1月12日(土)

 午前10時。京都ロイヤルホテルで、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令
くんと待ち合わせて、京都駅へ。
 みどりの窓口でキップを買い求めたら、「8分後のひかり号はどうですか?」
と言われ、プラットホームへ急ぐ。14号車は遠いなあ。

 午前10時30分。ひかり143号で、姫路駅に向う。
 ポカポカ陽気で、新幹線に差し込む陽射しが、眩しい。昨日に続いて、
きょうもやけに暖かい。春の陽射しのなかを新幹線は走っているようだ。
 仕事が捗(はかど)っているせいか?
 
 車中、『桃太郎電鉄11(仮)』の打ち合わせ。
 キングボンビーVSメカボンビーを大幅に変更しようと思っている。
 相変わらず電車のなかだと、いいアイデアが出る。
 柴尾英令くんの言いっ放しアイデアは健在なり。

 午前11時23分。姫路駅着。
 京都から姫路まで1時間以内ってけっこう以外でしょう。のぞみ号で岡
山までは1時間。みなさん、新幹線に乗って旅に出ましょう。

「姫路は、予想外に大きい街ですねえ!」と、柴尾英令くん。
 姫路は岡山と並ぶ大きな街になってもおかしくない破壊力を秘めている
と私は思っている。歴史上の人物のなかでは、ひときわ大好きな黒田官兵
衛が基礎を作った町だけに、えこひいきは激しいよ。
「町並みが、静岡に似てますよね」と、またまた柴尾英令くん。
 確かに、よく似ている。

 午後12時。駅前の「すし宗(そう)」へ。
 姫路といえば、穴子(あなご)である。
 穴子の箱ずし、煮込み穴子にぎり、穴子の蒸しずしなど、穴子ずくしを
注文。
 う〜む。四国高松に向う道中、明石のたこ焼き、姫路のあなご、岡山の ソースかつ丼、この3つのうち、どれを昼食にしようかと悩んでいたんだ けど、やっぱり穴子で正解だったなあ。このお店の穴子はやっぱりうまい。 とくに、蒸し穴子が絶品だ。

<おすすめのお店> 「すし宗(そう)」 住所:兵庫県姫路市南町58 電話:079-281-0395 営業時間:11:00〜18:00 定休日:水曜 おすすめ:蒸し穴子。

 食後、姫路駅の商店街を覗きながら、姫路城に向う。  途中、なにやら粉を焼くような匂いがする。  匂いにつられて行くと、土居ちゃんの大好きな鯛焼き屋さんが…。 「食べます?」と、土居ちゃん。
 土居ちゃんのその顔はすでに「ボクは食べるけど、さくまサンは?」と 聞いているだけである。すでに柴尾英令くんは「当然でしょう!」と、 ふんぞりかえっている。えばるような場面ではないと思うのだが…。  どうもこのふたりと旅行していると、金銭感覚ではなく、胃袋感覚が狂う。  午後12時30分。姫路城公園に到着。  日本じゅうのほかのお城を見れば見るほど、姫路城の美しさが際立って 行く。  まさに白鷺が翼を広げたようにだ。「白鷺城」の異名は見事なり。  世界遺産の第1号に選ばれるだけのことはある。  遠くにそびえる姫路城を前に、『桃太郎電鉄11(仮)』のオープニング・ アニメの絵コンテを打ち合わせる。  本来はこういう話題を公表してはいけないのだが、新年になってもまだ 『桃太郎電鉄11(仮)』の契約書を交わしていないので、何を書いても いいはずだ。守秘義務は発生していない。  今まではこういうことがあっても、ハドソンがかわいそうだと思って、 黙っていたのだが、権利は権利だ。正しく使わせてもらおうと思っている。  最新情報は誰でも聞きたいよね。  オープニング・アニメは、姫路城だ。わはっはっは〜。  その代わり、『桃太郎電鉄11(仮)』の契約書が成立した場合、オー プニング・アニメが姫路城じゃなくなっても、怒らないように。あくまで も現時点だ。成立後は、一切ゲーム内容について私はバラすことができな い。それが契約書というものだ。  予め考えていたコンテを、土居ちゃん(土居孝幸)に説明する。 「ふんふん。なるほど。ここからキングボンビーが…」 「いやいや、さくまサン、こういう角度からカメラを動かした構図で…」 と、柴尾英令くんが、アニメ枚数が増えるようなアイデアをバカスカ言い 出す。  まさに「日本一の言いっ放し男」である。  言うのは自由である。採用するかは監督の私が決める。勝手に私のいな いところで内容を変えるやつは、絶対に許さない!  午後12時47分。土居ちゃんと柴尾英令くんが姫路城の登城(とじょう) 開始! 私は登らない。ははは。何度か登って、この姫路城の恐ろしさは 熟知している。今回はとくに「ジャパンカップ2002」へのゲスト出演 がメインだ。ここで体力を消耗して、ドタキャンになってはお客さんに申 し訳ない。  省エネ投法で、体力温存を第一義に。
 私は公園脇のベンチで、美しい姫路城を眺めながら、メモ帳に、オープ ニング・アニメの絵コンテを書き込んでは、推敲(すいこう)する。  柴尾英令くんの言いっ放しアイデアは素晴らしいのだが、思いつきだけ に、穴も多い。その穴をもう一度丹念に埋めて行かないといけない。  ああ! 陽射しが気持ちいい。  コートを脱いでも、寒くない。  桜の季節に来たら、ここはさぞや美しいだろうなあ。  午後1時57分。土居ちゃんと柴尾英令くんが戻って来た。  1時間以上かかっている。 「いやあ、おもしろかったあ。これで600円は安いわ」と柴尾英令くん。  この辺のことは、柴尾英令くんの日記にて…って、まだ旅行中の日記を まったく更新していないなあ、柴尾くんは。 「ひ〜〜〜、けっこう疲れた」と土居ちゃん。  午後2時30分。前回、姫路城に来たとき、後姿の姫路城が美しく見え た姫路市立歴史博物館まで歩く。  往路、私の記憶がうろ覚えで、博物館までの道を間違える。1時間以上 の登城でへばってるふたりに、迷惑をかけてしまった。すまぬ。遠回りし たせいで、私まで疲れた。  おっと。歴史博物館の喫茶店から見る姫路城は、絶景だったはずなのに、 きょうは逆光で、お城が暗い。くそっ。こんなはずじゃなかったのに〜!  午後3時。けっこうくつろいでしまって、時間に余裕が無くなって来た。  市バスで、姫路駅へ。  午後3時15分。きょうは連休の初日なので、「みどりの窓口」が超満 員。いまから行列に並んだら、次のひかり号に間に合わなくなりそうなの で、自動販売機で、ひかり自由席券を買う。  午後3時27分。ひかり153号で、岡山駅に向う。  きょうは新幹線の発車を待つということがなく、時間が無くて、走る場 面ばかりだ。在来線の改札口から新幹線のホームまでは、どこも相当距離 があって、最低でも5分はかかる。5分前にキップを買ったら乗れないと いう場合が多い。  ホームに上がったら、1分以内に新幹線がホームに滑り込んでくるので、 とってもスリリングな一日だ。  午後3時50分。岡山駅着。  高松行きの発車まで、20分ぐらい時間がある。  きょう初めて、気持ち的に余裕が出る。   岡山駅構内で、土居ちゃん(土居孝幸)がパッケージ・イラストを描い た「桃太郎電鉄まつりずし〜すちゃらかトレインの旅〜」を発見。思わず 土居ちゃんは購入。ところが、次に駅弁を買いに来たおばあちゃんが「桃 太郎電鉄まつりずし、ください!」と言ったら「すみません、売り切れな んです!」の返事。  ありゃ。土居ちゃんがいま買ったばかりに、おばあちゃんが! 「新幹線のホームでも売っていますよ!」と、売店のおばちゃんはフォロー。  よかった、よかった。売れてるじゃないか。
 KIOSK(キヨスク)に置かれた「桃太郎電鉄人形焼き」もまだおなじ棚 でちゃんと売っていた。  午後4時11分。マリンライナー43号で、高松駅をめざす。昨年から もう何回、この電車に乗ったことだろう。  日本じゅうに、第二の故郷が増えて行く。  車中、今度は『桃太郎電鉄U(仮)』の打ち合わせ。  なんと『桃太郎電鉄11(仮)』の次の作品だ。  本来は『桃太郎電鉄U(仮)』が、『桃太郎電鉄11(仮)』になるは ずだった。  なぜか、こっちのほうは契約書を交わしているので、多くは語れない。  そんなときに限って、べらべらしゃべりたくなるようなアイデアが、ぽ んぽん出てくるから、不思議だ。 『桃太郎電鉄U(仮)』のほうが、新システム満載ですぞ。はっはっは。  午後5時9分。高松駅着。  改札を出ると、土居ちゃんが「なんだかすごくこの景色、見慣れたなあ」。  たしかに目をつむっても、全日空ホテルクレメント高松まで行けるよう な気がする。  午後5時30分。全日空ホテルクレメント高松にチェックインして、ロ ビーで、FMマリノの酒井秀樹くんと待ち合わせ。  午後6時。「歓(よろこび)中店」へ。  昨年このお店で食べたお刺身が美味しかったので、再見はうれしい〜!  いつか嫁を連れて、ここに来たいので、住所をここにメモ。  高松市今新町 電話(21)9566  こうしておけば、うっかり住所を忘れたときに便利。  姫路の「すし宗」もメモしておこうっと。  姫路市南町58 電話(81)0395  局番も書いておいてほしいなあ。  この「歓(よろこび)」に、去年からずっと進めていた「桃太郎電鉄石像」 を作ってもらっている三好石材の三好社長が到着。 「鬼無(きなし)駅」の見取り図を見せてくれる。  JR四国との話し合いもすんで、整地の話も完了したそうだ。  きょうは、桃太郎の像を、高松駅のほうに向けるか、反対に向けるかと いったこまかい話を決める。  東京から明日のイベントのために、高松入りしたハドソンの梶野竜太郎 くんも到着。  ふぐ鍋に、白子鍋を囲んで、仕事の話や、下世話な話など。  酒を飲むごとに、柴尾英令くんの顔がうれしそうになり、声がどんどん 大きくなる。
 午後8時30分。土居ちゃんは、梶野くん、酒井くんたちと「夢タウン」 へ。  明日の「ジャパンカップ2002」に展示される桃太郎電鉄の石像の ミニチュアを見に行く。最終チェックのためだ。  私と柴尾英令くんは、全日空ホテルクレメント高松へ。  ホテルにて、きょう出た『桃太郎電鉄』のアイデアをまとめる作業。  コンピュータのおかげで、どこでも仕事が出きるようになったけど、本 当に仕事しっ放しだなあ。  明日は、高松「夢タウン」でイベント。お近くの人はぜひ来てね!   大会に出場しなくても見に来るのは、入場無料だからね。
 

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