11月8日(木)

 猛烈な読書欲に取り付かれたと思ったら、今度はビデオ欲だ!
 NHKの大河ドラマが無性に見たくなってしまった。

 昨夜『草燃える』の総集編第1回を見た。
 源頼朝が、石坂浩二さんで、北条政子が、岩下志麻さん。
 どちらも現役でいまも年相応の演技をしている人たちだけに、若い頃の
フィルムで恋愛ドラマを演じているのを見るのは、妙だ。というか見ている
こっちが気恥ずかしくなる。本人たちが見たら、もっと恥ずかしいだろう。
 
 歴史のお勉強は、NHKの大河ドラマで当たりをつけておいて、専門書な
どを読んで行くのが手っ取り早い。
 ちなみに、先日「豊臣秀吉というと誰?」という会話になった。
「私は竹中直人だった!」。
「私は『おんな太閤記』のときの、西田敏行さん」。
「どの作品だったか忘れたけど、火野正平さん!」。
「オレははるか昔の緒形拳さんがいきなり秀吉役でデビューしたときだなあ!」
という風に、それぞれ世代によって違う。
 ほら、いまみんな自分のときの秀吉は誰だったかな? 信長役が思い出せ
ないなんて検索してるでしょ?
 なにしろNHKの大河ドラマって、昭和38年から始まっているからね。

 私なんか、歴史好きになったのは、昭和48年のときの『国盗り物語』で、
このときの黒田官兵衛役の人を格好いいなあと思ったのがきっかけだからね。
でもその憧れの人の名前は、江守徹さんだからね〜。
 いまのバラエティ番組に出て、酩酊している江守徹さんを見るとね〜!

 まあ、そんなわけで、歴史は大河ドラマからってわけで、現在『草燃える』
で鎌倉時代をお勉強してるのだ。今年、蛭が小島も行ってるから、昔より頭
に入る、入る。私はどうも地理がわからないと歴史もわからないようだ。
 
 午後3時。霊能者兼漫画家の岩崎摂さんが来たので、悪魔のケーキ「ドゥ
リエール」へ。ミルクレープの恐怖を味わってもらう。
 私は心を鬼にして、ミルクレープを拒否したあげく、胡麻のシフォンを半
分にしてもらう。
「うん。ミルクレープ。これはすごい。はまる気持ちがわかる。今度うちの
娘、連れて来よう!」と岩崎摂さん。
「地下鉄の青山一丁目駅下車だからね!」と私。
「さくまサン家から、歩いてくるから大丈夫だって!」
「いや。絶対あんた間違える!」
「そうかもしれない!」
 人間年を取るとお互い、納得が早い。
 
 午後6時30分。嫁といっしょに新宿厚生年金ホールの前で、脂肪英令くん、
いやわざと間違えた。柴尾英令くんと待ち合わせて、鶏鍋の「玄海」へ。

 寒くなってくると、鶏鍋が美味しい。
 鶏鍋をつつきながら、今後の桃太郎シリーズのことを打ち合わせる。
 例によって、柴尾英令くんにヘッドコーチ役就任を要請する。というか…。
「さくまサン、また勝手に決めてる!」
「本気だよ。柴尾英令くんがやらないというなら、オレはもう桃太郎シリー
ズやめてもいいと思ってるよ。コンシューマー・ゲームはもう体力的にきつ
い! とくに『桃太郎電鉄』シリーズは、精密なコントロールが命だから、
維持して行くのが非常に難しいし、本当にゲームのことがわかっている人が
いないと、作れない!」
「まいったなあ! いいゲームは作りたいですけどね!」

 午後9時。新宿3丁目の飲み屋「ぶらうに〜」に場所を移して、さらに今
後の桃太郎シリーズをどうして行くかを考える。
 いつもの馬鹿話はそこそこに真剣に今後を考える。

 私は来年、50歳だ。節目の年を前にして、人間いろいろ惑うものだ。
 ゲームもいいけど、まだやり残した仕事、一度やってみたかった仕事のほ
うが、いまは気になる。

 午後10時30分。帰宅。
 読書欲も衰えず。
 

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