3月9日(土) だるい…。 でも風邪でだるいのか、花粉症で身体がだるいのか、どっちだかわから ない。 鼻水は少ないのだから、花粉症ではないのかなあ…。 午後12時。嫁と、伊勢丹デパート2Fの「アフタヌーンティー」へ。 手作りソーセージとポルチーニクリームのペンネにコーヒー。 食後、「カメラのさくらや」でゲームと、パソコン・ソフトを買う。 「プロアトラス」DVDのマック版を買いたかったのだが、マックは内蔵 できないそうだ。毎回DVDドライブに接続しないといけないらしい。せ っかちな私には不便の領域。 午後1時。帰宅。 『桃太郎電鉄11(仮)』の仕様書の手直し。 風邪気味のため、ちっとも進まず。 午後3時。井沢どんすけが来る。 きょうは、ひさびさに新作ゲームをいくつか、テスト・プレイしてもら う。 「井沢どんすけ! 『鬼武者2』は…」 「えっ!? 『鬼武者2』あるんですか〜! やった〜!」 「カプコンの岡本吉起くんが送ってくれたんでね。で、『鬼武者2』は最 後に…」 「がくっ!」 「何が、<がくっ!>なんだ! 当然だろ! ゲーム作りのお勉強になる、 見るからにつまらなそうなゲームからだ!」 ゲームでも映画でも、音楽でも、素晴らしいものには、隠し味が多すぎ て、その成分を分析することは、至難の業に近い。ダメな作品の失敗を真 似ないこと。 これだけで、そこそこおもしろいものが作れるものだ。 「それでは、スタートだ! 井沢どんすけ!」 スイッチが入って、オープニングをじっと見ている井沢どんすけ。 長い解説にうんざりする、井沢どんすけ。 「井沢どんすけクン! 同業者を貶(おとし)める場合があるんだから、 題名は言わないようにね!」 「はい。わかりました! えっ!? えっ!? 何だこれ!? おまえ は誰だよ! 説明長いなあ!」 ようやく、ゲームが始まる。 「何ですか、この『シム・シティ』みたいなゲームは?」 「たしかに似てるかな…」 「さっぱりルールがわからないですよ!」 「なるほど、ルールがわからないゲームは、楽しくないよなあ!」 「井沢どんすけ! このゲームの目標って何なの?」 「たぶん、人を増やすらしいんですけど…」 ダメなゲームほど、導入部で、情報量が多くなる傾向にある。 早く、ゲームのなかに入らせてほしいものだ。 という風に、井沢どんすけにゲームをやってもらうことで、ゲーム作り の大事なポイントを身体に焼きつけて行くのである。まあ、いわば、プロ 野球選手のバッティング・フォームのチェックのようなものだ。 「あっ、やばい! やばい! え〜、これキャンセルできないんだあ!」 ダメなゲームほど、キャンセルさせてくれない。 「え〜、昇給は無しなの〜?」 ダメなゲームほど、ゲーム前半で、ご褒美をくれない。 「人と会話しないとゲーム進まないんですけど、どんどん人が増えて行っ て、かったるいなあ! ほとんど文章おなじだし!」 ダメなゲームほど、先を見せないハードルがたくさん用意されている。 「それじゃ、井沢どんすけ! そろそろ次やるか?」 「できれば、はい!」 「次は、『いただきストリート3』行くか?」 「え〜〜〜、やばいなあ! 終らなくなりそうだ!」 「きょうは『鬼武者2』まで、行かせない作戦だよ、わっはっは!」 30分経過…。 「井沢くん、順調に負けていない?」 「えっ? あっ? いま、ビリです!」 「井沢どんすけは、ボードゲーム好きなわりに、下手だよなあ!」 「でも、いまから逆転しますよ!」 つねに逆転できそうな気分にさせてくれるゲームが、いいゲームってこ となんでしょうね。 「よ〜し! よしよし! エリアを独占したぞ!」 「株が値上がりしたぞ〜!」 「さくまサン! トップに立ちました!」 「えっ!? ホントかよ!」 1時間経過…。 「負けた…」 「は〜はっはっは!」 「途中まで、ぶっちぎりで勝っていたのになあ!」 「井沢どんすけ! 次はこれだ!」 「TVのCMで話題になってやつですね! どういうゲームなんだろう?」 「CM見たかぎりでは、私もどんなゲームなのかよくわからないんだよ」 30分経過…。 「何だか、よくわかりませんねえ…」 「井沢! 文字読みづらくない?」 「読みづらいですねえ!」 30分経過…。 「井沢くん、静かなんだけど…」 「何だかわからないですよ、このゲーム〜!」 「横で見ていてもつまらなそうだなあ!」 「なんか、緊張感ないですよ!」 「じゃあ、そろそろやるかい?」 「そうですね!」 「その前に、『ドラゴンクエスト7』だ!」 「100時間かかるじゃないですか!」 「はっはっは! うそ! うそ!」 「ありゃ、井沢、これは何だ!」 「布袋寅泰が、歌ってますね!」 「『鬼武者2』じゃないのか?」 「『鬼武者2』ですよ!」 「あっ。TVのCMでやっている主題歌か!」 「そうみたいです!」 「ええ? 1曲まるまる入っているのか?」 「ええ!」 「すごいことやるなあ!」 けっきょく、1曲聴いてから、スタート。 ゲームのオープニングは別として、いい曲だった。 デモ画面、スタート1 「井沢どんすけ、画像すごいね〜!」 「すごいですね〜!」 「ほとんど、黒澤明監督の『七人の侍』のなかにいるみたいだねえ!」 「ええ…」 もう夢中で、話しても答えてくれない。 返事がない。ただの屍(しかばね)のようだ…。 30分経過…。 黙々と、『鬼武者2』に熱中する、井沢どんすけ。 「おもしろい?」 「やっぱり全然違いますねえ!」 1時間経過…。 「井沢どんすけ! そこまで!」 「えっ!?」 「飯を食わせてくれ! 放っておくと、おまえ飯を食わずにやるし、終い には帰ってくれなくなるからな!」 「はい!」 午後7時。私、嫁、井沢どんすけの3人で、近所の沖縄料理のお店「藹 藹(あいあい)」へ。 「ボク、沖縄料理、好きなんですよ〜!」 「ええっ!? 井沢どんすけが?」 「はい!」 「はいって、そんなに白い顔で、彫りがまったくない、カンタンな顔した やつが、沖縄好き?」 「ゴーヤチャンプルーとか、ソーキそば、好きなんですよ!」 「私は井沢どんすけが、食事の好みをいうようになったこと自体に驚くよ!」 「は〜っはっはっは!」 「井沢くん、自分で自分のことを笑わないように!」 午後8時。帰宅。都合よく、井沢どんすけに、原作のネームの直しの電 話が入ったので、井沢どんすけは自宅に戻ることに。 よかった。井沢どんすけが『鬼武者2』にハマったら、絶対帰らない。 私は、『桃太郎電鉄11(仮)』の手直し作業を。 ダメだ。ほんとに力が入らない。 仕事内容を、調べ物に変えよう。 大事な部分を直すには、パワーと集中力がいる。 いまは風邪を直すほうが、先だ!
●3月31日(日)午前9時〜。鬼無(きなし)駅ホームにて。 四国高松「桃太郎電鉄石像」の除幕式
●3月26日(火)午後7時開演。浜離宮朝日ホール(築地) |
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