9月13日(金)

 全国的に13日の金曜日である。
 別にちっとも、気にしていないが、10月5日(土)午前10時50分から瀬
戸内海放送で始まる新番組『桃いろ』の最初のロケが、きょうだというと、少し
気になるものだ。

 私と土居ちゃん(土居孝幸)にとっては、ある意味、きょうが13日の金曜日
になってしまったが…。

 それ以上に、撮影スタッフは、昨日の夜半からの雨で、ロケが上手くいかない
のではと、みんなで心配していたそうだ。
 でも、土居ちゃん、カズ坊(関口和之)、読売広告の岩崎誠などはみな、私が
旅先で仕事モードに入ったときは、雨が降らない鉄則を知っているから、ちっと
も心配していない。

 案の定、晴れた。
 しかも暑い。

 午前9時。1Fのビュッフェで、朝食。
 私、嫁、土居ちゃん、カズ坊。
 読売広告の岩崎誠が来たので、台本について、文句をつける。
 私と土居ちゃんは、ほとんど賑やかしで放送に参加するのだと思っていたのだ
が、台本を読むと、どう読み解いても、メイン司会者なのである。

「岩崎〜、とてもじゃないけど、無理だよ〜!」
 私と、土居ちゃんは、タレントとしては、まったくの素人である。
 どうも私がラジオによく出ていたから、タレント業もできると、勘違いしてい
たようなのだ。
 TBSラジオ『有限会社 桃太郎商店』のときは、アリtoキリギリスという
本職のタレントさんがいたからこそ、私のような素人のおっさんが、物見遊山で
参加できた。
 しかもラジオと、テレビは、メディアとして、まったく違う。
 ラジオは、放送作家の先生が書いた台本を、そのまま読み上げれば、最低限の
仕事ができる。でもテレビは、一度読んだ台本を閉じて、暗記した文章をしゃべ
らないといけないのだ。
 そんな! 自分が書いた『桃太郎電鉄11(仮)』の仕様書だって、ちゃんと
覚えられなくて、みんなに迷惑かけたのに、台本なんて、覚えられるわけがない。
 早くも、土居ちゃんが「絶対無理だよ!」と言い張っている。
 それどころか、「言ってはいけない言葉って何?」と聞いている。
 それは危険だ、土居ちゃん!
 素人さんは、言ってはいけない言葉を覚えると、言葉に詰まったときに本番で
言ってしまう! 

 というわけで、私と土居ちゃんの出番は極端に減ることで落ち着いた。よかっ
た、よかった!

 午前10時。高松駅へ。
 大澤嘉工(おおさわよしのり)ディレクター、放送作家の野呂エイシロウさ
ん、撮影班と合流。
 琴平駅行き普通列車に乗り込んで、発車まで、『桃いろ』の打ち合わせ。 「では、列車が走り出して、ホームから離れたあたりから、おふたりの会話を収 録させていただきます! 昨年から何度も高松に来ていますね〜!といった感じ で、よろしくお願いしま〜す!」  えっ? けっきょく私と土居ちゃんのトークから始まるの?  お〜い! 岩崎誠〜! 約束が違うぞ〜! 「鬼無駅まで8分しかないので、桃太郎電鉄石像はどうなってるかなあ?といっ た話を、手身近にお願いしま〜す!」  ははは…。  そんな無茶な。  取り直しが効かないってことじゃないか。  サザンオールスターズのベーシスト&ウクレレ伝道師・カズ坊(関口和之) が、おなじ車両に座って、どうなるのかなあ?という顔で、こっちを見ている。  カズ坊…!  ちゃんと事務所に出演の話をして来いよなあ…!  君は『紅白歌合戦』にも出て、レコード大賞も取っている芸能人じゃないか …。 この番組のメインを務めたって、変じゃないのに〜!
 午前10時53分。列車が発車する。 「いやあ〜、また高松に来ちゃい…」 「この列車は、琴平行き普通列車…」  うひょ〜! いきなり列車のアナウンスと同時にしゃべっちゃったよ!  かぶってる! かぶってる!  いきなり取り直しだ!  そうだよなあ。  この列車は、この番組のためだけに走らせる特別列車ではなくて、ふつうにお 客さんもいっしょに乗っている列車だからな〜。  当然のように、車内アナウンスが入るよな〜!    車掌さんのアナウンスが終わるを待って、私と土居ちゃんのトークが始まる。  おお! なんとかアナウンスとかぶらずに、会話できそうだぞ! 「次は、香西(こうさい)〜! 香西〜!」  また、かぶったあ!  そりゃすぐ香西駅に着くわな!  次はもう、鬼無駅だ!  午前11時1分。鬼無駅に列車は着く! 「桃太郎電鉄石像」の前に、若い女の子たちが、10人ぐらい並んで、手を振っ ているぞ!
 桃太郎ガールズとかいうのを結成して、この番組のレポーター役を務めるとい う話は聞いていた。この鬼無駅で、初めて会うという設定になっていることも、 聞いていた。  でも本当にぶっつけ本番で、初めて会うとは、思わなかった。  この番組、ひょっとすると、とんでもないことをしようとしている!  鬼無駅で下車して、「桃太郎電鉄石像」がある側のホームへ。  桃太郎ガールズは、桃娘(ももむすめ)という名前で、略称が「桃娘(ももむ す)」というそうだ。 「桃娘(ももむす)」!  はっはっは。パチモンくさ〜い!  いいな。このいいかげんさ。 「おはようございま〜す!」 「おはようございま〜す!」  初めての挨拶からして、番組になっているのも珍しい。
 それにしても暑い!  10月5日の放送で、私はこんなに汗をかいていていいのか?  行楽の秋に、汗びっしょりだぞ!  それどころか、きょうじゅうにオープング・トークを4週分も取るの?  ってことは、4週目は、11月じゃないか!  紅葉の秋、真っ盛りに突入の時期だぞ!  私と土居ちゃんは、11月だというのに、半そでのアロハだぞ〜!  しかも4週間、まったくおなじ衣装だ!  うひゃひゃひゃ! チョイ役で、1週分だけの出演だと思っていたから、私も 土居ちゃんも着替えなんて持ってきていない!  なんちゅー、番組だあ!  そのまま、「桃娘(ももむす)」とのやりとりの収録が始まってしまう。  ディレクターが、「こんな感じの話をしてください!」というだけで、リハー サルもなし。またしても、ぶっつけ本番だ!  まあ、素人にとって、リハーサルとおなじ演技は無理だし、台本なんて無いほ うが、実は楽だ。  私は昔、放送作家をやっていたので、私が台本を書くんだったら、こう書くと いうことをしゃべればいい。  土居ちゃんの予測のつかないトークをどう操ったらいいかは思いつかないけど …。 「桃娘(ももむす)」のメンバーに、フリップをもたせて、「四国4県を書きな さい!」と指令を出す。  これがおもしろかった!  わざわざ東京からこの子たちも来ているから、香川県は書ける。  そのあとが総崩れ!  香川、高地県、高山県、京都県、山口県、みかんといった、珍解答が続出する。  みかんっていうのは、愛媛みかんだけに、けっこう近い。  予想通り、正解者はゼロ!  たぶんここに来る前の東京で出題したら、香川は書けなかったと思うな。
 でも「桃娘(ももむす)」の女の子たちは、リアクションもうまいし、気持ち が前に出ているいい子たちばかりだ。  さすが日本一のアイドル評論家・梶野竜太郎氏(仮名)が人選しただけのこと はある! 梶野竜太郎(偽名)は、つねにモーニング娘。の現在の人気順位をす べて当てることができる天才である。  梶野竜太郎氏(ロリコン)は、おそらくこの「桃娘(ももむす)」のなかから、 全国区の人気アイドルになる女の子を誕生させようと思っているに違いない。  そういう意味では、必見の番組だ。  鬼無駅で、私と土居ちゃんのオープニング・トークを3週間分収録。  もう顔面、汗だらけ!  強引ですなあ!  午後1時。鬼無町にある、現存する最古のさぬきうどん屋さん「ヨコクラうど ん」を取材するシーンの撮影。
「桃娘(ももむす)」のふたりと、私、土居ちゃんが訪れる設定。  くくっ。一般のお客さんに混じって、カズ坊(関口和之)がうどんを食べてい る! 映っちゃたらど〜するの! 本当に、カズ坊(関口和之)、うどんを食べ に来ているだけだよ〜!
 ここの撮影には、まいった。  ご主人に、うどん作りの話を聞くんだけど、『さんまのからくりTV』のご長 寿クイズみたいに、言ってることが、とんちんかん。  しかも最近私は人の声がだいぶ聞こえなくなり始めているので、まったくおじ いちゃんが何をしゃべっているのか、わからない。  女の子ふたりは、うどんの専門用語をばしばしつかうおじいちゃんの会話が理 解できない。土居ちゃんは元より、こういうときは、まったく戦力外!  土居ちゃんもまったく、おじいちゃんの会話が聞き取れなかったそうだ。  しんどかったあ!  このシーンは、短くしてくれないかなあ!  撮影されながら、食べたうどんっていうのは、美味しさを感じることができな いもんだねえ!  ロケバスに戻ると、カズ坊(関口和之)と私の嫁が、「山かけ醤油うどんがめ ちゃくちゃ美味しかった!」と、力説する。  ええっ! そ、そんなあ!  私と土居ちゃんは、「桃娘(ももむす)」の女の子ふたりが、セルフうどんの システムに戸惑うシーンを取るために、「女の子たちといっしょに、かけうどん を注文してください!」といわれて、かけうどんだったんだよ〜!  私は、さぬきうどんの温かいおつゆをかけるタイプがあんまり好きではない!  まいったなあ。  もう一杯食べるわけには、いかんしなあ。 「カズ坊(関口和之)、そんなに山かけ醤油うどんって、美味しかった?」 「うん!」 「何〜〜〜!?」 「さくまサン、食べに行きます?」と、土居ちゃん。  こういうときは、積極的な土居ちゃんだ。 「さくまサンと、ボクとで、一杯を分けて食べればいいじゃないですか!」  こういう機転が、番組収録中に出てほしいものだ、土居ちゃん!  私たちの撮影が終了するまで、昼食を待たされていた「桃娘(ももむす)」の ほかのメンバーが、「ヨコクラうどん」にうどんを食べに行ったばかりだという ので、私と土居ちゃんも、山かけ醤油うどんを食べに行く!
 うめ〜〜〜っ!  これは、うま〜〜〜い!  ととろと、生卵を溶かしたところに、ゆず入りのお醤油をたらす。  このゆずの風味が、実にさぬきうどんの麺に合う。  食べに戻ってよかったあ! 「土居ちゃん、おいしいね〜!」 「山かけ醤油うどん、500円は、さぬきうどんのなかでは、値段高いほうだけ ど、じつにおいしいね〜!」  土居ちゃんは「さくまサンと、ボクとで、一杯を分けて食べればいいじゃない ですか!」と言っていたのに、さっさと1杯をひとりでたいらげていた! 「はっはっは。おいしいなあ! 全部食べちゃったよ〜!」  後ろで「桃娘(ももむす)」の女の子たちが妙なことを言っている。 「サザンオールスターズの関口さんって、けっきょくきょうは来なかったんです よね〜!」 「え〜〜〜! 岡田さん、何言ってるの! ずっと鬼無駅からず〜〜〜〜っと、 いたわよ!」  岡田茜ちゃんというのは、「桃娘(ももむす)」のリーダー格になりそうなお もしろい女の子だ。  私も教えてあげる。 「今もロケバスにいるよ!」 「ええっ! ってことはこのお店まで、私たちといっしょにロケバスに乗ってい たってことですかあ?」 「それどころか、君は、関口さんと話をしていたよ!」 「そうだよ!」 「うぎゃあ! 挨拶してないよ〜! 芸能界で生きていけなくなる〜!」 「それはいかんなあ! 関口くんは、芸能界の影のフィクサーと呼ばれている怖 い人だよ〜!」  怖い人が、事務所にテレビ出演のことを言い忘れて、うどんだけ食べに高松ま で来るか! 「じゃあ、あのセクシーなお姉さんは、誰ですか?」 「ん? どの人?」 「はっはっは! あの人は、さくまサンの奥さんですよ〜!」と、岩崎誠。 「えええええええええええ〜〜〜っ! うそ〜〜〜!」と、みんながいっせいに 目を丸くして、信じられないという顔で、私を見る。 「どういうリアクションだよ、悪かったな!」 「びっくり〜〜〜!」 (私とうどん好きな人のためのメモ) 「ヨコクラうどん」  高松市鬼無町鬼無136-1  087(881)447  営業時間 8:00〜18:00  水曜定休。  備考:山かけ醤油うどんを。かけはちょっと。たこにぎり、うずら天美味。  午後2時30分。ロケバスは、全日空ホテルクレメント高松へ。  きょうの高松市の気温は、33度。  暑いわけだ。  ホテルの雑貨屋さんで、Tシャツを買って、シャワーを浴びに部屋に戻る。  汗びっしょりで、このまま1日すごすのは、とてもじゃない。 「ふう〜!」とひといきつく間もなく、10分後、ホテルのロビーへ。  13日の金曜日は、長い!  まだまだたくさん仕事が残っている。  別働隊で動いていた、ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くんと合流。  午後3時。JR四国本社へ表敬訪問。  今回のテレビ撮影許可のお礼と、桃太郎電鉄さぬきうどん発売のご挨拶だ。  メンバーは、JR四国の梅原社長、JR四国販売促進課課長の関優一さん、 私、嫁、土居ちゃん、カズ坊(関口和之)、FMマリノ社長の酒井秀樹くん、橋 本朋弥くん。瀬戸内海放送の谷明憲法さん。読売広告の岩崎誠。ハドソン宣伝部 の梶野竜太郎くん、石崎仁英くん。  すごい人数だ。  思えば、JR四国の梅原社長との出会いから、桃太郎電鉄人形焼きが出来て、 鬼無駅の桃太郎電鉄石像除幕式までたどり着いた。  そして今回もまた桃太郎電鉄さぬきうどんだ。  つねに梅原社長の鶴の一声で、半年以上かかるものが、即決できて、わずか2 年間で、とうとうテレビ番組にまだ発展した。  本当に何とお礼をいったらいいやら、わからないほど恩のある方だ。
 しかし、私はお礼をいうつもりが、とんでもないことを言ってしまう。 「梅原さん! 鬼無駅の桃太郎電鉄石像の後ろに、もうちょっと空き地がありま すよね? あそこにまた石像を建ててもいいですか?」  何てことを言い出すんだという空気が流れる。  梅原社長が口を開く。 「あの駅は、さくまサンにあげますよ!」  わ〜〜〜!  いっせいに拍手が起きてしまった。  う、う、うれしい!  鉄道ファンにとっては、駅は、生涯受け身のまま接して終わるものだ。その駅 を「好きにしていい」というご神託をいただいた。 「ありがとうございます! みんな、聞いた? 聞いた?」 「聞きました! 聞きました!」  ふっふっふ。今度は何を建ててやろうかなあ。  午後4時。ホテルに戻って、私、嫁、土居ちゃん、カズ坊(関口和之)、梶野 竜太郎くん、石崎仁英くん、岩崎誠の7人で、きょうと明日のスケジュール調整 と、『桃太郎電鉄11(仮)』の宣伝会議。  何でも『桃太郎電鉄11(仮)』のサントラCDも企画されているそうだ。  今回の音楽は本当に素晴らしいから、CDが出てほしかったんだあ! 「梶野くん、きょうはもう私と土居ちゃんの撮影は、終了?」 「あとはFMマリノに出て終わりですね!」 「じゃあ、FMに出演したあたりで、どしゃぶり開始だな! はっはっは!」 「やめてくださいよ〜! さくまサンの雨はシャレになれないんですから! ボ クたちはまだ午後9時まで撮影残ってるんですから、雨を降らさないでください よ〜!」  午後5時。私、嫁、土居ちゃん、カズ坊(関口和之)、橋本朋弥くんの5人は、 FMマリノに向かう。ありゃ? 車のラジオで、私たちが出演するということを 放送で言っているぞ!  まだ放送局に私たちは着いていないぞ!  これは妙な気分だなあ。  午後5時10分。FMマリノに到着するや、そのまま打ち合わせもなしに、丸 朋子さんの番組に出演。  丸朋子さんは、私が『ジャンプ放送局』のなかで、ゲームを作り始める過程を 鮮明に覚えているそうだ。  最近こういう業界の人によく会う。 『週刊少年ジャンプ』の600万部突破!の快挙は、女性でも『ジャンプ放送 局』を読んでいましたという人をたくさん生んだ。  カズ坊(関口和之)も、『桃太郎電鉄』の作曲家として、この番組に出演。
 さらに、私たちの移動は続く。  まんまと、雨が降ってきた…。  梶野竜太郎くんが撮影現場で「くそ〜!」と叫んでいる姿が想像できる。  午後5時45分。瀬戸内海放送へ。  今日のさぬきうどんブームの仕掛け人である『恐るべきさぬきうどん』の作 者・田尾和俊さんと会う。  田尾さんは今月号の『dancyu(ダンチュー)』(世界文化社)の特集 「最強のさぬきうどん」にも登場している。  田尾和俊さんとは以前、電話でお話したことがあるという不思議な関係。  さっそくさぬきうどんのお店の話をあれこれ聞かせてもらう。  さらに、私たちの移動は続く。  雨は、どしゃぶりになって来た。  はっはっは。  私のせいにされても困る。  午後6時30分。古馬場町の居酒屋「伊ぶき」へ。  ここで広告代理店セーラーの安藤芳樹さんと会って、酒宴。  安藤芳樹さんもまた『恐るべきさぬきうどん』(ホットカプセル刊)に登場す る麺通団のひとりだ。  私、嫁、土居ちゃん、カズ坊(関口和之)、酒井秀樹くん、安藤芳樹さんの5 人で、延々さぬきうどん話。  安藤芳樹さんたちは、毎年「さぬきうどん巡礼八十八カ所」を選定されている。  香川県一円のお勧めうどん店を、88ヶ所選んで、一覧表にして、スタンプを 押せるようになっている。  毎年お正月に決まるんだけど、すでに9月の段階で、この88のお店を全部ク リアしたうどん好きが、160人以上もいるそうだ!  何!? その数字!  これで驚いてはいけない。  今年、一番乗りで88ヶ所を達成したうどん好きの人は、すでに88ヶ所を3 巡目に入っているそうだ。  1日6軒回る猛者はたくさんいると聞いているけど、何で9月に入ったばかり で、88×3=264軒以上なの?????  1日ほほぼ1軒?  まったくもって、讃岐うどんの道は、鉄道鉄ちゃんのように奥が深い…という か、無謀だ!  安藤芳樹さんもまた無謀な人で、私たちが明日お昼過ぎに帰りますというと、 「ほな、うどん、5軒は回れますな!」 「ちょ、ちょっと、回れるけど、食べられませんよ〜!」  最後に、安藤芳樹さんから宿題をもらう。 「さぬきうどん巡礼八十八カ所」には、登場しない、幻のお店を9軒教えてもら う。  当分、桃太郎チームの讃岐うどんブームは、続きそうだ。
 午後9時。酒井秀樹くんと、土居ちゃん、安藤芳樹さんは、岩崎誠たちと合流 するために、撮影現場へ。  土居ちゃんは、この撮影現場でも、カレーうどんを食べたそうだ。  桃太郎チームで、「さぬきうどん巡礼八十八カ所」を達成するのは、土居ちゃ んかもしれない。でもたぶんスタンプを押し忘れて、公認をもらえないだろう。  私、嫁、カズ坊(関口和之)の3人は、苦しいお腹を揺らせながら、ホテルま で歩いて行くことにした。  こうでもしないと、体重がどこまで増えるか計り知れない。
 午後9時30分。全日空ホテルクレメント高松に到着!  ふい〜〜〜、よく歩いたあ!  土居ちゃんだけ、食べ続けて、デブになるがいい〜〜〜!  午後10時30分。隣りの部屋の嫁から電話が入って、マッサージさんが非常 に上手いので、やってもらったら?というので、お願いする。  なるほど、うまい!  きょう1日、まさかタレントの真似事をさせられると思っていなかったので、 疲れた、疲れた!  だいたい、地方発信のテレビ番組なのに、岩崎誠から、「ホテル代も、交通費 も全部出します!」といわれたときに、こうなることを気づくべきだったよな あ! はっはっは。業界長いくせに、まんまとだまされたあ!  マッサージされて、身体は急速に回復。  めったに勝たない横浜ベイスターズの勝利をテレビで見ながら、マッサージと は、まさに極楽、極楽!
 

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