12月22日(土)

 まったくもう! 『桃太郎電鉄11(仮)』の仕事に対して、戦闘態勢
に入ると、神経が昂ぶってしまうので、眠りが浅くなってしまう。
 昨夜午前1時過ぎに寝て、午前3時30分には、目が覚めてしまう。
 ここで無理して、寝ようとすると、ますます目がさえて眠れなくなるの
で、『桃太郎電鉄11(仮)』の仕事を始める。

 午前8時。ようやく眠くなったので、『いつでも笑みを』をBGMにう
たた寝。

 午前10時。むっくり起き上がって、さらに『桃太郎電鉄11(仮)』
の仕事。
 物件メニューは、四国まで、終了。四国に新しい駅をふたつ登場させる
ぞ。今年の日記から、予想してみてね!

 午前11時30分。京都駅北口プラッツ近鉄6Fの「ソフマップ」で、
DVDを買う。京都用。へ〜、消費税入れても、3万円かあ。安いなあ。
プレイステーション2でも、DVD見ることができるわけだから、この
ぐらいの安さが可能なわけだ。

 午後12時20分。京都駅で、新幹線で到着した嫁を迎える。
 そのまま、京都伊勢丹デパート11Fの「和久伝(わくでん)」で、ラ
ンチ。

 6Fだったかな。「マール・ブランシェ」だったかな。ちっとも覚えて
ないなあ。喫茶店で、嫁の知り合いの若者・ロンくん、28歳、神戸在住
が合流。

 そのまま、いっしょに京都のマンションへ。
 ロンくんが、福岡県の出身で、大学は鹿児島だったというので、『桃太
郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』の九州編をやってもらう。
 ロンくんは、そんなに『桃太郎電鉄』シリーズを熱心にやっているほう
ではないので、貴重なデータがもらえる。どうしてもデータを取ろうとす
ると、マニアの人ばかり集まってしまって、初心者や、3年に一度くらい
『桃太郎電鉄』を買ってくれるお客さんにとって参考になりづらいデータ
になってしまう。

 たとえば、ステータス・ウインドウに「門司港まで 6マス」とあって
も、その下に「1年目 8月 あと4年」などというデータがたくさん書
いてあると、ゲーム慣れしていない人の目には、「目的地」という文字が
ないから、目的地の場所が目に入らなくなる。
 こういう人に対しても、マニアに対しても、両方を満足させる措置を考
えないといけない。
 かといって、何でもかんでも、お客さんに至れり尽せりにすると、お客
さんはゲームに対して、見下した態度を取り始める。このバランスが難し
い。RPGの謎解きのようなもので、難しすぎても、簡単すぎてもいけな
い。
 かのPPGの父・堀井雄二が教えてくれた「このくらいの謎なら、解け
るかな?」という塩梅が理想だ。
 これがゲームを作る側に回ると、「これなら解けまい!」と態度を豹変
する人の多いこと、多いこと。

 だから、ロンくんのデータは非常に貴重。
 目的地が、島原なのに、宮崎から、鹿児島に向って行ってしまう。
「あ〜、鹿児島を通り越しちゃった!」
「よっしゃ、特急カードつかうぞ! 特急つばめ! ノ〜〜〜! 赤マス!」
 うれしいねえ。鹿児島から、特急カードをつかうときに、「特急つばめ!」
と叫んでくれる。大分に行くなら「ソニック!」、湯布院に行くなら
「ゆふいんの森!」と叫んでくれるように作ったからね。

 いっしょに『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』を見
ていて、はらわたが煮え繰り返るようなイベントも出て来たのだが、そ
の恨みは、絶対次回作で晴らす。晴らせないなら、次回作が最後だ。

 午後6時。ロンくん、嫁といっしょに麩屋町夷川の「はふう」へ。
 クリスマス・ディナーとかいうメニューがあるというので、食す。
 手間のかかった、美味しい料理だ。
 こういう仕事をしないといけないんです、どの業界も。

 午後7時30分。京都のマンションに戻って、『桃太郎電鉄11(仮)』
の仕事!
 しばらくして、へっへっへ。『桃太郎電鉄11(仮)』の物件第1稿が
完成しましたぞ、柴尾英令くん! 速いでしょ?
 速いけど、本当に『バビル2世』の電磁波を喰らったように、身体を消
耗してるよ。

 引き続き、新作イベントと新作カードの仕様書作りに入る。
 

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