２月５日（水）

　午前１０時３０分。嫁と高円寺の整体さんへ。
　きょうも治療のついでに、『ポケットモンスター・サファイア』のやり過ぎで、
筋肉痛を起こしている右腕前腕部を、ほぐしてもらう。





　私の治療が終わって、嫁が治療してもらっている間、つい横たわった拍子に、
グーーグー寝てしまう。
　治療を受けたあとは、プールで水泳をしたあとのように、身体がだるくなって
眠くなってしまうのだ。

　午後１２時。高円寺の「ザボンラーメン」へ。
　なんか味が変わったような気がするなあ…。
　備え付けのたくわんは、あいかわらずおいしい。

 



　午後１時。自宅に戻る。
　まだ身体がだるいので、ビデオ『スターウォーズ神話』を見ながら、仮眠。
　先週の旅の疲れがまだ完全には取りきれていないようだ。

　午後２時。昨年からちょびちょび雑談で出ていた出ていた「ジャパンカップ２
００３」の問題点を書き移す作業。
　イベントとか、フェスティバルというのは、どんなにうまくやっても、不満や
問題点は出るものだ。それでもひとつひとつ、プチプチ（エアーキャップ）を潰
すように、直して行かないと、回数を重ねて行くうちに、どんどんボロボロにな
って行ってしまう。
　お客さんは、毎回、進化を期待する。
　前とおなじくらいのレベルだと、「前よりつまらくなった」と思うのが、お客
さんだからだ。

　午後３時。土居ちゃん（土居孝幸）が約束の時間より早く来る。
　さっそく、『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』のイラストの打ち合わせ。
　高松で電撃的に思いついた新キャラのデザインも、あれこれダメだし、手直し
をする。

　しばらくして、「柴尾英令くん、来ないねえ！」と、土居ちゃん。
「もうすぐ、スターバックスです！とか言って電話かかってくるよ！」と、私。
「まだ１０分程度だから、たいした遅刻ではないんだけどね…」
「どうせ柴尾英令くんの遅刻は、１０分、１時間、１日単位の遅刻だ！　もうす
ぐきょうがどのコースの遅刻か、わかるよ！」

　トゥルルルル…。電話が鳴る。
「もしもし！　スターバックス・コーヒーの出前で〜〜〜す！」
「やっぱり柴尾英令くんだ！　私はラテのトール！」
「あっ、僕もラテのトール！」
「では、ラテのトールを３つお願いします！」と、嫁。
「は〜〜〜い！」
　柴尾英令くんは、時間に遅刻すると、お詫びにスターバックス・コーヒーを買
って来てくれる。土居ちゃんが来る前にコーヒーを飲みに行こうかと思ったけど、
思いとどまった甲斐がある。

　３人揃ったところで、『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』のオープニング・アニ
メの打ち合わせ。土居ちゃんが悩んでいるので、書きかけの絵コンテを見て、こ
うしたら、ああしたらと言っているうちに、土居ちゃんがどういう風な展開にす
ればいいか、くっきり浮かんだようだ。

「さくまサンは、土居さんの絵に対して、どういう風にダメだしをするんですか？」
と業界の人に聞かれることがある。
　土居ちゃんとの打ち合わせは楽チンで、出てきた絵が、土居ちゃんらしくない
と、「土居ちゃんだったら、こんな感じの絵を描くんじゃないの？」というだけ
でいい。
「あっ、そっか！」
　だいたい一発で、土居ちゃんは勘を取り戻す。
　私は土居ちゃんのどういう描き方をしたときが、いちばんいい絵になるかとい
うことを長年の付き合いのなかで、わかっているので、プロ野球でいう、絶好調
のときのバッティング・フォームはこうだったよというのに近い。
　土居ちゃんとは、もう２０年以上仕事しているからなあ。
　あれ？　２５年になるかも。





　柴尾英令くんとは「業務連絡ボード」の新しい掲示板を作ることについて打ち
合わせ。
　ホウレンソウ（報告・連絡・相談）を密に取ると、どんどん掲示板に書き込み
が増えて行って、問題点まで流れて行ってしまうので、項目を分けて書き込むよ
うにするしかない。
　というわけで、いままで嫁が管理していた掲示板を、柴尾英令くんに管理して
もらうことにした。

　私がまとめた「ジャパンカップ２００３」の反省シートを見ながら、３人で改
善策を討議。
　こういうイベントのことを考えると、いまさらながら『週刊少年ジャンプ』の
イベント作りは、きめ細かくて、お客さんを楽しませようという精神に満ち溢れ
ていたなあ！と思う。
　なんたって、イベント会場では、アンケートを配っていて、どのコーナー、ど
の出し物、どの賞品がよかったまで、リサーチしてたからね。
　私は一度イベントのアイデア出しに参加して、会場でこのアンケート用紙を見
て、ぞっとしたことがある。どこまでも『週刊少年ジャンプ』は、お客さん本位
のアンケート至上主義なのだ。
　
　午後６時３０分。私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くんの４人で、西麻布の「た
ぬき」へ。やっぱりこのお店の焼き魚はおいしいなあ。
　しかも、ご飯がおいしくて、量が少ないので、体重が増えなくていい。土居ち
ゃんと柴尾英令くんはしっかりご飯をお代わりしていたけどね。

　午後７時３０分。西麻布「ドゥリエール」へ。
　土居ちゃん、柴尾英令くんは、悪魔のケーキを食べる。
　私は、必死にガマン！　ガマン！
　四国高松で、うどんならカロリーが少ないと思ったら、天ぷらがすごくて、大
幅に体重アップしたまま、下がらないのだ。
　このあたりで、一度下げておかないと、階段状に体重が確実に増えて行ってし
まう。
　風邪気味の土居ちゃんが、悪化する前に帰ることに。

　午後８時。帰宅。
　私もちょっと風邪気味っぽい。
　ここで気を抜くと、一気に風邪ゾーンに突入してしまう。
　仕事をして、風邪を引かないようにしよう。
　…という、やり方を悔い改めないとなあ。

　余談だけど、こういう風に「悔い改めないとなあ」という書き方をしたときっ
て、人間、絶対悔い改めなないよね。はっはっは。

　ついでにいうと、「言い訳」というのも、何だかんだ言っても、相手の言って
ることを受け入れていないのだから、否定しているのに等しいよね。
　なかには、言い訳することで、こっちを否定し始めていることに気づいていな
い人までいる。
　ひどいのになると、こっちが悪人に仕立て上げられてしまうことがある。

「言った」「言わない」は、掲示板で防げるようになったけど、「言い訳」する
人の防ぎ方は難しい。ひとえに「言い訳」する人の心根の問題だから。
「言い訳をしない」訓練は、難しい。