1月10日(金)

 本日、取材旅行。
 京都から、帰ってきたばかりで、「また旅行かい?」と思うでしょうが、最近
は「VAIOがあれば、どこで仕事をしてもおなじ」なのだから、ちょっとでか
ける。便利な世の中になったものだ。

 と同時に、きょうは、嫁の誕生日。
「わが嫁」と、何かを掛けてみたい。
「わが嫁」→「わが妻」→「あが妻」→「吾妻(あがつま)」というのは、どう
だ?
「吾妻(あがつま)」といえば、群馬県の草津温泉だ。
 実はあれだけ有名な草津温泉に、まだ一度も行ったことがない。
『桃太郎電鉄』の作者である私は、意外なことに、関東地方に弱い。
 関東地方はいつでも行けるからと、調査が遅れているのだ。
 そのせいか、『桃太郎電鉄』15年の歴史のなかで、全国編の物件駅で、唯一
群馬県だけが登場していないそうだ。
 今年は、群馬県を重点的に、調査する。

 午後12時。嫁と湯島天神並びの「鳥つね」へ。
 真っ赤な卵の親子丼で、有名なお店だ。
 お昼時なので、行列。
 いつものように午前11時30分に来るべきだった。
 グルメの道は、時差通勤が大事。

 混雑に拍車をかけるかのように、おばちゃんのきんきん声がコンサート会場の アンプの前の席になってしまった!かのように、耳をつんざく。  午後1時。東京駅。  資生堂パーラーでコーヒーを飲み、新幹線の発車を待つ。  新幹線「とき」よりも、「あさま」のほうが、いい車両だからだ。  午後1時28分。あさま519号長野行きに乗車。  新幹線は快適な仕事場なので、さっそくVAIOを取り出して、『桃鉄研究所』 を執筆。  午後2時18分。高崎駅に着く。  あっという間で、あまり仕事が進まなかったなあ。  駅構内のお土産品売り場を物色する。  高崎は、やっぱり縁起だるまが多いねえ。  5000円のだるまを買うと、名前を入れてくれるサービスなんてものがある んだねえ。  達磨大師の町だからね。  昨日も、だるまの市があったようだ。

 あとは焼きまんじゅうだなあ。  焼きまんじゅうは、パンのようなすかすかのおまんじゅうを焼いて、刷毛で味 噌だれを塗って食べる楽しい名物だ。  けっこう、お土産で買って帰って、家で食べたものだ。  高崎駅は、新潟方面に行く新幹線と、長野方面に行く新幹線の両方が必ず停車 する交通の要所だ。だから当然『桃太郎電鉄』に登場してもおかしくないのだが、 首都圏に物件駅が多いあおりを食らって、黄色のカード駅だ。  関東はどうしても物件駅が少なくなってしまう。  軽井沢を消してまで、高崎は登場させづらい。  ほかにも高崎駅構内のお土産品売り場には、水沢うどんが、目につくなあ。水 沢うどんは本来、伊香保温泉の物件だな。  まだ伊香保にも行っていない。  次の群馬県調査は、間違いなく伊香保温泉だな。  うーーん。高崎には最近、ソースかつ丼のお店が増えていると聞いたんだけど、 まだ駅構内にのぼりや、お土産品が出るほどではないんだなあ。  午後2時39分。高崎駅から、JR吾妻線大前(おおまえ)行きに乗車。  大前駅とは聞いたことがないなあと思ったら、嬬恋(つまごい)村のある場所 だ。何で知名度抜群の「嬬恋(つまごい)」を終着駅の名前につかわなかったの だろう。

 列車は、2両編成。  ドアは手で開ける。  新幹線から、ドアを手で開ける列車への落差は、旅行には、最高の調味料だ。  ドアは、手で開けるタイプのわりに、車内は、2列のベンチシート・タイプの 通勤列車風。てっきり、向かい合わせの4人掛け座席だと思ったのに!  これでは、VAIOで仕事をすることができない。  しかし、普通列車なので、目的地の長野原草津口(ながのはらくさつぐち)駅 までは、1時間36分もかかる。東京駅から高崎駅までが50分。やっぱり新幹 線は速いんだねえ。  列車は、渋川駅を過ぎて、左に大きくカーブして、西に向かうようになると、 次第に路肩に溶けきれない雪の残骸が増えてきた。  さらに、吾妻川が見えてくると、遠くの山にどんどん雪が増えて来た。  午後4時15分。長野原草津口駅に着く。

 何で「草津温泉駅」にならないかというと、草津温泉へはここからバスで30 分かかるからだ。  でも「草津温泉入り口駅」とでもしたほうが、集客力が増えるような気がする んだけどなあ。  どうも、このJR吾妻線の駅名は変だ。  長野原草津口から4つ目に「万座・鹿沢口(かざわぐち)駅」というのがある。  あの有名な、万座(まんざ)温泉があるところだ。 「万座温泉駅」とすべきでしょう。「万座スキー場駅」でもいい。  いまもある「川原湯温泉駅」、「草津温泉駅」、「万座温泉駅」と揃ったら、 もっと吾妻線の乗客数は増えると思うのだが…。  ついでに、2両編成を、3両編成にして、温泉も付けてしまえば、話題騒然だ。  さて、長野原草津口駅から、草津温泉までは、バスで行きたいところだけど、 途中、取材もしたいので、タクシーに乗車。  運良く運転手さんが、農協に勤めていた人なので、かなりいい情報をもらう。  車が上り坂を走る始めると同時に、硫黄の匂いがし始めた。  草津の温泉は、とくに硫黄が強いのが、特徴だ。  この硫黄の匂いのせいで、伝統ある草津温泉が、若者に敬遠される理由でもあ るそうだ。湯布院のお湯など、匂いが薄いからね。  午後4時40分。草津運動茶屋公園道の駅に寄る。  道の駅は、お土産品が一網打尽だから、寄らないわけにはいかない。  それにしても「草津運動茶屋公園」というネーミングはよくわからない。  道の駅のお店の人に聞いても、その由来がわからない。  必死に調べたくなるほどの名前でもない。

 道の駅で、お土産品を物色。  信州りんごの天然水がおいしかったんだけど、桃の天然水のようなものだから、 この土地の名産と呼ぶには、ちょっと難しいかな。  群馬県とはいえ、長野県がすぐ近くなので、お土産品売り場には、野沢菜が出 てきた。吾妻線の車内に、軽井沢の吊り広告があったりすると、軽井沢が近いこ とがわかったりするようなものだ。  高崎駅には、うどんが多くて、ここには、そばが多いのも長野県が近いせいだ。  午後5時。草津に行ったことがない人でも、草津温泉郷のど真ん中、湯畑(ゆ ばたけ)と呼ばれる、湯煙の公園と、長い板をつかって、♪草津、よいと〜こ〜、 一度はおいで〜と、湯もみをする映像は観たことがあるだろう。  その湯畑(ゆばたけ)に到着。  湯煙がすごくて、デジカメしても、煙しか写らない。

 しかし、草津温泉にこの大きな湯畑がなかったら、ここまで全国区の知名度は 獲得できなかったろうなあ。  逆に、こういうシンボリックな象徴を作れなかったばかりに、二流の温泉のま まで今日を迎えている温泉も多いんだろうなあ。  湯もみは、どうも冬場は休みのようだ。  お正月も元旦から、テレビで、湯もみ姿を見たけど、やっぱりあれはタイアッ プで特別出演なんだろうなあ。  午後5時。車は、古い風情のある老舗温泉街を抜けて、「つつじ亭」へ。  きょうの宿だ。  5000坪の広大な敷地に、10部屋程度しか離れ家がない、最近流行の「部 屋付き露天風呂の宿」だ。  こういう旅館は、会社の慰安旅行の大群と出くわさなくていいので、日本全国 かなり増えてきている。いいことだ。

 さっそく、ご飯の前にひとっ風呂ッ!  この「つつじ亭」も、先月の水上温泉「仙寿庵」同様、雪見風呂があるという ので、来てみた。  雪見風呂が、最近マイブームだ。  でも、完全な露天風呂ではなく、庭に面しているお風呂であった。  雪は降っていないけど、溶けきらない雪が、どっさり積もっているので、たし かに雪見風呂だ。

 気分はいい。  でもきょうは東京も暖かかったから、雪は降りそうも無いな。  タクシーの運転手さんによれば、草津より、水上温泉のほうが、圧倒的に雪が 多いそうだ。先月に続いて、粉雪舞い散る草津を期待したのだが、そうはいかな いようだ。  しかも先月行った水上温泉は、とくに新潟に近い谷川温泉なので、よけい雪は 多いらしい。雪の本場は、やっぱり新潟か。  午後6時30分。夕食。  料理は、「仙寿庵」よりもおいしかった。  正統派の日本料理だ。  雪をイメージしたお刺身のお皿など、けっこう目も楽しませてくれる。

 和食なので、食べ終わるのに、2時間もかかってしまった。もうすぐ、テレビ で『インディペンデンス・ディ』が始まってしまう。  午後9時。日本テレビで、『インディペンデンス・ディ』を観る。  かつてLDで『インディペンデンス・ディ』を観たことがあるんだけど、当時 殺人的に仕事が忙しくて、最初の10分間と後半の10分間以外、ずっと寝てい た。どうも中途半端に見てしまったので、LDを持っているのに、その後、ずっ と見ていなかった。  いいチャンスなので、観ることに。  温泉地で観る映画というのも、のんべんだらりん気分満点で、乙(おつ)なも のだ。 『インディペンデンス・ディ』は、なるほど以前観たとき、寝てしまったわけだ。 前半のテンポが悪い。でも中盤からの畳み掛けは実に見事。  スケールの大きなパニック物は、映画ならではの醍醐味だ。  円盤の直径24kmだったっけ? この度肝を抜く設定は見事だね。  いかに円盤の能力がすごいかということを説明する必要がない。  観ている側が予想する通りに、ストーリーが展開して行くのが、いい。  よくこういう映画を、「ありふれたストーリーでつまらない」という、評論家 もどきがいるけど、「ありふれた」という言葉自体に、「自慢」が含まれている ことに気づいていない。 「ありふれたストーリー」を作ることがどれほど大変なことか。  午後11時30分。もう一度、露天風呂に入って、就寝。  は〜〜〜、極楽、極楽…。

 
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