10月25日(金)

 午前4時。まだ異常昂奮状態が続いている。
 きょうも早く目が覚めたので、漫画解説の文章の下書きを推敲して、嫁のほう
に送る。
 けっきょく取り上げた漫画は、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『風雲児
たち』、『レガッタ』、『ドカベンプロ野球編』の4作品。
 もっと最新作も取り上げたかったけど、まず第一にみんなに読んでもらいたい
作品のなかから選んだ。

 午前6時。『おいしい桃鉄』(小学館)の続きを執筆!
 さすがに、疲れがたまって来ているのか、文章の切れが悪い。ストライクとボ
ールがはっきりしている投手のような文章だ。
 
 午前8時。いっこうに調子が上がらない。
 こういうときは、寝よう。
『クレージー映画大全』(佐藤利明・町田心乱・鈴木啓之編・フィルムアート社)
を読みながら仮眠…。この本、力作だ。クレージー映画を全部見直したくなる。
 午前10時。嫁と、並びの喫茶店「らぴす」サンのモーニング・セット。

 午前11時。佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ。
 こんな早い時間に美容室に行くのは、このあと雑誌の取材が入っているから。
「だったら、昨日のTV出演の前に行けよ!」だけど、昨日は京都から東京に帰
ってくるので、精一杯だったよ。まあ、ほとんど写らないと思うからいいでしょ。
 美容室の女の子たちが「さくまサン! 家の前にある車、どうしたんですか?
誰かの車を預かっているんですか?」
「へっへっへ!」
「さくまサン、買ったんですか〜〜〜?」
「へっへっへっへ!」
「何ですか? 何ですか? すごく気になってたんですよ! 幌がかぶってるし。
まさか幌をめくって覗くわけにもいかないし!」
「はっはっは。覗けばよかったのに!」
「で、車は何なんですか?」
「みんなが生まれる前の車だよ! 昭和41年の車でね! 運転できないんだけ
どさ! はっはっは! 置いておくだけ!」
「さくまサンらしい買い方だあ!」

 午後1時。帰宅。
『おいしい桃鉄』(小学館)の執筆!

 午後2時30分。フリーライターの友清哲くんが来る。
 きょうの彼は、雑誌『サイゾー』(インフォバーン社)の取材記者。
 取材は、午後3時からだと聞いていたんだけど、ニッサン・シルビアの前で写
真を撮りたいというので、友清哲くんに早く来てもらった。
 友清哲くんに、ガソリンを入れてもらうためだ。

 はっはっは。先日、ガソリンがほとんど入っていないことに気づいたんだけ ど、私が運転してガソリン・スタンドまで行くのは、ちょっと危険。友清哲くん なら車好きで、つい最近もニッサン・フェアレディの本を作ったばかりなので、 スタンドまで運転してくれると思ったのだ。 「友清くん、運転頼むよ!」 「さくまサン、この車、何年の製造なんですか?」 「昭和41(1966)年!」 「ボクは、昭和49(1974)年生まれだから、まだ生まれてませんよ!」 「ひょえ〜! じゃあ、マニュアル運転は、ダメ?」 「ぎりぎり、マニュアル世代です!」 「じゃあ、頼むよ!」 「あっ。この車、チョークがあるんだあ!」 「チョークって今の車はもうないのか。はっはっは!」  カチッ! バウン、バウン、バウン。  ブロロロ…。ブロロロロロロロ…。 「あっ、そうだ。友清くん、この車、しばらく暖気しないとダメだからね!」 「えっ? あっ。はい。こうしてみると最近の車って、ほんとに便利になってる んですねえ!」 「そうなんだよ。私はこの時代の車しか知らないけど」  友清哲くんの運転で、近所のガソリン・スタンドへ。 「うわ〜〜! 緊張するなあ!」 「ゴメンね、面倒なこと頼んじゃって!」 「車が好きだから、興味はありますけど、ちょっと緊張しますよ!」 「骨董品を扱うようなもんだもんね!」 「車体、低いですねえ!」 「あっ。そうだ。友清くん、この車、ハイオクだから!」 「ハイオクですかあ!」  ガソリン・スタンドに着くと、スタンドのお兄ちゃんたちが「これは珍しい車 が来たぞ〜〜〜!」と、言葉は悪いけど、誘蛾灯に虫が群がってくるように、総 出で車を囲んだのには、驚いた。  ひとりだけレトロカー・マニアがいた。昂奮している。 「これって、初代シルビアですか〜〜〜!」 「おっ。わかるんだあ!」 「生で見るの、初めてですよ〜〜〜!」 「そうだろうねえ!」  午後2時。自宅に戻って、『サイゾ―』のカメラマンさんがやってきて、どの 辺で撮影するかを決める。  ほどなく、『サイゾー』の編集者・斎藤政文さんも到着。  ニッサン・シルビアをバックに撮影。  うれしいねえ。ニッサン・シルビアといっしょに雑誌に出演だよ。  愛犬といっしょに、雑誌に載る人の気持ちって、こんな感じかなあ。  何だか、シルビアも浮かばれたような気になっちゃったよ!

 今月号の『サイゾー』でいうと、讃岐うどんの仕掛け人、田尾和俊さんが掲載 されているのとおなじページに載るそうだ。  格好いいページ構成じゃないの〜!  桃太郎と、貧乏神のぬいぐるみを抱かずに撮影されるのって、ひさしぶりな気 がする。  午後3時。自宅で、友清哲くんから、本文用の取材を受ける。 『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』の話題を中心に、生い立ちから、 自動車好きの話題まで。

 午後6時。嫁と、近所の「ハイ!ダディ!」で、スペアリヴと、ほうれん草サ ラダ、ガーリックパンなど。  午後7時。帰宅。  今朝、嫁のほうに送った漫画エッセイに、ダメだしが出たので、原稿を手直し する。嫁のほうから、文体が乱れているという指摘が入ったのだ。 『おいしい桃鉄』(小学館)の執筆のせいで、漫画エッセイの文章に、『おいし い桃鉄』の文体が混じってしまったのだ!  嫁は、いつも内容について、あれこれ言わないけれど、文体の乱れと、文体か ら体力の低下だけは、指摘してくれる。  まさに女房役である。  午後8時。『おいしい桃鉄』(小学館)の執筆再開!  この仕事、楽しいんだけど、食品物件について書いているために、お腹が空い て仕方がない。  今夜も、「ハイ!ダディ!」で食べたのは、スペアリヴが食べたかったわけで はなく、醤油味が食べたかったのだ。銚子のぬれせんべいについて書いていたか らだ。  毎日、執筆中の地方によって、食べたいものは変わるは、お腹は減るは、こっ ちのほうが心配だ。現行のほうは順調。最初の予定より、早く完成しそうだぞ。  今夜も、ずっと『おいしい桃鉄』(小学館)の執筆。  明日は、天気がよければ、日帰り取材旅行。  おっと、プレイステーション2版『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の 巻!』の正式式マスターアップ!の報告が届いてるぞ!  やったあ! この日記を読んでいる人には、12月5日の発売日が決まってい るし、私の手から離れてずいぶんたつので、何をいまさらと思うかも知れないけ れど、ずっとこの2ヶ月間、札幌ハドソンのスタッフが、何度も動作確認の仕事 を続けていたのよ。 『プロジェクトX』のように、地道な作業の上で、製品は完成するものなのよ!  札幌のスタッフのみなさん! ありがとうございます! そして、お疲れ様で す! 川田忠之くんが、仕事完了と同時に風邪でダウンしたという報告で、その 仕事の大変さがこちらに伝わりました。ホッとしたんだろうなあ…。  うーーん。本当に今回の『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』は、 最後の最後まで、理想的な仕事の仕方で、完了したなあ。  来年もまたこのペースで、仕事をすることは大変なんだろうけど、スタッフ用 掲示板の存在が、ここまで仕事を一変させるとは!  言った、言わないが、まったく消えた。  現在の状況が、目に見えるようにわかる。  連絡のミスに速攻気がつくので、致命的なミスにまで発展しない。  言いことずくめですよ、掲示板のシステムは。  まあ、使い方にいろいろ工夫があるんだけどね。  この掲示板をみんなに公開できないのが、もったいないくらい。  きょうは気分よく寝ることができそうだ。

 
さくまNEWS

●『おいしい桃鉄』(小学館)12月中旬発売!          
 ついに『桃太郎電鉄』の美味しい物件をすべて公開する!     

●CD『桃太郎電鉄11〜ゴールド・サウンズ』、          
『ベリー・ベスト・オブ・桃太郎伝説&電鉄(仮)』12月中旬発売!

●『桃太郎電鉄』携帯着メロ、近日配信開始!           
さくまNEWS

●『桃太郎電鉄さぬきうどん』が「めりけんや」サンのHPで    
 通販できることになりました! ぜひ食べてみてね!
 めりけんや http://www.merikenya.com/

●「桃いろ」瀬戸内海放送
   平成14年10月5日より毎週土曜日 
   午前10時50分〜午前11時30分放送。岡山・高松地区。

●「桃太郎電鉄ジャパンカップテレビ」スカパー・CSファミリー劇場
   平成14年11月2日より毎週土曜日
   午前0時〜午前0時30分放送。
   詳しくは→http://www.fami-geki.com/

●『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!
   平成14年12月5日発売!
   プレイステーション2、ゲームキューブ同時発売!
   「桃鉄ジャパンカップ」や公開収録の予定は、こちら!

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