7月5日(金)

 し、し、し、しまったあああああっ!
 鎌倉に行くのに、VAIOのACアダプターを自宅に置き忘れてきてしまった
ああああっ!
 気づいたのは、午後4時の品川駅構内!
 あんぎゃあ! ふんぎゃあ! ほんぎゃあ!

 1年に1度くらい、何をやっても泥沼にずぶずぶと潜って行く日があるもんだ
けど、きょうはそんな日。
 これで今年の役払いになったと思えば、気も楽になるだろう。
 そんな1日の一部始終をお見せしよう(『マネーの虎』の口調)!

 午前11時30分。嫁と「表参道蕎麦工房」へ。
 食後、表参道を散歩したのち、ガーデニングのお店で、コーヒーブレイク。  午後12時30分。私だけ早く自宅に戻って、『桃太郎電鉄11(仮)』のテ スト・プレイ。  午後2時。日経ネットの取材を受ける。  最近の私への取材は、だいたいゲームと『ジャンプ放送局』の思い出話だった りするので、こっちもなつかしくて、楽しい。  取材の人が、子どもの頃、どういう気持ちで、『ジャンプ放送局』を読み、 『桃太郎伝説』または『桃太郎電鉄』にはまって行ったのか、軌跡がわかるのも 楽しい。
 きょうの取材の人も、見事なまでにジャンプ世代だった。    午後3時30分。安価のわりに壊れない旅行用キャリーバッグを引きずって、 原宿駅へ。おお! そうだ。Suicaカードの追加チャージをしておこう! 何か Suicaのお金を補充するのって、ゲームのみたいで楽しいよね。タッチ&ゴー!  Suicaって、東日本専用のプリペイドカードだから、関東地方の人にしかわか らないカードだった。  カードが通帳の機能になっていて、お金を注ぎ足すと、ずっとつかえるオレン ジカードみたいなものだ。自動改札のとき、Suicaの入った財布を、マークに触れ させるだけで、改札を通れるのも魅力だ。  午後4時。品川駅。  どうも山手線に乗っていたときから、妙な胸騒ぎがしていた。  品川駅の駅そばの近くで、キャリーバングをおっぴげる。  何もこんな人通りの激しい場所で、ご開帳せずともいいのだが、妙にACアダ プターを忘れてきた方向へ確信がある。  横浜ベイスターズの四球ばかり出す投手が、連打されるのを予感できるような ものだ。  無い! やっぱり無い!  VAIOのACアダプターが、無い!  ふんぎゃあ! あんぎゃあ! ほんぎゃあ!  どうする? 品川駅から、また原宿駅まで戻って、バスに乗って、自宅まで戻 って、ACアダプターを取って、またおなじパターンで戻るか?  品川駅からタクシーで戻るのがいちばん楽だけど、夕方のラッシュ時にタクシ ーに乗ったら、自宅まで1時間以上かかってしまうはずだ!    嫁に電話する。嫁は明日、鎌倉に来ることになっている。  けっきょく、今夜遅く嫁が、ACアダプターを持って、鎌倉の仕事場まで来て くれるそうだ。  こんなことなら、明日嫁といっしょに鎌倉にくればよかった。  一応、明日の午前中、鎌倉に来ることになっている井沢どんすけに電話を入れ るが、電話にすら出ない。敵に回すと恐いが、味方にするともっと恐い男に期待 するほうがおかしいことは、百も承知。  午後4時19分。品川駅から、横須賀線に乗る。  横須賀線で、VAIOを開いて、仕事をしようと思っていただけに、ぐじぐじ 悔やむ。ぐじぐじ…。  午後5時。鎌倉駅。  江ノ電側の改札口から、出ようとしたら、なんと!  Suicaが無い!  原宿駅で、大金1万円をチャージしたはずのSuicaが無いっ!  きょうは、VAIOのACアダプターだけでいいじゃないか!  改札口の脇で、ショルダーバッグをひっくり返す。  無い! 無い! 無い!  検札の車掌さんが来たときには、あったのだから、横須賀線のなかだ。  1万円は痛い!  早く、鎌倉長谷の仕事場へ行こう!  こんな日は、うろうろしても仕方ない。  小町通りの「崎陽軒アンテナショップ」で、シウマイ弁当を買って帰ろう。  とぼとぼと、小町通りを歩く。  げげっ! 崎陽軒のアンテナ・ショップは、宝くじ売り場になっていた!  しょえ〜〜〜! 3連打を浴びてしまった!  マウンド上で、投手が火だるまって、やつだね!  お腹も減って来た。  鎌倉駅前に戻ると、鳩サブレーのビルの3Fの「扉」の店先にメニューが張り 出されていて、はやし重という和風ハヤシライスというおもしろい食べ物があ る。 きょうみたいに、ツキの無い日は、せめておもしろそうな食べ物でも食べ て、気持ちよく気分転換しよう。 「扉」で、はやし重を注文。  デジカメしなくちゃ!  あっ。  え……?。  そ・ん・な・馬鹿な・・・・。  そこまで…?  デジカメが無いのである。  鎌倉駅で、鞄をひっくり返して、Suicaを探したときに、ショルダーバッグに、 デジカメがはみ出るように入っていたので、早くお店に入って、デジカメをキャ リーバッグのほうに移し変えたいと思っていたのだ。  落としたらいけないから早くと、思っていらだけに…。  くやしい。あまりにも悔しい!  もう、はやし重を食べる気力すらない。  わずか1時間の間に、ACアダプターを忘れたことに気づき、Suicaカードを 置き忘れ、デジカメを紛失するか? シウマイ弁当も買えないし…。  たぶん、はやし重は、美味しい思う。  和風のハヤシライスという発想がいいし、色も味もよかったはず。  とにかく、またもう一度、このお店で、はやし重を食べるよ。  今は何を言ってもむなしいだけだ。  食後、一応、念のため、鎌倉駅まで行く。  みどりの窓口の人に、デジカメが届いていないか聞く。  無い。    ついでに、改札口の駅員さんにも聞いてみる。 「あの〜。デジカメが遺失物で届いていませんか? 金色の袋に入ったやつなん ですけど…」 「あっ!」と、駅員さんは声を上げて、後ろから、デジカメを出してきてくれた ではないか! よかった〜〜〜!  きょう、家から持ってくるとき、以前撮った画像をまだコンピュータに移して いなかったので、なくしてはいけないデジカメだったのだ。  ふい〜〜〜! 危険がいっぱい。  午後6時。何はともあれ、少し気分回復。  何だかこのまま帰るのも悔しい。  ふと前方を見ると、不二家が。  おお! こういうときにこそ、この世でいちばん好きな食べ物・不二家のショ ートケーキを食べて、うさを晴らすしかない!  ずっしり疲れているはずなのに、旅行用キャリーバッグを引きずり、さらに不 二家の2階まで、どかどか登って行く。  ひいひい。はあはあ…。疲れた。  ウェイトレスさんに「ショートケーキにコーヒー!」と告げて「ふい〜!」 と、ひと呼吸入れる。  しかし、ウェイトレスさんは、無情にも「あの〜、ショートケーキは品切れに なってしまったんですけど…」。  な、な、何だってえ!?  不二家にショートケーキが無いだって〜?  それはCD屋に行って、サザンオールスターズのCDがすべて売り切れです! というのと、おなじようなものだろ! 「フルーツティラミスケーキなら、あるんですけど…」 「ええ〜! ど〜れ〜!」  もはや、気持ちぐったり。  ちっとも私に幸せの波が寄ってこない!  写真を見る。まあ、ショートケーキに似てなくもないから、いいか。 「じゃあ、フルーツティラミスケーキにコーヒーを!」  とにかく甘いものが食べたい気分。  ああ! 嫁がACアダプターを持って来れないようなら、この日記を2〜3行 書いて、送ってすまそうかと思っていたのに、こんなときにかぎって、話題が豊 富だ。しかも悪夢ばかり。  あれ? ウェイトレスさんがまたやって来た。 「あの〜、ショートケーキがまだひとつだけあったんでけど、ショートケーキに しますか?」 「ぜ、ぜ、ぜひとも!」  まるで『桃太郎電鉄』で、貧乏神のモーフィングが、キングボンビーにならず に、ミニボンビーですんだようなものだ。きら〜〜〜ん!  不二家のショートケーキを食べて、にっこり。  隣りの席では、老婦人の先生らしき人が、何10年ぶりかで、お店で教え子の 家族に出会ったようだ。 やっと、ほかの人の動向を気にすることができるよう になったぞ。  きょうは、本当にぼ〜〜〜っとしていたからなあ。  午後7時。鎌倉長谷の仕事場へ。  ここでまた鍵が…!って、なったらもう私は立ち直れないよ。  思わず玄関に立つ前に、ポケットに手を突っ込んで、鍵の有無を確認してしま ったよ〜! あった。あった。  コンピュータがつかえないので、『桃太郎電鉄11(仮)』のテスト・プレイ を始める。  不調の1日でも、『桃太郎電鉄11(仮)』は、コンピュータ相手に圧勝!  なぜまだ未調整のCOMキャラに、井沢どんすけは負けるのかなあ?と、いぶ かしい。また明日井沢どんすけは負けるのかな?    午後8時30分。えっ? もう嫁が到着?  ありゃま。飯も食わずにACアダプターを持って直行してくれたのかあ! 申 し訳ない。  おまけに、Suicaの紛失も、JRに問い合わせして、品川駅で奮闘してくれた ようだ。でも逗子駅の係りの人が電話に出ないようなので、けっきょく紛失のま ま。  嫁は食事に。  私は『桃太郎電鉄11(仮)』の手直し作業を開始。  まずは一件落着。  よかった。よかった。  なんだ、とっても疲れた…。
 

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