4月17日(水) 午前11時。嫁と、銀座の「渡辺内科クリニック」へ。 ひさびさに病院が空いていたので、レントゲン、心電図など撮ってもらう。 いずれも異常なく、血圧も130―86の絶好調! 採血もしてもらう。 今月も先生に「まだ血圧の薬、減りませんか?」と尋ねる。 「どうしても、薬減らしたい?」 「血圧の薬が1錠増えた理由がわかっているだけに、できることならぜひ!」 「じゃあ、毎日1錠にして、様子を見てみましょう!」 やったあ! ついに血圧の薬が減った! くそったれ〜いッ! ××××に、××××! ××××の部分に、人名を入れたいところだ。 午前11時30分。電通ギャラリーで、沖縄特集を覗いたあと、「煙事 (えんじ)」へ。キャベツとひき肉のカレー。嫁は、うなとろ丼。ほどなく、ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くんが来る。 梶野竜太郎くんは、昨日の私の日記の内容を心配して、来てくれたのだ。 『桃太郎電鉄11(仮)』のサーバーについて、しんどいって書いたから ね。 サーバーについて、しんどいのではなく、仕事内容がしんどいのだ。 たとえば、『桃太郎電鉄X(ばってん)』で、こういうメッセージがある。 ○○○○社長の 持ち金 **億****万円! 見慣れた文章だと思うが、今回私は『桃太郎電鉄11(仮)』で、この メッセージを、以下のような従来の文章に戻したいと思っている。 ○○○○社長の 持ち金は **億****万円に なった! こっちの文章のほうが、情緒があって、自分では好きだったのだ。 何だ。そんなことか。簡単じゃないか?と思うでしょ。 文章を直すだけだから。 「は」と「に」と「なった!」を追加するだけじゃないか? その通り! ゲーム中に登場する文章を直すのは、実に簡単だ。 ところが、原本である私が書いた、ゲーム仕様書のほうも直さないとい けないよね。 この文章を直すとなると、仕様書にある260数ヶ所を全部直さないと いけないのだ。全仕様書をひっくり返して、ひとつひとつの文章を読み直 して、訂正しないといけない。 ちなみに文書名だけで、500近くある。 そのうちから「260数ヶ所」というのが、気が遠くなるでしょ? あまりにも『桃太郎電鉄』の仕様書が膨大になった弊害だ。 いわば、百科事典全26巻の「ニホン」という表記をすべて「ニッポン」 と訂正するようなものだ。一括変換できればいいけど、そうもいかない。 午後1時。梶野竜太郎くんといっしょに、築地のハドソンへ。 きょうはアニメ・チームと、音楽チームの2本の会議が入っている。 まずは、アニメ・チームのメンバー。ハドソン札幌の吉見直人さんに、 「スタジオたくらんけ」の近藤康彦さん、山田浩之さん。 音楽チームのメンバーは、ハドソン札幌の佐藤昭洋さん。池毅(いけ たけし)さん。辻邦博さん。宮路一昭くん。 このメンバーに、土居ちゃん(土居孝幸)と、柴尾英令くん。 最近、井沢どんすけが会議に参加していませんなあ! 実は、「こんな会議、わざわざ自分が出るほどではない!」と言って、 来ないのである…というのは、嘘で、きょうは任天堂との打ち合わせで、 京都に行っている。最近、井沢どんすけは漫画原作者として、本当に売れ っ子になってしまって、なかなか会議に出られない。 スケジュール的には、すっかりサザンオールスターズの関口和之くん並 みである。井沢どんすけは! えらくなったもんだ。しみじみ…。 しかし、アニメ・チームと、音楽チームの打ち合わせを同時にやるとい うのは、ちょっと無理があった。時間をズラせばよかった。 とりあえず、音楽チームには、ちょっと待ってもらって、アニメ・チー ムと、オープニング・アニメの打ち合わせ。 以前、この日記で取材中に、ここを舞台にして、オープニング・アニメ にしたらいいねと言っていたのが、そのままつかうことになりました。 その場所は、私の日記から探し出してください。今は守秘義務発生中で、 多くを語れない。この日記から探し出す苦労をわかってもらうと、私が現 在苦しんでいる、しんどい仕事というのが、どんなものか、疑似体験でき ます。 引き続き、音楽チームと、打ち合わせ。 『桃太郎電鉄11(仮)』では、音楽の音が、飛躍的によくなりそうだ。 そのための、打ち合わせ。 なにしろ、作曲家が3人いるので、調和を取るのが大変。 でも、下手に歩調を合わせるよりも、お互いが個性を打ち出して、作品 がバトルしてくれたほうが、私としては、うれしい。 午後4時30分。2チームもいて、混乱はしたものの、打ち合わせ自体 は、順調で、わずか3時間半で終了してしまった。 もっと会議が長引くと、土居ちゃんが、サッカーのコスタリカ戦を見に 行くことができなくなって、楽しかったんだけどね。はっはっは。 けっきょく、コスタリカ戦は、引き分けでしたねえ。 午後5時。土居ちゃん(土居孝幸)、辻邦博さん、柴尾英令くん、嫁と、 私の4人で「茜屋珈琲店」でお茶。 辻邦博さんが、焼酎好きとわかって、柴尾英令くんは大喜び。 「酒飲みの自己弁護」の人が増えるとうれしい柴尾英令くんであった。 午後5時30分。銀座泰明小学校近くのおでん屋さん「おぐ羅」へ。 このお店は、なんと! ヤサカタクシーの宮本さんの紹介だ。 宮本さんのお客さんで、グルメの人が、東京でよく行くお店ということ で、教えてくれた。 おでんは、有楽橋の「よしひろ」とも違った味で、美味しい。 パカスカ、3人でおでんをパクリ。 さらに追加して、ぺロリ。 「これだけ、すいすい食べられるおでんというのも、珍しいねえ!」 おでんは、けっこう薄味。 鴨をゴボウで巻いて、串状にしたものなど、初めて食べた。 おでん以外にも、お刺身や、おつまみが多くて、酒飲みには、うれしい お店。 ブロッコリーに明太子がかかっているものなど、とにかく美味しい。 ご主人に、ヤサカタクシーの宮本さんの紹介で来ましたと伝える。 宮本さんから聞いていた人なので、初めて会ったような気がしない。 おもしろいねえ。人と人が出会うと、さらに多くの人と出会えるように なる。 午後7時。帰宅。 テレビ神奈川で、横浜ベイスターズ対ヤクルト戦を見る。 8時ぐらいに、ロドリゲス選手の満塁本塁打が出た! 横浜ベイスターズの選手が打った満塁本塁打なんて、楠10試合ぶりだ ろう。去年見たかなあ? 我が家は、神宮球場まで、歩いて10分ちょっとである。 思わず、今から見に行って、勝利の美酒に酔うかとも思ったのだが、そ れでは何だか、あとだしジャンケンで勝ったようなものだ。ガマンする。 何だい、あとだしジャンケンは、卑怯じゃなくて、ガマンかよ! はっは っは。 この調子で、横浜ベイスターズは1週間に一度くらい勝ってほしいもの だ。何て消極的な願望! とほほのほ…。
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