9月7日(土)

 宇多田ヒカルの結婚相手は、井沢どんすけとおない年。
 いやいや。別に意味はない。
 単なる井沢どんすけへの嫌味なだけです。

 午前10時。札幌から届いた、最終版の『桃太郎電鉄11(仮)』のロムをテ
スト・プレイ。
 もはや、発売中止になるようなバグが出ないかぎり、これがほとんど製品版だ。
 午前11時30分。嫁と、代官山の「トムズ・サンドイッチ」へ。
 このお店には、ベーコン&レタスを食べるためだけに行っているようなもんだ
なあ。

 午後1時。帰宅。
『桃太郎電鉄11(仮)』を8年ほどやる。
 快適! 快適!
 音楽も、ミキシングが完了しているので、突然大きな音になったりすることが
なくて、気持ちいい。

 それにしても、COMキャラのあしゅらは、最初に目的地に入ると、お調子こ
いた若者のように、いやらしい戦法を取ってくる。
 一度へこますと、めっきり弱くなるのだが、思いもよらぬところで、「そんな
カードの使い方をするのか!」と叫びたくなるようなことをする。
 7年目で、首位に立ち、8年目で、独走体制に入りかけまで来たので、終了す
る。

 必死に画面を見て、眼が疲れたので、仮眠。

 午後5時。渋谷の「109」8Fの「紅虎餃子房(べにとらぎょうざぼう)」
で、鉄鍋餃子に、高菜と鶏のあっさり土鍋ごはん。

 食後、「ブックファースト」で、漫画を10冊ほど購入。
 年々、漫画を読む量が減ってきているので、漫画力をつけるために、今年の秋
のテーマは、漫画を読むことだな。
 漫画のふきだしに書かれた文章というのは、小説の文章と、まったく違うもの
だ。漫画で実は、文章力を整えている。

 午後6時。帰宅。
『北の国から2002遺言〜後編〜』が始まるまで、『桃太郎電鉄12(仮)〜
地方編』の仕様書作り。

 午後8時。きょうも『北の国から2002遺言〜後編〜』をビデオ録画しなが
ら観る。

 私は、最終回というもの自体、大好きで、今まで見たこともない番組でも、最
終回という言葉を聞くだけで、見たくなってしまう。
 私は、デビュー当時、最終回を書きたいばかりに、連載をいつも2年間で終え
ていたくらいだ。

 最終回というのは、誰が何といおうと、勲章だ。
 1回だけでは、もらえない。
 2回ぐらいでも、もらえない。
 1年ぐらいじゃないと、最終回という言葉は似合わない。
 2年で、けっこう印象に残る最終回となる。
 3年になると、お客さんも覚えているような最終回となる。

 それが21年間も続いたのである。
 比較するのもおこがましいが、『ジャンプ放送局』は、14年間続き、『桃太
郎電鉄』も、今年で14年目になる。
 もう連載終了や、制作中止のピンチなんて、しょっちゅうである。
 だからもう、21年の重みだけは、人一倍理解できると思っている。
 その上で、ひれ伏すしかない。
 あの『フーテンの寅さん』だって、最終回を迎えることができなかったのだ。
 手塚治虫さんの『火の鳥』だって、結末を書くことができなかった。
 長いシリーズほど、最終回を迎えること自体が、物理的に難しくなってくるの
だ。

 それが、吉岡秀隆(純くん役)くん、中島朋子(蛍役)さんと、10歳ぐらい
の子どもの頃から役者としてつかい、21年間も成長ドラマを描き切るなんて、
どんなに感情移入の得意な人だって、想像以上の大気圏の外ぐらいの過酷さだと
思う。

 そんな気分で、とにかく観た。

 言った…。

 ついに言った…。

 純くんが、言った…。

「もう、こそこそしてるの嫌なんだよ。
 面倒なことから、年中逃げて、向かおうとしないで、黙って避けて、そうやっ
て、ずっと生きてきたんだよ。
 そういうやり方、もう嫌なんだ」

 よかった…。
 ホッとした…。
 この言葉を言わずに、終わってしまわなくて、安心した。
 もうセリフだけで、最終回の意味がある。
 この言葉がなかったら、21年間見てきたものを、すべて否定されてしまうよ
うなものだからね。

 本当に、純くんって、嫌なやつだったもんなあ。
 どうせまた純くんは、富良野に戻っても、毎月3万円の借金も返さずに、人に
迷惑かけながら生きて行くと思うけど、今まで言葉に出して「年中逃げている」
「黙って避けている」といったことを一度も言ったことがなかった。

 この辺に関しては、私は純くん世代に、ドラマのなかでいうと、火事を起こさ
れ、借金を返してもらえない側の人間だけに、言いたいことはいくらでもあるけ
ど、今はドラマを見たばかりで、感情が昂ぶっている。
 いつかきっと、何かで表現していくのだろうなあ。

 60歳になったら、遺言を書くのは、あたりまえか。
 あと10年だ。

『北の国から』を21年間、楽しませてもらった、脚本家の倉本聰さんに、感
謝、感謝、感謝です!

 
さくまNEWS

●9月21日(土)午後7時開演 浜離宮朝日ホール(築地)全席指定6000円
アマデウス・アンサンブル東京--バッハを弾くよろこび、聴くたのしみ--」


※業界の方で鑑賞希望の方は、うちの嫁まで、9月10日(火)までにご連絡ください。
 メールはこちら→sakumacb@za2.so-net.ne.jp

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