9月25日(水) 毎年30兆円もの国債を発行する赤字国家が、何で北朝鮮に経済援助ができる のだろうか? 3兆8000億円の有利子負債を抱える高速道路の工事を中止できずにいる国 家が、何で北朝鮮に経済援助ができるのだろうか? 何か、やってることが晩年の勝新太郎みたいだ。 午前6時。寝不足が続く。 『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作りで、異様興奮状態に入ったままな ので、仕方ない。 目が覚めたら、そのまま『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。 午前11時。バスで、京都駅まで。 京都のバスの行き先は不思議だ。 「岩倉」といえば、京都の北にある地名なのに、バスは明らかに南に向かって 走っている。どうも私が知っている方向と、バスの行き先がことごとく狂ってい るのだ。長年、至便を考えていくうちに、こうなってしまったのだろう。 京都駅の伊勢丹に、美味しいうどん屋さんがあると聞いた。 1Fの全館案内板を見るが、書いていない。 案内係りのお姉さんに聞く。 「弁慶うどんといううどん屋さん、伊勢丹に入っていますか?」 義経と弁慶の、弁慶だ。 「少々、お待ちください」 お姉さんは、手元の資料を見て、無いと見ると、この手について詳しい人に電 話しているようだ。 どうも無いらしい。 ここからが、伊勢丹らしい。 「あの〜、もうしわけないのですが、そのお店はどのようなお店なのでしょうか?」 貪欲だ。いいお店だったら、出店させようというのだろう。 「キンピラゴボウが乗ったうどんと聞いたのですが…」 けっきょく、お店はなかったのだが、伊勢丹デパートの凄さを見せつけられた ような気がする。 と同時に、インターネットの情報のいいかげんさも痛感した。 「伊勢丹にもあるらしい…」 この一節だけを信じた私が、バカだった。 京都駅の「ザ・キューブ」「ポルタ」地下街も回ってみたが、弁慶うどんは無 かった。五条通りにもお店があるらしいのだが、インターネットの個人情報だ。 信用できいないし、お腹も減ってきた。 午前11時30分。グランヴィアホテル京都の1Fレストランで、九条ネギと 卵のシーフード焼き飯に、コーヒー。まあ。ホテルのレストランの味だ。 まずくはないが、美味しくもない。 ただ会計してみて、驚いた。 焼き飯にコーヒーで、2400円ちょっとだ! 高いよなあ。CDのアルバム買えちゃうよ〜! ホテルは場所代といえど、この値段にはまいった。 いつも嫁がお金を払っているから、年々金銭感覚が薄れてきている。 午後12時。何だか、2400円が、悔しいので、隣りの「手塚治虫ワールド」 で、散財する。散財して、ど〜する。 連日、京都の仕事場にこもって、ひたすら仕事をして、甘いものを食べてはい けない、映画『グレムリン』のようなルールに、ストレスがたまって来た。 仕事は順調なのだが、多勢に無勢とはこのことだ。 『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』と、2本分の内容は、書けども、書けども、ま だ山頂すら見えない。 地下鉄五条駅から、四条通りの「イノダコーヒ四条店」まで歩いてみようと、 バカなことを考えた。 予想以上に、遠かった。 汗が、ドッと吹き出る。 おまけに、ゲームのアイデアを考えながら歩いていたので、2筋道を間違えて、 四条通りに到達。戻るのは、くやしいし、もう完全にへばって来ているので、目 的地を「イノダコーヒ本店」に切り替える。 しまった。「イノダコーヒ本店」への道も、2筋間違えた。 ええ〜い、このまま京都の仕事場まで歩いてやる。 志は高いが、足の上がり方は、低い。 何度も、つんのめる。 真夏並みの汗までかいている。 午後2時。京都の仕事場にたどり着く。 ベッドにひっくり返って、極楽、極楽! 赤川次郎さんの『濡羽色のマスク』(光文社)を読み終えたのち、仮眠。 この『濡羽色のマスク』は、正式な題名ではなく、毎回『若草色のポシェット』、 『琥珀色のダイアリー』、『瑠璃色のステンドグラス』のように、色の題名が付 いている。 杉原爽香という女の子が主人公で、15歳でスタートして、毎年、9月20日 に新作が発売される。主人公は、毎年年を取っていくのだ。 まさに小説版『北の国から』なのだ。 今回の『濡羽色のマスク』で、杉原爽香は29歳になっている。 赤川次郎さんは、基本的に作品は明るいのだが、ときどきドキッとするくらい 残酷な場面に主人公たちを追い込んで行く。 この杉原爽香シリーズでも、付き合っていた男の子が、何作目かで、殺人まで 犯してしまう。真面目一筋の刑事さんが、不倫して、子どもまで作ってしまう。 妙に、生臭いストーリーなのだ。 そのせいで、9月が近づくと、また杉原爽香シリーズの新作が発売される頃だ なと思い出される。 もう14年続いているかと思うと、ちょうど『桃太郎電鉄』とおなじスタート だ。こっちは、毎年とうわけにはいかなくて、今年で11作目だ。 そんなこともあって、杉原爽香シリーズの継続は、私の『桃太郎電鉄』シリー ズの支えにもなっている。 ちょうどいつも次の作品の仕様書を書き始めるときに、発売されるからよけい だ。 また来年まで、このシリーズが読めないかと思うと、ちょっと残念。 午後3時。『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。 ようやく、急行系のカードの仕様書を書き終わる。 新作ではなく、いつも登場するカードの仕様を微妙に変えている。 オレンジカードの消える確率を、ほんの、実にほんのちょっとだけ長くすると か、塩加減程度の変化を毎回加えているのだ。 これは毎回、新しいカード、新しいイベントによって、ちょっとだけ変える。 午後5時30分。「弁慶うどん」を探しに、五条本町へ。 インターネットに、五条本町とだけ書いてあって、正しい住所が書いてなかっ た。ここで気がついた。 「五条本町」。 五条大橋だから、「弁慶うどん」なのか! なるほどね。 ♪京〜の〜、五条の、大橋で〜…だ。 そんなことより、お店が見つからない。 地名からだと、「玉置半兵衛麩」に近い。 延々歩くが見つからない。 どうも縁が無いのかな。 ありゃ。豊国神社の前の耳塚まで来てしまった。 三十三間堂が近いじゃないか。 そんなに来てはいけない。 再び、道を戻る。 玄関の前で、小さな花壇の雑草をむしっているおじいちゃんに聞く。 「弁慶うどん? 聞いたことあるがなあ…」 「本町いうたら、そこや…」 そこはもう私が通って来たところだ。 五条通りに出てしまった。 無いじゃないか…。 まさか、五条通りの北側じゃないだろうなあ…あっ。あった。 五条本町じゃないよ〜! 正しくは、五条東橋詰町だ。 しかも、ごくありふれた門構えなだけに、言われなければ、一生入ることのな いようなお店だ。 お店の名前は「弁慶」ではなく、「辨慶」であった。 難しいほうの字ね。 べんけいうどん 800円を、注文する。 ほ〜。肉すじに、甘い揚げに、九条ネギに、キンピラゴボウが乗っている。 麺がずいぶんと、細いなあ。 つるつる。ちゅるちゅる…。 ごほっ、ごほっ。 キンピラゴボウが、けっこう辛いなあ。 でもこの辛さが美味しい。 肉すじの安っぽい味が、おでんっぽくていい。 いわゆるB級グルメとして、このべんけいうどんは、美味しいね。 ただ、京都に来て、地下鉄2駅乗って、わざわざ来るかというと、難しいとこ ろだ。 でも、このお店が本領を発揮するのは、夜中のようだ。 何たって、営業時間が、午前11時30分〜翌朝の午前4時まで。 これはすごい。 五条通り沿いだから、車を停めて食べに来るのだろう。 食後、五条通りから、四条通りに向かって、北上する。 またしても歩いて帰ろうと、無茶を考えている。 ちょうど祇園の裏のほうに当たるので、お茶屋さんなどが多い。 街路灯が弱いので、陽が落ちると、あっという間に、真っ暗になって行く。 妖しい雰囲気だ。 へとへと、とぼとぼ、必死に歩く。 おお! 焼きそばの「おやじ」が近いんだな、この辺は。 点で覚えていたお店が、線で繋がっていく。 午後6時30分。毎日歩いているので、脚力がついて来た。 先斗町の「タナカコーヒ」に、ピットイン! ちょうどこのお店は、へとへとになって、もう歩けないという位置にあって、 ホットコーヒーが美味しいお店なので、散歩コースの目標地点になっている。 午後7時30分。京都の仕事場に戻り、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕 様書作りを再開。 便利系のカードの仕様書の清書を始める。 ちょっと単純作業が増えてくると、煮詰まってくる。 何か考えているときのほうが、つらいけど、楽しい。 仕様書の清書というのは、市役所に届ける書類に記入しているみたいで、面白 みはない。 さすがに、全仕様書を明日で終わらそうというのは、無理だったかなあ。 明日、東京に戻ろうと思っていたけど、もう1日京都滞在を伸ばすかも。 それでも終わりそうにないな。 いいかげん、どこかにふら〜っとでかけてしまいそうな気もする。 甘いものが食べたい。 不二家のショートケーキの山に突っ伏したい。 やっぱり甘いものって、セーブしながら食べるべきものなのだな。
●「桃いろ」瀬戸内海放送 平成14年10月5日より毎週土曜日 午前10時50分〜午前11時30分放送。岡山・高松地区。 ●「桃太郎電鉄ジャパンカップテレビ」スカパー・CSファミリー劇場 平成14年11月2日より毎週土曜日 午前0時〜午前0時30分放送。 ●『桃太郎電鉄11〜ブラックボンビー出現の巻!』 平成14年12月5日発売! プレイステーション2、ゲームキューブ同時発売! |
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