9月23日(月)

 午前7時。本格的に地味な毎日のスタートだ。
 目が覚めると同時に『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。
 新作カードを清書するだけなのに、あれこれメッセージを手直ししたり、仕様
を変更したりして、ひとつのカードが完成するまでに、2〜3時間かかってしま
う。

 午後12時。一応、TVはつけっ放しで仕事をしているが、仕様書作りに集中
しているので、ほとんど見ていない。
 気がつけば、『笑っていいとも』が始まっていた。
 食事しに行かないと!

 いつもの散歩コース。
 錦市場を通る。
 いよいよ私がいちばん大好きな果物、柿が店先に登場した。
 今年も美味しい奈良の柿が食べたいなあ。
 栗も最近おいしいと思うようになって来た。

「イノダコーヒ四条店」に行くと、お昼時とあって、10人以上の順番待ち。こ
のお店のお客さんは、滞在時間が長いので、さっさとあきらめて、地下鉄四条駅
から、京都駅まで行く。
 地下鉄京都駅のすぐ側にも、「イノダコーヒ京都駅店」があるのを思い出した。
「イノダコーヒ京都駅店」で、海老サンドに、コーヒー。
 海老サンドはここだけのメニューなのかなあ。  カリカリ、サクサクで、実にうまい。  むむ? 「イノダコーヒ」にいると、条件反射のように、アイデアが浮かぶ鉄 則がある。でもいちばんよく出るのは、「イノダコーヒ四条店」で、二番目は 「イノダコーヒ本店」だ。3番目は「イノダコーヒ三条堺町店」。  ほかはあまり浮かばない。  ところが、この「京都店」でも、ふつふつとアイデアが浮かぶではないか。  大テーブルで、おばちゃん、おじさんに囲まれて騒々しいのに、不思議だなあ。  食後、「プラッツ近鉄」の本屋さんで資料探し。 「コロナ・ブックスと、サライ・ブックスの棚は、どの辺にありますか?」 「え? ココナ? サラサ?」  ええ! わかんないの〜〜〜? 「どんな本でしょうか?」  困ったなあ。『日本の小さな宿』とか『名水に名物あり』、『人生の達人』、 『明治の学舎』、『名作を生んだ宿』といったシリーズものの本なので、説明が しづらい。だいたい何で私が本屋の店員に説明しないといけないんだ! わから ないなら、ほかの人に聞けよ。  どうせ私が内容をこまかく説明したところで、わからないのは明白だ。  人に努力をさせておいて、接客したことにするのは、やめろ!  コロナ・ブックスは平凡社だし、『サライ』は小学館だぞ。 「その本は、コミックですか?」 「いや…」  10年ほど前に、『伊豆の踊り子』の作者がわからない店員に出くわして、落 胆したのだが、本屋の店員レベルの低下は、ますます拍車がかかっているなあ。 「すみませんが、ほかの人に聞いてくれませんか?」  3〜4人の店員が集まって、大相撲の審判団協議状態に入った。  ダメだ、こりゃ。  本が売れないわけだ。   「もういいです。自分で探します」といって、私は本棚に向かう。  おそらく私のほうが、土地勘がある。  時間の無駄だ。  案の定、すぐ見つかった。  午後2時30分。京都の仕事場に戻る。  ひたすら、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。  酸欠状態になって初めて、2時間ぶっ通しで、キーボードを叩いていたことに 気がついた。すっかりドライ・アイになって、眼球渇きまくり。  目薬をさして、再び、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様書作り。  あ〜、甘いものが食べたい。  はっはっは。今回のひとり合宿では、甘いものを食べないと決めたのだ。  先日、すぎやまこういち先生ご夫妻に「最近ちょっと体重増加に加速度がつい てしまって!」という話をした。  すると「日記を読む限りでは、間食のし過ぎだな! しょっちゅう甘いものを 食べている!」と言われてしまった。  まいったな。日記では、甘いものを食べている日々のごく一部しか、世間に伝 えていないのに。はっはっは。  そういうわけで、1週間限定甘いもの絶ち実施中なのだ。  午後6時。身体も動かしておかないといけないので、御池地下街へ散歩がてら 食事にでかける。  御池地下街には、もう暖房が入っていた。  夏からいきなり晩秋かい。  御池地下街から、京都ホテルオークラ地下の「有喜屋(うきや)」へ。 「京都ホテルのお客さんは、お寺を拝観させない!」という京都ならではの<い けず>ないじめを喰らった、京都ホテルだが、いつのまにかオークラホテルの資 本になっていた。  皇室が利用することでも有名な都ホテルも、ウェンスティン都ホテルという名 前に変わっている。日本のホテルが続々外国資本になっている。  ついこの間まで、ジャパン・マネーが外国の老舗ホテルを買収して、世界中か ら顰蹙(ひんしゅく)を買っていたというのに。  本当に、日本は大丈夫か? 「有喜屋(うきや)」で、有喜そばを食べる。  お店の人がわざわざ「生卵と納豆をホイップしたものですが、大丈夫ですか?」 と聞いてくれる。さすが納豆が苦手な人が多い関西ならではの配慮だ。    午後7時。京都の仕事場に戻る。  外はもう寒いはずなのに、ぐっしょり汗をかいた。  運動不足が解消されたようで、うれしい。  TVで「巨人対阪神」戦を見ながら、『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』の仕様 書作り。  巨人が勝って、ヤクルトが中日に負けると、巨人の優勝が決まる。  巨人は勝ったものの、ヤクルトも勝ったので、優勝は明日以降。  松井選手が2本のホームランを打った。  今年のプロ野球の楽しみは、松井選手の3冠王しかない。  甲子園大会で、4打席連続敬遠された男に、3冠王を取ってほしい。  がんばった人にこそ、栄冠はふさわしい。  ひそかに、横浜ベイスターズが勝利。  小さくガッツ・ポーズ。  午後10時。『桃太郎電鉄12(仮)〜地方編』用の新作カード13枚の仕様書 が完成した。  まだ1軍入り有望なカードが何枚かあるので、もう少し増やすかもしれない。  とにかく、カードの完成はうれしい。  京都ひとり合宿をした甲斐がある。  大きく、ガッツ・ポーズ!
 

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