1月1日(水) 午前中、昨日の『紅白歌合戦』をビデオで見る。 各出場歌手が精一杯気張った衣装を着て、一生懸命歌うという点では、やっぱ り『紅白歌合戦』は特別な番組なんだろうけど、各世代によって嗜好が違う時代 に、この番組を続けて行く難しさが年々目立ってきている。 だいたい「男が勝て!」「女が勝て!」といわれても、見ている人にはどっち でもいいよね。 『東西歌合戦』なら、自分の出身地を応援したいけど、男と女じゃねえ。 それと出場歌手を送り出す舞台の袖でも、ほかの歌手の衣装がやたらと派手で 極彩色で、いったいこれから誰が歌うのかさっぱりわからない。 歌わない人は、地味な衣装を着ていてほしい。 それにしても放送時間が長い。 やっとBEGINが歌い終わったところまで見る。 ここでふつうの家庭ならば、元旦なので年賀状を見て、楽しむのだろうが、今 年も京都にいるので、年賀状を見ることができるのは、7日くらいだ。 年賀状の返事が、10日くらいになるかもしれません。あしからず。 『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。 1年の計は、元旦にありなので、いつものようにお仕事。 まあ、これは儀式のようなものだ。 今年も仕事ができることに感謝する。 と同時に、仕事をさせてくれるのはお客さんがいるからこそなので、この日記 を読んでくれるすべての人に感謝! 午後12時。お餅を焼いて食べる。 京都でいつもお正月を迎えるのは、京都に火鉢があって、備長炭でお餅を焼け る喜びがあるからかもしれない。 丸餅を焼いて、お醤油をつけて、海苔を巻いて食べる。 もう10年近く、京都でお正月を迎えているいで、関東風の四角いお持ちがち ょっと恋しくなってきた。 4個焼いて食べて、5個目のお餅は、お雑煮で。 京都だから、白味噌のお雑煮ですぞ。 ちょっと食べすぎた。 入院する前は、お餅なら10個は軽かったのに。 午後2時30分。家族3人で、京福電鉄車折(くるまざき)駅の車折神社へ初 詣にでかける。 車折(くるまざき)神社とは、変な名前だと思う。 歴史に登場する後嵯峨天皇が乗った牛車がこの近くまで来たときに、車輪が折 れたので「車折(くるまざき)」という名前が付いたそうなんだけど、どちらか といえば不吉な名前なのに、ずっとそのまま残っているのも不思議なもんだ。車折神社は、芸能神社としても名高い。 芸能人がよく訪れることでも知られていて、神社には、朱塗りの板…玉垣(た まがき)というそうだけど、奉納した人たちの名前がたくさん並んでいる。 花柳流とか、宝塚の人たちの板が多いけれど、テレビで活躍している人たち が、ごくあたりまえのように名前を連ねているのもおもしろい。
この玉垣(たまがき)って、お金いくらくらい出せば、名前書いてもらえるか 知りたくない? たぶん高いんだろうけど、一度くらいこんな神社に名前を残す のって楽しいよね。 板一枚、10万円くらいかなあ? 私の名前が残っているのは今のところ、東大阪市の司馬遼太郎記念館だけだか らなあ。桃太郎電鉄石像には名前を記すのを忘れたし。 お参りをしたあとに、社務所に行く。 玉垣に名前を書いてもらえるのには資格がいるのか?とか、値段はいくらか? ということを聞いてみるくらいしてもいいよね。 「あの〜、すみませんが、あの朱塗りの板には、いくらくらいお金を出せば、名 前を書けるんでしょうか?」 「はあ、あれは2年間で、8500円出していただければ…」 「8500万円!!!!」 「いえ、8500円で…」 おっと。『桃太郎電鉄』のせいで、ついつい金銭感覚がおかしくなっている。 つい最近ヴィンテージカーで、3000万円台と言われたせいもある。 というより、1万円以下っていうのが、びっくりだよね。 安すぎる。 「娘よ、8500円だってさ。やりたいよなあ!」 「もちろん!」 こういう馬鹿げた話には絶対乗ってくる娘である。 かくして、お金を払って、玉垣に名前を書いてもらうことになった。はっはっ は。アホらしいでしょ? でも、みんなが京都に見物に来たとき、この神社に私の名前(というより家族 全員の名前)が書いてあったら、寄ってみたくなるでしょ? 車折駅は、1両編成の市電のような電車で、嵐山駅から3つ目で、駅の真ん前 だから、嵐山の行き帰りのどちらかに寄っても楽しい。
ふつうは1週間くらいで、玉垣は掲げられるらしいけど、お正月は奉納者が多 いので、2週間くらいかかるそうだ。1月の下旬にはまた京都に来ることになっ ているので、そのときには見に来ようっと。 午後3時。京福電鉄車折駅から、四条大宮駅へ。 どうせだから、四条通りを烏丸、河原町に向かって歩く。 疲れたら、喫茶店に入ればいいやという軽い気持ちで歩き始めたんだけど、さ すがに元旦。まったくお店があいていない。 これには、まいった。 ドトールとか、スターバックス・コーヒーはやっているのが、えらいねえ。タ リーズは閉まっていた。この差は大きいのかも。 せっかくだからふつうのお店に入りたいのだが、本当にどこもやっていない。 午後3時30分。とうとう河原町四条の「からふね屋珈琲店」まで歩いてしま った。ひ〜〜〜! へばったなんてもんじゃない。 それでも「からふね屋珈琲店」も超満員で、10人ほど並んで待っていた。 待っている間も、膝はがくがく、後ろから押されたら、そのままパタン!と倒 れてしまいそうだ。 座って、コーヒーを飲んでいる間も、足が、じんじんじんじん! じんじんじ んじん! 電流を流しているようだ。 午後4時30分。私と嫁だけ仕事場に戻って、私は仮眠。 とてもへばりました。 午後7時。家族3人で、すぎやまこういち先生ご夫妻邸へ。 日頃、すぎやまこういち先生ご夫妻からは、お金に換算できないような人生の 指針となるようなお話をしていただいて感謝しているのだが、きょうはお金に換 算できてしまえそうで、換算すると、ちょっと目玉が飛び出てしまいそうな料理 をごちそうになってしまう。 なんと! 「プティ・ポワン」の北岡シェフの手料理である。 はっはっは。びっくらこいちゃうでしょ? ここ数年、毎年元旦に北岡シェフの手料理を食べさせていただいているんだけ ど、まさに罰当たり始めである。
何気ないサラダが、何気なくないのよ。ははは。 スライスしたサーモンを、刻んだタマネギとレモンをたらして食べるのよと言 っても味が想像できないでしょ? 私も食べてなければ、たぶん想像できないと 思うのよ。 鹿のお肉を4時間かけて煮込んだらしいのだけれど、こまかい調理法は、食べ た時点で、ぽおおん!と忘れてしまった。 「おいしかった!」のひとことなんだもん。 食べている間に、つい無口になって、何か話をしなきゃ!とあわてるくらいお いしいんだもん。
食後も、またすぎやまこういち先生ご夫妻、北岡ご夫妻から、貴重な話を聞か せていただいて、長居してしまう。 和菓子の「望月」が食卓に出て来たときに、「ニヤッ!」としたところを、す ぎやまこういち先生の奥様に見つけられたり、私は今年もアホでございまする。 人生の先輩たちの前で格好つけても、格好がつくわけがない。 今年も「アホだねえ!」「バカだねえ!」ということをお見せするのが、若輩 者の務めだと思っている。 今年も、バカなことをたくさんせねば! 午後11時。帰宅。 札幌に、仕様書を送る。あやうく午前0時を回ってしまうところだった。 別に明日送っても、来週送ってもかまわないんだけど、こういうのは縁起物 だ。 元旦に送ることに意味がある。 さて、『紅白歌合戦』の続きを見なければ。 今年読んでいる司馬遼太郎さんの小説は『峠』(新潮文庫)だ。
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