11月27日(火)

 午前11時30分。嫁と、銀座有楽橋の「千ふじ」へ。ふぐ天丼を食べ
る。ふぐの美味しいお店なのだから、刺身を食べるべきで、天ぷらを食う
べきではなかったかも。
 このお店H讃岐うどんの「さか田」の隣り、おでんの「よしひろ」も すぐ近くにある。この辺一帯は、ちょっとマニアックな飲食店が多い。  食後、東京駅近くの八重洲ブックセンターへ。  日本でいちばん本の多い書店と言われているだけに、私も嫁もほしい本 だらけで、両手に抱えきれなくなって、けっきょく宅配便にしてもらう。  ここはまとまって送ると、送料が無料になる。  しかし手ぶらになって身軽になったはずなのに、本屋さんに入って、手 ぶらで帰るのは何か淋しい気分なのはなぜだ。  午後2時。都営浅草線宝町のナショナルビル、松下電器産業株式会社 eネット事業本部へ。  松下電器産業の高田直幸さんに会うというよりも、まだ元タカラの 高田直幸さんと言ったほうが、しっくり来る。  前回、高田直幸さんがこの会社に入社したときは、営業内容は極秘だっ たので、くれぐれも日記には仕事内容を書かないでくださいといわれた。 でも高田直幸さんに会った日の日記を見てもらうとわかるけど、その仕事 内容を説明しようにも難しくて、書きたくても私は書くことができなかっ た。えっへん。えばるな。
 というわけで、今回は高田直幸さんに懇切丁寧に、仕事内容を教わった。  要するに、110度CSデジタル放送epというのが、来年の春に放送開 始するわけだけど、そのコンテンツ作りに携わっているようなのだ。  くわしいことは、こっちの↓ホームページを見て! http://www.epep.jp/ イーピー株式会社   なにしろ、ここ1ヶ月間、BSデータ放送、ブロードバンド放送、CS 放送といろんなメディアの放送について聞いたので、何が何だかわからな くなってしまった。どれもこれも一長一短あって、おもしろいんだけど、 微妙に似ていて、わかりづらい。  でもこういう混沌としていて、カオスの状態のときが、いちばんおもし ろいことができるので、極力顔を突っ込んでおきたい。  午後4時。銀座三笠会館1Fの喫茶店で、日立エンジニアリングの最上 谷学に会う。高校時代の物理部の後輩である。私が物理部だったことを深 く追求しないように。まったく物理のことはわからん。
 最上谷学からは、セキュリティ・システムのコンピュータ化について、 いろいろ聞く。現在ピッキング犯罪の多発などで、最上谷の部署は空前の 収益をあげているようだ。不景気のいま、珍しいほど景気のいい話だ。  不景気でも、何かはこのように商機があるのだ。  しかも成熟、円熟期に入ったものではなく、新しい需要に対応する商売 だけが、ヒットする。もはやゲームは成熟期に入っているから、これから 新しい物など生まれるわけがないのだ。  あるとすれば、ブロードバンド対応のゲームだったり、けん玉、竹馬だ ったりするってことだろう。ベイブレードが流行したのは好例だ。  まだ12月になっていないというのに、銀座の通りは、どこもクリスマ スツリーでいっぱい。きれいだけど、ちょっと早過ぎない?
 午後6時。銀座博品館隣りのバーバリービル3Fの喫茶店。  テンユウの杉沢義文夫妻の音頭取りで、ああ! もう! うひょひょの ひょ。  きょうは私にとって、とんでもなくうれしい人に会うことになっている。  …なんてことを言いながら、また放送作家の福本岳史くんだ?というよ うなオチではない。ただし、私にとってだけ、格別な人で、ほかの人には その価値がわからない人である。  ではその人を紹介!   その人は小島克典さんといって、横浜ベイスターズの2軍組織である湘 南シーレックスの球団職員の方なのだ!  どうだ〜〜〜! 私が異常に興奮してるいのが、わかる人にはわかるだ ろう!  へっへっへ。うきうき。わくわく。  何でも、杉沢義文さんが、小島克典さんと知り合ったときに「知り合い に日本一の横浜ベイスターズ・ファンがいる」と私のことを言ったらしい。 その言葉を聞いたあと、小島克典さんは私のこの日記を見て、なるほど濃 い横浜ベイスターズ・ファンがいたもんだとあきれ返ったわけだ。  しかも小島克典さんから、天にも昇るようなうれしいメールをいただいた。  引用させていただく。  仕事柄、これまで数多くの横浜ファンの方と知り合う機会がありました が、これほどまで本格的かつ情熱的な方はいませんでした。  ふっふっふ。はっはっは。私にこれ以上のホメ言葉はない!  日本一のマニアならほかにもいるだろうけど、情熱なら負けない自信は あるな。  なになに。奥さんは、ジャンプ放送局のファンだった? ますますいい 人たちではないか! これはもう会うっきゃない。  そんな事情の会食なのだ。  博品館裏の「クッシーナ・デ・イタリア」へ。  メンバーは小島克典さん夫妻、杉沢義文夫妻、私と嫁の6人。  はっきりいって、小島克典さんに会った瞬間から、私の視界から、嫁や 杉沢義文さんが消えてしまった。  何たって、小島克典さんは、湘南シーレックス事業部の方であるからし て、二軍選手の名前をずらずら並べても、全然平気なのだ。  それはもう、虎を野に放ったようなものだ。私に横浜ベイスターズのこ とを心ゆくまでしゃべっていいというご神託をいただいたようなものだ。 「湘南シーレックスで、将来長距離バッターになるとしたら誰ですかね」 「七野(しちの)選手でしょうねえ!」 「七野選手は、たしか今シーズン、2軍戦で本塁打は、14本でしたよね」 と私。 「す、すごい! 当たってますよ!」 「2番目に打ったのは、古木(ふるき)選手で、12本でしたっけ?」 「そ、そうですよ! すごい!」  へっへっへ。湘南シーレックスの職員の方に誉められちゃったよ。  ダメですよ、こんなおだてられ方をされたら、もっと、もっと、横浜ベ イスターズの話をしちゃいますよ。と思ったときには、すでに時遅し。  1998年、38年ぶりの優勝の年に起こったおもしろい話、甲子園球 場まで行った話、あれこれ、それこれ、べらべら、めらめら、しゃべり倒 す! ラジオ番組でもこれほどまでに、マシンガン・トークをしたことが ないという勢いでしゃべり続けてしまった。  小島克典さんからは、ロバート・ローズ選手退団のときの話やら、サン ダース選手のバッティングがすごかったという話をしてもらって、私はご 満悦。 『月刊ベイスターズ』や『日刊スポーツ』や『神奈川新聞デイリーベイス ターズ』、『iモード版ベイスターズ速報』以外でのここだけ情報を入手 できる機会なんて、まず無いからねえ。  それにしても、仕事とはいえ、小島克典さんもまた湘南シーレックスを 愛しているのがよくわかる人だ。こういう人が球団職員をなさっているな んて、ますます横浜ベイスターズを好きになってしまうよ。  最後に、小島克典さんから、仰天のプレゼントをいただいてしまう。  1998年のリーグ優勝のときの、全選手の名前が入った盾だ!  もちろん、非売品〜〜〜!  こ、こ、こんなものをいただいてしまうなんて…。ううっ。思わず目頭 が熱くなってしまったではないか。  さらに、球場に行かないともらえない湘南シーレックスの新聞を、な、 な、なんと2年分!!! もう、ぎゃおおおおお〜〜〜っ!だ。  湘南シーレックスのファンブックももらってしまったぞ!  もうまるで桃太郎が鬼が島から帰るときみたいだ。  午後9時30分。嫁に促されて、お店を出る。このままでは私は小島克 典さんを家に帰さなくなってしまいそうな勢いだったらしい。はっはっは。 情けねえ。たしかに、もっともっと聞きたいことはたくさんあった。  だいたい、せっかく奥さんの由紀子さんが『ジャンプ放送局』のファン だっていってくれたのに、まったく『ジャンプ放送局』の話をせずに、横 浜ベイスターズの話ばかりしてしまった!  杉沢義文さんの「じゃあ、またこのメンバーで来年1月ぐらいにまた会 いましょうか?」という社交辞令を間に受けて、家路に着く私であった。
 午後10時。帰宅。  小島克典さんからいただいた物をしげしげ、にまにま眺めたり、読み始 めてみたり…。 
 

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