１２月２３日（月）

　本日も、グッスリン！
　よく寝た！

　午前１１時３０分。嫁と、六本木の「紅虎餃子房（べにとらぎょうざぼう）」
へ。鶏と高菜の山芋土鍋ごはんは、各支店によって、山芋の切り方が違う。
　麻布十番のは、千切りっぽく、京都のは、丸い。六本木のはサイコロに近い四
角い切り方。微妙に違って、おもしろい。

　午後１２時３０分。六本木の喫茶店「紗絵羅（さえら）」で、コーヒー。
　六本木に着く前から、柴尾英令くんに「起きたら電話ください」の携帯メール
を送るも、返事無し。
　土居ちゃん（土居孝幸）に、「まだ移動中？　私は六本木」の携帯メールを送
るも、返事無し。
　井沢どんすけは、六本木に着いたら、電話をくれることになっているのに、連
絡無し。
　唯一、携帯メールが繋がったストロウ・ドッグスのすとろう小泉だけが、六本
木の新居から、喫茶店に到着。
「小泉、ひょっとして朝ご飯食べてない？」
「はい。食べてません！」
「じゃあ、サンドイッチでも食べれば…」
　この何気ない会話がまさか、あとで伏線になろうとは！

　午後１時１５分。六本木スタジオの「ジャパンカップ東東京地区大会」の会場
へ。
　ありゃ。浅草キッドのふたりは、午前中に収録が終了して、もう帰っちゃった
の？　うーーん。浅草キッドのふたりと話をするのが楽しみで、毎回来ていたの
になあ。

「何だよ、土居ちゃん、もう来てたのか！　メール送ったのに！」
「見た、見た。返事書けないよ！」
　土居ちゃんはまだ携帯メールで、長文の返事が書けない。
「井沢どんすけ、六本木に来たら、電話しろって言っただろ！」
「あっ。迷わずに会場に来れちゃいました！」
「おお、宮路一昭くん、ひさしぶり〜！　宮路一昭ジュニアもいっしょか！」
　宮路一昭くんが、息子を連れて来ていた。
　昨日、宮路一昭家は、『桃太郎電鉄１１』の９９年を終了させたようで、子ど
ももやたらと、『桃鉄』にくわしくなっている。しかも地区大会に出たいと言い
出して、宮路一昭くんを困らせていた。
「まあ、ゲーム好きな宮路一昭くんの息子だから、血は争えないね〜！」
「おお、石川キンテツも来てるな！」
「やっやっやっや…！」
「あいかわらず、やっやっやっや…！しか、リアクションないのか！」
「やっやっやっや…！」
「そういえば、やっぱり柴尾英令くん、来ていない？」
「来てませんね〜！」
「やっぱりかあ！」

 



　午後２時。ジャパンカップ東東京大会の第２回戦が、いよいよスタートする。





　ようやく柴尾英令くんから、「いま起きました〜！」の電話が入る。
　柴尾英令くんは、『三国志』でいうと、諸葛亮孔明のように頭脳明晰な男であ
るが、日々の生活ぶりは、酔っ払いの張飛だ。

　東東京大会は、さすがに人数が多くて、１５卓が用意された。
　６０人のプレイヤーが、「桃鉄公式戦」に挑む姿は、なかなか壮観である。
　私としては、じっくりお客さんたちのプレイぶりを研究したいのだが、さすが
に「ジャパンカップ２００３」に来るような人たちなので、みんな私に話し掛け
たり来たり、サインを求めて来たりするので、じっくり対戦を見ることができな
くなってしまった。
　まあ、これだけ人数が揃えば、仕方のないことだろう。

 



『おいしい桃鉄』（小学館）も会場で売ったのだが、１０冊しか用意されず、一
瞬にして売り切れてしまった。それより『おいしい桃鉄』（小学館）が手に入ら
ないという苦情を、会場の出場者から数多く聞かされた。
『ジャパンカップ』で負けっぷりの見事さが有名なさくまにあの鑑・高木明光く
んは、昨日やっと新宿紀伊国屋本店で手に入れたそうだ。
　ｂｋ１とかってところでは、扱ってないのかな？

「桃鉄公式戦」が終わるまでには、会場に到着すると思われた柴尾英令くんだ
が、一向に姿を現さない。
　おや？　私の携帯にメールが届いているぞ！
「山手線、列車非常停止装置作動で止まってます。ううう。」
　せわしない男だ。

「桃鉄公式戦」２回戦が終わると、どうもお客さんが、私たち（土居ちゃん、宮
路一昭くん、井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのふたり）に突進して来そうな
気配だったので、とりあえず、会場から離れることに。
　ハドソンの梶野竜太郎くんには「柴尾英令くんが到着したら、私の家に来るよ
うに言っておいて！」。

　午後４時。六本木から麻布十番に向かう道の途中の喫茶店で、コーヒー・ブレ
イク。
　柴尾英令くんも、なんとか追いかけて来た。
　メンバーは、私、嫁、土居ちゃん、読売広告の岩崎誠、柴尾英令くん、宮路一
昭くん、宮路一昭ジュニア、井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのふたり。

　午後４時３０分。柴尾英令くん、井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのふたり
を連れて、私の家で、『桃太郎電鉄１２（仮）〜地方編』の『地方編』ＭＡＰを
試運転してもらう予定だったのだが…。

「柴尾英令くん、ひょっとして、起きてすぐ六本木に向かったってことは、まだ
朝ご飯も食べてないの？　もう夕方だけど！」
「もちろん！」
「ひょっとして、井沢どんすけも朝ご飯食べてないの？」
「食べてませんね〜！」
「おいおい！　やだなあ！　すとろう小泉は食べたから、まさかひょっして、石
川キンテツも朝ご飯食べてないのか？」
「やっやっやっや…！」
「ダメだこりゃ、全員食べてないんだ！」
　私の家に行って、ゲームをやる前に、腹ごしらえするほうが、先だ。

　麻布十番の「ホームワークス」で、夕食だか、朝ご飯だか、お昼ご飯だか、わ
からない食事。これが朝、言っていた伏線である。
　どうしてみんな、朝ご飯抜いてくるような生活しているのに、そろいも揃って
デブばかりなんだろう。
「それは一度にドッと食べるからですよ、さくまサン！」と柴尾英令くん。
「解説されてもなあ…」

 



　そんなわけで、「ホームワークス」にて、映画『ソドムの市』のように、酒池
バーガー林！
　ストロウ・ドッグスのふたりも、井沢どんすけも鼻の頭をマヨネーズだらけに
して、ハンバーガーをほうばる。
　一度にドッと食べると太るのか…。
　とても３人とも、人がうらやむようなあこがれの売れっ子ライターには見えな
い。

　午後６時。自宅にて、『桃太郎電鉄１２（仮）〜地方編』の『地方編』仮ＭＡ
Ｐをどっこいズ（井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのすとろう小泉と石川キン
テツ）の３人が、プレイ！

「あれ〜〜〜、この目的地の名前聞いたことないなあ！」
「どっちから行けばいいんだあ！」
「ＭＡＰがわからないと、サイコロふって進むだけですねえ！」
　予想はしていたけど、この３人、まったく地名を知らない。
　『地方編』の舞台になった都市の近くに住む人が聞いたら、唖然とするような
勘違いの連続なのだよ。
　どこが舞台かバラして、彼らのＭＡＰがわかりづらいという言い分を、みんな
に誹謗中傷、罵倒、面罵、こきおろしてほしいよ！
　すでに『桃太郎電鉄Ｘ（ばってん）』で登場させた九州編でいうと、熊本、宮
崎、阿蘇クラスの地名がわからないレベルだからねえ。
「この地名、聞いたことはあるんですけど、位置がわかりませんよ！」
「ふつう、熊本の位置くらいは、小学生でもわかるぞ！」
「地名」がわからない「致命傷」な３人である。

　午後７時３０分。『桃太郎電鉄１１〜ブラックボンビー出現の巻！』の「桃鉄
公式戦式」を４人でプレイ。
　柴尾英令くん、どっこいズ（井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのすとろう小
泉と石川キンテツ）の４人で、プレイ！

　柴尾英令くんの参加に、早くも怖気づくストロウ・ドッグスのすとろう小泉と
石川キンテツ。
「ええ〜〜〜、柴尾さん入ったら、オレラ勝てないっすよ！」

　ゲームがスタートしても、ストロウ・ドッグスのすとろう小泉と石川キンテツ
はびびる、びびる。
　柴尾英令くんが１ターン目に、渋谷の携帯ショップを買えば「ああ、もうダメ
だ、負けた！」。
　柴尾英令くんが、黄色のカード駅で、特急カードを手に入れれば「ああ、もう
ダメだ、負けた！」。
「何なんだよ、その負け根性は！」





　ところが、奇跡は起こった。
　石川キンテツが、虎につばさカードを手に入れ、さらにダビングカードを手に
入れて、虎につばさカードをダビング。
　そのまま目的地に到着。
「あれ〜？　虎につばさカード２枚持っていたら、到着金は４倍にならないんす
か？」
　調子に乗ると、図に乗る石川キンテツ。サイコロ運と、カード運のみで、『桃
太郎電鉄』をプレイする男。

　しかし、きょうの石川キンテツは、つきまくった。
　次の目的地が、ハワイで、虎につばさカードを持っていたので、今度こそ到着
金を４倍もらってしまったのだ。
　この時点で、ほとんどトップ確実。
　というより、柴尾英令くんの絶不調で、石川キンテツが独走しただけである。
　けっきょく、結果は以下の通り。

　　　１位・石川キンテツ　２７億２４７０万円
　　　２位・井沢どんすけ　１６億４０６０万円
　　　３位・柴尾英令　　　　７億４６１０万円
　　　４位・すとろう小泉　　７億４１６０万円

　柴尾英令くんは、再三、スリの銀次を喰らい、特急カードで、３だの５だのし
ょぼい出目を出しながらも、一度も貧乏神を連れず、ビリにならなかったのは、
さすがである。

　ここで石川キンテツは、仕事の打ち合わせがあるというので、勝ち逃げ。
「帰れ、ばかやろー！」
「とっとと帰れ〜！」
　勝ち逃げの石川キンテツに容赦のない罵声が浴びせられる。

「井沢どんすけ、もう１回やる？　それとも、２位になったから、満足でこのま
ま終了にする？」
「どうしようかなあ…」
「何なんですか、さくまサン、その中途半端な言い方は？」と、柴尾英令くん。
「まあ、もう１回やってみればわかるよ！」
「オレは、もう１回やりたいっすよ！」とすとろう小泉。

　かくして、「桃鉄公式戦」第２回戦！
　メンバーは、柴尾英令くん、井沢どんすけ、すとろう小泉の３人。

　この対戦は、派手だった！
　いきなり、すとろう小泉が、宝くじカードで、一等を当て、７億円を獲得！
「うわあ、うれしっすよ！」
「そりゃ、うれしいよな！」

　このあと、すかさず柴尾英令くんが、熊本のスイカ畑で、小判を見つけて、な
んと１４億円強の金額を獲得。

　井沢どんすけは？

　どうなったかというとね…。

『桃太郎電鉄』にはね…。

　貧乏神というキャラがいてね…。

　１３回連続で貧乏神が、井沢どんすけについたままでね…。

　今回は、井沢どんすけ以外のプレイヤーに、一度も貧乏神がつかずに終わって
しまったの…。
　もちろん、キングボンビーにも変身して…。

　一時期は、マイナス１４億円にも達したの。

　柴尾英令くんがつぶやいた。
「これですか、さくまサンが井沢くんにきょうは２位になって満足だろうから、
やめとけばといったのは！」
「そうだよ。井沢どんすけは集中力が続く時間が、極端に短いから、２試合は持
たないで、ぼこぼこに負けると思ったんだ！」
「さくまサンの予言はいつもすごいっすね！」
「予言じゃなくて、確率！」

　けっきょく、結果は以下の通り。

　　　１位・柴尾英令　　　３４億４４３０万円
　　　２位・すとろう小泉　３１億２３８０万円
　　　３位・井沢どんすけ　―１億８２３０万円

　井沢どんすけが、―１４億円から、―１億円までに復活したのは、もちろん貧
乏神が買って来た、徳政令カードのおかげである。

　このあと、柴尾英令くんと『桃太郎電鉄１２（仮）〜地方編』の『地方編』の
手直しを検討して、かなり大幅な変更を加えることに。
　どっこいズ（井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのすとろう小泉と石川キンテ
ツ）が、『地方編』ＭＡＰをぐちゃぐちゃなやり方をしても、どこに欠陥がある
のかを分析できるのだ。
　早い時期のテスト・プレイは、本当にゲームのチューニングを素晴らしいもの
にできる。

　読売広告の岩崎誠から、携帯メールが入って、「うちはいま桃鉄公式戦、４回
戦目です！」
　やっぱりやってるんだあ。
「ジャパンカップ」とかで人がやってるのを見ると、やりたくなるよね。

　午後１１時。お開き。
　柴尾英令くん、井沢どんすけ、すとろう小泉が退場。

　さっそく私は、『桃太郎電鉄１２（仮）〜地方編』のＭＡＰの直し。
　スタート地点も変更する。
　いつもながらどっこいズ（井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのすとろう小泉
と石川キンテツ）は、自分たちがテスト・プレイの役に立っていないと思ってい
るようなのだが、実は立派に役に立っているのである。

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　ところで、お問い合わせのあった，ＥＺwebでの『桃太郎電鉄』着メロ・ダウ
ンロードですが、１２月２３日午前９時ぐらいから配信が開始されます。
　ただし、１ヶ月限定の配信になりそうなので、お早めにダウンロードを！
　ｉモードのほうは、ずっと配信するようですので、ご心配なく。