１１月１０日（日）

　貴乃花が、次の九州場所を休場するんだって！？
　いいねえ、こういう反抗の仕方。
　先場所、準優勝とやるだけのことをやって、相撲協会を言葉でなくて、身体で
批判する態度は小気味いい！　これで身体をこわしたとしても、誰もたすけては
くれないからね。
　読売のナベツネは、松井に逃げられ、貴乃花といい、ちょっと勘が狂う時期に
入ったかも。もともと勘のいい人ではないけど。

　午後１２時。嫁と原宿で、長距離キップを買ったあと、代々木駅から高島屋方
向の出口へ。高島屋が出来てから無理やり作った改札口のようで、まっ逆さまに
落ちるような階段が怖い。

　改札を出て、目の前の「フレッシュネス・コーヒー」へ。
　ネギミソバーガーのＳに、メンチバーガーのＳ。コールスローに、コーヒー。
　日曜日の高島屋近辺は、どこもお昼時は超満員だ。





　午後１２時３０分。高島屋で、今夜の料理の買い物。
　ひさびさに今夜は自宅で、鍋をやる。

　午後１時。高島屋Ｂ１の「カフェメルグード」で、コーヒー。
　デパートの地下で、６席程度しかないカウンターだけなのだが、いつもお客さ
んが席を埋めているので、前から気になっていたのだ。
　買い物していて、たまたま２席空いたので、私が席を取りに走る。嫁は、買い
物続行！　
　私は、ジャワロブスター、嫁はハワイコナを飲む。
　ほう。ジャワロブスターって、焦げた匂いが強すぎるお店が多いんだけど、あ
っさりしていていい味だ。
　町のどんな老舗コーヒー店が出店したのかと思ったら、なんとＵＣＣのお店だ
った。ＵＣＣもつねに牙を磨いているんですなあ。たいしたもんだ。

　午後２時。帰宅。
　しばらくして、空気男爵・柴尾英令くん、到着。
　きょうは、『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』の地方編のＭＡＰの全面改稿を試
みる！
　いやあ。実は私がエクセルで作ったＭＡＰの左右の比率が合わなくてねえ。
　完成してみたら、縦に細長すぎたのよ。
　どの地方とはいえないんだけどね。
　すでに登場した九州編でたとえていうと、九州が日本全図のように縦に細長く
なってしまったようなものなのよ。アントニオ猪木よりも長い顔の九州みたいな
もんだね。

　私は、火縄銃の名手で、手書きでえっちらおっちら、ＭＡＰを作って、その手
書きのＭＡＰをエクセルに落とし込んだんだけど、ちょっと、うんと、たっぷり、
めいっぱい大きなミスをしたようなんだね。はっはっは。
　
　火縄銃の名手が、ゲベール銃とか、ミニュエー銃をいきなり操作したようなも
んだったんだねえ。
　そこで、近代兵器の名手・柴尾英令くんの登場というわけだ。

「柴尾くん、私の間違ったＭＡＰをいかしたまま、縮尺の合うＭＡＰの基礎を作
ってくれ！」
「そ、そ、そんな、なんという無茶を要求するですか！」
「緯度と経度を合わせてくれたら、あとは私がＭＡＰ作るから！」
「そんな無茶なやり方したら、あとが大変ですよ！」
「大変だけど、私はＭＡＰ作るの、まったく苦痛に感じない男だから！」
「まったく、この人が中学生のときに、プロアトラスが発売されていたら、絶対
ひきこもりになっただろうなあ！」
「なった、なった！　今でも毎日、３０分はプロアトラスであちこち見てから寝
ているくらいだから！」

　柴尾英令くんが、エクセルで、コピーしたり、ペーストしたり、縮尺を変えて
みたり、あれこれやってくれる。
　軽々とやっているように見えるんだけど、本当は大変なんだろう。
　そのくらいの感受性くらい、持っているぞ、私だって。





「いやあ〜、はっはっは！　柴尾くん、たいしたもんだなあ！　やっぱりそうす
るか！」
「何が、そうするかですか、まったくもう！」
「いやあ！　そういう風にするといいなあとまでは思いついたんだけど、そうし
てくれ！という説明がまず私にはできない。次に、その操作もできない！　いや
あ！　柴尾くん、たいしたもんだ！」
「まったく！　ホメ殺しですか！」
「ホメる！　ホメる！　ＭＡＰ作りをずっといっしょにやってくれたら、ずっと
ホメ殺しを続けてあげる！」
「まったく、悪党な親父だ！」
「うん。悪党！　悪党！」

「わっはっはっは！」
「どうしたんです？　さくまサン！」
「本当に、私が作ったＭＡＰはやっぱり変だったよ！　いやあ、見事なもんだよ。
ありがと、ありがと！」
「まったく、卑怯な親父だ！」
「うん。卑怯！　卑怯！」

　いやはや。しばらく楽しいおもちゃをプレゼントしてもらちゃったなあ。
　なんとなく地方編のＭＡＰを作っていて、この辺が変だなあという胸騒ぎはし
ていたんだけど、こうしてコンピュータの力で、実証されてから、ＭＡＰを作り
なおすと、ピタッとしっくりいくんだから、不思議だなあ。

　何言っているか、わからないでしょうけど、九州編でいうとね、熊本市って、
経度でいうと、大分市よりも、下にあるわけ。それが私が間違ったばかりに、大
分市が下に来てしまっているようなもの。
　でもさ。九州編でいうと、九州地方だけで、４畳半の部屋くらいの地図を作っ
ているわけだから、左右や天地が狂うよ。
　でも、伊能忠敬は、日本全国を実測して、０．２％の狂いしか生じなかったっ
ていうんだから、すごいよなあ！
　私なんか１割狂わせたようなものだからね。

　まあ、ここから私の手品が始まるのだ。
　青マス、赤マス、黄色マスの配置の仕方に、実は『桃太郎電鉄』の７０％の秘
密が隠されているんだあ。
　そんなに精密なのに、縮尺を間違えてしまうんだなあ、私は！　わっはっは。
　どうも私は、母校の先輩「長嶋茂雄」さんタイプらしいんだなあ。
　自分では、野村監督や、森祗晶監督タイプだと思っていたんだけどなあ。

　午後５時。ストロウ・ドッグスのすとろう小泉が、到着。
　先週の鎌倉での会話。
「さくまサン、フリーライターって、住むところで、全然待遇って、変わるんで
すか？」
「変わる！　変わる！　私の仲間が東京都下に引っ越したら、まったく仕事が来
なくなって、あわてて東京２３区に戻って来たくらいだからね！」
「さくまサンは、原宿（神宮前）だから、格好いいですよね！」
「３０メートルも歩けば、千駄ヶ谷５丁目なんだけどさ。千駄ヶ谷５丁目には、
榎本４８歳の会社があるんだけど、わっはっはっは！」

　…という話をしたら、なんと！　すとろう小泉は、六本木に引っ越すことにし
たというではないか！
　もう引越し先を見つけてきたそうだ。
　えらい！　思い切りがいい！
　鎌倉に家を買うといって、実は西武新宿線鷺宮駅のほうが近いのに、最寄り駅
は阿佐ヶ谷駅と言い張る、井沢どんすけとは、雲泥の差だ！

　えらいぞ、小泉！　ダメ、ダメ、井沢！

　というわけで、すとろう小泉の引越し決定祝いを兼ねた、鍋大会！
　きょうは、特に名を秘す、京都「Ｍ」直伝の鴨鍋をやるのだ。





「実は、おれもさくまサンの日記読んで、この鴨鍋作ってみたことがあるんです
よ！　でもちっとも美味しくならなかったんすよ〜！」
「たぶん小泉、わさびをたくさん入れるの忘れたんだと思うなあ！」
「わさびですか？」
「ピンポン玉以上の大きさのわさびを鍋にぶち込むんだ！」
「それは、やらなかったすねえ！」
　うちの場合は、京都「Ｍ」の鴨鍋をまんま再現するから、値段が高くなるけ
ど、豚肉でやっても美味しい思うな。
　豚肉に片栗粉をつけて、鍋に入れる。
　京都の壬生菜を入れると美味しいけど、タマネギと、はくさいでもいいと思う。
　ポイントは、このあとピンポン玉くらいのわさびを入れる。
　ほかにあまり野菜とか入れない。
　これから冬に向かって、美味しい鍋料理ですぞ。

「あ〜〜〜、うまいなあ！」
　柴尾英令くんが、すとろう小泉が持って来た日本酒を飲みながら、もう酔っ払
っている。
「あ〜〜〜、しあわせ〜〜〜！」
　柴尾英令くん、今度はカンチューハイを飲みながら、酔っ払っている。
　私のように酒の飲めない男から見ると、たいして酔っ払っているように思えな
かったんだけど、食後にプレイした『トルネコの大冒険3 〜不思議のダンジョン
〜』で、柴尾英令くんは何度も、何度も、死にまくっていたところを見ると、相
当酔っていたようだ。

　午後９時。先週、私が出演した、テレビ東京『ＷＩＮＮＥＲＳ』をみんなで見
る。広井王子くんが出るのは、収録のときの２本録りで知っていたからね。
　広井くんは、しゃべりが上手いなあ。
　こういう人がテレビに出るべきですな。

　午後１０時。柴尾英令くんと、すとろう小泉くんが帰る。
　私は、ふっふっふ。これから心ゆくまで、『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』の
ＭＡＰ作りだ…、いや、その前に、『おいしい桃鉄』（小学館）がまだ残ってい
る。
　佐原のリライトは、昨晩終了したので、次は「さくまあきらの東京・鎌倉・京
都お勧めの店」だ！
　焼きそば、カレー、鯛焼き、ケーキ、おそばといった比較的値段の安いお店か
ら、高級料理店まで、私がお勧めするお店を一挙、公開だ！
　私は料理評論家でも何でもないから、タイアップとか、スポンサーの都合でお
店をホメる必要がない。だから真実の美味しいお店一覧表だと思うぞ。

　そんな仕事を今夜。
　ちょっとぐらいＭＡＰも作りたい。