３月３日（日）

　土曜深夜に『マネーの虎』という番組をやっている。
　若者がペットショップを開くための資金１３００万円を調達してほしい
とか、新商売をしたいから、５００万円ほしいと、プレゼンする番組だ。

　この番組に出場する若者たちの考えの甘さが、見ていて気恥ずかしい。
　資金を出すかどうかを決めるのは、百戦錬磨の叩き上げの社長さんたち。
いずれも胡散臭い顔のわりに「君の夢には、裏づけがまるでない！」
「３０歳は、ひとつぐらいスペシャリストになっていないといけない年齢
のはずだ！」と言うことはまともで、手厳しいことをいう。
　それに対して、ムッとする若者。資金を出さないほうがおかしいと言わ
んばかりに、ふくれっ面をする。愛嬌と、謙虚さがまるで感じられない。
ダメな若者ほど「絶対、自信があります！」と宣言する。根拠のない自信
にすがって、ちっとも具体的な数字を言うことができない。
　ほとんどの企画がボツで終るのは、当然だろう。

　まあ、ＴＶ番組でお金を援助してもらって、何かしたいということ自体、
考えが甘いから、こんな人たちしか出場しないのだろう。
　この若者たちの甘ったれぶりは、反面教師として、いい教科書だ。
　
　このすさまじい番組が、４月から８時台のゴールデンに進出するという。
　深夜だからこそ許されるような番組なだけに短命に終ってしまいそうで、
もったいない。生き残ったとしても、毒は消えてしまうだろう。

　午前１０時３０分。嫁と、高円寺の整体さんへ。
　先週の京都滞在中から、左肩が痛くて仕方が無かったので、予定を早め
てもらって、きょう見てもらった。
　どうも単なる肩こりらしい。
　京都にいるときは、気をつかう相手に会うこともないので、不思議だ。

　午後１時。高円寺の整体さんの道路向こうの「一蔵（いちぞう）ラーメ
ン」に初挑戦。醤油野菜味。
　北海道の黄色い麺をつかっているようだ。スープも醤油味といいながら、
味噌っぽくて、胡麻の風味もする。
　美味しいと思うのだが、このお店の壁には、まったく能書きが書いてい
ない。
　タレントの色紙が２枚貼ってあるだけで、ほかは何もない。
　方針なのだろうか？
　最近、壁じゅうに「ラーメンの食べ方」「この店のラーメンの由来」が
書かれたお店が多いだけに、逆を狙ったのか。なにしろ何の情報もないの
で、想像することもできない。奇妙なり。
　
　午後１時３０分。高円寺の「不二家」で、きょうから新発売の「おすわ
りポコちゃん」を買う。「おすわり」シリーズの第３弾目だ！　１０００
円の買い物または１０００円分レストランで飲食すると、「おすわりポコ
ちゃん」を、６８０円で購入することができるシステム。
このシステムに不満はないのだが、困ったことに不二家の商品は、どれも
これも３００円のものが多いだけに。なかなか１０００円をつかい切るこ
とができない。
　嫁が「ケーキ食べる？」と、夢のようなご神託を宣下してくれたので、
「もちろん！」と答える。「どのケーキ？」「プレミアム・ショートケー
キ！」と即答。
　誕生日でもないのに、不二家のケーキを食べられるなんて！
　どんな一流のお店の美味しいケーキよりも、やっぱり私には、不二家の
ショートケーキが、いちばん美味しいなあ。

　午後２時。帰宅。
「びわ湖マラソン」を見ながら、ほくほく顔で、不二家のショートケーキ
を食べる。マラソンを見るのが好きなのではない。沿道の景色を見るのが
好きなのだ。
「あっ！　あれって、石山寺じゃない！？」
『桃太郎電鉄』の取材シリーズで覚えた景色を垣間見るのが、好きなのだ。

　優勝選手が決まったあたりで、仮眠。

　午後４時３０分。仮眠のつもりが、熟睡。

　午後６時３０分。嫁と、原宿の広島風お好み焼き屋さん「格好悪奴（か
っこーわるつ）」へ。
　業務連絡！　放送作家の福本岳史くん！　「笑福会」のとき、このお店
を借り切るのいいかも。全席埋まっても、２０名だから。お好み焼きも美
味しいし、場所も原宿駅から表参道に向って歩いて、右側と教えやすい。

　午後７時３０分。帰宅。
　時刻表やら、旅の本やら、ひろげてあれこれ思案。
　次の旅先をシミュレーションだ。
　日本じゅうで、まだ行ったことのない場所は、それだけ行くのが困難か、
行っても何も無い場合が多いので、効率よく回るのが難しい。
　先週の三重県関（せき）町とか、兵庫県篠山町のような町がそうそうあ
るわけでなし。

　午後８時。ＮＨＫ『利家とまつ』を観る。
　すごいねえ。徹底して、合戦シーンを排除しちゃうなんて、大河ドラマ
史上初の試みだ。豊臣秀吉の墨俣一夜城も、あっさりカットだ。織田信長
の稲葉山城攻略も無し！
　良し悪しは別として、トレンディドラマの俳優さんたち総出演だけに、
生臭さを嫌ったんだろうなあ。見事な思い切りだと思うが、大河ドラマに
する必要がなかったようにも思う。
　一年間は長い。今後どういう料理方法を見せて行くのか、興味深い。

　きょうから明智光秀役として、萩原健一（ショーケン）が登場したが、
違和感なんてもんじゃなくて、浮きまくり。これまた今後が興味深い。