5月16日(木)

 午前11時。嫁と、銀座の「渡辺内科クリニック」へ。
 先月、血圧の薬を2錠から、1錠に減らしてもらっただけに、きょう、
血圧が高いと、また2錠に増えてしまう。
 横浜ベイスターズの9連敗で、血圧上昇にじゅうぶんな材料を背負って
来ているだけに、ドキドキする。
 結果は、138―88! やった、低いぞ!

 先月の血液検査の結果も教えてもらった。
 私は、あまり血液検査の用語自体も知らないし、数値の良し悪しも、と
んと検討がつかぬ。数値マニアの人に向けて、一部紹介してみよう。
 左が、私の数値。右が、基準値。

 総蛋白        7.4   6.5〜8.2  
 GTP       24     5〜45
 血糖値      109    70〜110
 総コレステロール 198   150〜219
 中性脂肪     107    50〜149

 まあ、とにかく、どの数値もいいそうだ。
 何だかわからないんだけど、「いい!」といわれることは、うれしいこ
とだ。 

 午前11時30分。「煙事(えんじ)」にて、読売広告の岩崎誠と待ち
合わせ。
 キャベツとひき肉のカレーを食べながら、あれこれ、懸案中の企画の打
ち合わせ。非常に興味のある企画だけに、決まるといいなあ。

 午後1時30分。帰宅。
 ちょいと『桃太郎電鉄11(仮)』のサーバーを覗いたら、札幌からたくさ
ん質問が出ていたので、あわてて、仕様書の再検討に入る。
 質問というのは、その仕事を熱心にやっているときにしか出ないものだ
から、答えるのは大変だけど、まったく質問が出ないより、圧倒的にうれ
しい。

 午後3時。赤坂のプリンスホテルへ。
『週刊コミック・バンチ』の「第1回世界愛読者大賞」の発表会+『週刊
コミック・バンチ』創刊1周年記念パーティ。
 すごいもんだねえ。わずか創刊1年目にして、毎年『週刊少年ジャンプ』 とおなじ規模のパーティを開いちゃうんだからなあ。出版史上、類の無い 快記録だ。今でも常時70万部という数字は、どの雑誌も部数を落として いる出版界では、稀有な存在だ。  会場で、『報復のムフロン』(原作・上之二郎/作画・小野洋一郎・新 潮社)の原作者である、上之二郎さんに会うことができた。
 上之二郎さんは、社会派のルポライターとして、業界筋では有名な方で、 私がこの業界に入るきっかけになった人でもある。  この辺の話は、非常におもしろい話なのだが、上之二郎さんは業界の先 輩であるからして、下っ端である私の側からは詳しく書けない。  上之二郎さんの愛すべき凡ミスのおかげで、私は人生の師匠である、当 時『週刊プレイボーイ』の編集者・花見萬太郎さんに巡り合うことになる から、人との出会いは、どこでどう乗り換え駅になるかわからないものだ。  間違いなく、24歳当時の私は、上之二郎さんに会い、花見萬太郎さん に出会うことで、鈍行から、少なくとも、準急列車に乗り換えることがで きた。    漫画家のいしかわじゅんサンにも、ひさしぶりに会う。  毎日、いしかわサンのホームページを、ニュースのように読んでいるの で、ひさしぶりな感じがしない。  いしかわじゅんサンは、おそらく日本でいちばん漫画の好きな人だと思 うのだが、その情熱と、接し方が、20年以上も前から、まったく変わら ないのだから、すごい。  きょうも、「第1回世界愛読者大賞」のグランプリに決まった作品では ないほうの作品に高い評価を与えていた。私も予想していた作品が、受賞 しなかったので、ひとしきり、いしかわサンと、なぜ何だろうと、分析。  ちょうど、この「第1回世界愛読者大賞」に、読者代表として参加して いた、さくまにあの馬場大くんが、会場に来ていたので、選考方法など聞 いて、再び、いしかわサンと首をかしげる。
 ひとつには、読者投票の場合、マニア向けの作品に投票が集中するのは、 昨今の風潮だから、その辺が左右しているのだろう。  昔は、マニア向けの漫画が人気アンケートで、低迷して、単行本になる と売れた現象が、逆になりつつあるようだ。  まあ、結果は、次週の『週刊コミック・バンチ』でお確かめくだされ。  とにかく、話題騒然の優勝賞金である5000万円は、グランプリ作品 に対して送られた。4コマ漫画でも、賞金500万円であった。 「昔は、漫画賞の賞金100万円で驚いたものなのになあ…」と、いしか わじゅんサン。  会場では、「まんがの森」の印口(おしぐち)さんやら、A.I.Iの高橋 信之(元スタジオ・ハード)など、業界の古い知り合いの人たちと再会。    午後6時。パーティ終了。  会場の来客者の多さにも、驚いたけど、私は3時間ずっと会場で、イス にすわらずにいられた自分に驚く。血液検査の結果もよくなったけど、体 力もついて来た。   コアミックス代表取締役の堀江信彦くんと、声優できょうのパーティの 司会を務めた神谷明さんに挨拶して、帰る。  午後6時15分。神宮前の「おけいすし」へ。  お店に入って、イスに座るや、ご主人がもうひとりの板前さんに向って、 叫ぶ。 「いいか! きょうは余計なこと言っちゃダメだぞ!」 「へ?」と、板さん。  おや。ご主人は、横目で、私のほうを見て微笑んでいるぞ。  ああっ。そうか。ご主人は、私が熱狂的な横浜ベイスターズ・ファンだ ということを知っての演技か。 「はっはっは。別にいいですよ。横浜ベイスターズ・ファンはこのくらい の連敗は慣れっこですから!」  お客さんが入ってくるや、お客さんの身辺のことについて、猛烈な勢い で話題を検索しているご主人は、見事なものだ。 「そういえば、このお店は、横浜ベイスターズにとって、縁起のいいお店 だから、ひょっとすると、連敗が止まるかも…」と、言って、携帯電話で、 速報を見るが、やっぱり負けている。  相手は、阪神の井川投手だからなあ。  奇跡が起きる確率は、低いよなあ。  午後7時30分。帰宅。  テレビ神奈川のスイッチを入れるや、横浜ベイスターズは、またたくま に点を入れられて行く。嗚呼! こうなることは覚悟していたけど、早過 ぎ!  せっかく、新人の後藤投手が、5回まで1点に押さえる好投をしたんだ から、打線が答えなきゃね〜!  でも、私のような横浜ベイスターズ・ファンにとっては、連敗のおかげ で、期待の新人選手がたくさん見られるという点では、けっこううれしか ったりする。  きょうも、後藤投手、東投手の投球を見ることができたし、ごひいきの 小池正晃選手、内川内野手などの打席を見ることができるから、新鮮。  小池選手とか、内川選手のように身体の大きな選手は珍しいから、今後 が楽しみ。  それにしても、連敗を止められないのは、ムード・メーカーの佐伯選手 と、中根選手が、ケガでいないせいだろうなあ。  ヤクルトの池山選手とか、トレードしてくれないかなあ。  W杯に出られないなら、ゴン中山でもいいぞ。  ああいう選手が今の横浜ベイスターズには必要だよ。  明るい選手がほしい。  そう思うと、現在の桃太郎チームの柴尾英令くんのおっちょこちょいな 明るさ、土居ちゃん(土居孝幸)のいいかげんさ、井沢どんすけのチャラ ンポランな性格は、貴重に思えてくる。     みなさま、現在渡米中の柴尾英令くんは、期待通り、ハリウッドにて、 デジカメをテーマパークに置き忘れたそうですぞ。早いなあ。 「きっと、今ごろ、柴尾英令くん、アメリカで何か忘れているんだろうな あ」と、この日記に書く間も与えてくれないもんなあ。はっはっは。  明日あたりの柴尾英令くんの日記が楽しみだ。  そんなことをいってるうちに、0対8で、横浜ベイスターズは、めでた く10連敗と、大台に乗った。  ここまで来たら、30連敗ぐらいして、連敗ストップの瞬間を見たさに、 球場が超満員になるぐらいの話題を作ってほしい。  明後日から、巨人2連戦。  もう12連敗は確定したようなものだ。  5月21日からの広島3連戦が、30連敗達成への大きな壁だな。ふふ ん、ふんふん。
 

-(c)2002/SAKUMA-