4月14日(日)

 午前7時。起床。京都のマンションにて、まだ松江―境港間の日記を書
いている。無謀な強行軍だった証拠だ。
 
 午前11時。ヤサカタクシーの宮本さんに迎えに来てもらう。
 霊鑑(れいがん)寺の近くのカレー屋さんまで行く。
 このカレー屋は、過去5回ぐらい運が悪くて、休業日に当たってしまっ
たりして、まだ一度もここで食べられたことがない。よほど相性が悪いの
かなあ。
 よーし。きょうはオープンしているぞ。
 待てよ。でも念には念を入れて、ドアを開き、「カレーはもう営業して
いますか?」「すみません、カレーは午前11時30分からなんです!」
 ふんぎゃあ! あんぎゃあ! とほほのほ!
 またしても、ダメかい!
 30分もここで待つのもなあ…。

 仕方なく、北白川のベーカリーレストラン「DONQ」へ。
 ここでもランチは、午前11時30分からといわれる。
 もう面倒なので、座席でランチの時間を待つ。
 5分ほどで、ランチの時間になった。
 レストランの朝食のようなスクランブルエッグにパンのプレート。

 午後12時40分。食後、2〜3週間ほど前にも行った、醍醐(だいご)
寺へ。
 あのときは、満開の桜が咲き乱れていた。
 今はすっかり桜の木は新緑になっているだけである。
 そんな醍醐寺になぜ、わざわざ来たかというと、「豊太閤大観桜行列」 があるのだ。  読み仮名と、文字がまったく一致していないので、今からルビをふる。 「豊太閤大観桜行列」。  この読み仮名は「豊太閤大観桜行列(ほうたいこうだいかんのうぎょう れつ)」と書いてあった。「桜」を「のう」と読ませるのは、初めて見た。  意味は漢字の通りだ。  前から、この行列は一度見てみたいと思っていた。  でもいつも桜満開のときに開催されるので、とても来れたものではない。  まだ足の不自由な私は、人ごみでもみくちゃにされたときに、踏ん張る ことができないので、人ごみは危険なのだ。  そこで、今年は桜の時期が異様に早かったから、ひょっとしたら、見物 客も少なくて、見やすいのではないか。そう予測したわけだ。  予測は、どうやら当たったようだ。警備の人たちの顔も心なしか穏やか だ。毎年、大変だから、きょうは楽なのだろう。  醍醐の花見というと、豊臣秀吉最後の花見として、有名だ。  その行列を見ることができる。  けっこう、わくわくする。  おお! 門が開いて、戦国時代の衣装を来た人たちが出て来たぞ。  増田長盛(ましたながもり)、長束正家(なつかまさいえ)、前田玄以 (まえだげんい)といった、五大老の下の五奉行が続々、登場する。  こんな名前の武将が出て来て、喜んでいるのは、私ぐらいのものだろう。  いわば、2軍の選手に一喜一憂しているようなものだからね。
 見物に来ていた若い女の子たちの興味は、かわいいか、かわいくないか にしかないようだ。 「あの人、きれいか?」 「ひとりいたで、きれいなんが!」 「この子、かわいい〜!」  どこでも3〜4歳児のよちよち歩きは、歓声と拍手が多い。
 豊臣秀吉に扮した人の登場だ。  どこかの企業の社長さんだそうだ。ひょっとすると、お金を出すと、 豊臣秀吉の格好をさせてくれるのかな?  豊臣秀吉と仲がよかったといわれる、醍醐寺の義演(ぎえん)僧正も登 場だ。
 北政所(きたのまんどころ)様、淀君(よどぎみ)に扮した女性陣も次 から次へと。  そろそろ、徳川家康とか、加藤清正、前田利家といったメジャーどころ の武将の登場かな?と思った瞬間、ヤサカタクシーの宮本さんが「これで 終わりですね!」という。  ええ!? でもまだ始まってから、8分間しかたっていないのですよ。  ありゃま。門が閉まっちゃった。  本当に終わりなの?  そ、そんなあ! 今回、この行列が見たくて、私だけ京都に残ったんだ よ〜!  2日待って、8分で終わり? がっくり。  でもまあ、めったに見れないものを、ほとんど最前列で見ることができ たから、よかった、よかった。秀吉マニアを自認しているのに、この花見 行列を見たことがないというのは、競い合ったときに、劣勢になる。…っ て、誰と競うのか、よくわかんないんだけどね。はっはっは。  午後1時30分。山科のマツヤスーパーへ。日曜大工用品のニックで、 スタッド・センサーというものを買う。部屋の壁のどこに「梁(はり)」 があるか調べることができる道具らしい。へ〜、そんな便利なものを売っ ているんだねえ。嫁に買って来てといわれて、買いに来ただけなんだけど ね。  世の中、便利なものがあるんですなあ。  こういう日曜大工用品のお店というのは、100円ショップのように、 別に欲しくないものでも、欲しくなる魔力がある。  きょうも意味なく、温度計がほしくなる。あぶない。あぶない。  スタッドセンサーと、トイレの匂い消しだけ買って、退散することに。  ヤサカタクシーの宮本さんのほうが、車用品を買っていた。つられたな。  午後2時。京都のマンションに戻り、日記の続き。  こんなに天気がいいのに、マンションにこもって、日記を書いていると いうのは、何だかもったいない。でも早く書かないと、溜まって行ってし まう。あんな強行軍の旅行を溜め込んだら、とても書く気がしなくなるよ うな文章量になってしまう。  きょうも、横浜ベイスターズ対阪神タイガース戦を見ながら、日記の執 筆。  ずっと、0対0の好ゲームを展開していたが、TV中継が終了したあと、 阪神に点が入ったようだ。  午後6時30分。御池地下街の「カスカード」で、買って来たパンで、 晩御飯。2日続けてのパン食で、体重を落とすぞ〜!  午後8時。NHKの『利家とまつ』を見る。もう三方が原の合戦まで来 てしまったのか。この調子だと、GW明けには、反町信長は死んでしまう のか? そんなに早くなっていいのか?  どうも大河ドラマとは思えない、スピードで話が進んでいる。  ようやく日記が、実生活に追いつきそうだ。  明日、東京に帰るつもりだけど、今回、京都のマンションでずっと日記 を書いていただけなので、もう1日滞在するかもしれない。  いつものように、風まかせだ!
 

-(c)2002/SAKUMA-