1月31日(木)

 東京ディズニーシーの余韻が、夜が明けても一向に冷めることがない。
 エンタテインメントの最高峰としての衝撃度が高すぎた。
 朝から、『ディズニーリゾートの経済学』(粟田房穂・東京経済新報社)
なんて本を読み始めてしまったものだから、さらに燃え盛ってしまってい
る。

 昨日も、夢の世界にお客さんを誘うノウハウに驚嘆していたんだけど、
この本を読んだら、もっともっと緻密な魔法をかけられていたことに気づ
かされた。
 たとえば建物にしても、1階、2階、3階と上がるにつれて、縮尺を小
さくしてるんだって! 1階から2階までが10メートルとしたら、2階
から3階までは、8メートル。3階から4階は、7メートルという風にし
ているんだそうだ。
 このほうが、より高く見えるからね。
 奥行きがあるように見えるから、開放感も原寸の物よりはるかに高くな
る。 
 園内を走る汽車にしても、原寸の5/8にして、人間の錯覚を起こさせ
ているんだってさあ。すごいこと考えるよなあ。

 東京ディズニーランドでいえば、お客さんが、ワールドバザールを抜け
たところで、シンデレラ城を見ると、お城が遠くに見えて、シンデレラ城
からワールドバザールを見ると、近くに見えるのは、この錯覚のせいなん
だって。これは以前日本テレビで特集していた、宮崎駿さんのアニメの遠
近法とおなじだね。

 やっぱり素晴らしいものには、隠し味が多い。
 能力の無い人間ほど、他人が作ったものを無闇に批判するものだ。

 そういえば、昨日も園内では、携帯電話通じるけど、グッズ・ショップ、
レストラン、カフェに入ると、圏外になってたなあ。これもわざとなんだ
ろうなあ。
 すごいな、すごいな、すごいなあ!
 圧倒されまくりだ。当分、ディズニーランドについて書かれた本を集め
読みしそうだ。

「不景気だから、経営不振は当たり前!」と吐いてしまう人は、ディズニ
ーランドの本を読んで勉強したほうがいい。目から鱗が、3000枚ほど
落ちるよ!

 うまくテーマパークを運営する原則は「やる気があって、エネルギッシ
ュで、愛想がよくて、向上心のある従業員」の確保だってさ! テーマパ
ークだけじゃなくて、世界中のお仕事、すべてがこれだと思うなあ!

 午前11時30分。嫁と、麻布十番の「EDOYA(えどや)」へ。ハ
ートビートの小林千尋くんと待ち合わせて、いっしょに食事。
 このお店の名物であるオムライスは、お昼限定のメニューなので、オム
ライスを食べる。やっぱり美味しいなあ。
「いままで食べたオムライスのなかで、いちばん美味しいかもしれない!」
と、小林くん。

 食後も、「ライフカフェ」で、仕事の話をあれこれ。

 午後2時。帰宅。『ディズニーリゾートの経済学』(粟田房穂・東京経
済新報社)を読み終える。

 午後3時30分。ハドソンの中本副社長、大里専務、梶野竜太郎くんに、
柴尾英令くんが加わって、『桃太郎電鉄』についての今後の話。
 きょうはとっても大事な話だったのに、土居ちゃん(土居孝幸)は歯医 者に予約を入れてしまったので欠席と、あいかわらず笑わせてくれる。  結論からいうと、『桃太郎電鉄』は今後も作る可能性が出て来たという ところかな。 『桃太郎電鉄X(ばってん)』が出たばかりなのに、何をそんなことを言 うのだ!という人もいるかもしれないが、今年に入って、99%終了させ るつもりでいた。どんなに売れようと、クリエーターにも最後の砦という ものがある。  ぎりぎり、砦の跳ね橋の前で、柴尾英令くんが全身に矢を浴びながら踏 み堪えているというのが、現状である。いっぱい矢が刺さりそうなお腹と 胸板ではあるが…。この状況に果たして、兵が一糸乱れぬ動きを見せるこ とができるかどうかである。曖昧な書き方をしているのは、事実。  とにかく私は今年で50歳になる。  いい環境でゲームが作れるなら、作れけど、劣悪な環境に置かれるなら、 別に無理して作らなくてもいい。  午後7時。柴尾英令くん、私、嫁に、麻布十番で3番目ぐらいに落ち着 きの無い菅沼真理(通称:すがねまチャン)さんの4人で、麻布十番の 「あん梅(ばい)」に初挑戦。すがねまチャンはランチに来たことがある そうだ。地元ものね。
 この「あん梅」は、珍しい干物専門店。  といっても、居酒屋さん風。もうちょっと「たぬき」っぽいお店を想像 していたけど、味はいい。  2月に、東京ディズニーシーへ行くことになっているすがねまチャンを、 3人がかりで「よかったよ〜!」と大きなお世話攻撃!  すがねまチャンは、必死にだじゃれと、擬音で応戦する。 「もようぉわ〜〜〜ん!」  不思議な言語感覚だ。  午後8時30分。帰宅。  今夜は部屋を片付ける。どこを掃除したかよくわからない程度にね。
 

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