１１月０２日（土）

　午前８時。『おいしい桃鉄』（小学館）の資料調べ。
　残すところ、中国・四国、九州地方のみとなったものの、その数５０件近い。
　まだまだ先は長い。

　午前１０時。朝食は、柿。
『おいしい桃鉄』（小学館）のなかに、柿に関する記述があるので、裏付け実食。
　佐渡のおけさ柿、１個３００円を食べる。
　もともと果物のなかで、いちばん好きなのは柿なので、楽しい試食だ。
　おけさ柿は、種無し柿として知られている。
　実際に種が無いのではなく、種は花の咲いた後にできるんだけど、おけさ柿は
実が大きくなる途中で種の成長がとまり、種がないように見えるので、種無しと
思われるらしい。

　最近、こういうウンチクばかり調べている。
　おけさ柿の味は、いかにも子どもの頃から、食べなれた味がする。
　今になって思うんだけど、東京の人は、地理的な近さから、新潟地方の食べ物
を食べている機会が多かったんだなあということが、今になってわかる。
　笹だんご、笹飴、おけさ柿、鮭、もちろんお米など、密接な関係にあったよう
だ。

　続いて、熊本産の「太秋」1個８００円を食べてみる。
　柿といえば、富有柿、刀根柿、次郎柿というのが、有名品種で、「太秋」とい
うのは、聞いたことがない。
　いったいどういう柿なんだろう。
　１個８００円というのも、値段が高い。
　福岡産の次郎柿１個１０００円というのもあったが、柿の標準値段は、３００
〜５００円だよね。
　だいたい、「太秋」って、どう読むんだ？　
「たあき」？　「ふとあき」？　「たしゅう」とは読まないだろう。

　インターネットで、「太秋」を調べてみる。
　へ〜〜〜、平成７年にデビューしたばかりの期待の新品種なんだあ。

　果実は重さ３４０ｇ程度の大玉果で、糖度は１８〜２０度ほどと、従来の甘柿
より２度ほど高く、味の方は、果汁が非常に多くてジューシーですが、まるで梨
を食べているようなサクサクした食感があるのか。ふーーーん。。

　たしかに、美味しいよ。
　おけさ柿が、淡白な味に思えるくらい、奥深い味だ。
　
　でも、いいから「太秋」の読み方を教えてくれよ！
　インターネットって、何でも教えてくれるからいいけど、地元の人にとってポ
ピュラーな読み仮名って、まったくルビをふらないんだよね。

　仕事柄、地名の読み仮名を調べたくインターネットして、その市町村のサイト
を見つけたのに、まったく読み仮名が書いてない場合が多い。
　最近ＬＡＮをつかうようになったからいいけど、ＰＨＳ接続の頃は、市町村サ
イトは読み込みが遅いのばかりで、苦労したものだ。
　
　おお！　やっとあった！

「太秋（たいしゅう）」！？

　ヒットしそうもないネーミングだなあ。
　読めないし、濁音がない。
「体臭」を連想させてしまう。
　せっかくの美味しい味なのに、もったいないなあ…。

『おいしい桃鉄』（小学館）の執筆を再開する。
　中国地方だ。
　今年は毎月通っているよな場所だから、コメントも書きやすい。

　午後１時０５分。嫁と、品川駅から、横須賀線に乗車。

　午後２時。鎌倉駅で下車。
　不二家の前で、井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのすとろう小泉、石川キン
テツと待ち合わせる。
　きょうは『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻！』決戦シリーズの続き
だ。人間対決で、９９年を見届けたい。

　３連休なので、鎌倉小町通りの混雑は尋常ではない。
　朝のラッシュの池袋駅みたいだ。

　そのまま、小町通りの奥にある喫茶店「ルナ」へ。
　そろそろここの絶品イチゴのショートケーキがお店に出てくる頃だろうと思っ
たのだ。ところが、イチゴのショートケーキは、毎年２〜３月ぐらいの２ヶ月間
限定の商品だというのだ。
　むにょ〜！　だからこそ美味しいのだろうけど、１１〜２月までの４ヶ月くら
いはやってほしいなあ。





　で、ケーキを食べるのをやめたのかというと、さにあらず。
　ガトーショコラにコーヒーである。
『おいしい桃鉄』（小学館）の執筆疲労で、無性に甘いものが欲しい。禁煙なら
ぬ、禁甘中なので、もうガマンできない。

　しかし、千代田区の歩行禁煙の過料徴収スタートのニュース、ＴＶで見た？
　逆ギレして指導員に金を投げつける女、見た？
　あんなやつの顔にモザイク張る必要あるんだろうか？
　路上喫煙禁止の前に、人間として、マナーの悪いやつからお金を取ったほうが
いいんじゃないだろうか？

　午後３時。鎌倉長谷の仕事場へ。
　井沢どんすけ、ストロウ・ドッグスのふたり、通称：どっこいズの３人による
『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻！』の長時間対決の続き。
 
　３７年目からスタート！

　この年数になると、持ち金も４００億円だったりするので、キングボンビーよ
りもスリの銀次のほうが怖い。

　今回の『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻！』は、３０年目ぐらいま
で、針の穴を通すようなコントールという言葉がぴったりなくらいチューニング
がうまくいっているだけに、４０年目以上の甘いチューニングが妙に気になって
しまう。
　いつもなら、気にならなかったはずの数値が、チューニングがよくなることで、
基準が厳しくなっていくのだ。
　これは『桃太郎電鉄12（仮）〜地方編』以降の作品に対する課題だなあ。
　この年数のチューニングをする回数は少ないから、どんな局面においてもいい
チューニングというのは難しい。
　だいたい、このどっこいズの３人が、３０年過ぎて、持ち金がプラスという自
体が初めてなのだから、データが少なすぎ。

　午後６時３０分。「ボクは、お好み焼きを作るの、うまいっていわれてるんで
すよ！」と、石川キンテツが言い出したので、長谷の「浅草　染太郎」まで、お
好み焼きを食べにいくことにした。

　石川キンテツのキャラからして、「ボクは、お好み焼きを作るの、うまい」と
いっても、実は下手というオチが待っていると思ったのだが、手つきは悪いもの
の、脂の引き方、ソースの分量、カツオブシのふりかけ方など堂に入っていて、
味も実に上手い。





「石川！　さくまサンが、若者は失敗をして成長しないといけないと言っていた
のに、うまく行ったら、ダメじゃないか！」と、すとろう小泉。
「いやいやいや…！　みんなで食べるときの失敗は、まずいっすよ！」と、石川
キンテツ。
「人に迷惑かけない失敗をしないとね！」と、私。

 
 



　午後８時。仕事場に戻り、どっこいズの３人は、『桃太郎電鉄11〜ブラックボ
ンビー出現の巻！』。
　私は、『おいしい桃鉄』（小学館）の執筆！

『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻！』も４０年目に突入して、キング
ボンビーが猛威をふるっている！
　なんと！　井沢どんすけが首位を走っている。

　４５年目。
１位・どんすけ社長　１７９８億８９１０万円
２位・きんてつ社長　１６３４億２０４０万円
３位・すとろう社長　　５１１億６４５０万円

　この先どうなることやら…。

　午後１０時。『おいしい桃鉄』（小学館）の中国地方の執筆、完了！
　調子がいいぞ〜〜〜！
　これで、ゆっくり３人の泥仕合を観察することができる。

　でもこいつら、また午前５時まで、やるんだろうなあ…。

　…と書いているそばから、井沢どんすけについていた貧乏神が「おや？」のメ
ッセージ！
　頭を抱え込む井沢どんすけ！
「もうっ！　どうせ、キングボンビーだよ！」
　吐き捨てるようにいう。
　井沢どんすけは、さきほどネズミ―シー５５５億円を貧乏神に売られて気が立
っているのである。

「せっかく仕事のストレスを忘れて、『桃鉄』を楽しみに来たのに、仕事以上の
ストレスだよっ！」
　いつになく、語気の荒い井沢どんすけである。