1月18日(土) 午前11時。嫁と、築地の松竹ビル1Fの「樹太老(きたろう)」へ。 どうも名前が築地の「太老樹(たろうき)」に似ていると思ったら、系列店だ った。なるほど、店内もよく似ている。 にぎりを、一人前。 けんちん汁付きだ。本家の「太老樹(たろうき)」が、昨年の夏以降、まったく予約が取れないほ ど大繁盛してしまったので、こっちに来ることが増えそうだ。 このお店もそのうち行列が出来てしまうかも。 午前11時30分。おなじ松竹ビルの「カフェ・セレ」でコーヒー。 午後12時。築地のハドソンへ。 本日、札幌開発スタッフの込山勉くんが、どっこいズ(井沢どんすけ、すとろ う小泉、石川キンテツ)と対決する。 その前に、昨日残した打ち合わせの続きをやる。 メンバーは、私、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん、、札幌開発ス タッフの企画担当の川田忠之くん、込山勉くん、加藤和美さん、小坂晃弘くん、 美術設定の佐藤裕くん、ミドルデザイナーの笠原圭介くん、メイン・プログラマ ーの田中俊介くん、東京ハドソンの梶野竜太郎くん、宣伝部の石崎仁英くん。藤 原伸介くん。 午後1時。明日の「ジャパンカップ2003決勝大会」にゲスト出演するショ ッカーO野くんが打ち合わせのために到着。 『桃太郎電鉄』シリーズで、ショッカーO野くんの名前を知っていても、実際に ショッカーO野くんを見たことがある人は少ないと思うので、明日の「決勝大 会」に来る人たちへのビッグ・サービスとして、登場してもらうことになった。
続いて、井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツが相次いで到着。 明日の「ジャパンカップ2003決勝大会」の段取りを打ち合わせの後、いよ いよ「込山勉VSどっこいズ」戦だ! これだけの人数が4人を周りを囲むと、まるでプロレスのメイン・イベントの ようだ。 でもこの4人。 『桃太郎電鉄』が下手くそだから呼ばれているのである。 込山勉くんは、『桃鉄』のスタッフの中核にいる男で、物件からイベントの確 率に至るまでン熟知している。 だから本来、桃鉄スタッフのなかでも、1、2を争うレベルでも当然のはずな のだが、今回いっしょに東京に来た札幌開発スタッフの言によると「めっぽう、 出目運が悪い!」そうだ。 それも「尋常ではないほどの出目の悪さ」だという。 どれほどなのだろう。 その「尋常ではないほどの出目の悪さ」というのは? 本日の出場選手に、戦いの前の意気込みを聞く。 井沢どんすけ35歳。 「今回は込山さんのどっこいズ入団テストみたいなもんですかね。まあ、込山勉 さんは入ると思いますけど!」 すとろう小泉30歳。 「練習不足だけど、込山くんには勝てると思います!」 込山勉28歳。 「勝って当然だと思います! 出目が悪いだけなんで…」 石川キンテツ25歳。 「やややや…! 結果次第では、井沢どんすけサンに代わって、込山勉さんをど っこいズのリーダーに!」 子分体質の石川キンテツは、新リーダーが誕生すれば、その下につく。『ゲゲ ゲの鬼太郎』のネズミ男のようなやつだ。
まずは『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』の『桃鉄公式戦』で、 最初の勝負を決することに。 どうせならみんなで誰が勝つかという予想をすることになった。 みんなの予想は以下の通り。
・井沢どんすけ…川田忠之、ショッカーO野、田中俊介、佐藤裕、佐久間真理子。 ・すとろう小泉…土居孝幸、小坂晃弘。 ・込山勉…………石崎仁英、加藤和美、さくま、藤原伸介、笠原圭介。 ・石川キンテツ…柴尾英令、梶野竜太郎。 「石川キンテツは、意外と、波に乗ることがあるからなあ!」 「誰が勝ちそうかなあ。誰も勝ちそうにないなあ…!」 「おいおい、札幌の開発スタッフのチーフ・川田忠之くんが、込山勉くんを予想 から外したってことは、本当に弱いのかもしれないぞ〜!」 「井沢どんすけ! ショッカーO野くんが、井沢どんすけが優勝と予想したんだ から、負けたらどうなるかわかってるんだろうな?」 「ライダー・キックを喰らうってことですよね! まいったなあ。プレッシャー がかかるなあ!」 見ている側は、のんきなんもので、出場選手4人の顔は、ほんとうにこわばり 始めた。
そんなわけで、いよいよ『桃鉄公式戦』試合開始! <1年目> 最初の目的地は、大阪。 赤マスにひっかかり、なかなか前に進まない4人。 ほとんど断固レースのまま、よろよろ大阪に近づいて行く。 誰か、独走しろよっ! 「うわ〜〜〜!」 「あ〜〜〜!」 「やられたあ!」 すとろう小泉が、大阪に到着! まるで優勝者が決まったかのように、出場選手たちはあわてるが、1年目の2 月にやっと大阪に入ったこと自体、すでに凡庸で、無風な試合展開である。 ☆収益額 1位・すとろう小泉 9700万円 2位・井沢どんすけ 9000万円 3位・石川キンテツ 3050万円 4位・込山勉 1000万円 ☆総資産 1位・すとろう小泉 5億6620万円 2位・井沢どんすけ 3億6180万円 3位・石川キンテツ 3億1130万円 4位・込山勉 1億8020万円 込山勉くんの出目の悪さは、なるほど聞きしに勝る! 牛歩カードを喰らっているのではないのかと思えるほど、1、2、1、2、 3、1、2のくり返し。 これでは確かにいくら『桃鉄』のすべてを熟知していても、その能力を発揮す る場がないかも。 サイコロの出目も悪いが、カード駅の出目が悪いのもなかなかのものだ。 あまり使い道のないカードばかり次々に引く。 <2年目> 2番目の目的地・松山には、井沢どんすけが到着! 「井沢さんの時代が来ましたね!」と、ミスター腰巾着の石川キンテツが、井沢 どんすけをヨイショする。 「来たかもしれないなあ!」と、井沢どんすけ。 ことわざに「木を見て、森を見る」という言葉があるが、このメンバーは「芽 を見て、森を見る」だ。 おや? ▽ ↓ (無音) ▽ ↓ 貧乏神の ようすが ▽ ↓ (無音) ▽ ↓ なんか 変だぞ????? ▽ ↓ ま… まさか! ▽ ↓ (無音) ▽ ↓ ▽ 貧乏神が 伝説の キングボンビーに 変身しようと してるのでは! いよいよ、貧乏神がモーフィング開始だ! キングボンビーか? ブラックボンビーか? ミニボンビーか? ブラックボンビーだああああああっ! 込山勉くん、ブラックボンビー喰らって、脱落濃厚! それでも、『桃太郎電鉄』のマス目を熟知している込山勉くんは、必死に赤マ スに停まり、必死の抵抗を見せる。 しかし、最後の最後で、黒マスに停まり、もらったカードは、キングデビルカ ード! ご愁傷様です。ちーーーん! 3番目の目的地・稚内に、石川キンテツが、4進めるカードをつかって、入 る。 直前、すとろう小泉、牛歩カードを持っているのに、つかおうとせず。 次第に、ギャラリー(観衆)がいらいらし始める。
今回の試合は、ガチンコなので、いっさい助言をしてはいけないことになって いるので、みんな「そのやり方はちが〜〜〜う!」と叫びたいのだ。 石川キンテツの順番より、すとろう小泉のほうが先だったのだから、牛歩カー ドをつかっていれば、石川キンテツは4進めるカードをつかうことができなくな って、誰が稚内に入るか、わからなくなったはずなのだ。 4番目の目的地・釧路に、すとろう小泉が入る。 それにしても、込山勉くんを除いて、どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小 泉、石川キンテツ)はいつものように、目的地のまわりを囲んで、いつまでたっ ても目的地に入れない。 どうして毎回おなじ展開になるのか不思議だ。 そんなわけで、2年目終了。 ☆収益額 1位・井沢どんすけ 1億7400万円 2位・すとろう小泉 1億2950万円 3位・石川キンテツ 8300万円 4位・込山勉 0円 ☆総資産 1位・すとろう小泉 10億2320万円 2位・井沢どんすけ 9億4450万円 3位・石川キンテツ 7億3220万円 4位・込山勉 ―2億2360万円 込山勉くんの脱落はほぼ決定的。 どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツ)は、まったく誰が 勝つか予想がつかない。 井沢どんすけと、すとろう小泉の差は、わずか8000万円。 夏の7月、8月の青マス分くらいの差でしかない。 明日の「ジャパンカップ2003」の決勝大会に出場する選手たちは、2年目 で総資産30〜50億円くらいなのだろうに、この試合の首位は。10億円がや っとだ。 いよいよ運命の3年目に突入! <3年目> 目的地が、ハワイになる。 いっせいに「うわああああ、入れそうもないなあ!」と叫ぶ。 「そんな弱気でどうする!」 「早くもあきらめてるよ〜!」 ハワイと聞いただけで、嫌がるところが、どっこいズだ。負け根性が、セブン イレブンのおでんぐらい染み込んでどす黒くなっている。
そのうち、どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツ)同士が、 北海道で貧乏神をなすりつけ合いを始める。 得意の泥し合いの開始だ。 血で血を洗う戦いというのは聞いたことがあるが、泥で泥を洗うような見苦し い戦いだ。 ひとり込山勉くんが、貧乏神をつれて淋しいひとり旅。 けっきょく込山勉くんは、わずか3年の戦いのうち、15ヶ月も貧乏神を引き 連れることになる。 「ははは! バラエティゲームの『北海道で鬼ごっこ』みたいな状態だなあ!」 と、土居ちゃん。 「おまえら、早く、ハワイに行けよ!」 泥で泥を洗うような見苦しい戦いは、鼻をかんだちり紙でちり紙を洗うような 情けない試合展開になって行く。 あっちいけカードの乱舞を始めたのだ! 「やめろよ! やめろよ!」 「やめてくれ〜〜〜!」 すとろう小泉が、あっちいけカードをつかうと、貧乏神は、石川キンテツに移 動。すかさず石川キンテツが、あっちいけカードをつかって、貧乏神は込山勉く んのもとへ! 「なんだよ、それ!」 「ほんとうに、どっこいズだ!」 「また貧乏神は込山勉くんに戻ってしまったのか!」 すとろう小泉が苫小牧近辺から、ハワイめざしてぶっとびカードをつかうも、 網走へ! どっこいズのみなさん、まったく運がない。 とどめは、どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、石川キンテツ)全員が 宝くじカードを5枚以上買い始めたことだろう。 「ほかの作戦ないのかよ!」 「最後の勝負に賭けてますから!」 「宝くじさえ当たれば、優勝できますから!」 かつてこれほどまでに、戦略性のない戦いはあっただろうか。 昨年W杯が開催されたときに、どこかの高地で、140位だか、150位の国 同士が、サッカー最下位国を争ったことがあるけど、あの戦いに似ている。 全員、運命の12月を待っている。 宝くじの発表だ。 12月。宝くじの4等が、石川キンテツ、すとろう小泉に当たる。 「お、お、オレは!?」と、井沢どんすけ。 4人で20枚近い宝くじカードの総当選金額は、5000万円である。 ところが、奇跡(…というほどではないが)が起きた! 井沢どんすけ、福引きカードで、2億5000万円獲得! 「あ〜〜〜、負けたあ!」 「これで勝負は決まった!」 おいおい、福引きカードで試合が決まるのか! 3年目2月。石川キンテツの貧乏神が、ついにキングボンビーに変身! 3月。石川キンテツが必死に、キングボンビーを井沢どんすけになすりつけに 行く。福引きカードの収入だけで、優勝を狙おうとする井沢どんすけ、ピ〜〜〜 ンチ! 観衆が騒ぐ! 「サイコロ10個! サイコロ10個!」 井沢どんすけ、万事急す…と思いきや! 「あ〜〜〜、カードを捨てるかあ!」 「つまんね〜〜〜!」 かくて、井沢どんすけの首位が確定してしまった…。 ☆総資産 1位・井沢どんすけ 13億9050万円 2位・すとろう小泉 10億6320万円 3位・石川キンテツ 8億2180万円 4位・込山勉 5250万円 「けっきょく、この試合、福引きカードで1位が決まっただけじゃないか!」 「そうだ、そうだ!」 「1位と2位もほとんど福引きカードの差だ!」 とにかく、井沢どんすけの優勝〜〜〜! おつかれさま〜〜〜! おめでとう! 「井沢どんすけ! 込山勉くんのどっこいズ入りはどうだね?」 「込山勉くんは、どっこいズ入りではなく、どっこいズの2軍として、認定しま す!」 「2軍ですかあ!」と、うなだれる込山勉くん。 「あ〜〜〜、イライラするゲームだった!」 「ああ、もう! 言いたい場面だらけだ〜!」 「いやあ! ひどい試合だあ!」 「込山を出場させるんじゃなかったあ!」
いったん休憩を取ったのち、引き続き、おなじどっこいズ(井沢どんすけ、す とろう小泉、石川キンテツ)+どっこいズ2軍の込山勉くんの4人で、「いつも の桃鉄」を10年対決。 もう面倒なので、データを取るのをやめる。 勝手にやってください。 もちろん、さっきと似たり寄ったりのゲーム展開である。 だいたい、10年モードを4人でなら、4時間ほどで終了のはずだが、午後5 時を過ぎた時点で、やっと5年目である。
午後5時。ショッカーO野くんが、トーク・ライブ出演のために退席。 「あとは若い人たちで…」と言い残して、私、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)、柴 尾英令くんの4人は、食事に行って、そのまま帰ることに。 「どっこいズ(井沢どんすけ、すとろう小泉、込山勉くん、石川キンテツ)のみ なさんは、心ゆくまで、明日の朝まで、『桃鉄』をやり続けてください!」 「込山勉くんは、どっこいズではなくて、どっこいズの2軍ですよ!」 ああ、こんなやつらに負けた込山勉くんは、あわれなり。 午後5時30分。私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くんは、ひさびさに銀座の 「煙事(えんじ)」へ。 「いやあ、何でどっこいズの試合を見ていると、ぐったり疲れるんでしょうねえ!」 と柴尾英令くん。 「柴尾英令くんみたいな『桃鉄』上級者には、一挙手一投足、すべてに口出しし たいからだよ!」 「言いたいこと、たくさんあったもんなあ!」 「だから、私が鎌倉で、どっこいズのテスト・プレイを2泊3日で付き合う苦労 をわかってくれよ! 本当に疲れ果てるんだから!」 「お疲れ様です!」 仙台牛のカレーなどを食べ、喫茶店「みゆき」で、土居ちゃん、柴尾英令くん は、ケーキを食べる。私はガマンしましたぞ〜〜〜! 午後7時30分。携帯メールが入って、「いま、終わりました。井沢どんすけ さんの連勝です!」 井沢どんすけが連勝するような試合展開、ろくなもんじゃない。 しかも10年モードを6時間もかけるなっ! 午後8時。帰宅。 きょう、どっこいズの戦いぶりを見ていて、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』 で新登場の予定のカードの仕様を変えることに。 何度あいつらの試合を見ても、新しい発見を見つけることができるのだから、 彼らの『桃鉄』下手くそぶりは、異能である。 しかし、まさか込山勉くんが、どっこいズ入りするとは思わなかった。
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