6月3日(月) 昨夜、DVDで『ゴジラ×メガギラス』を見ようとしたら、ゴジラの鳴き 声や音楽は聞こえるものの、話し声が聞こえない。 鎌倉のDVDは、液晶画面がついているタイプで、TVとピンジャックで 接続している。 早い話、液晶のほうの音は聞こえるのだ。 ということは、TVが悪いのか? TVに接続する白、赤、黄色のピンジャックを何度差し込みなおしても、 音声の一部分が抜けている。 おまけにディスク2の特典映像のほうは、しっかりインタビューの声まで 聞こえるのだから、TVのせいではない。『ゴジラ対モスラ』のディスクも 入れてみた。ちゃんと動く。こりゃ、絶対、ディスクが不良品ですな。 DVDが見れないので、『秘密の手帖』(いしかわじゅん・角川書店)を 読み始めたら、止まらなくなってしまって、分厚い本なのに、一気に読み切 ってしまった。 いしかわじゅんサンの文章は、本当に上手い。 無駄な言い回しがまったくない。 軽妙で、知的で、リズムがある。 横浜ベイスターズでいうと、三浦投手のピッチングだ。 この本には、私も登場する。 いしかわサンの文章に補足しておくなら、私がいしかわじゅんサンと初め て会った場所は、『月刊OUT』を発行していた、みのり書房の編集部だ。 たしか、いしかわじゅんサンは『PEKE(ペケ)』用の漫画を持って来 ていたはずだ。間違いないのは、そのとき持って来ていた原稿が『パンクド ラゴン』だったからだ。 これは、アニメになるキャラだなと、そのとき思った。 私の漫画に対する予想は、90%の確率でよく当たるといわれたものだが、 ハズレの10%のうちの99.5%までが、いしかわじゅんサンに対してだ。 はっはっは、もっと漫画のほうで当たってもいいのだがなあ。 とにかく漫画以上に文章は上手い。 いしかわじゅんサンの文章が上手いという予想も見事当たっている。その 辺のことは『秘密の手帖』を読むと、さらにおもしろい。 午前9時。きょうの鎌倉は、曇っているので、日光浴ができない。 ノートに書きとめていた『桃太郎電鉄』シリーズのアイデアがいっぱいに なって来たので、ワープロに書き写す作業。 このメモがあれば、私が死んでからも、3作ぐらいは作れるはずだ 午後12時。嫁と、鎌倉浄明寺(じょうみょうじ)の近くの「左可井(さ かい)」に初挑戦。 穴子丼の美味しいお店とあれば、行くしかない。 行ってみて驚いた。 橋を渡った先の、ふつうの住宅なのだ。 住宅を改造してそのまま料理店にした感じ。玄関から家に入ると、アップ ライトのピアノが置いてある。調度品がけっこう立派だからいいけど、下手 すれば、民宿になってしまう。 昔、能登半島の民宿で、その家の子どもが3人、駈けずりまわる部屋で、 ご飯を食べて、落ち込んで以来、民宿には泊まらなくなった。 穴子丼は、美味しかった。私は、そうめんと穴子の小丼のセットにしたけど、そうめんも涼味たっぷ りで、穴子に合う。 小丼も、もう少し食べたかったと思わせるので、いい。 しかし、浄明寺(じょうみょうじ)の近くとはいえ、ほとんど住宅街のこ のお店に足繁く通うかというと難しいものがある。でも、満員だったのだか ら、味に対する人間の努力というのは、すごいものがあるなあ。 とはいえ、料理屋さんって、近くに本屋さんがある、パン屋さんがある、 喫茶店があるといった理由で、よく行くようになることって、多いよね。 午後1時。鎌倉駅前の新星堂。 『ゴジラ×メガギラス』のディスクの調子が悪いということを、店員さんに 伝える。 店員さんは、『ハリー・ポッター』のプロモーション・フィルムを停めて、 『ゴジラ×メガギラス』のお皿を入れる。 あれ? 音が聞こえるぞ。変だなあ。 店員さんに謝って、すごすごお店を出る。 壊れたと思って、電気屋さんを呼ぶと、動く電化製品みたいだなあ…。 鎌倉駅前のお店で、まぐろの西京漬けとか、焼き豚などを買って帰る。 午後2時。横須賀線に乗る。 午後3時。品川駅で、本とパンを買って、自宅に。 さっそく、DVDの『ゴジラ×メガギラス』を自宅の機械にかけようと、 ディスクを開いたら、まるで映画の1シーンのように、紙がひらりと落ちた。 拾って、その紙を読むと、「初期に発売されたプレーヤーの一部には、片 面2層方式ディスクの2層目を再生できないタイプがあります」。 げげっ。そうか。私のDVDプレーヤーは、古かったのかあ! たしかに自宅にあった古いDVDプレーヤーを鎌倉に送った覚えがある。 しかし、もう少し古いプレーヤーや、コンピュータを大切にした製品作り ができんもんかねえ。柴尾英令くんと、菅沼真理(通称:すがねまチャン) さんの最強コンピュータ復旧タッグのおかげで、私の2台のVAIOは蘇生 したんだけど、ウィンドウズ98のVAIOに、6月発売の「プロアトラス」 が入らないらしい。容量が足らないせいだ。 まだじゅうぶんつかえるのに、ソフトの容量のせいで、お払い箱にしない といけないのは、何か変だよなあ。 午後6時。鎌倉で買って来たお惣菜と、鎌倉長谷の仕事場の並びにある、 しらす直売所で買って来た釜揚げしらすで、ご飯。 まさに、釜揚げしらすのために鎌倉はあるというくらい、美味しいよ〜! おや。さくまにあの長老・錯乱坊主くんが、高松鬼無駅の桃太郎石像の版 画カレンダーを送って来てくれた。錯乱坊主くんは、除幕式のときに休みが 取れず、そのあとに石像を見に行ってくれたんだよね。 私も土居ちゃん(土居孝幸)も、除幕式当日は、式次第の段取りと取材に 終われ、実はじっくり石像を見ていないのよ。 どうせなら、貧乏神のモデルの榎本48歳といっしょにゆっくり見に行こ うと思っているんだけど、私と土居ちゃんが、えのクンを招待するといった ばかりに、えのクンの「遠慮トーク」が炸裂して、いまだに行けない。まっ たく榎本48歳の過剰遠慮は、昔からけっこう迷惑なのだ。 二度断っても、三回目を誘うと、快諾する。しかも行くと、ひとりではし ゃぎまくる。だったら、1回目でOKしてくれよなあ。 午後7時。蘇生したウィンドウズ2000のVAIOを、ならし運転開始。 再インストールして、初期化してしまったので、ウィンドウズ98とおな じ使い方ができるようにするのが、大変。 ウィンドウズは、カスタマイズできるのが、魅力なのに、最初から大きな お世話で付いている機能が多すぎる。今も、フォルダを移動させても、初期 位置に戻るシステムが作動して、うっとおしいったら、ありゃしない。 カスタマイズというよりも、いらない機能を外すのに四苦八苦するという のも、変だ。 ブックマークもどこに行ってしまったのか、わからず、けっきょく嫁を呼 ぶ。嫁でもわからないので、菅沼真理(通称:すがねまチャン)さんに電話 して、電話口で操作方法を教えてもらって、嫁がブックマークを引っ張り出 してくれた。私なら、すがねまチャンに聞いた言葉を、半分も理解できない だろうなあ。 午後8時。『ゴジラ×メガギラス』の続きを見る。 どうも平成版ゴジラで、キングギドラが出てきたあたりから、私は『ゴジ ラ』シリーズを見なくなっていたようだ。『ゴジラ対デストロイア』とか平 成版『ゴジラ対メカゴジラ』を見ていない。平成版『ゴジラ』なら、群集の ひとりとして、参加もしているのだが。 『ゴジラ』シリーズは、『桃太郎電鉄』シリーズのゲスト怪獣のお手本だか ら、いろいろ映画を見ながら、感じるところは多い。 巨大さを表現するには、音楽の低音部をつかうといいという伊福部さんの インタビューでの言葉は重い。 いつもゲスト怪獣の曲を頼むときに、カズ坊(関口和之)に「低音つかっ てね! 低音つかってね!」というのは、偶然ではなく、理論としてあった んだなあ。 あと平成版『ゴジラ』のときに、取材でお世話になった、ゴジラのなかに 入る人・薩摩剣八郎さんという人は、すごくいい人だった。しかも、ぬいぐ るみに入って、よくあれだけ機敏に動けるものだと、当時感心したものだけ ど、今映像で見ると、動きすぎて、ゴジラの重厚さが薄くなっているように 感じた。 『ゴジラ×メガギラス』で、ゴジラの動きが遅くなっているのを見て、気づ いた。 『ゴジラ×メガギラス』のゴジラの造形はいいね。 動けないところを、必死に動く努力はすばらしいけど、動けないからよか ったものもあるのだから、つくづく仕事って正解がないよね〜! 「勝てば官軍」とは、よく言ったものだ。 「勝てば、正解」ですな。 午後9時。『桃太郎電鉄13(仮)』の仕様書作り。本格的に、私はいった い今、どの『桃太郎電鉄』を作っているのか、わからなくなって来たぞ。
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