12月11日(火) 午前11時30分。嫁と、渋谷の「ブック・ファースト」へ。 特に名を秘すサラリーマン氏と待ち合わせ、3人で「宇和島」にて鯛め し定食。わざわざ「特に名を秘す」というと、重大な任務を帯びた隠密の ような相手かというと、単にこのサラリーマン氏が勤務中であるから、名 前と顔を公表できないだけである。 いわば匿名希望なだけである。 ヒントぐらい出したいものだが、私はわかりやすいヒントを出すので有 名なのでやめておく。 午後2時。佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ。 午後6時。近所の「スターバックス・コーヒー」で、貧乏神のモデルで おなじみの榎本来週48歳くんと、土居ちゃん(土居孝幸)と待ち合わせ。 どうもこのメンバーで集まると会話も『ジャンプ放送局』の口調に戻っ てしまう。 榎本「くも膜下出血で倒れてから、後遺症なのか、首が回らないのねん!」 さくま「えのクン、前から首回らなかったじゃないか!」 榎本「うん。借金で首が回らなくて!」 別にオチをつけて話さなくてもいいのに。 そのまま3人で、タクシーに乗って、神保町のパーティ会場へ。 タクシーを降りるときに、なんと!榎本「このタクシー代は、わたくしが…」 さくま「えっ、ほんと?」 土居「ほんとにいいの、えのサン!」 さくま「こんなチャンスはめったに無いからおごってもらおうかな?」 榎本「たぶん、さくまサンにタクシーおごるの、生まれて初めてだと 思う」 さくま「はっはっは。そりゃ絶対おごってもらわなきゃ!」 と言って、タクシーを降りたら、前に停車したタクシーから出て来た 乗客が、なんと『ドラゴンクエスト』の堀井雄二であった。 「あれ? おっちゃん!」 「よ〜、おっさん! 偶然だねえ!」 きょうのパーティは、堀井くんもいっしょなのだ。 どんなパーティかというと、集英社のコバルト文庫で、『いきなりミ ーハー』シリーズの小説を書いている人気小説&イラスト・コンビの落合 ゆかりと、カトリーヌあやこサンの、ン?歳のお誕生日会なのだ。 この『いきなりミーハー』シリーズは、もう20冊ぐらいになるのかな。 その時々のジャニーズ系のアイドルが登場する大ヒット作品だから、現在 20〜30歳ぐらいの女性なら、青春時代に一度くらいは読んだことがあ るかもしれない。 「落合ゆかり」と呼び捨てにしてしまうのは、昔、ずっと仕事を手伝って もらっていた時期があるから。 午後7時30分。JBズ・バー。名前が何だか『ジャンプ放送局(JB S)』みたいだ。 おお〜〜〜! お店に入ると、懐かしい顔、顔、顔…。 いまから20年も前の話だけど、私と堀井雄二は、『週刊セブンティー ン』という雑誌で、ライターをやっていた。 ちょうど、TVで『3年B組金八先生』が始まった頃で、近藤真彦、 田原俊彦、野村義男の、たのきんトリオがまたたくまにスターダムにのし あがった、あの頃だ。その、たのきんトリオの記事を年間400ページ書 いたのが、私だ。わっはっは。いろんな仕事してるでしょ。 そのとき、お笑い企画のページを担当していたのが、堀井雄二や、落合 ゆかりだったのだ。「わいわいワイド」というコーナーだった。私も何度 か仕事したことがある。 カトリーヌあやこサンは、私が『週刊セブンティーン』の仕事を辞めて から、フラーライターとして、『週刊セブンティーン』の仕事を始めたよ うなので、きょうが初対面。 土居ちゃん(土居孝幸)とも、実は『週刊セブンティーン』の編集部で 知り合った。結果的には、堀井雄二の後輩だったんだけどね。 そんなわけで、なんと! 20年前の週刊セブンティーンの編集さんた ちが、勢揃いしてしまったのであった。まさになつかし番組を見ているよ うだ。 えっ? 当時の編集長だった谷山さんって、いま、社長なの? どこの? 集英社の? ええっ!? 集英社って、あの集英社!? へ〜! ありゃ あ〜。社長になった谷山さん、来てるよ〜! ご無沙汰してま〜す! かつての編集者もいっぱいだ。 柳本くんだ。北畠くんだ。志沢くんだ。 もう、なつかしい顔だらけ! あっ。私とずっと、たのきんトリオの記事をいっしょに担当した、中野 のおばちゃん、いや、お嬢様ではないか! カメラマンの杉山さん、ちっ とも変わってないなあ! 大塚さん、清水さん、三浦さんだ、八木さんだ。 何だか、すっかり週刊セブンティーンの同窓会になっている。 私にとっては、いまも週刊セブンティーンをみなさんが編集しているよ うに思えたけど、今はみんなそれぞれ、別の編集部に所属しているそうだ。 そりゃそうだ、社長さんになっちゃった人もいるんだもん。 ほとんどの人が部長さんになっていて、当時新入社員として入って来た 人も、みんないまはどこかの雑誌の副編集長さんになっていた。 そんな年齢になってしまったんだなあ、自分も! 今夜ここで「なつかしいなあ!」という言葉をあちこちで、1000回 以上聞いたような気がする。 ひょっとすると、高校時代の同窓会よりもなつかしいかもしれない。 とにかく当時の編集さんとフリーライターは、仲がよかったのだ。 アットホームな感じで、和気藹々だった。 そのムードが伝わったのか、きょうのこのなつかしいメンバーが揃って いた頃、週刊セブンティーンは、最高部数78万部を記録したそうだ。 もちろん、パーティのほうは、落合ゆかりと、カトリーヌあやこサン中 心で、大いに盛り上がる。 途中、かつての『フィーリング・カップル5対5』もどきのゲームがあ って、落合ゆかりと、カトリーヌあやこサンが、タレントのお面をつけた 男の子を選ぶみたいな仕掛けの趣向があった。 このとき、選ばれた男の子がお面を取ると、なんとあの元男闘呼組の 成田昭次くんだったりして、会場じゅうがびっくり! そのまま歌を2曲歌ってくれたりの豪華版。 最後は、いまだ独身の落合ゆかりと、カトリーヌあやこサンに対して、 みんなで郷ひろみの『お嫁サンバ』を全員で踊り狂って、終了。 思い出は何よりの調味料だねえ。 でもこのふたりの人徳だからこそ、かつての『週刊セブンティーン』の 編集者さんたちが勢揃いできたのだろう。 一夜限りの再結成バンドのようだった。 午後11時。帰宅。
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