１１月２３日（土）

　う〜〜〜、きょうも寒いでごわす。

　午前１１時３０分。嫁と、銀座コアビル１Ｆの「ＢＲＥＥ」売り場へ。
　私が肌身離さず抱えている、あの小さな鞄を売っているお店だ。
　日記を検索すると、１９９９年３月７日と、２０００年６月１１日にも、ここ
で「ＢＲＥＥ」の鞄を買い換えている。
　いつもおなじ鞄を下げていると思っている人が多いけど、実は２年に１度は買
い換えているのだ。ほとんどおなじ形の最新作を買っている。
　…と聞くと、ちょっと買い替え時期が早すぎると思うでしょ？
　でも、この鞄は、日本全国津々浦々、私と行動を共にしているものだから、阪
神星野監督並みの投手酷使のように、短期間で、ずたずた、ぼろぼろになってし
まうのだ。
　今回も、なんと、チャックの上に内蔵されている鉄板が表に飛び出してしまっ
た。骨が見えるほどの骨折みたいだ。
　簡単に飛び出るような代物ではない。
　いかに酷使したかの証である。

　午後１２時。青山２丁目に戻る。
　絵画館前のイチョウ並木は、先頭の木は黄色く色づいているものの、まだ全部
は黄色くなっておらず、あと１日か、２日後が見どころになりそうだ。

　う〜〜〜、それにしても寒い。

　このイチョウ並木の近くの、おにぎり専門店「ＯＮＹ」へ。
「ＳＯＮＹ」ではない。「ＯＮＹ」である。
　おにぎりの「ＯＮＹ」だ。





　ほとんどマクドナルドをおにぎり専門店にしたようなお店だ。
　ただ真似の仕方が、実に中途半端。





　レジで、けんちん汁とおにぎりのセット・５８０円を注文して、２階に上がっ
て食べるシステムは、何らマクドナルドとどこも変わらない。
　でも、けんちん汁に、フタがないのだ。
　カップの口は広い。
　おつゆがこぼれる心配をお客さんがしないといけない。

　しかも２階へ昇る階段が、急。
　私のように手足の不自由な人間には、お盆を片手に持って、とても昇れないよ
うな勾配だ。
　おまけに階段を昇りきる踊り場の部分には、なんと、透明なガラスが敷かれて
あって、なかに小石がいっぱい川岸のように置かれている。
　お客さんを、追撃してどうするのよ！
　お盆を持って階段を昇らせるんだから、２階に上がったところで、ホッとさせ
てくれよ！

　２階は、２６席とけっこう広い。
　ところが、２階専門の店員がいないものだから、１階からどんどんお客さんが
上がって来て、お店にお客さんがあふれても、交通整理をする人がいない。お客
さん同士が、「私はあっちに行きますから、こちらにどうぞ！」と譲り合いを始
める始末。

 



　これで、おにぎりがおいしければいいんだけどねえ。
　味は悪くない。
　味噌かつのおにぎりと、鮭のおにぎりは、けっこうおいしい。
　でも、ビニールを引っ張って、はがす方式だと、どうしてもコンビニのおにぎ
りのイメージで安っぽく見えてしまう。

　お盆しかないので、食べてる途中で、おにぎりを置く場所がないというのも、
けっこうつらい。
　マクドナルドだったら、ハンバーガーを包む紙の上に置ける。フレッシュネス
なら、三角形の紙だから、そのままお盆の上に置ける。
　おにぎりを一度手に持ったら、食べ終わるしかない。
　紙の袋に入った鶏の唐揚げもみすぼらしい。

　マクドナルドのノウハウを持った人が、このお店を経営したら、繁盛するだろ
うになあ。すでに混雑はしているのだから、このお店を真似てお店を開店した
ら、大企業になれる！　もったいない！

　お客さんにとって、何が大事なのか。
　お客さんに何をしてあげたら、喜ぶのか。
　お客さんが便利だと思うことは、何なのだろうか。

　この３つを考えるだけで、どんな仕事でも、最低限の仕事ができると思うのだ
が…。

　午後１時。嫁と別行動で、新宿の高島屋デパートへ。
　寒いので、恒例のデパート・ウォーク。
　デパートって、本当におもしろいねえ。
　とくに東急ハンズ。
「お風呂の蛇口のまわりの掃除しにくい場所もピッカピカ！」
「こびりついたカビが一発で取れる！」
「パイプの汚れもすっきり！」
　いかにも効果なさそうな製品が、必死にキャッチコピーでお客さんに買わせよ
うとしているのが笑える。

　午後２時。帰宅。

　午後３時。放送作家の福本岳史くんがやって来る。
「福ちゃん、ひさしぶり〜！」
「ご、ごぶさたしております！」

「福ちゃん、せっかく来たんだから、夜ご飯いっしょに食べて行かない？」
「いや。きょうは近況報告だけさせていただいて、すぐ帰ります！」
「なんだ。福ちゃんといえば、よく食べる人の第一人者なのに、その座を空気男
爵・柴尾英令くんに奪われちゃうよ！」
「四国高松での柴尾さんの食べ方、すごかったですよね！」

「福ちゃん、いま体重何キロなの？」
「１１１〜３キロの間ですね！」
「それだけ桁が増えると、以前より太ったのか、痩せたのか、わからなくなるな
あ！」
「全盛期が、１１５キロだったので、３キロほど痩せたんで…」
「そういえば、１１５キロって時期あったなあ！　でも１００キロ台の３キロな
んて、誤差の範囲内じゃないか！」
「そうかもしれません！」

　午後５時３０分。
「福ちゃん、やっぱりもう帰らないといけないの？　そろそろ食事の時間なんだ
けど…」
「いえ。実は時間あるんで…」
「だったら、そう言ってくれなきゃ！」
「はい。すみません！」
「福ちゃんが来るなら、ひさびさに『紅虎餃子房（べにとらぎょうざぼう）』
で、何品も頼んで、ちょっとずつ、いろんなもの種類多く食べたいと思っていた
んだよ！」

　午後６時。麻布十番の「紅虎餃子房」へ。
　もちろん麻布十番であるからして、菅沼真理（通称:すがねまチャン）さんも
呼んである。

　豪快に注文する。
「え〜と、鉄鍋餃子を２皿に…、パリパリ餃子に…、前菜と…、キャベツと味噌
の炒めものに…、なすと豚肉辛味炒めと…、鶏肉とカシューナッツ炒めと…、豚
バラと青菜のチャーハンと…、塩焼きそば…、高菜と山芋の土鍋ご飯…」
「あの〜〜、食べきれないんじゃないでしょうか…？」
「あっ。きょうはこの人がいるんで大丈夫です！　朝青龍といいます！」
「はあ。そうですか…」
　お店の人に心配されてどうする！
　しかも料理の名前を忘れただけで、あと３〜４品注文した。いや５〜６品だっ
たかな。

 



　福ちゃん、大食いチャンピオンのように、軽快に１皿片づけては、１皿テーブ
ルに料理を置けるスペースを作って、次から次へと、食べて行く。

　あれ？　なかなかすがねまチャンが来ないなあ。
「すがねまチャン！　早く来ないと、福ちゃんが全部食べちゃうよ！」
「あははは！　すぐ行きま〜す！」

　すがねまチャンが到着する頃には、もう福ちゃんは、５皿ほど平らげたあと！
　おっと！　すがねまチャンが食べるはずの鉄鍋餃子を私たちが食べてしまった
ので、鉄鍋餃子を追加注文！

 



　わっしょい、わっしょい、まるでゲームのように、たらふく食べる。
　私も嫁も、福ちゃんに食べさせて、自分たちは控えめにしようと思ったのだ
が、みんなの勢いにつられて、バカスカ食べてしまった。
　すがねまチャンは、いつものように、ハイテンション！

「ふう。くるしい！」
　えっ？　福ちゃんが「苦しい！」と言ったのは、初めて聞いた。
「さすがに、もうダメです！」
「そうかあ。福ちゃんの満腹は初めて見たなあ！」
「これだけの量は…」
「じゃあ、最後の杏仁豆腐も無理か…？」
「いえ。甘いものは、別腹なんで…」
「すごいなあ！　じゃあ、すみません！　杏仁豆腐をお願いします！」
「杏仁豆腐には、タピオカも入れますか？」
「福ちゃん、どうなの！」
　そ〜っと、右手を上げていた…。





　午後８時。「ピラミデ」で、コーヒー。
　
　午後９時。帰宅。
　本を読んだり、ＴＶを見たり。
『アド街ック天国』で、九州黒川温泉を特集していたけど、ただの鄙びた温泉
で、湯布院でもじゅうぶん鄙びた気分は味わえるような気がした。
　要するに、『桃太郎電鉄』の物件駅にするのが、難しいなあ…ってことなんだ
けどね。
　ＴＶを見ても、いつもこんな風に見ている。