１１月２２日（金）

『ビートルズ・アンソロジーVOL.１〜６』を見終わる。
　あ〜、終わっちゃった。
　もっとほかの映像も見たかったあ！
　それにしても、ビートルズは、シングル曲に必ず一ヶ所、覚えやすい歌詞、フ
レーズ、メロディが入っている。
　しかも全盛期は、それがイントロの４小節以内にある。
　
　午前１１時３０分。嫁と、麻布十番へ。
　う〜〜〜、昨日との温度差は、何度なんだい。
　こんな日は、温泉に行きたくなる。
　道の向こうからＷＥＢデザイナーの菅沼真理（通称：すがねまチャン）さんが、
シャカシャカ走ってくる。
　いつも、すがねまチャンは元気だ。
　走ってこなくてもいいのに。

　擬音（祇園）の女・すがねまチャンのきょうの擬音は、「ふご〜！　ふご〜！」
である。
　この擬音にルビを振ると、「ふご（富豪）〜！　ふご（富豪）〜！」になる。
　すがねまチャンが経営する会社の決算が終わり、きょうはこれから私と嫁に、
お礼とお歳暮を兼ねて、豪勢なランチに招待してくれるというのだ。
　そのお店は「Ｓ」といって、私も前から一度入ってみたいと思っていたお店な
ので、「ウレシ〜！　ウレシ〜！」の擬音を発しながら、お寿司屋さん「Ｓ」へ。
　先を歩くすがねまチャンの足が止まり、がっくりうなだれた。
「あ〜〜〜ん。ごめんなさ〜い！　お昼１２時からのオープンでした〜！　おろ
ろん、おろろん！」
「まあ。いいじゃない。そこのライフカフェで、コーヒーでも飲んで待てばいい
じゃないか！」
「すみませ〜〜〜ん！　コーヒー代も私が持ちま〜す！」
「そりゃ、うれしい！」
「ああ〜！　な、なんてこと…！　ライフカフェがまだ開いていないわ…」

　吸い取り紙にインクが吸い取られて行くように、すがねまチャンがうろたえ始
める。
「どうしましょ、どうしましょ！　あわあわ、おろおろ！　ひっちゃかめっちゃ
か！　ひっちゃかめっちゃか！」
　どんどん、すがねまチャンは擬音製造機と化して行く。

　私が追い討ちをかけるように、「別にごちそうしてくれるなら、『プティ・ポ
ワン』のランチでもいいんだよ〜！」と、のんきに言ったら、すがねまチャンの
目が光った！　
「そ、それはいいですね！　行きましょう！　行きましょう！　行きますとも！
タクシーに乗りましょう！　タクシー代は私が！」
　タクシーに乗って行くくらいなら、麻布十番のお寿司屋さんは、お昼１２時に
なって、開店したと思うのだが…。
「プティ・ポワン」の開店時間も、お昼１２時である。
　最近ずっと、すがねまチャンは「プティ・ポワン」に行ってみたいと言ってい
たから、私の簡単な牽制球にあっさり引っかかってしまったようだ。

　午後１２時。広尾の「プティ・ポワン」へ。
　ソムリエの岩崎さんに「うちの日記によく出てくる菅沼さんです！」
「ああ！　すがねまサンという名前の。麻布十番の方ですよね！」
「うわ〜〜〜、おろろん、おろろん！」
　すがねまチャンのシャイ・シャイ（恥ずかしい！）・タイフーンが出始めた！
「きれいなお店ですねえ！　井沢どんすけサンが緊張したのも、わかる気がしま
すよ〜！」
　前菜の鴨のフォワグラと胸肉のカルパッチョ仕立てが来る。
「あ〜〜〜、この形をナイフとフォークで崩したくな〜い！」
　わかるなあ。その気持ち。
　本当に芸術品なんだもん。

 
 



　北海道の上旭牛のロースのロールカツレツが、メインデッシュ。





　おお！　これはまさに、すぎやまこういち先生がわがままで「北岡くんが作っ
たドミグラスソースの洋食を食べてみたいなあ！」で、作ってしまったメンチカ
ツではないか！
　あの日の日記を見て、３週間に一度は柴尾英令くんが「あの洋食は食べたかっ
たなあ！」と、いまだに悔やむメンチカツである。
　タマネギもおいしかったあ！

　いいときに、すがねまチャンが麻布十番のお寿司屋さんの開店時間を忘れてく
れたものである。
「すがねまチャン！　ふご（富豪）〜！　ふご（富豪）〜！」
「ふご〜！　ふご〜！　あ〜ん。おいしいです〜！」





　あっ！　井沢どんすけが「あ〜、食べ終わっちゃう！　食べ終わっちゃう！」
と叫びながら食べていた、スレープフルーツとキャラメルのプリンだ。
　もう一度食べたかったから、うれしい！

　北岡シェフが登場して、上旭牛の話を聞いたり、私の初代ニッサン・シルビア
の話から、車談義に。





　ニッサン・シルビアの話をすると、４０〜５０代の男の人は、みんな目を輝か
せて、思い出話に興じる。
　今とは比べ物にならないくらい、当時車を買うことは、ステータスだったから
ね。今でいうと、土地付き一戸建てを買うような気概で買ったような時代だった。
　北岡さんが「ニッサン・シルビアはこの色じゃないとね！」というと、嫁が
「あ〜、男の人はみんないうんですね〜！」
　シャンパン・グリーンでなければ、買わなかったんだよ、私だって〜！

　午後３時。広尾界隈で、あれこれ買い物をして、すがねまチャンとは、お別れ。
「すがねまチャン、またいつでも、ごちそうしてね〜！　ふご〜！　ふご〜！」
「は〜い！　ふご〜！　ふご〜！」
　わけのわからない会話だ。

　午後３時３０分。帰宅。
　本日も仕事をする気分にならず、読書に没頭することにした。

　部屋を片づけたり、『江戸の古地図』を見たり、やることはいくらでもある。
　というより、あまりにも毎日、仕事をしすぎているので、たまには仕入れもし
ておかないと。
　クリエイターにとって、読書は仕入れであり、買い付けであり、主食でもある。
　どんな仕事をするにも、この習慣を怠れば、能力が錆びて行くだけだ。

　そうこうするうちに、札幌から『桃太郎電鉄』の着メロ用の音源が届いた。
　着メロは、作曲家の先生方のもので、本来私には関係ないのだが、あまりにも
原曲からかけ離れた曲のアレンジをしている場合は、私が言わないといけないで
聴く。
　けっこういいアレンジだ。

『桃太郎電鉄』の着メロは、買い物にいっしょに行く仲間には、物件を買うとき
の『ウキウキ・ショッピング』をつかってみたり、嫌なやつからの着メロには、
キングボンビーの曲をつかうとか、いろいろ用途別に変えられるからいい。
　ブラックボンビーの曲は、着メロになっても、かっこいいなあ！

　着メロの配信が開始されたら、うちの娘からの着メロは、スリの銀次の曲にし
ようっと。

　午後７時。嫁と食事にでかけうようと思ったのだが、すがねまチャンにごちそ
うしてもらった「プティ・ポワン」のせいで、まだお腹がいっぱい。
　こんなチャンスはめったにないので、今夜は食事を抜くことに。
　体重制限、体重制限！

　きょうは、４〜５冊本が読めた。
　今夜は、あと２〜３冊本を読むかな。