7月8日(月)

 県民の66%が、田中康夫県知事を支持。

 田中康夫長野県知事に、少し風が吹いてきたみたいだね。
 私は個人的には田中県知事をさほど好きなほうではないけど、今回だけは勝利
してほしいと思う。
 それ以上に、あの旧態依然とした県議会議員たちの顔のほうが、嫌だ。

 ただ66%の支持者のうち、何人が選挙に行くかだ。
 日本って国は、「国体」の開催県が必ず優勝しちゃう悪弊を野放しにしてしま
うお国柄だからなあ。

 午前7時。『桃太郎電鉄11(仮)』の手直し作業。
 いつも「何でそんなに朝早くから仕事するんですか?」といわれるけど、自宅
で仕事なんで、通勤時間が無いから、こんな時間でも別段早くない。
 しかも、眠いときは、寝てしまっているから気楽なものだ。

 午前10時30分。近所の「らぴす」サンで、モーニングセット。

 午前11時。新宿の「カメラのさくらや」へ外付けハードディスクを買いに行
く。お店の近くで、放送作家の今村良樹くんとばったり。
 毎度おなじみ、ばったり病だ。
 今村良樹くんが三石琴乃さんのラジオ番組を構成していたときのお付き合い…
というより、元ずうとるびの今村くんといったほうが、有名だ。
 ちょうど「カメラのさくらやホビー館」に行って、『桃太郎電鉄』のパッケー
ジを見たばかりで、私がどうしているかな?と思った矢先に、私が現れたので、
驚いたようだ。
 しばらく立ち話。

「カメラのさくらや」で、ハードディスクを買うのに、ちょっとドキドキ。
 ひとりでコンピュータ用品を買ったことがないので、はじめてのおつかいみた
いなものだ。
 ちゃんとポスト・イットに、機種名は書いておいた。
 A−Dish 40GB HD Drive IEEE1394 yano だ!

 いきなり「40GBはもうメーカーが製造していないんで、60GBからしか
ないんですが…」といわれてしまう。
 げげっ。40GBでも驚いたのに、最低が60GBから!?
 容量が増えるのはいいけど、そこに入れたデータがいっぺんに吹っ飛ぶことを
想像することのほうが怖い。

 午後1時。帰宅。
『桃太郎電鉄11(仮)』の手直し作業。

 ついでに娘がクリアした『ポポロクロイス物語〜はじまりの冒険』のアルバム
部分を見たりする。
 同業者の仕事を見ると、シナリオも気になるけど、エフェクトの表現を見てし
まうことが多い。こういう稲光もいいなあ!といった風にだ。

 午後3時30分。柴尾英令くんが、到着!! 待ってました!

 実はこの1週間、札幌のスタッフから出ていた仕様書に対する質問への回答が、
どうにもまとまらなくて困り果てていたのだ。
 しかも、その仕様書を作ったのは、私なのだ。

 もう少し、具体的にいうなら、フロー・チャートの問題。
「はい」とか「いいえ」で、どこのメッセージに飛ぶか?
 ゲームをプレイしている人は、何の違和感なくやっているでしょうが、舞台裏
のほうは、汗だくなのですよ!

 とにかく、フロー・チャートの毛糸の糸がこんがらがるのですよ。
 それを一本、一本、柴尾英令くんと、解きほぐすのだ。

「さくまサン! ここの<はい>は、Aメッセージのほうに繋がりますね!」
「えっ? Gメッセージのほうに行くんじゃないの?」
「この仕様書は、いったい誰が書いたんですか!」
「私!」
「まったくもう!」
「私は、フロー・チャート音痴なのだ!」

 どうも私は、フロー・チャートを作るのが苦手でね。
 そのくせ、私が作るゲームは、ほかのゲームに比べて、2倍から、3倍くら
い、フロー・チャートが多いのだ。

 わずか1時間半で、いちばんこんがらがっていた部分が解決した。
 ふい〜〜〜ッ! もうぐったり〜〜〜!
 疲れるよ〜! 頭痛いよ〜!

 愚痴を言っちゃいけないんだろうけど、ゲーム作りのこういうフロー・チャー
トって、数学にたとえると、80点じゃいけないんだよね。100点満点でない
と、コンピュータは動いてくれないんだよね。
 勉強のほうが、ほんと楽ですぞ! 現役の学生のみなさん!
 80点取ったら、すごい人なのに、お仕事だと、ダメな人になっちゃうんだか
ら!

 午後6時。うちの家族3人と、柴尾英令くんの4人で、近所の「鶏味坐(とり
みくら)」へ。
 焼き鳥、お豆腐、薬膳お粥、春雨サラダ、きのこのサラダなど、ばくばく、も
りもり食べる!

 午後7時。自宅に戻って、再び『桃太郎電鉄11(仮)』の続き。
 仕様書のフロー・チャートで、こんがらがっているところを、柴尾英令くん
が、一本、一本、ほぐしてくれる。

「さくまサン! ここの<はい>が、こっちに繋がるから、ここにメッセージを
入れてください!」
「あいよ!」
「さくまサン! ここの<いいえ>は、スタート画面に繋がります!」
「柴尾くん! 電気屋さんみたいに、よく配線がわかるねえ!」
「っていいますけど、このゲームを作ったのは、誰なんですか!」
「私だ!」
「だったら、自分でわかるでしょうが!」
「作ることは、作れるんだけど、ちょっと間をおくと、どういう配線にしたか、
自分でこんがらがっちゃう!」
「まったくもう!」

 とにかく、柴尾英令くんのおかげで、ようやく周回遅れを解消することができ
た。ありがとうございます! 便利な男だ。
 ついでに、外付けハード・ディスクの設定までやって行ってくれる。
 頭脳は、R2D3。性格は、C3POみたいな男だ。わっはっはっは。

 午後10時。柴尾英令くんが、帰還する。

 頭をつかい過ぎたので、クール・ダウン!

 きょう、柴尾英令くんに来てもらったのは、明日の夜から、また取材旅行にで
かけようと思っていたからなのだ。
 ところがなんと! 行きたい場所に、台風6号が近づいて来ている。
 困ったなあ。またしても中止だ。
 実は、この行きたい場所は、今年に入って、早くも2回中止している場所だ。
 どうもすんなり行けない。

 東京で仕事してるかな…。
 

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