まるで相撲部屋の女将
さん状態だった時期があるのだ。

　今は、私のマネージャーをやらされて、日記の更新をやらされて、私の会社の
経理までやらされて、私がいまだに手足が不自由なことをいいことに、掃除、洗
濯、荷物持ちまで全部やってもらっているので、この上、毎日、手料理を作って
くれとはいえない。食べ終わった食器だって、嫁が洗うことになる。
　というより、私が仕事以外のことが何もできない。

　だいたい、見てのとおり、私の仕事のペースについてくるだけでも、尋常では
ない。たまに弟子入り志望の若者が来るが、鞄持ちの仕事だけでも、だいたい発
狂する。だから最近は、弟子も取らずに、すべてのことは嫁にやってもらってい
る。

　余談だが、「さくまサンの奥さんは、まったく料理が出来ないのですか？」と
いうメールがよく来るといったけど、先日「さくまサンは、自炊が出来ないので
すか？」というメールが来て、笑った。
「自炊」とは、またなつかしい。

　さて、その寒ぶりのしゃぶしゃぶ。
　鍋に出汁を入れて、レタスを入れる。
　このレタスが「かどわき」の一工夫だとおもう。
「かどわき」では、寒ぶりをポン酢で食べていたので、我が家では、湯布院のか
ぼす醤油にしてみた。
　これがまた、うまいのなんの！

 



　水道橋博士が送ってくれた、大蛸の味噌漬も食べる。
　博士が故郷の倉敷「鯛惣」さんから送ってくれた。


ごちそうさまでした！


　博士が送ってくれたから、ホメるわけじゃないけど、これもまたうまいのなん
の！　本当に「大蛸」で、口の小さい私が頬張ると、もごもごしゃべれないほど、
大きい。
　しかも、やわらかい。
　やっぱり、蛸は瀬戸内だ。
　明石の駅弁「ひっぱり蛸」といい、最近蛸が、ちょっとしたマイ・ブーム。
　明石のたこ焼きがひさびさに食べたくなる。
　もちろん、明石まで行ってだ。

　けっきょく、また食べ過ぎた。
　いつものパターンだ。
　家で食べると、ついつい残すともったいないからと、食材をすべて食べてしま
う。これだけにすればいいのに、大蛸の味噌漬を半分くらい、家族３人で食べて
しまった。娘なんか、これに気が向いたというだけで、納豆まで買ってきて、食
べていた。
「そんなことをすると、納豆嫌いの柴尾英令くんから、大目玉を食らうぞ！」
「さくちゃん！　柴尾さんは、元から大目玉だよ！」

　すみません。上の親子の会話は、私が作りました。
　つい日記を書いているうちに浮かんだので、誰かに聞いてもらいたくて…。
　少なくとも、けーむらクンと、高瀬美恵さんには笑ってもらえたとおもう。
土居ちゃん（土居孝幸）もだな。
　３人以上に笑ってもらえれば、立派な消費社会だ。

　食後、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の仕様書作り。
　明日、大目玉の柴尾英令くんが打ち合わせに来るための、準備。