11月7日(水) 朝、5時起きで、読書。 もはや病気に近い読書欲! 読んでは、寝る! 起きては、読む! 午後12時。ひさびさ、「おけいすし」のお寿司ランチ。夜の絶品お寿司 が格安のお値段で食べられるだけに、全席満杯。お見事! 午後1時47分。嫁と新宿駅から特別快速に乗って、立川駅へ。 立川駅から青梅線に乗り換え、ごとごと各駅列車。 昭島駅、福生駅、拝島駅と知名度の高い駅があるわりに、どうも沿線の景 色は個性の少ない住宅地ばかりだ。 午後2時45分。青梅駅に着いたとたん、山が見えた。 最後の一駅で、ずいぶん景色が変わるじゃないか。 しかも山は紅葉しているぞ。 都心からわずか1時間で、この変貌は旅気分満点だ。 青梅駅で下車。実は今年ずっとこの町に来てみたかった。 昔の映画の看板を町のあちこちに展示してるらしいのだ。 そういう町おこしみたいな仕事をやりたくて、チャンスがなかったから始 めたのが、実は『桃太郎電鉄』なだけに、こういう町があると、必ず見に行 くことにしている。 しかし、駅前にぽつんと1枚『鉄道員』の看板があるだけで、ほかには 1枚もない。本当に看板はたくさんあるのかな。ちょっと心配になる。 案内板には「キネマ通り」の文字があった。これかな。 とりあえず、旧青梅街道に向う。 あの青梅街道である。当たり前のことだが、青梅街道の起点だ。 何だか映画の看板が登場する前に、朽ち果ててしまいそうな商店ばかりだ。 すでにシャッターが閉まったままのお店が多い。 まだ見当たらない。 おお! あった! あった! あっちの家の屋根にも、こっちの屋根にも。 『太陽の季節』だ。『月光仮面』だ。 『風と共に去りぬ』だ。『第三の男』だ。片岡千恵蔵だ! 戦前・戦後の名作映画の数々が、映画館の看板を飾ったように、家の二階 で「どうだ!」と言わんばかりに、自己主張している。 もはや日本でただひとりになってしまった青梅出身の映画看板師の人がず っとここの町に往時を偲ぶ映画の看板を描き続けてもらっているそうだ。 少しずつ描いているようで、すでに『男はつらいよ』の看板なんかは塗料 が剥げ始めている。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ こういう町づくりって、いい企画だと思う。 でも駅前にたった1枚というのが、もったいないなあ。 駅前にずらりとあったら、駅を降りた瞬間から、昔々にトリップできるの になあ。ついでに駄菓子屋さんもあったり、紙芝居屋さんもあればいいのに。 唯一「昭和レトロ商品博物館」という、昭和の懐かしい品物を展示してい る小さなお店があったけど、これだけじゃ弱い!
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ もうちょっと、もうちょっと、本当にもうちょっとで、この町、休日には 人であふれかえるような町になれるのになあ! 惜しい! 惜しい! 映画のパンフレットを売っているお店もあればいいのに。 古いビデオを売っているお店もあればいいのに。 100人ぐらい収容でもいいから、映画館がひとつ欲しいよなあ。 学校給食を食べさせてくれるお店があればいいのに。 少子化で学校の先生もいらなくなってくるんだから、1時間1000円で、 小学校とか、中学校の授業を受けられる常設の学校ってどう? 大人になっ てから向学心に燃える人って多いから、産業としても絶対なりたつと思うなあ。 40歳以上の運動会開催もいいなあ。 童心に帰れる町って、高齢化社会の時代にいいと思うけどなあ。 午後3時30分。「昭和レトロ商品博物館」の隣りの喫茶店「となりの レトロ」に入る。「となりのレトロ」という名前はおもしろいけど、もっと レトロ調の喫茶店名つけてくれなきゃねえ。 お店の人たちはとっても親切でよかったんだけど。 石原裕次郎さんの映画に出てくる喫茶店の名前なんかにしたら、喜ぶ人多 いだろうに。そうだよ、せっかく今の都知事が、石原慎太郎さんなんだから、 あの人の作品で映画化されたものや、石原裕次郎さんの作品をどんどん描い たり、上映したりすれば、大喜びで町おこしを手伝ってくれそうな気がする のになあ。 ちなみに、青梅は東京都ですぞ、皆様方! 景色だけ見てると、北陸と間違えそうだけど、間違いなく東京都だ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ とにかく都心からわずか1時間という好立地は、観光地として大化けする 可能性大だ。もったいない、とにかく、もったいない。 このあと、この町に「青梅鉄道公園」というのがあるのを以前から知って いたので向うが、途中でとてつもない急坂を目の当たりにして尻込み。 つい最近ここに来たムサシノ広告の伊東正義の「さくま! あそこまで行 く坂道はかなりきついぞ!」という言葉を思い出す。 伊東正義が「きつい」とうなら、間違いなく私には無理だ。ここ2〜3日、 背骨がずっと痛いままなのもあって、断念する。すでにあたりが暗くなり始 めている。着いた頃には、デジカメできそうにない…というのはいいわけ。 この「青梅鉄道公園」は後日、また来る予定。今度はタクシーで一気に 「青梅鉄道公園」だ! 午後4時47分。青梅駅。快速東京駅行きが始発で出るというので、3本 電車を行き過ごして、この快速に乗ったのだが、青梅線はずっと鈍行、立川 から中野駅までも鈍行、中野駅から初めて快速になるというではないか! もっと早めに快速になれよなあ! 午後5時52分。新宿駅着。 まだ本を買いたりないのか、紀伊国屋書店でちょっとだけ…。 午後6時30分。娘が合流して、中村屋で食事。 私と娘は、ハヤシライス。嫁はコールマン・カリー。 午後7時30分。帰宅。 読書開始。 ふ〜ん。松尾芭蕉って、故郷の伊賀上野をあんまり好きではなかったのか あ! 私のように伊賀上野を好きになったのが縁で、松尾芭蕉を好きになった男 の立場はどうなるんじゃい。 やっぱり本は妙なことを教えてくれる! 『駅弁大会』(京王百貨店駅弁チーム・光文社新書)もおもしろいぞ! いまごろ、読書の秋だ! 遅いっ!
-(c)2001/SAKUMA-